第162回国会 予算委員会 第3号(平成17年1月28日(金曜日))抜粋 案件: 政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
平成十六年度一般会計補正予算(第1号)
平成十六年度特別会計補正予算(特第1号)
平成十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)
平成十七年度一般会計予算
平成十七年度特別会計予算
平成十七年度政府関係機関予算
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○甘利委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
ただいまの共産党の高橋委員が質疑の中心に据えられました個人と公共、一番個人が、小さな個人が、弱い個人が困ったとき、災難に遭ったとき、一体国はどんな手助けができるのか。これが私は、この間ずっと論じられながら、しかし、やはり本当に個人が生き生きと生きていけるための仕組みがなかなか今に至ってもないのが、今回の補正予算も含めた構造的な問題だと思います。
そして、冒頭、小泉首相に、今の論議をじっとお聞きでございましたから、構造改革をお願いしたいと思います。二点にわたります。
私は、今回の補正予算案の中で、災害対策が全体で一兆三千億円、しかし個人に渡るのは二百六十一億円。常にそうでございます。個人の、先ほどの住宅の問題も、あるいは一人の方が病院にかかられたときのそのさまざまな支出も、本当に困ったときは、最後にはその個人に幾らお金が入り、幾ら必要な医療が届きという問題だと思います。
例えば、総理はお考えになったことがあるでしょうか。今回のような大地震に際して、一番個人に近い、住民に近い新潟県に、もっと包括的にまとめて、小泉首相はまとめるのがお好きですから、ぼんと、きっちりと、新潟県に裁量権をもっともっと持たせた形で補正予算案というのが考えられないのかというのが一点。
それから、全体の予算の枠内で、もっと個人への直接的な目配りがきくような構造。先ほど細田官房長官はいいことを言ってくださいました。やはり、いろいろな申請とかいろいろな法律が細か過ぎて使い勝手が悪いというのが、被災した個人側からの実際の実感でございます。
であるならば、やはり、こうした今後も起こる災害に対して、国はまず、災害が起きたその地域について、非常に裁量権の多い形での災害に対しての支出を考える方向性を検討していただけまいか。そして、個人補償は、住宅も含めてさらに充実の余地があると思われますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 個人に対する支援が少ないのではないかという点の御指摘につきましては、これは、個人に直接行く場合の支援と、それと、公共的といいますか全体的というのは、個人が集合して公共的になるわけでありますけれども、数が多いです。そのほとんどの方々が、利便になる、利益になる、また、支援を受けられるような一つの公共的な支援というのは、その中からまた個人に行く支援もあるわけです。その点について、公共的な支援から個人が受ける便益を図っていくという点と、そうではなくて、個人個人別なんだから、個人に直接、そのまま救済できるような、利便が図られるような支援が必要だという声と、それはバランスをとっていかなきゃならないと思っています。
同時に、今までの議論でも、他の議員からも、阿部議員からも言われていますように、もっと、地域のことは地域がよく知っているんだから、その支援の整備あるいは支援法も、使いやすいように、地域の実情を知っているその地域の裁量権が拡大するような形で、細々とした難しい書類とか規制とかがなくて使い勝手のいいような、本当に支援を受けたいという人の立場に立って手続等をもっと考えたらどうかという点、さまざまな御指摘があります。だからこそ、そういう点をよく協議して、今後改善すべき点もあると私は認識しておりますので、そういう意味を込めて、もっと議論を深めていただきたいということを申し上げているわけでございます。
○阿部委員 そうして議論しているうちにも、震災が起こり、そして阪神大震災、そして中越の今回の地震、あるいは台風の災害等々で、どんどんどんどん弱い個人から一番大きな負債を受けていくというのが現在の日本の状況かと思います。
例えば、昨日の新聞報道でございましたが、新潟の小千谷市の近隣の旅館業者の方が、営業されておられる旅館のおふろ場に、屋根にたくさん雪が積もって、お二人が亡くなられました。私は、このこと一つとっても、例えば、もちろんこの旅館では雪おろしをやっておられたそうですが、今、豪雪によって屋根の上に雪がたくさん積もって、この雪かきをどうするかということが非常に一方で問題である。御高齢者しかいないおうちでは、あるいは人が住んでいないおうちでは、またつぶれていくかもしれない。そして一方で、ハローワークにはたくさんの仕事を求める人が列をなしている。
