第162回国会 予算委員会 第15号(平成17年2月18日(金曜日))抜粋 案件: 政府参考人出頭要求に関する件
平成十七年度一般会計予算
平成十七年度特別会計予算
平成十七年度政府関係機関予算
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○甘利委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日は、二十五分というお時間をちょうだいいたしましたので、少し突っ込んだ、あるいは積み残したと思われる論議を行わせていただきます。また、委員長初め各委員の皆さん、また御出席の各大臣も、本当に金曜の夕刻の遅い時間まで、御苦労さまです。
私は、今皆さんのこれだけの御労苦と時間、そして一方で国民が求めるもの、すなわち橋本元総理の参考人招致あるいは証人喚問など、この政治と金という問題もぜひ、これだけの労苦を重ねておる予算委員会ですから、理事の皆さんがしっかりとお話しくださいまして、実現していただきたいと思います。冒頭、このことをまず委員長にお願い申し上げます。そして、質問に移らせていただきます。
きょう、午前中から各委員の論議を承っておりまして、質問通告をしてございませんが、私なりに二、三確認をさせていただきたいことがございますので、よろしくお願いします。
一点目は、まず、公明党の福島委員の御質疑に関係がございますが、障害者の自立支援法についてでございます。これは、昨年の秋に厚生労働省でいわゆるグランドデザインというものが提案されて、そしてこの二月、閣議決定で法案が提出されるということでございます。
ところが、皆さんも御承知だったかどうか、一昨日、一方で京都議定書の発効というたくさんの人のお集まりがあったその同じ日に、五百人以上の障害のある方たちがこの国会に詰めかけておられました。冷たい雨の中ですし、手袋をしていらしてもお手までぬれて、障害のある方にとっては命がけの陳情だったように思います。
まず、陳情内容はいろいろございますが、非常にシンプルで、そして即刻実現できることが一つございます。何かというと、この十月のグランドデザインが発表されて、この二月で法案提出が行われるまで障害者御本人の声が一度も聞かれていないということが、非常に深刻な問題として障害者団体から言われております。(発言する者あり)
そこで、そんなことないというお声がありましたが、もしそうであれば、少なくとも、尾辻大臣は、所信表明の中でも自立というキーワードが政策の根幹だとおっしゃいましたが、自立ということを考えるのに、御本人の希望なり思いなり歴史なりを聞かないといい法律にはならないと思いますので、厚生労働省の責任あるお立場として尾辻大臣御自身が御面会いただくこと、あるいは、省庁の受け皿の機関がきっちりとしたヒアリングを行うことを、冒頭、一つ確認したいと思います。お願いします。
○尾辻国務大臣 私も可能な限り団体の皆さんにはお会いしてまいりました。そして、御意見もお聞きをいたしてまいったつもりでございます。それから、担当のところもまた私以上にそれぞれの皆さん方、団体の皆さん方とも御意見をお聞きしながらこの作業は進めてきたと理解をいたしております。
○阿部委員 私のお尋ねは、そうやってきたことで、しかし、相手方が一回も面会をされていないというふうに受け取っている実態がございます。確かに、日比谷公会堂での論議もございました。しかし、この間、この障害者自立支援法という法体系をとるという段に至ってのヒアリングは一切ございません。秋にグランドデザインが出たときでございます。その点はさらに実務サイドともよくよく大臣として検討していただきまして、結局、御本人たちが本当にいいと思わない法律は生かされようがないわけですから、重ねてお願い申し上げます。
二点目は、年金の論議でございます。これは先ほど大島委員が非常に綿密に論議を展開してくださって、今一番必要なことは、国民の代表であるところの国会議員が国会という枠で事を論議することであって、有識者会議あるいは審議会という形式以上に求められるものが国会内の論議であろうと思います。
私は一点大臣に確認したいのですが、いわゆる有識者会議あるいは審議会の中には、個別に労働団体の利害の代表あるいは経営団体の利害の代表という、いわば自分たちがおのおのその利害を代表した方たちがおいでです。しかし、本来、先ほど大臣がおっしゃったスウェーデンでの論議は、そうした実際の利害関係者を除いて、政党間の論議でございました。もちろん、これを決めるのは国会ですが、この大事な年金問題を考えるに当たって、枠組みは、まず利害団体を外に置いて、政党間で、それこそ、財務大臣もおられますが、税制や財務全体の面から見て、あるいは社会保障の未来像としてきっちりと私は国民にこたえる論議をすべきだと思います。
