第163回国会 厚生労働委員会 第4号 平成17年10月19日(水曜日)抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 障害者自立支援法案(内閣提出第一一号)(参議院送付)
 障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出、衆法第一〇号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件(アスベスト問題)

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鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 さきの国会に引き続きまして、この厚生労働委員会で一般質疑、とりわけアスベスト問題でのこういう集中した審議を設けていただきまして、両筆頭プラス委員長にお礼申し上げますとともに、やはり事の重大性、問題の重大性というのは、あるいはまた国民が抱いておる不安というのははかり知れないものがあると思います。

 せんだって、私は、たまたまことしは被爆六十年の年ですので、被爆関係の団体に呼ばれてごあいさつしてまいりましたが、広島、長崎の被害を受けられた方二十万人以上、そして今、このアスベスト問題も、集計の方法いろいろございますが、将来にわたって、さっきの大臣がおっしゃるロングタームをとれば十万とも二十万とも、肺がんを含めていろいろなアスベスト被害が私どもの社会に厳然として存在するであろうということを考えれば、私は、事態は幾ら重く見ても行き過ぎはないだろうというふうに考えるものであります。

 そうした大きな課題を抱えた中で、尾辻大臣がせんだってもNHKの三時間番組に、あれは皆さんと御一緒ではなくて、たしか離れた場所だったと思いますが、お出になられて、そのときに、尼崎で実際に亡くなられたお母さんを持つお嬢さんとか、あるいは闘病中の患者さんに対していろいろお声を聞かれて、またその直後に実際に行かれてお目にかかられて、早速に労災関連の行政の問題を、中皮腫の認定ということに幅を持たせることを含め、それにかかわる通院治療費などについても前向きに検討したいというふうに、日々リアルタイムというか、日々のアクションを起こされていることに心から敬意を表したいと思います。

 私は、きょうの審議を聞きながら、幾つか確認をし、なお提案をさせていただきたいと思うことがございますが、実は先ほど五島委員の御質疑に、経済産業省あるいは国土交通省の方からも、審議官でしょうか、お出ましあそばしていろいろ御答弁でありました。確かに五島先生の御質疑は全般にわたっておりますし、私どもも聞いていてすごく勉強になったと思う気持ちは同じでございますが、しかし、例えば担当の皆さんから、初めて全貌がわかりましたと言われると、やはりまだその程度のもので、この問題が本当に検証されるまで、各省庁おのおのに検証すべきことがあると私は思うのです。

 国土交通省も経済産業省も、それからきょうは出ておりませんが、私がずっと問題にしております石綿の輸入問題は、これは財務省関連でございます。それから、尾辻大臣が頑張ってくださる厚労省関係は、労災の問題、あるいは幅広くさらにさらに問題がある。環境問題もある。こういうことで行政がどう対応してきたかということを検証するに当たって、いわば内輪で会議をしておりますと、検証と申しましても、いただきました文書を見ても、私はどうしてもこれは納得できない、あるいは甘い、緩い、本当かと思うようなところがたくさんございます。

 それだけを言っていてもこの審議が終わってしまいますし、一方で現実に被害に苦しむ方がおられて、その検証の論議に多くを費やすということも望むものではございませんので、大臣には、例えばハンセン病の検証会議のような、あるいは、BSEも外部検討委員会を設けて、果たして農水行政はどうであったかを検証されたわけです。

 私は、これから先、大臣がおっしゃるように、十年、二十年、三十年と見ていくためには、今ここでしっかりした検証ということが、ぜひとも中間点で必要でございますから、そうしたもっと骨太の検証会議、検証作業が行われるような仕組みをお考えいただけまいかと一つは思うわけです。この場でも、ハンセン病の検証会議の方が見えて、私どもも資料もいただき、これは将来にわたる、我が国のこうした伝染病隔離行政の持っていた非常な問題を今後も私たちにある意味で見返るいい教科書となると思うわけです。

 そこで、大臣に一問目は、今までのようなかりそめの検証、まあ、とりあえずの検証と呼んでおきましょうか、それ以上に、やはりきちんとした、これは省庁の外のそれなりの見識のある方々を加えた検証会議の設定というものを、今内閣府で各関連省庁会議でおありでありますが、そういうことと違って、行政サイドと違っておつくりいただけまいかというものを一点目、お願いいたします。

