第163回国会 厚生労働委員会 第5号 平成17年10月21日(金曜日)抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 障害者自立支援法案(内閣提出第一一号)(参議院送付)
 障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出、衆法第一〇号)

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鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日のこの障害者自立支援法案は、ここにお集まりの委員の皆様はよく御存じのように、さきの国会で廃案の経過をとり、再び本日、衆議院での審議が始まっております。

 今週は半ばに冷たい雨が降りまして、その後少しお天気が回復したとき、私は国会の第一議員会館、第二議員会館の前を通過いたしましたときに、植え込みにお布団が干してございました。国会で見るお布団というのはとても奇異に映りましたが、その期間ずっと、障害のある方が国会周辺で寝泊まりしてこの審議を見守っておられるというほどに、先ほど桝屋さんと山井さんの伯仲した論議がございましたが、やはり最もこの問題に、もう本当に一つ一つに心を砕き、耳をそばだて、見守っているのは障害のある方だと思います。そしてまた、この利用対象となる方、あるいは御家族だと思います。そうした方たちにしっかりこたえられる国会審議を行っていくために、本日は、この委員会、衆議院では初めての、冒頭でございますので、骨格的な論議を大臣と行わせていただこうと思います。

 障害者問題は、先ほど申しましたように、外に詰めかける障害者の方、こういうのを国会周辺で見るというのはこれまでになかったことでしょうし、逆に言えば、国の政策の中で正面立ってがっぷり四つで取り上げられることが本当に少なかった分野だと私は思います。そういう分野をきちんと法案化し、また審議しようという厚生労働省並びに提出になった政府の御努力には敬意を表しますが、だがしかし、私は、この問題はボタンのかけ違いが大きく生じて、その成り行きのままに進んだら不幸になると思います。

 どういうことかと申しますと、これは厚生労働省の方が最も御存じでありましょうが、いわゆる介護保険との統合ということを念頭に改革のグランドデザインというものがつくられ、それが、障害者と御高齢者の統合がある時点で見送られるようになりました。それは恐らく去年の十二月ごろでしょうか。しかしながら、財政的にあるいは現実的にどうにかしなくちゃいけない、桝屋さんがおっしゃったとおりです。そこで、どんな方策があるんだろうということでこの支援法案が出てきたわけですが、しかしながら、大臣も御存じのように、高齢者施策と障害者施策においては、やはり国の取り組みにおいて、予算においても、また審議においても、そして現実のサービスの提供のあり方においても大きく開きがあると私は思います。

 その開きをつくったもの、これはよしあしではございませんが、例えば御高齢者の施策の場合は、平成元年に御高齢者のゴールドプランというものがつくられて、平成十二年に介護保険法というのが成立いたしました。事の順序は、ゴールドプランにおいて、一体どのくらいの御高齢者が現実にお暮らしで、どのくらいのサービス基盤が、国として把握し、提供され、それを支援するかということが十年先立って行われました。私は、この助走期間がなければ、介護保険、確かにいろいろ問題はあるがスタートできたわけです、そして今またその改正が論じられていますが、このきっちりしたプロセスというものは見逃しにできないと思うわけです。

 今回、中村前老健局長がこの担当になられましたので、そのことは私以上によく御存じだと思いますが。大臣、今障害のある皆さんがすごく不安でお布団を持って寝泊まりされる大きな理由の一つに、自己負担増という問題がございます。もう払えないじゃないかと。

 それ以上にかもしれません、サービスが提供される基盤が脆弱で、もともとみんな、例えば障害のある子のお母さんたちが一生懸命お金をかき集めて、家を借りていろいろなサービスを提供してきた。御高齢者の分野に比べればはるかに足腰が弱く、サービス提供基盤ということにおいて整備もされないばかりか、厚生労働省としての実態把握が進んでおらない状態で次のステップを踏み出せば、この社会が何によって動いているか、経済によって動いているわけですから、非常に脆弱な基盤でそれを市場にゆだねたとて、今でもそうです、多くの困難な部分のヘルプはNPOがやっておられます、手弁当です。

 そういうことでやっている中で、実は厚生労働省も、去年の八月、与党に対してのいろいろな予算の要求説明のときに、たしか時限で、期間を区切って、サービス基盤の整備に、それは何もでっかい箱物だけを言いません、サービス基盤の整備に予算を要求しようというお考えがあったのではないか。私はその点を大臣にお伺いしたいです。