尾辻大臣がお引きになったスウェーデンの例を私はそのように理解しておりますが、この理解でよろしいかどうか、お願いいたします。
○尾辻国務大臣 私もそのように理解をいたしております。
○阿部委員 そうした論議を前提といたしまして、来週月曜日、集中審議が行われる段取りが決められております。そこに至るまでの間に、私はぜひ閣僚間の皆さんに共通認識として確認していただきたいことがございますが、いわゆる国民年金の一号被保険者問題です。
どなたの閣僚も、先ほどの細田官房長官もおっしゃいましたが、国民年金の一号者イコール自営業者と常におっしゃいます。しかし、私が昨年の年金論議のときに何度も何度もデータでお示ししたのは、既に国民年金の加入者のうち、自営業者は四割を切っておるという実情です。この国民年金の論議をする際に、各閣僚がこの実態をきっちり把握していただかないと、年金論議の実のある論議になってこないと私は思います。
小泉首相もいつもおっしゃいます、国民年金一号被保険者など、自営業者などのと。自営業者が頭にある限り、現在、国民年金はフリーターや本当に自分で厚生年金を受けられない方たちの大きな受け皿になっております。せめて私は、現状認識、閣僚間で実態認識を共有していただきたいと思いますが、尾辻大臣、いかがでしょう。
○尾辻国務大臣 お話しのとおりに、一号被保険者の中に、多くの方がいわば厚生年金を抜けてという表現がいいのかどうかわかりませんが、厚生年金から移ってきておられる方が非常に多いということを私どもも現状として認識いたしております。
一号被保険者の皆さんが非常に多様化しておられる。かつては確かに自営業者というふうに言いかえてもよかったんですが、今日、一号被保険者の皆さんの多様化というのは極めて顕著であるというふうに理解した上で、そういう認識で今後の年金は考えていきたいというふうには思っております。
○阿部委員 自営業者という形でくくられますと、いわゆる所得把握の問題にまた直結していって、おっしゃったような多様化した国民年金の現状がきっちり把握されませんので、私は、毎回の御答弁、各大臣、伺いながら、やはりそこはきちんと認識していただいた上で国会の論議を進めたいと思います。
引き続いて、政治と金の問題に移らせていただきます。これは予告してございますので。
政治と金、法廷において、滝川元会計責任者が、確かに橋本元総理には報告したという御発言があったようですが、この会計責任者というのは、政治団体であれ、政党であれ、極めて重要なポジションを占める方です。私が本日伺いたいのは、この部分は例えば参考人とか証人喚問にゆだねますので、それ以外の部分でお伺いいたします。
厚生労働省におきまして、私がお願いいたしました公益法人とそれにかかわる政治団体の関係をいろいろ御調査くださいました。さきの委員会でも少し取り上げさせていただいて、私が皆さんのお手元に、きょう、同じ資料ですが、改めて配らせていただいているのは、医師会、歯科医師会、看護協会、このうちの歯科医師会の歯科医師政治連盟が今回の献金一億円問題の当事者ですが、そうした関連する医療界の公益法人につきまして、その公益法人の例えば事務所が政治団体の事務所と同じであるか、使っている封筒が同じであるか、電話が同じであるかなどを厚生労働省にあってはお調べいただいて、私がお配りしたような資料が出ております。
私がきょうお伺いしたいのは、先回は、この中で代表者が同じ方はどのくらいおありですかということを聞きたかったけれども、一つだけ、日本医師会は代表者が同じですねという確認をさせていただきました。実は、厚生労働省がお調べになった千三百五十九法人の中に、いまだに代表者が同一の事例が二百十九法人ございます。全体の一六・一%に上っております。この間の尾辻大臣の御答弁も、坂口前厚生労働大臣の御答弁も、やはり同じ方が代表者で、片っ方は公益法人、寄附も補助金も出ます、こっちは政治団体、これはいかにも混乱を招きがちなのでよろしくないというふうに御答弁でありましたから、私はこれへの是正措置をお願いしたい。
もう一つ、会計責任者も、きっちりと全法人お調べいただきたいのです。千三百五十九法人のうち、今回の厚生労働省調査では、会計責任者がだれかということは調査されておりません。ちなみに、私の身近では、代表者も会計責任者も同じ団体がございます。しかし、それは、一たん事あった場合、あるいは事がなくても不明朗会計の根源になりますし、公的な性格を帯びた医療が国民の信頼をこれから取り戻していくためにも非常に重要な一歩と思いますので、二点にわたり、尾辻大臣に御答弁をお願いいたします。
