第162回国会 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議 第4号(平成17年6月6日(月曜日))抜粋 案件:
年金制度をはじめとする社会保障制度改革(年金制度の現状認識及び将来の見通し)について
○与謝野会長 次に、阿部知子君。
○阿部議員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
国会が、小泉首相が御執心の郵政改革問題で論議が十分とは言えませず進められておりますその裏で、国民の最も関心事である、国民にとっての一丁目一番地であるところの社会保障制度については、さきの経済財政諮問会議並びに尾辻厚生労働大臣の、医療をめぐるどのような形での二十一世紀の保障を行っていくかということの論戦も含めて、実は、国民には十分見えないところでのやりとりが交わされているように思います。
私は、冒頭、一回目のこの年金論議の中でも申し上げましたが、今、我が国の国民を広く覆う不安感、例えば、小さいお子さんをお持ちのお母さんたちから、あるいは年金の給付額がどんどん減っていくことに対しての御高齢者の不安まで、ありとあらゆる生活上の不安は、社会保障制度に対してのきっちりとした国の骨格が示されないところにあると思っております。その意味でも、この年金の論議と申しますのは、きょうが回を重ねて三回目でございますから、せめて基本認識くらいは一にしたいなと思いながら、私は冒頭の田村議員あるいは仙谷議員、坂口前厚生労働大臣の御発表を聞いておりました。
一番の認識のずれは、やはり仙谷議員も御指摘になりましたように、現在の年金の、とりわけ国民の基礎年金となるべき国民年金一号の問題、これを空洞化と言うか、あるいは田村議員が何度も何度も繰り返されました、破綻していない、破綻していないという言葉、この一つをとっても、そもそも最初の論議の土台が崩れていると思います。その意味でも、まず事実をしっかりと認識する共有のデータが必要のように思います。
ちょうど、六月三日、社会保険庁が、この間の国民年金の納付率状況をお出しになりました。国民年金加入者、そして厚生年金加入者ともやや減ってございますが、実は、納付率は、ことし六三・六%と十六年度で出ておりますが、本来であれば、ことしの納付率は六五・七%が計画値でございました。現状六三・六、そして計画値は六五・七、ああ、たった二%低いだけかと思われるのであれば、やはり病が膏肓に入ってからしか手当てができないやぶ医者になると思います。
私は、この数値、そして、実はどなたもお触れになりませんが、この中には全額免除者が十四万人もふえて、学生免除者が五万人もふえて、分母が低くなってなお納付率は、昨年、一昨年とほとんど改善していないのです。全額免除者をふやす、学生免除者をふやすという、本当に小手先だけの策でやってまいりましても、なお改善しないというところにしっかりと目を向けていただきたい。
そもそも納付月数も減っておりますし、そして納付金額そのものが減ってございます。納付月数は、予定では一億三千七百十六万月、これが一億三千百十一万月と四・四%減。そして、このことに対しまして、当然ながら、納付される金額も減ってくるということでございます。失礼しました。今のは実績値と計画値のずれでございます。そして、金額についても同じように減少をいたしております。であるならば、何がこの背景として隠れているのかということをまずきっちりデータを整理する必要があると思います。
わけても年齢別の納付状況は、これは何度も繰り返し私も述べさせていただきましたが、しっかりと把握していただきたい。例えば、二十歳から二十四歳の納付状況が四八・六%、これは、学生免除者を除いた後に、なお半分しか納めておられない。二十五から二十九も同じように五〇・二%。
年金制度と申しますのは、将来の設計がどのようなものとして支え得るかということが最も肝要である中で、高齢化のピークに差しかかりますこの二十歳から二十九歳の世代が、二〇四〇年、まさに受給者にならんとするとき、半分が未納、未加入、あるいはそれに近い、二十五年ないような状況になるということを深刻に受けとめていかなければならないと思います。
そして、そういうことをさらに踏み込んで分析いたしますと、もちろんこの方たちの年収の問題がございます。これはただいま小池議員がお触れになりましたので繰り返しませんが、あわせて私の方で、例えば失業率や生活保護率の高い都道府県が国民年金の納付率が低いこと、これは明らかな正の相関関係がございます。当然ながら、地域産業の落ち込みが失業率を高くし、生活保護が高くなるということでもありますが、こうした相関関係をきっちりひもとかないと、今の、徴収をやみくもに進めていく、数値だけ上げるという愚策がそこに登場いたします。