尾辻国務大臣 政府全体で検証をしてまいりました。そして、政府全体としての検証はきっちりやったつもりでありまして、報告書も出しておるところでございます。したがいまして、一遍そういう形はとっております。

 ただ、申し上げておりますように、今後の検証は当然しなきゃならない。特に十年後、きっちりした検証をしなきゃならないと考えておりますから、そうした今後の検証をどうするかということの中で、今お話しいただいたようなことも含めて私は検討するべきことだと思っておりますので、そうしたことを含めて今後の検証の検討はさせていただきたいと存じます。

阿部(知)委員 ぜひ本格的なというか骨太の検証会議をつくっていただきたい。これは、諸外国でも社会を揺るがすような大きな問題に発展しているものでございますし、我が国の各関連省庁にとっても見直すべき点は多いと思います。

 そして、残念なことに、各省庁の担当者は自分の担当された年限の中でおのおのやられるのでしょうけれども、それがどのように長期的に縦横に連携しているかということにおいても、この問題は私は非常に根が深いと思いますので、今の大臣の御答弁を前向きに受けとめさせていただいて、よろしくお願いしたいと思います。

 あと、ただいまの吉井委員もお取り上げでございますが、住民健診ということについて午前中の委員もお取り上げがございました。それに対しての恐らく老健局長のお返事であったかと思いますが、ただ単に、例えば住民健診、レントゲンを一枚撮れば、それによる被曝量の方が心配なのでと、こういう答弁がずっと繰り返されているわけです。

 私は、その答弁を聞きますと、何て健診というものを機械的に考えておられるんだろうと。そういうので健診というんじゃないんだよということをちょっと大臣にもしっかりと御認識いただいて、論議の土壌をつくらせていただきたいと思うんです。

 実は、私は、先国会が終わって今国会が始まるその間に選挙があったわけですが、土井さん、前党首とともに尼崎に行き、住民の皆さんともお目にかかって、いろいろなお話を伺ってまいりました。その中で幾つも印象的な事例がございましたが、例えば、三十五歳の息子さんが、三十五歳で中皮腫で亡くなられておるんですけれども、そのお母様はもう八十お近くて、今肺がんだと言われてというお母様の方にお目にかかったのですが、子供さんがお小さいときにクボタの構内で水道管が並べてある中で遊んでいたと、恐らく幼いころの暴露なんだと思うのですね。そうすると、大臣のおっしゃる平均三十八年、その前にもう亡くなってしまっているわけです。おまけに、実はクボタの工場周辺には小学校もあり、幼稚園もあり、あるいは保育園もあって、そこに子供を通わせていたという方もおられ、当時の子供はもう中供というか、大人も超して中年になっておられるわけです。そういう方々、皆さんが健康不安を抱えておられるわけです。

 私は、大臣が住民とお会いくださった、皆さんの声を聞いてくださったということは、本当に大変ありがたいと思いますし、評価しておりますが、しかしながら、今行政の、特に厚生労働行政あるいは環境省のいろいろな調査の行政の中で、住民調査、わけてもクボタ周辺の住民の皆さんが抱える不安にどうこたえていくかということがいっかな実行されないわけです。

 環境省の方では、この三年間で中皮腫で亡くなった方、この方たちの居住歴や職歴をお調べであるということは存じております。しかし、亡くなってから、あるいは症状が出てから以前に不安を抱え、そして、大臣も御存じだと思いますが、実はクボタ周辺では中皮腫による死亡が四十一人、患者さんが五人の計四十六人、現在はっきりしておりますが、この死亡率たるや全国平均の九・五倍なわけです。

 ある地域にお住まいで、ほかの地域より九・五倍という確率で罹患する、そういう実態の中に暮らしておられる尼崎の皆さんにとっては、例えば健診とはどういうことを言うのかというと、私など小児科ですから、子供さんの発達のおくれがあるということで健診をかけますが、その場合は、すぐレントゲンを撮ろうとか、CTを撮ろうとかじゃないんです。まずお話を聞き、どこでどういうふうに成育されて、どこでどんな問題がありましたかということも健診なんです。これも含めての、そしてその方にレントゲンが必要かCTが必要か、それ以上の検査が必要かというふうに区分けしていくのも医師の力量なんです。それらすべてを含めて健診。健診は住民が安心して日々を生きていただくため、このお話し合いだけで安心される場合もあるわけです、あなたの場合は大丈夫ですよと。そういうことをなぜ早急に手をつけないのか。