○尾辻国務大臣 お話しいただきました各都道府県別の組織というのは、これはまさに各都道府県が所管をいたしておるといいますか、指導監督する立場にございますので、今お示しいただきました平成十六年四月の調査でも、私どもは各都道府県に対して調査を行った上で、公益法人のファクス、封筒等を用いて会員に対して政治団体の会費納入を依頼していた事例や、その他、ふさわしくない事例について調査をし、不適切な事例があった場合には当該公益法人に対して改善指導を行うように依頼をしたところでございます。
今お話ございましたので、都道府県に対して改めて、そうした会計責任者の話も含めて、調査を依頼するかどうか、もう一度私どもなりに検討させていただいて、お答えしたいと思います。
○阿部委員 ぜひ、お金を扱う部門の透明性ということを預かる会計責任者の問題は、私は現実に非常に大きいと思いますので、今尾辻大臣が即答おできにならなければ、前向きに御答弁を願いたいと思います。
せっかく麻生大臣にもおいでいただいていますので、関連して伺わせていただきますが、このような公益法人の会計責任者と、そしてそれに関連いたします政治団体というところの会計責任者が同じであるということは、一般論で結構です、望ましいと思われるか、あるいは何らかの是正措置が必要と思われるか、お考えをお聞かせください。
○麻生国務大臣 別々の方が望ましいのははっきりしておりますので、何らかの措置をということをお聞きでしたら、それは御存じのように、形式審査権という、何回も申し上げておりますので。
○阿部委員 では、今の麻生大臣の御答弁をよろしく尾辻大臣にあっても生かしていただきまして、私は何度も申しますが、今、国家予算の一番大きな歳出が社会保障関係、医療、介護でございます。二十兆を超す時代になって、この部分が信頼されないと、例えば、やみ献金をしちゃったとか、わけわからないことに使ったとかなると、本当に国民に対しての、これは政治が一番揺らぐ根幹になると思いますので、今麻生大臣の御答弁にもあったとおり、よろしく御検討、そして善後策を講じていただきたいと思います。
引き続いて、この間、三位一体改革並びに各地方自治体で町村合併が進んでおります。このことに関連して、とても気になっておりますことがありますので、一つ伺わせていただきます。
御承知のように、ことしは豪雪でございます。被災した新潟は、地震の前には雨、そして地震、そして今は雪。実は私は、先週、私的な用で新潟に行ってまいりましたが、ことしの雪は十九年ぶりか二十年ぶりで、地震に遭った家もつぶれちゃう、それから道の雪の排除もなかなかままならないという実態を見てまいりました。
例えば、皆さんもよく御承知の山古志村が、今度、小千谷市と合併いたします。豪雪対策は、その市町村の市役所の所在地の雪の量で、豪雪に対しての交付税交付金の額が決まってまいります。山古志村が一つの単位であったとき、雪深い。そして、小千谷になれば多少は雪は違う。今、新潟は大規模に、例えば上越市は十四の市町村が一緒になり、中には埋もれちゃうような雪のところとございますが、上越市の市役所は御承知のように平地にございます。
このことへの目配りが、果たして現状の施策で十分であるか。私は、時間の関係で、大変恐縮ですが、既にどうなっていますかというお答えを実務サイドから伺ったところ、市町村の所在地、市役所の所在地でやるが、一つの市の単位に一キロメッシュをつくって、その平均値をとるというお答えでした。
ところが、雪深いところは、ぼこん、ぼこん、ぼこんとございまして、必ずしも全市の面積の半分が雪深地域になるわけではございません。町村合併になれば雪深いところが埋没してまいります。必ず生存基盤が揺るぎます。
私は、きょう、これを問題指摘させていただいて、麻生大臣にお考えと、今後の対策、指導をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○麻生国務大臣 先生、これはまことにごもっともな御指摘なんですが、山古志村は小千谷じゃなくて……(阿部委員「ごめんなさい、長岡市でしたね」と呼ぶ)別のところですから。(発言する者あり)やじは控えてください。
○甘利委員長 質問者に答えてください。
○麻生国務大臣 今、上越の例を引かれたんですが、おっしゃるとおり、法律によりますと、積雪度でいけば、上越は等級数で二ということになるんですが、その他のところは三とか、いろいろありますので、市役所の所在地をもって充てるということに法律的にはなっておりますから、基本的には二になる。そうすると、ほかの三のところはどうするんだ、簡単に言えばそういうことだと思います。これは、先ほども言われましたが、おっしゃるとおり一平方キロメートルで切っていくやり方をいたしまして、上越市の場合におきましては、市役所のあれでいきますと二になるんですけれども、その他のところの積雪が明らかに多いことははっきりしておりますので、その他のところの面積に合わせて三ということになるというお答えだけはまず最初に申し上げます。