あわせて、実は、これも幾人かから御指摘があると思いますが、都市部ほど国民年金の納付率が低い状態になっております。もちろん都市部ほど若者が多いということもございますが、全国十四の政令指定都市はすべて全国平均より納付率が低うございます。
こうしたことをきっちりと解決していくための改善策が何であるのか。
この場合に、先ほど来、例えば今後の年金一元化問題にあって、いろいろな議員が御意見をお述べになりましたが、私自身は、年金が働き方に中立的であるという一線を今逸脱してしまっている。企業にとっての年金の保険料負担がさらに非正規の職員をふやす、非正規の職員と正規の職員の賃金格差が開き、ますます払えない状況が強まっている。そうしたことをしっかりと見たときに、これから二十一世紀の働き方が、例えばパート、アルバイトのような短時間の働き方も選べて、なおかつ社会保障があるという仕組みのための一元化を私ども社民党は提唱しております。
こうしたことの事実分析のために、やはりこの合同会議のテーマを絞っていただき、特に六月三日に出された社会保険庁の報告をきっちりとひもとくような場にしていただきたいと思います。
あわせてもう一点、少子化についても、一・二八八というデータが出されました。これを恣意的に一・二九と切り上げることは可能ですが、実は、一・二九以下に固定してしまっているということが、そもそも、その世代が年金を受給するときまでは安心などと言っておられるのであれば、さきの年金改革で、マクロ経済スライドという方式を用いて、子供の出生率と経済の成長率ということに年金給付の照準を合わせていったことの意味が何であったのか、足元から崩れていってしまうと思います。
こうしたことをひもとく中でも、特に現在の少子化においては、これは、一九八九年の一・五七ショックのときとさらに一歩加わった状況が今の少子化を加速させていると私は思います。一九九〇年代後半、特に雇用の流動化、働き方の流動化といううたいはよかったかもしれません。しかし、その実、進められたことは労働の二極分化、労働時間も正規の方を含めて長時間化する方もあり、また、賃金格差も開いておるというような実態です。
今、非正規の若者は、女性であれ男性であれ、三十五歳まで非婚率が五〇%という数値になっております。若者たちが子供を生み育てていくことを選べる社会の働き方にも、社会保障制度にもなっておらないということを政治が深く受けとめて、きっちりとした論議がなされることを希望して、私の発表とさせていただきます。
〔会長退席、仙谷会長代理着席〕
○仙谷会長代理 これにて各党からの発言は終わりました。
―――――――――――――
○仙谷会長代理 引き続き、議員間の自由討議を行います。
一回の発言は三分程度で、会長の指名に基づいて、所属会派と氏名を名乗ってから行ってください。
なお、発言時間の経過については、三分経過時と、その後は一分経過ごとにブザーを鳴らしてお知らせいたします。
それでは、御発言のある方は、お手元のネームプレートをお立てください。
〔中略〕
○阿部議員 今の伊吹先生のお話も前向きに伺いながら、私のコメントも少しさせていただこうと思います。
私は、きょう、国民年金一号の被保険者像をもっとクリアにすべきだということからお話し申し上げましたが、実は、この国民年金一号被保険者、いまだに繰り返し自営業者等のという言葉が使われますが、最近になってようやっと自営業者やフリーター等のという二つの頭がつくようになりました。
この年齢を見てみますと、皆さんもお気づきかもしれませんが、実は四十歳以下の方が過半数になっております。二十歳代と三十歳代が過半を超えております。ここは、先ほどの御指摘にありました厚生年金の空洞化、あるいは企業主の負担を避ける姿勢から来ておりますので、私は、やはり企業の社会的責任というのは、雇用した人に対してきっちりとした社会保障をつける、と同時に、社会全体にも責任があると思いますので、伊吹先生のおっしゃったように、基礎年金部分に入っております企業負担というのはきっちりと維持していただく必要があろうかと思います。
その意味で、消費税のみに財源を求めるという立場には立っておりませんし、過渡的に今先生が御指摘のようなことも検討されるのかなと思いながら伺っておりました。
そして同時に、この間社会保険庁が、五百万円以上の方について、かつ未納の方が百二十万人おられるので強制徴収をなさるということをおっしゃっておられますが、その背景には、実は、この国民年金一号の加入者の所得状況が、逆に言えば、ある程度把握されているんだと思います。把握されているのであれば、そのデータをお出しいただきたい。