生活再建には雇用と住宅が極めて重要。そして、雪の多い地域での雇用と住宅ということに関して、私は、もっと地方に裁量権があれば、例えば雪おろしにそうした方たちを雇用するなどの予算枠もとれるかと思います。
そして、もしもそういう目配りができないのであれば、例えば神戸の大震災のときには、特別立法というか特別措置法において、阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法というのもできております。私は、本来はその権限を地方に、そして現状で今そうなっていないのなら、こういう就労に関しての特別立法なり特別措置法が必要と思いますが、あわせてその点についてお伺い申し上げます。
○村田国務大臣 雪おろしについてだけ、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。
例えば、全村避難指示が出ている山古志村では、村がそうした雪おろしの人を雇って、そのお金を出して雪おろしの作業をしている。それから、ほかのところでも、市町村が雪おろし、特にお年寄り等の要支援世帯に対しての雪おろしの費用を負担している、こういうことでございます。
○阿部委員 続いて、尾辻大臣が御答弁くださいます前に申しわけありませんが、例えば、私がお願い申し上げたいのは、そうしたことが、先ほどの鳥取県でもそうですが、住宅支援でも何でも、市町村が、あるいは県が独自にお金も手当てしなければいけない。であるならば、もっと大きな枠で、市町村が自由に使える震災復興のための考え方、予算のとり方をやっていただきたいという点でお願い申し上げました。
もちろん、生活に近い市町村は必死です。続いて死者が出ないよう、家が壊れないよう、仕事が生まれるよう。しかし、そのためにもお金が必要です。そのための予算案を私どもは今審議しているのだと思います。
引き続いて、恐縮です、尾辻大臣にお願いします。
○尾辻国務大臣 まず、先ほど具体的に阪神・淡路大震災のときの公共事業就労促進法ということが出てまいりましたので、まずこのことから申し上げておきたいと思います。
確かにこのとき、特別立法をいたしました。そして、無技能労働者を雇用する場合に被災失業者を四〇%以上吸収する仕組み、こうしたのでありますが、実は、これは大変低調でございまして、結局、この制度で雇い入れた方というのが九十七人にとどまったということもございまして、こういうこともございますので、それぞれよく制度も考えてつくっていかなきゃいけないというふうに思っておるところでございます。まず、そのことを申し上げます。
それから、今、現状でありますけれども、特に緊急地域雇用創出特別交付金、これで対応していただける分が相当ございますので、こうしたこともお願いをいたしております。
あと、細かなことはいろいろありますけれども、申し上げません。
○阿部委員 今の尾辻大臣の答弁も、私はあらかじめ大体調査しておりましたので、やはり地方に使い勝手のよい形でお金が渡らないと、就労問題もなかなか解決しないということを申し添えて、そして村田大臣が明日行ってくださるということですので、ぜひともハローワークの窓口等々で、どのような状況であるのか、とにかくこの就労という、現実に仕事がないという状況を解決していただくために、また御尽力をいただきたいと思います。
引き続いて、いわゆるこうした個人への補助とあわせて、先ほど来この委員会でも問題になっております、公共性のあるものについて国がどうバックアップしていくかという点について、私は既に厚生労働委員会で病院等の、いわば弱い方、体の弱い、自分で動けない方が入っておられるところもまた震災の大きな弱点になってまいると思いまして、果たしてそうした病院等々が耐震構造はどのくらい安全ですか、安心ですかということを伺いました。
既に、内閣府の調査、平成十三年から始まり、十五年発表では五六%内外ということで、逆に言うと、残り半分は地震が来ても崩れちゃう、壊れちゃう、つぶれちゃう、そういう現状が今も私どもの中にあると思います。
この点については、厚生大臣であられたこともあるので小泉首相は御存じと思いますが、私はぜひとも、待機児童ゼロ作戦と同じように、耐震化率一〇〇%作戦を小泉首相のじかのお口から承って、本当に安心して入院できる、だって、動けない、逃げられない。小千谷の総合病院では、本当に医療者が全力を挙げて担架であるいはシーツで全員を無事に外に運びましたが、その労たるや、本当に涙のにじむような苦労だったと思います。
耐震構造について、きちんと政府として目標と期限を持って臨むおつもりはおありかどうか、お願いいたします。
○小泉内閣総理大臣 地震が多い日本にとって、災害に強い国ということを考えると、まず、それぞれの家屋、建物、地震が来てもそれなりに耐えられるような構造を強化していくべきだという点は、政府としても、これを今真剣に受けとめて進めなければならないと思っております。