 厚生労働省が有識者をお集めになりやっている会議も、医学の専門家を集めてこのたび四回になりますが、その座長をやっておられる森永さんが、既に八月四日の時点で、早急にやるべきだ、これをやっていないのは怠慢と言われても仕方ないと言われて、そして、しかしまだ会議は踊るです。

 本当に住民の、尾辻大臣だって、お一人か二人の声を聞いただけで、ああ、これをやらなきゃいけない、こういう隠れた問題もあったのか、そのときに対策が浮かぶわけです。私は、正直言って、大臣はすごく努力されていると本当に思います、この間のいろいろなところでの御発言を拝聴しながら。しかし、本当にやっていただきたいクボタの周辺住民の住民健康診断、そして、もっと言えば、それは疫学調査にもつながっていきます。

 何だか、先ほどの老健局の御答弁を聞いていると、レントゲンは放射線量が云々で、発がんが云々で、しかし、それは不安を抱えた住民の気持ちを全く逆なでする答弁でしかないのです。このそごを、行き違いを埋めていかない限り、私はいい行政というのはできないと思います。

 大臣は、この専門家会議の冒頭で、国民の立場で住民の不安にこたえてとおっしゃっています。まさしくそのとおりです。そして、過剰なことをやれと言っているのではないのです。聞き取る。それは専門家の耳で聞き取る。状況が分析できます。そこから必要な検査が出ます。

 大臣、どうですか。早急にまずクボタ。クボタはすべての代表になります。ほかにもあります、ニチアス、あるいは埼玉県の行田、曙ブレーキ工業、周辺住民の被害が上げられているところは幾つもあります。でも、まずこのクボタをきっちり、国民にこたえるか、住民にこたえるか、不安にこたえるか、このことがアスベスト行政の私は根幹になると思いますので、大臣のお考えとまた決断をお願いいたします。

尾辻国務大臣 今先生に御指摘いただいて、ああ、たしか私もそう言ったなということを思い出しました。専門家の皆さんがお集まりになったときに、どうぞ、ぜひ我々専門家でない者にわかるような議論をしていただきたいということをお願いしたことを記憶いたしております。ぜひそういう視点で答えを出していただきたいと思い、それを願っておったわけでございますが、その後、四回会議は開かれておりまして、結論が出ていないことも承知をいたしております。

 ただ、その間でどういう発言があったのか、今八月四日にとたしか先生言われたように記憶いたしておりますが、そういう座長の御発言もあったやに今お話を伺いましたので、もう一度私もその辺の皆さんの御発言も改めて調べてみます。そして、今言われるような視点でこの問題を見たときにどうなるのかなということは、私も考えてみて結論を出したいと思います。

 確かに、今まで答えておりますのは、そして私も話を聞いて理解しておりましたことは、もっと広く、うんと周辺住民の皆さんを広くとらえて、そしてどうするのがいいかというような議論で、先ほど来お答えしているような答えがついつい出てきているんだとも思いますので、もっと本当に不安を感じておられる皆さんにどう対応するのかというのは、そういう広く周辺住民をとらえて考えることとはまた別な話だと思いますし、そこのところはどうするのがいいのか、これはもう一回、きょうの先生のお話を伺いまして、私自身がまず考えてみたいと思います。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 子供の例を挙げましたのは、実は、南アフリカで、あそこは主に青石綿を産出しておりましたが、鉱山周辺で、子供がごみの山にいても、その子供が若くして中皮腫になったりしております。あるいは、そこで働いていた子供がなっております。そういうことからすると、やはり子供が大人とは違う機序でより早くに発症する。最近、若年者の発症ということが大変に言われております。私は、こういうこと一つとっても、大臣がおっしゃる三十八年というのを聞く都度、やはりそれは一部である、もっと本当の検証をしてほしいといつも思っておりましたので、よろしくお願い申し上げます。