私がこの間要求しましたデータの中で、年収五百万円以下の方が、いろいろな、世で言う自営業、その御家族、常用雇用で厚生年金ではないという方もおられます。それから、パート、無職など、全体を合わせて、五百万円以下が六割以上、七割近くでございます。
私は、先ほどから失業率や生活保護率の高さときっちりと連動しておるんだと申しました背景には、今の収入に対して保険料が高過ぎるということと、それを、先ほど坂口先生がおっしゃったような、所得比例に限りなく近づかせていくような方向での改善はどうかという御指摘もあろうかと思いますが、そうではなくて、働き方が、逆に言えば、現状は苦しいパートという選択ですが、もっと言えば、その先はいろいろな働き方を選べるという意味で、年金と働き方がお互いにきっちりと組み合わされていくような一元化を求めるという見解を持っております。
○遠山議員 公明党の遠山清彦でございます。
私、きょう、二点意見を申し上げて、また、民主党案について、先ほど枝野議員からもお話があったんですが、お聞きをしたいことがございます。
一つは、民主党の御提案では、全国民に所得比例の保険料が適用されるということでございますので、当然、パート労働者とかフリーターなどからも所得比例の保険料を徴収するということになると思うんですが、きょうの議論でも出てまいりましたけれども、パートやフリーターが支払う所得比例の保険料というのは、労使折半になるのか、それとも全額本人負担になるのか。これは民主党案には、枝野議員笑っておられますけれども、書いてありませんよね。書いてありますか。
それで、労使折半であれば、事業主負担は大幅に増加をするということで確認をさせていただきたいと思いますが、また、もし全額本人負担ということであれば、これは、事業主負担を逃れるために今非正規雇用がふえているということに何ら対応していないということになるわけでございます。その点について、与党案も同じように批判をされておられますけれども、我々も、昨年の改革では附則に書いただけで、パート労働者の適用は見送っているわけでございますが、全国民対象の所得比例になったときに、これは同じような批判にたえ得る改革になるのかどうか、私はまだ釈然といたしておりません。
二点目は、第二回のこの会議で枝野議員がおっしゃったことで気になることがあるんですが、負担の上限と給付の下限の両方を定めるのはおかしいということをおっしゃっておりました。だから現行の年金制度はおかしいということなんですけれども、そうしますと、民主党としては、負担の上限を決めて、給付はどこまで下がってもいいというお考えになるのか、逆に、給付の下限を決めて、負担は青天井で上がっていいということになるのかということなんですね。岡田代表は第二回の会議で、所得比例年金の保険料は一五%を超えない範囲で制度設計するというふうにおっしゃっておりますので、これは、保険料の上限を民主党として一五%に決めているかのような御発言でございます。
ただ、ここで疑問になるのは、所得比例部分の給付が減ったら税方式部分の給付額を引き上げる、トータルで給付水準を維持するということになってしまうと、今度は消費税率が青天井で上がってしまうという問題が生じるわけでございます。
それから、もう一点御指摘申し上げたいのは、昨年の四月九日の衆議院本会議で、民主党の五十嵐議員が趣旨説明質疑において、民主党は給付の下限はつけないんですかと聞かれて、給付水準は最低限五〇%を確保したいとおっしゃっておるわけであります。そうしますと、民主党としては、実際には、国会の答弁で給付の下限を事実上一緒に御提案されているということなんですね。
私、これは、年金の一元化をして仮に今の制度を変えていったとしても、負担の上限と給付の下限という問題は民主党案でも残るわけでございまして、私の議事録等を読んだ理解では、民主党も負担の上限と給付の下限を示して与党案に臨んだのではないか。そうしますと、先般、今の制度はだめなんだ、その最大の理由は負担の上限と給付の下限を決めたことだというふうにおっしゃったことが論理的に自己破綻されているのではないかというふうに御指摘をさせていただいて、もしこの二点目についても御意見があればお伺いをしたいと思います。
○枝野議員 昨年の議事録をちゃんと読んでいただければ、なぜパートを含めて一元化するかといったら、それは、今も御指摘があったとおり、事業主負担から逃れるためにパートやアルバイトに切りかえている、これを阻止する方法はたった一つしかないんです。事業主負担をなくするか、どういう雇い方をしても同じように事業主負担にするか。だから全員一律の一元化されたことにすると、ちゃんと答えています。全部ちゃんと雇用に応じて払ってもらう、当たり前のことじゃないですかと。それは議事録を読んでもらえば、それにちゃんと答えているはずです。