 ここがもっと、今やるべきは何かと言われたら、私はそれだと思います。さっき桝屋さんと山井さんの本当にハードなバトルを聞いていました。意味があると思います、あの論争にも。そして、それ以前に、今緊急に、それは先ほど申しました御高齢者の政策におけるゴールドプランから介護保険にと、このステップをやはり障害者でも、今、障害福祉計画は確かにつくるように言いました、でも、それをサポートする財政支援もなければ物は進まないのです。参議院の参考人の与党側の方もおっしゃっていたと思います。

 大臣、長くなって済みません、昨年の八月段階の厚生労働省のお考えはいかであったか、それに対して与党はどうお答えになったのか、そして、なぜすこんと抜けてしまったのか、この点についてお願いします。

尾辻国務大臣 今、先生がお述べになりましたこと、私なりに理解してお答え申し上げたいと存じます。

 昨年の夏のお話、そして概算要求時点でのお話をいただきましたので、恐らく、この基盤整備についてどう考えるのか、まず基盤整備が大事だろう、基盤整備をちゃんとやるということを言ったじゃないかと、それに対してどういうふうに考えるんだというお話だと思います。そう理解してお答えいたします。

 まず事実から申しますと、昨年夏の段階で、自民党を中心に障害者福祉の基盤整備に関する特別立法の動きがありましたことは事実でございます。ただ、概算要求の資料とは、明記したりとか、関係なかったと、私は当時部会長でございましたので、記憶いたしております。特別立法の動きがあったということだけは事実であるということをまず申し上げたいと思います。

 それからまた、当然これは、今先生それをお述べになったわけでございますけれども、私どもも基盤整備を進めていく必要があるということは、十分そのとおりに認識いたしておりまして、昨年の骨太の方針でどう書いているかということを改めて申し上げますと、「障害者の雇用・就業、自立を支援するため、在宅就労や地域における就労の支援、精神障害者の雇用促進、地域生活支援のためのハード・ソフトを含めた基盤整備等の施策について法的整備を含め充実強化を図る。」と申しておりますから、これが政府全体の考え方でございます。

 私どもはこの考え方で進めていくべきと考えておりまして、そのためにもこの障害者自立支援法というのをお出ししたと。あるいは先生そこはちょっと飛び過ぎだとおっしゃるかもしれませんけれども、その考え方に基づいて自立支援法を出したというふうにお答え申し上げたいと存じます。

阿部(知)委員 いつも尾辻大臣は御丁寧な答弁でありますが、いわば自立支援法は介護保険法に当たる、一緒ではないです、介護保険法に当たる部分です。どのようなお金を用いて、どのような給付を行うか。

 大臣もおっしゃったように、当初、骨太方針やあるいは特別立法でやろうかと思ったところのものは、ハードやソフトの基盤整備でございます。この両輪がないと車は回らないのではないかという御指摘を私はいたしております。もしも今大臣のお気持ちの中に、ああそうだ、骨太のときもそうだった、与党も確かにそう思っていたというのであれば、何せ、本当に障害問題をめぐっては基盤は脆弱そのものであります、とてもとても御高齢者の比ではございません。これを、大臣が今おっしゃったようなハード、ソフトの基盤整備を。

 その前に、まず厚労省は現状を把握してください。私は、きのうも、本当に部局の方には恐縮だったけれども、遅い時間まで現状把握についていろいろとデータもお出しいただきました。しかし、本当を言えば、そもそも、こういう審議の中にきっちり出していただいて、ああ、このくらいは基盤整備されているんだと、ここはまだまだだと。そうなると、お金の枠だけつくっても、結局そのお金の枠が十分でなくなるということは、もうこれは本当に支援費で経験したことですからあり得るんです。そこを今一番障害の方は心配されるわけです。

 みんな苦労してつくってきたんです。これでもまだ足りない、もっと必要だろう、でも、それをサポートしてくれるものがなければサービスも受けられません。この両輪だということを御理解いただいて、ぜひ、特別立法という言葉がよろしくなければ、ハード、ソフトの基盤整備に、でもやはり立法が欲しいです、予算も欲しいです、そういう向きに検討していただけまいか。大臣、いかがでしょう。

尾辻国務大臣 これは何の施策でもそうでありますけれども、特に障害者福祉施策におきましても、これはハードとソフトの両面でやらなきゃならないのはそのとおりでございます。私もそう思っております。したがって、ハード、ソフトの両面から施策を進めていきたい、そのための努力、全力を挙げてやりますということを改めて申し上げたいと存じます。