その上で、今、そういっても、同じ三のところでも、この谷のところだけは深くて、そこに四軒家があって、ほかのそうじゃないところはどうなんだという御指摘なんだと思いますので、これはまことに、雪というのは基本的にそういったことはよく起こることになっておりますので、これはぜひ、そういったところは、それをきちんと法律に書くわけには、全部例を引いていくと法律文にはなりませんものですから、それは言っていただきました場合は必ず対応をさせていただきます。そういったことはきちんといたしますので、御心配なく。
○阿部委員 ありがとうございます。また、私の間違いも指摘していただいてありがとうございます。
引き続いて、遺骨収集、最後になりますが、これをお願いいたします。
坂口前厚生労働大臣のお兄様もインパールで亡くなられ、また尾辻大臣のお父様も戦死をされました。我が国は、実は戦後六十年をことし迎えておりますが、二百四十万の海外戦没者のうち未帰還の御遺骨が百十万と報告されていることは尾辻大臣もよく御存じで、また今回の所信表明の中で、厚生労働行政の中に遺骨収集を明確に位置づけるというお話でした。
私は、本来であれば、遺骨収集のための立法というのをきっちりと国会が国会の意思として示すくらいのことが必要になっている。なぜ、まだ百十万人も帰ってこないのか。もちろん海に沈んだ遺骨もおありでしょうが、私は、日本の国の命令で戦地に行き戦死された方々の御遺骨に、日本の国がなすべきことをしていないと思います。
その中で、いわゆる横田めぐみさんの問題で、この間、私どもの国は新たに、焼いた骨からもDNA鑑定ができるという、我が国のDNA鑑定の技術の向上を一つ獲得いたしました。もちろん、この横田さんの結果は、北朝鮮の不誠実な対応を初めとして、私は、非常に問題が多いし、この我が国が獲得した技術をきっちりと北朝鮮にも示して、否やを言わせない対応を求めるべきである、これは思っております。
そして同時に、この報道を耳にした多くの戦没者の御遺族が、ああ、焼いてある骨でもDNA鑑定もできるようになったんだと一つ希望を見たのも事実でございます。
実は、DNA鑑定というのは、ベトナム戦争に行かれた兵士たちを、平成十年ごろアメリカが、あのベトナムの戦場で散った方たちの骨を集め、DNA鑑定が可能であるというふうに表明したところから我が国でも始まりました。本日の質問、また中途半端になって恐縮ですが、現在アメリカは、朝鮮戦争のときの御遺骨を、今年度も北朝鮮に五億円を渡して収集し鑑定にかけるという方針を出しました。アメリカと北朝鮮は、今一番対立している、そのようにとらえられている国です。しかし、その中にあっても、かつての戦死者を何としてでもお国にお迎えしようという、そこは強い意思だと私は思います。
大臣に伺います。
我が国の予算案を見ますと、遺骨収集作業その他、慰霊碑も含めてたかだか五億円、全部でです。アメリカが北朝鮮に渡した五億円は、遺骨収集のために丸ごと投げた五億円です。我が国は、収集して、慰霊碑を建てて、人が行って、全部で五億円です。私は、亡くなられた方々に本当に私どもの社会が報いていない証左と思いますが、この点について、私は、よいことはアメリカに学ぶべきだと思います。また、獲得した技術は、きっちりと私どもが国民に還元すべきだと思います。
余りにも少ない予算配分ではないか、このことを大臣に、まあ、これは大臣がやったわけじゃなくて谷垣財務大臣かもしれません、よろしくお願いします。もっと声を上げていただきたい。死者は声は上げられないのですから、よろしく御答弁をお願いします。
○尾辻国務大臣 お話しいただきましたように、私の父も戦死しておりますので、そうした戦没者の遺骨収集について先生が大変関心をお寄せいただき、また、きょうみたいな御質問までいただいておりますことに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
遺族の一人として率直な思いを言わせていただきますと、戦後六十年たってまだ遺骨収集をやっているということ自体が大変悲しいことだと思っております。こうしたことは一日も早くきっちり済まさなきゃいかぬというふうに思っております。
○阿部委員 今の御発言を受けて、財務大臣にもよろしく御配慮のほどお願いいたします。終わらせていただきます。
○甘利委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。次回は、来る二十一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
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