それから給付の下限の問題。先ほどのここでの議論を聞いていただければ、ちゃんとはっきり、きょうの答えの方が出ています。
なぜかといったら、みなし掛金建てをすると言っています。みなし掛金建てをするんですから、その掛けている年数などをいろいろ考えていくと、掛ける年数が大体四十年ぐらい、受け取る年数が、そこから先、平均余命まで。現行の平均余命を考えると、現役世代時代に納めていた月額平均の保険料に対して、所得比例年金では大体その二・五、六倍の給付を受けるということになりますと。
ただ、所得の低い人たちには最低保障年金がくっつきますから、そういう部分のところで、なおかつ消費税は三%ぐらいが今納得される水準だから、そういうところを合わせると五〇%を維持したいと申し上げているので、維持できますなんてことは一切言ってきていません。そこのところは、維持したいと言うのと、維持しますと言って百年安心とうそをつくのとは明確に違うということは区別させていただきたいと思います。
それから、先ほど来の話で民主党案の揚げ足取りを一生懸命やっておられますが、そもそもの前提条件の話をさせていただきたい。
きょうは、年金制度の現状認識及び将来の見通しという話をしています。そもそも、先ほど若干伊吹先生が違うようなニュアンスのこともあったかもしれませんが、基本的には自由民主党は、党を代表して田村先生の御指摘は、現行制度のままで大丈夫なんだというお話をしています。
私たちは、小選挙区制度を導入して、二大政治勢力による政権交代可能な政治構造をつくりました。そして、マニフェストというイギリスの制度にそれぞれ倣って、選挙の前に、何をやるかということをそれぞれの政治勢力の側が国民の前に示して、そして選挙で決めていただく、選挙によってコンセンサスをつくる、こういう制度をとっています。だから、それぞれの政党あるいは自公という政治勢力の間で選挙の前に具体的なことを示して選挙で決めていただくというのが、重要な問題ほどそうしなきゃならない。
したがって、本来であるならば、こういった場をつくること自体が、二大政治勢力制やマニフェストという趣旨からすれば違います。
違うけれども、なぜやっているのか。そうはいっても、選挙で結論を出すのではなくて、二大政治勢力の間で合意形成をして進めるべきテーマが二つだけあります。
一つは憲法です。これは、そもそも制度として三分の二条項があります。ですから、政権選択の選挙によって三分の二条項をクリアすることができませんから、これは政権選択とは別の次元のところでやらなければなりません。
しかし、それ以外のところは、基本的には、重要な問題ほど選挙できちっと選択してもらう。それぞれに案をつくって、それぞれ選挙で決めてもらう。我々は民主党の案を政権交代で実現する。皆さんも、皆さんの案がいいんだったら、民主党なんかの意見を聞かないで、皆さんの意見を選挙で進めていけばいい。
ただ、年金について一つだけ違うこと。皆さんがおっしゃっているような、三分の一を二分の一にするとか、その程度のびほう策だったらば、それは選挙で皆さん決めて、多数でとっている方で決めてください。だけれども、我々が言っているように、今までの制度に一たんリセットボタンを押して全く新しい制度に切りかえるということは、一たん切りかえたら、次の選挙でまた政権がかわったからといって戻すことはできません。ですから、年金について大きな枠組みをどうするかということについてだけは、これは、例えば五年ごとに政権がかわるからといって五年ごとに全部見直すことはできませんから、例外的に一緒にやらなきゃいけません。
だから、そういう抜本的に、今の制度そのものを前提とする話でなくて、今の制度自体を白紙に戻してどうするのかという議論であれば、超党派でやる意味があります。でも、そうじゃなくて、今の制度は抜本改革でした、いい制度です、びほう策についてどうしましょうか、こんなことは、皆さん与党の中で決めて選挙で示して、選挙で勝ったら実行してください。そんな話に我々はつき合う必要がない。そのことをはっきりさせておきたいと思います。
○小池議員 先ほど枝野議員から御説明がありまして、旧制度分の給付財源の不足分に消費税を充当するということも含まれているということでありました。その上で、二点指摘ができるかと思います。