阿部(知)委員 大臣ではなくて担当の方の方で結構ですが、ちなみに、精神障害関連のさまざまな、在宅でお暮らしになる場合に、例えば作業所とかあるいはグループホームとかそういうものの整備状況は、日本全国を見渡した場合にどのようになっておるかというデータはお持ちでありましょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者福祉サービスの利用の実態把握調査、十六年十月分の調査をさせていただきました。

 その結果によりますと、例えば精神障害の方のホームヘルプサービスでございますと、千二百三十四市町村で実施されているということで、四九・三%の市町村で実施されております。人口カバー、そこの市町村の全人口に対する割合は七九・七%である、そんなような状況でございます。

 通所施設関係の利用状況についての数字は上がっておりません。わずかに、精神障害者の方のショートステイは百五十八市町村、六・三%で実施されている。

 グループホームは六百七十八カ所、二七・一%の市町村で実施されているということです。

 障害者の方全体の居宅サービスについて言えば、身体障害、知的障害、精神障害、二十六万四千二百人使っておられる中で、私どもの調査では、精神障害者の在宅は一万四千五百人ということで、障害種別割合にしますと五・五%ということでございます。身体障害者、知的障害者、精神障害者のいわゆるトータルで六百万の数がおられるという中で見ますと、精神障害者の方の居宅サービスの利用状況は極めて少ない。これは、現行の支援費制度でも精神障害者の方がカバーされていないというようなことが大きな原因ではないかと認識いたしております。

阿部(知)委員 今の局長の御答弁は、やはりそういう答弁になるんですね。私はインフラ整備はどこまで進んだんですかと聞いたんですね、そうすると利用から他に比べて少ないよという御答弁でした。

 これは、なぜ少ないかというのを分析する際に、例えば、三千百二十六自治体、これは平成十六年四月一日現在でございますが、この自治体で、生活訓練施設、福祉ホーム、精神入所授産、精神通所授産、精神小規模通所、精神福祉工場、支援センター、このどれか一つでもある自治体を一と数えてです、今言った七つ全部じゃないんです、一つの市町村に一個でもある自治体を数えて、三千百二十六中五百七。本当に少ないのです。一六・二%。

 本当はどのメニューも必要なんです。今申しました、繰り返しまして恐縮ですが、生活訓練施設、福祉ホーム、精神入所授産、精神通所授産、精神小規模通所、精神福祉工場、支援センター、こうしたものが本当に全部一つの市町村にあってこそ選べるメニューです。そこからその人に見合った支援なりが、その人にしてみれば受けるということができます。

 これは精神の一つのデータですが、先ほどの中村局長のおっしゃった、人口当たりでこれくらい身体や知的であるだろうということも、実は人間は都市ばかりに集中して住んでおりません。田舎、過疎、面積に対してもきちんとどのくらいの提供があるかも必要です。そうでなければ地方で障害者は生きられなくなっていきます。本当に日本全国を見て、まず基盤整備、ゴールドプランとはそういうものだったと思います。全国を見て、基盤整備の必要性をきっちりと把握するまでは、そしてそれを提供するまでは国の責任です。ここをあやふやにして、地方に計画だけつくっていただいても、先ほど申しました両輪のお金もない、サービスも非常に手薄である、その中で支援が行われようもないという形になります。

 大臣、きょうの私のお願いは、ぜひ厚生労働省としてこういういろいろな福祉提供施設関連のマップをきっちりつくっていただきたい。どこで、どのくらいの人口と面に対して、どのくらいのものがサービスされているのか、それを把握した上で次のステップが出てくると私は思いますが、いかがでしょうか。

中村政府参考人 阿部委員から、先ほど来ゴールドプラン、介護保険というお話が出ましたけれども、ある意味では、ゴールドプランは施設整備の計画とその施設に対して運営費を出す、ランニングコストをどう確保するか、その両輪から成り立ってきたんだと思います。そういったものの中で介護保険もできた。

 障害行政について見ますと、障害行政についても施設整備についての補助はございますし、支援費制度、今度は障害者自立支援法ということで、かかる経費についてお出ししていくという制度をつくろうとしているということで、その点では車の両輪を今持とうとしている。

 確かに、在宅サービスの利用者数は高齢者の十分の一、施設サービスの利用者数は八分の一、金額では一二%程度でございますが、私ども、今委員から御指摘ありました全国の整備状況、こういったものについてきちっとつくっていくことは大事ですが、大事なのは、やはりそういうニーズに対してサービスを行う、そういうサービスに対してきちんと財政基盤を確保する。