 あと、現在持っているデータでできることで、私が一つ、本日、午前中の審議を聞きながら御提案したいと思います。老健局長の先ほどの御答弁ともかかわりますが、日本は実は肺がん検診というのをやっておりまして、レントゲンを撮っております。先ほど来問題になる、一枚撮ると発がん性が高まると言われても、肺がん検診では撮るわけです。そして、この肺がん検診のために撮ったレントゲンを分析いたしますと、その地域によっていろいろな頻度が、どの程度今から見た胸膜肥厚があるか、これは全例出るわけではありません、CTのように精密な検査ではないですから。しかしながら、後から見てみて利用できるデータはないかというときに、老人健診で用いた胸部レントゲン写真というのはかなりの情報量を持っていると思います。

 実は、そのことに関しまして、ここには、こんな古びた色になりましたが、私がその昔、一九八一年です、アスベスト問題でいろいろ勉強しておりましたときの朝日新聞の記事に、ここには厚生省の労働科学研究所の海老原先生という先生が、御自身がごらんになった老人健診の際のエックス線直接写真一万枚を分析しまして、都市部等、特に埼玉とか東京とか神奈川ですね、そういうところでのいろいろな胸膜肥厚の所見の出現率を比較されております。これは、その当時、まだ大気汚染の防止策もなく、いわば都市部ほど肥厚斑が多かった時代です。

 しかし、私どもは、今その目で振り返れば、何も一斉に住民健診とやらなくても、これまで厚労省が行政の中でやってきた資料、そこから出てくる財産を用いてこうした検証もできるわけです。そして、このときに、これは厚生省の労働科学研究所ですから厚生省も御存じな、当時は労働省でしょうか、情報は持って、お知りだったんだと思いますが、これだって、その後継承されないわけです。継承も検証もされないわけです。

 私は、そうやって健診やりっ放しというのが一番いけないし、もちろん肺がん検診に役立てたのかもしれません、しかし、今から見れば、そういうふうに活用もできる。あるいは、八一年にそういう指摘があるわけです。このアスベスト問題と我が社会が本当にがっぷり四つに組んでいこうと思えば、私はやれることはいっぱいあるように思います。

 きょう、この問題は質問予告せず、午前中の審議を聞いて思いましたので、大臣でも、あるいは老健局長でも結構です、私の今の指摘についてどのように受けとめていただけるか、御答弁をお願いいたします。

尾辻国務大臣 今先生からまたいろいろな御指摘をいただきました。この御指摘について、私どももいま一度真剣に向き合ってみたい、こういうふうに考えます。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 きょうは、宿題型、提案型でやらせていただきますが、もう一つございます。

 いわゆる健康管理手帳という問題で、きょう、どなたかがお取り上げでございましたが、実は神奈川県では、ちょうどアメリカがアスベスト問題で、これは危険だから禁止しようということを国内的には合意していた一九八〇年代の半ばに、横須賀において空母の修理を、母艦の修理を、危険だからかもしれません、日本でやるということで、横須賀の軍労働者の皆さんがたくさんアスベストに罹患された事件がございます。

 このことに端を発して、実は神奈川ではアスベスト労災問題は非常に勤労者の間の取り組みも熱心なところなのですが、そこで、現実にアスベストとして発症した方以外に、在日の米海軍の横須賀基地に働いたことのおありなOBの方全員に御連絡をとって、その方たちに健康手帳をとっていただくということをやりました。今、全国で健康手帳八百そこそこのうち、三百が神奈川だということですが、それはそうした熱心な取り組み、以前に暴露して今高齢期を迎えつつあるという方々、これはハイリスク群です。そして、現実にそういう方が発症した同じ作業に従事しておられたということで、これは県が積極的に取り組み、また、先ほど言いましたNGO、NPOも頑張って、一緒に支えた取り組みであります。

 午前中の答弁で、例えば各建設現場あるいは製造現場でいろいろ働いていた方についても、これから労災問題も含めてよりよい取り組みができればという御答弁でしたので、この横須賀における横須賀基地にお働きの皆さんの事例を先例として私がきょうお示しいたしますので、そのお働きであった方のOBにも健診をしていただくようなことも指導、そして健康管理手帳を必要であればとっていただく、このことをお考えいただけませんでしょうか。午前中の答弁の方でも結構です。