そうだとしても、消費税が積み立てられていくということについては変わりがないということであります。民主党案では、旧制度の給付には既存の積立金を充当して、その後、不足分に消費税をずっと充当していく。したがって、既存の積立金を取り崩して、かわりに、不足分に充当した分を除いた消費税が積み立てられていくということになるわけですから、現象としては、保険料の積立金というのが消費税の積立金に置きかわっていく形になっていくというふうに思います。
その上で、年金目的消費税が、当面の数十年間は、そのほとんどが、最低保障年金のためではなくて旧制度の給付に充てられるということがこの仕組みであるというふうに思います。その場合、旧制度の財源にするということは、これまで保険料を財源としていた旧制度の給付を消費税財源に置きかえるということになるわけですから、そもそも、保険料は事業主負担があり、消費税は大企業が負担をしていないという問題がございます。
具体的に言えば、現在の無年金者あるいは低年金者からも消費税というのは同じように取られる、多額の消費税が徴収されていく。その結果、そういった人たちの年金を拡充するためではなくて、それが、大企業が支払っている分も含む保険料負担の軽減のために、当面、数十年間はほとんどが充当されていくということになってしまうのではないか。
このことが果たして国民の理解を得られるのかどうかということについても、ぜひ、どうお考えか、お聞かせ願いたいというふうに思っております。
○田村議員 幾つか御質問いただいて、ちょっと覚えていないもので申しわけないんですが、若林先生でしたか、免除者の数字が入っていないというお話がありました。そこは大きな部分だと思います。どう考えるか。
つまり、免除者は保険料を全額納めていない。全額といいますか、全く納めていない方々を例にとりますと、しかしながら、三分の一給付は受けられるわけですね、二分の一になれば二分の一給付になるわけでありますけれども。それをもってして年金制度というものが維持できているかできていないか、これは私らも考える必要があると思います。つまり、生活をするために基礎的な出費というものを基礎年金で補うとするならば、そういう方々は、所得がない、それゆえに全額納付できませんから、入ってくるお金が少ない、そこをどう考えるか。これは我々も一考しなければならないというのは、それは認めます。
しかしながら、その方々をもってして破綻しているというのは若干違う。それは、払えない、払える能力がないわけでありますから、その方々に対して公的国民年金保険というもので、基礎年金ですね、どう対応するかという議論でありますから、それをもってして破綻とおっしゃられるのは、ちょっと我々としては認識が違うなというふうに思います。
それから、枝野先生のさっきおっしゃられた、ちょっと私、まだ頭が整理できないんです、法律の法文を今読ませていただいているんですが。
最低保障年金に対応する年金目的税の消費税部分、これが多分過去債務に回っていくというのは理解できますが、一方で報酬比例年金の保険料の方です、これがいつからスタートするのかよくわからないんですけれども、この保険料も実は、すぐに給付はスタートしませんから、これもそちらに回っていく可能性がある。すると、勘定では、今言われたように、積立方式のような年金勘定になるわけですね、人のポイント制では。だから、幾ら掛ければ幾らもらえるかというのは将来わかる。
ところが、それはバーチャルな世界であって、実際そのときお金があるかないかというのは、これは別ですよね。すると、そのときに少子化が起こっていれば、当然、この制度というものは今の制度と同じ問題点が起こってくる。つまり、お金がないから、そのとき、どうにかしてお金を取らなきゃならない。取るか給付を下げるか、どっちかしかないんですね。
だから、この点がどうしても我々が理解できない点で、申しわけないんですが、お教えいただければありがたいと思います。
○水島議員 民主党の水島広子でございます。
先ほど古屋議員の方から女性と年金について民主党への問題提起がございましたので、こちらからもお話をさせていただきたいと思うんです。
まず、民主党案が育児に対応できるのかという御質問だったんですけれども、逆に私はそれを政府・与党側に問い返したいと思いまして、では、去年のようなあんな内容で本当に育児に対応できているのかということになるわけです。
先ほど、確かに育児休業中の年金保険料の免除のことについてお話しになったわけですけれども、では、今、実際に子供を持つ女性の現状がどうなっているのかというのを見ますと、出産を機に仕事をやめる方が七割というふうに言われています。幾ら女性の育児休業取得率が六〇%といっても、結局、出産前に仕事をしていた人の七割がやめて、残った人の六〇%が育児休業を取得しているわけですから、全体から見ると、本当に二割ぐらいの人についての話ということになります。