病院等は、まず公共性を考えますと、一番重点的に考えなきゃならない点でありますので、そういう点も含めて、今、何年までにとかいうことはお答えできる段階ではございませんけれども、防災という観点からも耐震性を強化していくという点につきましては、単に病院のみならず、ほかの建物においてもこれから進めていかなきゃならない課題であると認識しております。
○阿部委員 私は、これこそ数値目標を、年限の目標を持っていただきたい。そのことによって、総理もよく御存じのように、予算のつき方、あるいは改修にもお金が必要です。そして、公と民とを問わず、やはり公共性のあるものについてきっちりとした政策を打たなければ安心して暮らすことができません。ここは総理の英断ですから、あいまいなことを言わずに、きちんと政策目標、政治目標を持って臨んでいただきたいと思います。三月末には実態調査の新たな、今回厚生労働省が行われましたものの数値も出るやに伺っておりますので、ぜひとも予算にも今後反映していただきたいと思います。
そうした国内の問題と、いま一方、昨日の新聞報道にもございましたが、今や我が国にとって最大の輸出相手国は中国となりました。そして、輸出入額の総計も二十二兆という巨額に上っております。
小泉総理の所信表明演説でも、この日中関係について、あるいは東アジアのこれからの展望について非常に重要性を御指摘されておられますが、はたまた、昨日の民主党の菅前代表との質疑を聞いておりますと、特にこの靖国参拝問題に関して、小泉総理は、適宜適切に判断いたしますを八回繰り返しておられます。
私は、例えば富士ゼロックスの会長である方が銃弾を置かれたり脅迫されたり、あるいは北城IBM会長もこの件について御発言がございますが、今、国民も経済界も挙げて、この中国と我が国の本当の友好関係がどのようにあったらもっともっとよい関係になるかということに心を砕いている、簡単に言えば心配していると思います。
そこで、小泉総理に伺いますが、この靖国の件、とりわけ懸案となっておりますが、総理はどのような形で具体的にお互いのそごを詰め、よりよい了解に持っていこうとなさっているのか。総理はいつも、結果としての行動か、あるいは極めてあいまいに、適宜適切に判断しますというお答えしかありませんので、具体的にはどのような形で、お互いそごがあるとすれば、あるいは冷え込んだ関係があるとすれば解決していくのかについて、お考えを伺いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 昨年十一月ですか、胡錦濤中国国家主席とも、また温家宝首相とも会談をいたしましたけれども、両氏との会談におきましても、未来志向で日中友好関係を発展させていこう、そういう認識を共有したわけでございます。これから、日中の問題につきましては、意見を異にする問題もあるけれども、大局的見地に立ってお互いの友好協力関係を増進していこう、そういう話し合いをしたわけであります。靖国だけではございません。
既に日本と中国は、貿易額におきましては米国を抜いて大きな額になってまいりました。今なお中国も目覚ましい経済成長を遂げております。日本も、アメリカや中国、最大の貿易相手国として、政治のみならず、経済の面においても国際社会の中においての協力も重要になってきていると思いますので、そういう観点から、今後とも友好関係に意を用いて、両国がますますともに発展できるように良好な関係を築いていきたいと思っております。
○阿部委員 私が小泉首相にお聞きしたいのは、そのような表面的な答弁でなくて、具体的にどうしていけばお互いの信頼が醸造されるかという中身でございます。そのことは国民のだれもが案じているから御答弁をいただきたいとお願いを申し上げているわけです。
そして、もう一点、NHK問題が話題になっておりますが、その中でも、わけても従軍慰安婦問題についての歴史認識を一点だけ問わせていただきます。
既に、総理の手紙という形で従軍慰安婦の皆さんに毎年毎年送られるお手紙の中に、日本とかつての個人個人に引き起こした従軍慰安婦という現実の過酷な運命について、日本は国としてこれを大変に申しわけなく遺憾に思うという総理の手紙というのを毎年、小渕首相もそうですし、歴代総理は従軍……
○甘利委員長 質問時間が終了しておりますので、簡単にお願いします。
○阿部委員 はい。慰安婦の方につけておられます。
小泉首相は、その点については現在も同じ認識で、お手紙に首相のお名前もございますから、そのように理解してよいのかどうかという一点だけお願いいたします。
○小泉内閣総理大臣 これまでの政府の見解に変更はありません。
○阿部委員 ありがとうございます。
○甘利委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。
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