青木政府参考人 健康管理手帳については、確かにおっしゃるように、前にもたしか御答弁申し上げたと思うんですが、こういった大きな影響があるということからすると、本当に数として適正だろうかという思いもございます。そういう意味で、健康管理手帳の交付要件だとかそういったものも含めて、仕組みをもう少しよりよいものに考え直す必要があるんじゃないか、こういう思いで検討をしようということでございます。

 神奈川については、非常にそういうことで取り組みもあったということも聞いておりますし、お話しのあったようなことも考えながら検討していきたいというふうに思っています。

阿部(知)委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。

 この国会では、先ほど来、切れ目のない救済政策がとれるようにということで、新法の御用意もなさっておられるということですが、私はそれに先立って、まず、今までの行政の中でもやれること、やるべきであったことがあるのではないか、もちろん新法で救済される方がおられることは大臣の御英断だと思いますが、それ以前に、やはりみずからを点検してみるということが第一であると思うわけです。

 そこで、今回、新法ができるとすると、その枠組みの一つに入れられると言われている労災補償を受けずに死亡した労働者、とりわけ時効問題ということで、これも大臣が非常に前向きにお取り組みくださって、亡くなってから五年を一日たりともたっていると労災が受けられない、あるいは、発病されて二年を経てしまうと今度は治療のための給付が受けられないなど、現行の労災保険の枠組みというのは非常に制約がございます。

 そこで、一問お伺いいたしますが、この間アスベスト問題で健康不安を抱える方たちにいろいろな相談窓口を開設されたと思います。その中で、こうした時効問題にかかわる事案は一体幾つぐらい相談が寄せられたかについて、まず実態を御答弁願います。

青木政府参考人 石綿に関する相談につきましては、ことしの七月三十日に、労災認定事業場リストを公表いたしまして皆さんに周知をするというふうなことをしたわけであります。それ以降、十月十七日までの件数を把握しております。これですと、全体の相談件数は一万六千四十三件あります。うち、御質問の労災請求の時効関係についての相談は四百五十五件でございました。

 ただ、時効の相談ということでありますけれども、この中には、時効制度一般についての問い合わせも含まれております。今御質問は、具体的に個々の相談者の方が時効にかかっているかどうかというようなお尋ねかと思うんですが、そこまではとれておりません。そういう意味では、すべてがそういうことではございませんが、いわゆる時効ということについての問い合わせというので四百五十五件ということでございます。

阿部(知)委員 四百五十五件、今御答弁のような内容も含めてですが、やはり多い数だと思うんですね。労災認定の中で重要な問題だと私は認識します。

 そこで、大臣にお願いがございますが、この時効問題は五年の死亡のほかに、先ほど申しました、現在生きておられるんですけれども、治療中の方も二年の時効で労災にははまらなくなってまいります。この方の御認識も大臣にはおありかとは思いますが、私はやはりこれは本来労災という枠で、だって労働災害ですから、ただ、四十年とか長い後に出てくるということもありますが、労災のあり方として見直していただけまいか。

 それは、いろいろな、大臣が中皮腫の診断基準を少し緩めることもとおっしゃいました。あるいは、事業所がどこだかわからないから認められていないという例もございました。基本は労災のあり方の充実だというふうに御認識いただいて、時効二年問題についても、鋭意、大臣としてのいろいろなお取り組みをいただけまいか。いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 私も、この時効の問題、とにかく解決しなきゃいけないと思いまして、私なりにまた勉強もいたしておるところでございます、させていただいております。

 というのは、時効という考え方、日本の法律の体系の中から時効をなくすとか、時効そのものを外すということは非常に難しいことだというのもよく理解できますし、では、それを乗り越えてどういう答えがあるのかということで、今私どもなりに検討いたしておりますので、恐らくやはり新法の中で新しく救済するという形になるのかな、実は私は今それが一番現実的な対応の方法かなとは思っておるんですけれども、そうしたことを含めてよく検討をさせていただきたいというふうに思います。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 私どもは、冒頭、五島委員もおっしゃいましたように、本当は労災保険法の改正という形が望ましいと思っておりますが、大臣がお考えいただけるということですので、またよろしくお願いいたします。

     ――――◇―――――

[後略]


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