日本のM字型雇用ということは国際的にもすっかり有名になってしまっているわけですけれども、実際に今、まだまだ、育児をきっかけに働き続けることを断念しなければならない人が多い。そして、働いているとしても、パートなどの労働条件になっているということが多い。これは、望むと望まざるにかかわらずということだと思います。
そんな中で、それは子供が小さいうちには自分で家にいたくているんじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、実際には、小さな子供を抱えている女性で、就労意欲があるにもかかわらず無業というような方が多いということ、これは多分、古屋議員も御存じのことだと思います。
そのような現状を踏まえますと、やはり先ほど来御提起があります、第一号被保険者の実態がどうなっているのかという話にもなってくるわけですけれども、実際には、昨年提案されました育児休業期間中の年金保険料免除、それだけをもって、女性と年金、育児という観点からちゃんとできています、民主党はできていないじゃないですかと言われても、余りにも狭い領域のことしか見ておられないのではないかなというふうに感じております。
全体の、女性がどういう現場で今過ごしているかということを見渡しますと、やはりこれは年金を一元化していくということ。そして、民主党としては、それでも今まだ女性の方が育児や介護などの家庭的責任を多く担わされているという現状と、また、男女の賃金格差が非常に大きいという現状にかんがみて、当面の間の措置として二分二乗方式を提案しているということでございまして、将来的には、男性でも女性でも差別されることなく同じような賃金をいただく。そして、それぞれ男性も女性も、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和がとれるような生活をしていくことによって、民主党は次世代育成支援もそのような観点から考えておりますけれども、そういうことによって社会をきちんとまた組み立てていこうというふうに考えての提案でございます。
逆にこちらから伺いたいのは、そうやって女性が出産を機にそれだけ職場から離れなければいけないというような状況の中で、一元化以外にこれを乗り越えるような方法があるのかということは、逆に質問をこちらからお返しさせていただきたいというふうに考えております。
また、今、次世代育成支援ということで少子化のことについて少々触れましたけれども、これは、きょうせっかく坂口前大臣がいらしているので、この場をおかりしてちょっと質問させていただきたいんです。
昨年、私も厚生労働委員会で、当時の坂口大臣に年金についての質問をいろいろさせていただいたわけでございますけれども、昨年は一・二九ショックというのがございまして、そのときに、たしか坂口前大臣は、これは瞬間風速的なものでというふうにおっしゃって、それが名せりふとして残ったような記憶がございます。
今、冷静に振り返ってごらんになって、一議員として振り返られて、あれは大臣だったからしようがなく言ったことなのか、それとも、一人の政治家として、いまだにそんなふうに思っていたらことしその期待が裏切られたということなのか。そのあたり、もしもコメントをいただければ、当時審議に加わっていた者としましてきちんと総括ができるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○坂口議員 出生率の話でございますが、確かに去年、一・二九という数字が出まして、そのときに瞬間風速という言葉を使ったことは事実でございますが、考えてみれば、それぞれの年のそれぞれ瞬間風速をいつも見ておるんですね。ことしはことしの瞬間風速を見ておるわけでありまして、決して間違いではなかった。それが、瞬間風速をずっと積み重ねていって、それじゃどうなるのかということなんだろうというふうに思っております。
○枝野議員 田村先生、大分御理解をいただいているんだと思って伺っていましたが、我々は完全な積立方式ではありません。みなし掛金建て方式で、実際にそのお金を積み立てておいてどうこうするではありません。それだったら、国がやる意味は必ずしもないかなと。
物価なら急速な物価変動などがあり得ますから、やはりマクロの財政的な運営としては、給付財源の大方の部分はその時点での現役世代が納めたお金を給付に回すとやりませんと、それこそ、最近はありませんけれども、五十倍、百倍だなんというインフレがあったときに、積んでおきましたお金を給付しますでは成り立たないだろうと思いますから、したがって、あくまでもみなし掛金建てです。