 そういったことが、鶏が先か卵が先かということがありますが、施設をつくっても、ランニングコストが出ないとできない。支援費の場合は、かなり支援費制度でサービスは拡大しましたけれども、財政負担が追いついていませんし、裁量的経費であるというネックもあったということで、今度の自立支援法は、そういった意味で、基盤整備の基本になります所要経費について国として二分の一負担していこうという制度でありますので、まさに先生がおっしゃっている、高齢者でいう一九九〇年から始まったゴールドプランのような意味での基盤整備が、こういう財政基盤の確保ができたということで、これから確実に進むのではないか、こういうふうに私どもは考えている次第でございます。

阿部(知)委員 今回の自立支援法のよい点でもあり、また欠けたる点でもあると思いますが、対個人に対して支援をする形をとったわけです。それがさっき桝屋さんのおっしゃった、日数計算で利用者でお払いすると。しかし、施設が運営できなきゃやれない。だから、中村さんは過渡的に施設への補助も行いますよとおっしゃったわけです。

 あくまでも、本当にハードとソフトは両輪です。そして、このハードがいかに少ないか。大事だと思いますとおっしゃったので、きっちり把握して厚労省としておつくりください。これは本当に大事なことですから。しかし、そちらはつくってみれば一目瞭然です、ああ、こんなに少ないかと。それは御高齢者の施設とは破格に、数が違うだけじゃなくて、破格に違います。そういう図をじっと見て、これを本当に育成していくためにどんな枠組みが必要か。それが、私は障害者自立支援法の骨格になると思います。

 山井さんにも、これは予告なしですが、民主党としてこういうサービス基盤状況ということはどうお考えであるか。私は、これまでお聞きした中では非常にすぐれた法案と思っております。例えば、医療は医療として現在の三十二条を残していく、あるいは応能負担、これも次にやらせていただきたいですが、応能負担、そして、本当に障害者が自分が望むことを決めていくという理念にのっとった施策。そして、もう一つ、やはりサービス提供状況ということを、それは山井さんも長年福祉の現場におられたから御存じでしょうが、それを持ち上げるために本当に何をすればいいとお考えで法案は提案されているのか。恐縮です、予告なしにごめんなさい。

山井議員 阿部議員、御質問ありがとうございます。お答えいたします。

 一つには、私たちの法案の中にも、地域福祉計画を市町村が策定するということを義務づけております。しかし、それと同時に、やはり現状認識の問題だと思いますが、支援費制度が導入されて、阿部議員御存じのように、この二年半の間、本当に多くの障害者の方々がサービスを利用して、施設から出て地域に出てこようとされていると思います。根本的な民主党案の考え方は、まさに今これだけ多くの障害者の方々がサービスを利用されたいというときに、それをもっとエンジンをかけていく、アクセルを踏んでいく、そういう考え方でありまして、それと同時に、先ほど言ったような市町村の福祉計画というのもつくっております。

 ところが、ここがまさに政府案との最大の違いなんですけれども、政府案はいろいろなことをおっしゃっていますが、ブレーキを踏んでいるわけですね。自立支援医療にしてしまったり、また応益負担を入れてしまったり、障害程度区分、まだ不十分なのに無理やり入れてしまったりということで、そういう意味では、政府案は、サービス基盤を整備すると言いながら、一方では応益負担とかいろいろなものを導入して、アクセルとブレーキを同時に踏んでしまっている、何がやりたいのかわからないというふうだと思っております。

阿部(知)委員 ここがまた障害者の皆さんの一番今不安なところで、応能負担ではなくて応益、この前から出ています、トイレに行くにもお金が要るようになったら、果たして十分なサービスが利用できるんだろうか。そこで厚生労働省は、いやいや、皆さん大丈夫、お金がなければ減免措置をいたしますよというのが厚労省のお考えですね。それに対して民主党は、今までの支援費のように応能で、何も負担していただかないと言っているんじゃないと、応能でその方の収入に応じて負担していただく方が、支援費の経験からいっても、もっと本当に必要なサービスがちゃんと出てくるだろうということであります。

 さて、この応能と応益負担のあり方について、実は、二〇〇〇年に、障害者福祉法の改正の時点で、それに先立って社会福祉法改正当時の合同企画分科会報告というのがございます。これは障害施策をめぐっての福祉法を改正するに当たって幾つかの論点整理をしてございますが、ここに、まさに今言ったような応能負担の考え方に基づき本人の所得等に応じた利用者負担とするか、二番目は、応益負担の考え方に基づきサービスの内容等に応じた定率の利用者負担とするかという二案が出されて、一九九九年当時の論議では、障害者の所得の状況などを勘案し応能負担だというふうに結論づけられています。