その場合に、今のように給付水準を政治判断で適当に決めているというやり方ではどんどん苦しくなっていって、あいまいになって、信用できない。あくまでも、あなたがもらえるお金は、あなたの掛けたお金と物価上昇との兼ね合いでもう決まっているんですよという信頼感を与える。
そして、それについて、当然、人口が減っていけば、積み立てがゼロであれば足りなくなるわけでありますが、その部分をどの程度積み立てておけばいいのかというのは、どんぶり勘定的に幾ら給付水準にしますという今の制度ではなくて、現役世代の二・六倍ぐらいもらえますよという話の中で、あとは、人口減少の程度、これは二十年先の保険料を納める人のところまでは読めるわけですから、その人口減少を見通した一定額を積み立てておけばいいということの中で順々に物事を進めていくことができて、今と同じようなことにはならないと思います。
いや、今でもやればいいんですよ。同じことを言ってもいいんですよ。同じ今の制度の中で、要するに国庫負担部分というのを中途半端に入れているからわけがわからなくなる。所得比例年金で給付水準は四〇%ぐらいになるんですね、所得代替率でいうと。一五%の保険料率で、そして保険料納付期間に対する平均余命の受取期間というのは二・六ぐらいですから、一五掛ける二・六で大体四〇%です。そういう所得代替率で所得比例年金は渡すんですということを決めれば一緒なんです。そうすると、要するに積み立ての額がずっと減らせて、だけれども、一定程度は持っていないと、どんどん人口が減っていくんだからつらくなる。そこのところは今よりもずっと見通しが立つ。こういう話なんです。
いずれにしろ、民主党案についていろいろと細かい御質問をされて揚げ足をとっていただくことは構いませんけれども、幾らでも答弁はたえられると思っておるんですが、きょうのテーマであるとおり、現状認識について共通認識を持っていなかったら意味がないわけですよ。
今聞いていただいているということは、我々と同じように、今のままではもたないという現状認識に立っておられるということであるならば、こういうやりとりをすることが建設的だと思いますが、先ほど来、今の制度でいいんですと少なくとも与党の側の公式見解としてはなっているわけで、今のままでいいんですという前提で今みたいな議論をしても何も建設的でない。今のままでいいんですと思っていらっしゃる皆さんとこういう議論をしてもしようがないから、我々は、次の選挙で過半数をとってこれを実行しますとやるしかないわけです。
このことをここで議論することに意味があるとすれば、現状認識としてはこのままではもたないかもしれない、もたないかもしれないといって白紙でいろいろ議論をした結果として今の形に戻ってくることはあり得るかもしれないけれども、少なくとも一度は、今の制度ではもたないね、だから白紙で議論しましょうというところに戻っていただかないと、こういうやりとりで議論を進めることは全く意味がないので、そこのところは党としての見解を一度整理していただかないと、これ以上この議論を進めても仕方がないじゃないですか、こういうことを申し上げているわけです。
○阿部議員 私はそこまで申し上げませんで、実は田村議員が、先ほど、学生納付者の特例や申請免除者の問題が母数から省かれておるということをお認めいただきましたので、だんだん実態に近くなってきた、共通認識に立てるんじゃないかと期待を持っておるわけです。
なぜこういうことを申しますかというと、例えば、国民年金一号の被保険者の平成十三年度の統計しか近々のものが手元にございませんが、総数のうち、未納者が一八・三%、そして申請免除、学生納付特例者で二〇・八%、三八・三%が未納かあるいは特例で免除という状態でございます。これを、平成十六年度はもうデータがきっと、三月末で締めてあると思いますので、出ると思います。そういう実態もあわせて、私は冒頭申しましたが、ここの論議の俎上、土台をまずつくっていただきたいと思います。
国民年金一号の被保険者の年齢状況、職業状況、所得状況、そして、一体どれくらいの方が未納や免除という状態になり、納付率はかりそめです、先ほど民主党の方からもございましたように、実質納付率は、これは会計検査院でやったところでも五〇・何%という形に出ております。ここの認識がどうであるかということが一致しない限り、申しわけないけれども、空中戦になってしまうと思います。
社会保険庁の方でも、この間、データを出してくれとこちらから要求すれば、例えば平成七年、十年、十三年と三年置きに加入者状況をきっちりとったデータ等もございますので、要は十六年度のものであろうかと思います。
何度も申しますが、働き方が多様化しておる現実。そして、収入も、年収三百万円以下で暮らせるという本が売れたら、途端に今は、年収二百万円以下、百万円台という方が大変にふえておる。そして、厚生年金の保険料が上がれば上がるほど、逆にそういうフリーターやパートやアルバイト化に拍車がかかっておる。今とめなければとんでもない社会像になってしまうと思いますので、私は、むしろきょうは比較的国民年金というところにターゲットが絞られ、新たな論議も加わったと思っておりますので、ぜひ議長の方で、次のテーマを絞り、データを出させていただいて論議を続けていただければとお願い申し上げます。
○田村議員 阿部先生のお話なんですけれども、国民年金、特に所得がそれほど多くない方々の問題、これは我々も認識を持っておりまして、お互いにいろいろな議論をこれから進めさせていただく必要があろうと思います。そういう方々を、この公的年金、皆年金という制度の中にどうこれから取り込んでいくのか、これは大きな課題であろうと思いますので、同じ認識を持たせていただきながら議論を進めさせていただければなと。若干哲学的に違う部分はあるかもわかりませんが、認識の部分ではいろいろな議論をさせていただきたいというふうに思います。
それから、枝野先生なんですけれども、お聞きすればするほど我々の案と本当に変わらないんじゃないのかな。骨格ですよ、骨格は変わらないんじゃないのかなという認識を持たせていただくんです。
今の報酬比例の部分に関して申せば、要は設計の仕方がどちらが信頼性があるかというだけの話であって、こちらも将来推計。ただ、こちらは有限均衡方式で百年というような長い期間を見ておりますから、そこはそちらがどれぐらいの長さを見ておるかわかりませんので対比できませんけれども、基本的に、目標とする期間の中においてどう均衡させていくかということを考えれば、全く同じ内容なんであろうなというふうに思います。
少子化になったときの対応はお互いに苦しい。いや、今以上に極端な少子化が進めば、やはりこれは、そのときの受給者の方々なのか、それとも保険料の負担者の方々になるのかわかりませんけれども、つらい思いをされる可能性というのはあるんであろうなというふうには思いますけれども、しかしながら、基本的な設計としてはそれほど変わらないんじゃないのかなという認識を持たせていただきました。
違うのは多分、年金の一元化という中で、今の国民年金のグループの方々が報酬比例の中に取り込まれるという部分、それからもう一つは、個人単位の年金の積立制度と、こちらは、厚生年金、被用者年金の方は世帯単位になっておりますから、ここら辺は違うと思いますけれども、ここら辺を解決していきますと、私が以前思っておりました、一番初めに直観的に感じました民主党案というのは、この間、若干岡田党首がそのようなニュアンスを言われたんですけれども、基礎年金の消費税化、要するに、保険料を払わなくてもだれだってフリーライダーで年金がもらえるんだと。我々は、こういう発想は、生活保護との違いがよくわかりませんし、これは年金制度ではない、つまり公的扶助になってしまいますので、我々は明確に反対を言っております。
ただ、今の枝野先生のお話を聞く限りでは、保険料を納めることが最低保障年金をもらえる条件になるんだという話でありますから、ここも、我々が言っておる定額制であるか、あとは定率制であるかという違いはありますけれども、骨格はそう違わないんではないのかな。
ですから、そういう意味からいたしますと、今まで不幸なことにお互いにちょっと意見のぶつかり合いがあったのは事実でありますし、我々といたしましても十二分に民主党の案を勉強していなかったという部分もあると思います。これからぜひとも民主党の、ただ単に難癖をつけるわけじゃありませんから、民主党の詳細をいろいろとこれからも質問させていただいて、我々がわからない部分を教えていただきたいと思います。
我々の案が我々もベストだと思っていないんです。ただ、我々は、過去を引きずりながら、どうやってこれから年金制度を維持していくかと考えた場合に、リセットして新しい案をつくるそのリスクというものを考えますと、やはり今の制度をマイナーチェンジしていった方が、国民にとって安心、安全という意味では御理解いただけるんであろうなという立場に立つんですが、もし民主党の案が、我々が理解する中において、これはいい案だという話になれば、それは全く民主党の案と我々はけんかし続けるという話じゃございませんので、そこはこれから詳細ないろいろな制度設計というものをお知らせいただければありがたいというふうに思います。
〔後略〕