 さて、この四年、五年の中で、障害者の所得の状況は変わったんでしょうか。この当時の議論をもう一度蒸し返しというか、蒸し返し否定するまでの何か客観情勢は変わったでしょうか。応能負担から応益負担に変わるためには、このときの論議では、一つは新しい制度への円滑な移行に時間を持たせなきゃいけないということと同時に、障害者の所得の状況等を勘案し、引き続き現行の応能負担でという書き方になってございます。これは、この合同企画分科会の中を何度読んでもそのようになっております。この四、五年の間に、それをひっくり返すほどの論拠がおありなのか、障害者の所得状況が上がったか、実態を把握しておられるか、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 ぜひ御理解いただきたいと思いますことは、今回の私どもの改正といいますか見直しは、障害をだれにでも起こり得るものとしてとらえまして、すべての人が受けられる、このところユニバーサルなものというふうに表現しておりますけれども、そうしたものへと変革をさせたものでございます。したがって、すべての人が受けるサービスということでありますから、いろいろな方が、いろいろな方と私が言ったのは所得について言ったわけでありますが、いろいろな方がおられる、したがって、すべての人が受ける仕組みにすると、これはやはり定率で御負担いただくという考え方の方がよかろうというふうに思いました。

 ただ、今私がまず申し上げたのは、大きく全体のサービスというふうな立場で言ったわけです、それを前提にして言ったわけですが、今先生が言われるように、その中の低所得者の方だけに着目すると、これは、御負担いただけるようにちゃんとそれはしなきゃいけない、まさに応能負担の考え方というのを当然入れなきゃいけないと思って、私どもはそこは今いろいろ申し上げているようなきめ細やかな仕組みにしたところでございます。

 したがって、今先生が低所得者だけの部分でおっしゃると、別に、今の考え方をそのまま踏襲しておるわけでありますから、何かが変化したものではないというふうに考えておるところであります。

阿部(知)委員 私は二つ問題があると思います。時間の関係で前者だけ言わせていただきますが、これはもともと国の責任を二分の一きちんと固めようと、その意味で前向きだとおっしゃいます、そうだと思います。しかし、そうやって、基本的に国の責任というのは税ですよね、税でやられるもので定率負担なものはあったでしょうか。例えば救急車、利用すると、あなた応益負担だ、一回乗ったら幾らお払いなさいなんというのもないわけですよ。

 一方で、日本の社会福祉行政並びに医療行政の中で、医療の方が保険という仕組みが発達していますから、これは共助の仕組みですね、共助の中では定率負担ということはあり得るんですよ。また今度医療制度改革で負担を上げるとおっしゃっていますが、これは皆さんでお金をプールした中で、御利用になったもののある率を御負担いただくんです。しかし、もともと税で行われるものの中で定率負担のものはございません。

 例えば三十二条で、これまで公費医療の中で行われた五%というのは、もとの保険が二五%お払いで、その補完として出しているだけです。骨格から一割負担として、税が財源で、利用したら定率負担しなさいなんというのは今までの日本の体系にないんです、だから反対しているんです。ここは本当に厚生労働省として初めて踏み込むやり方だと私は思います。

 税というのは、例えば障害者問題では、国民がひとしく障害者の問題を支えていかなきゃいけない、基本法に書かれています、だからこそ、その方の障害が重ければ、重いことを軽減するべく税を使おうという考え方です。そこに多少の応能負担はあり得るでしょう。しかし、定率となると、その利用したサービスにかかっていきます。

 大臣のおっしゃった二点目は、恐縮ですが、次回私は言わせていただきたいのです。きょうは本当に考えていただきたい、税の中で定率負担で、サービスを利用したときに一定率出しなさいなんというものがおありでしょうか。いかがでしょう。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から引用のありました精神の通院医療は、百分の九十五は税金で出す、五%は御負担いただく、そういう意味では定率負担で、これは原則の制度になっております。医療保険の補完ではありませんで、医療保険が出る場合は医療保険がするということなので、そういう例がないわけではございません。

 また、諸外国でもサービス利用に応じた負担としている国は、イギリスもございますし、ストックホルム市における在宅サービスも介護の必要度と収入の多寡によって負担を決めているわけで、ある意味で応益制の負担がございます。

阿部(知)委員 今のは、細かい反論をすると時間がかかりますから。だから、もともと医療保険の中での、医療給付の中の補完であるということを申したまでです。次回にまた質問させていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 この際、暫時休憩いたします。

[後略]


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