第163回国会 予算委員会 第2号 (平成17年9月30日(金曜日))抜粋 案件: 国政調査承認要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
予算の実施状況に関する件
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○甘利委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日は、本国会の冒頭の予算委員会でございますので、国民の命にかかわるアスベスト問題と、国の国防にかかわります自衛隊問題の二問を小泉総理に質問させていただきます。
国会が解散・総選挙の解散以前に、六月の段階で、クボタの問題が尼崎で、主に労働者だけでなく、健康被害が住民等々に及ぶというアスベスト被害の大きさが指摘されておりました。
それを受けて、昨日の段階で、九省庁が合同でさまざまな救済策を検討せねばならないということで、おまとめの文書もいただきました。私はそれを拝見して、一体、このアスベスト問題にかかわって、行政の責任、果たして本当に行政に不作為はなかったのかどうか、まずこの点を明らかにしていただかないと、この問題の今後の解決における国の責任があいまい化されると思います。
総理、一点目、伺います。
果たして、このアスベスト問題で、国の行政の不作為はなかったのか、失政はなかったのか、一言で明確にお答え願いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 なかなか一言で、ワンフレーズで言うというのは難しいんですよ。(阿部(知)委員「お上手じゃないですか」と呼ぶ)いや、これは、多く語る中でマスコミがワンフレーズ取り上げるだけなんです。私からワンフレーズで終わったことは余りないんです。
そこで、アスベストの問題であります。
これは、今、関係省庁連絡して、このアスベストの問題、しっかりした対応をしなきゃならないということでありますが、過去に不作為なり失政がなかったかという御質問でありますけれども、現実にこういう被害が出ているということを考えますと、反省すべき点もあるんじゃないかと私は思っております。当時の時点時点においては、この危険性はわからなかった。外国の対応に比べるとおくれている面もあるし、おくれていない面もあると聞いております、阿部議員もよく知っておられると思いますけれども。そういう点についてよく関係省庁、縦割りでなくて、これは複数の関連省庁が関係する問題であります。その連携が足りない点もあったと思います。
そういう点も含めて、現状の把握とそして今後の対応、被害者等の救済等含めて、できるだけ早く法的な措置で対応しないとならない点があるものですから、その点も含めて、来年の通常国会には法案として提出できるように鋭意努力したいと思っております。
○阿部(知)委員 私は、この場で総理にしかと事実を認識していただきたいのですが、実は国民の安全や安心にかかわることは、幾ら総理がおっしゃるような小さな政府でもしっかりやるんだというお話でした。
振り返りますと、BSE問題で一九九六年、WHO勧告というのが出まして、肉骨粉の危険性が指摘されながら輸入し続けた我が国は、農水省、現在武部幹事長、当時農水大臣でした、農政行政の失策である、失政であるという形できっちりとお認めになったと私は思います。今その時点からこのアスベスト問題を振り返ると、何と後退し、何と官僚に甘い、そして事実について無視しているのかと思わざるを得ません。
総理にごらんいただきたいんですが、ここにアスベストの輸入量の推移がございます。
ここにございますこの棒グラフの中で、二峰性、二つのピークを持っているのは我が国だけであります。ここに、一九八六年、この年はILOでアスベストの健康被害に対しての勧告が出ました。アメリカやヨーロッパ、すべてここから使用量はがくんと減ってまいります。アメリカは八十万トンであったものが十万トン。しかし、よくごらんいただきたい。我が国はこの後にもう一つのピークが来るのです。
これは、日本の通関、財務省が預かる輸入の量を石綿協会というところがグラフ化したものです。なぜ、危険性がアメリカやヨーロッパやILOやWHOで指摘されながら、日本は減らすどころかふやし続けたのか、私はこのことはBSE問題を上回る行政の不作為だと思います。
ここにもう一つのピークがあるゆえに、我が国は、これから先二十年三十年、事によると四十年後、石綿の被害を抱えていかざるを得ないということが起こったわけです。各省庁間の連絡の不十分では語られない。実際に輸入されるから使われるんです。
輸入量がこのような形をとっておる。総理はいかがお考えですか。
○尾辻国務大臣 事実について、私からお答え申し上げたいと思います。
今のグラフでありますけれども、今、私はここに石綿の輸入量のグラフとそれから新規の住宅着工件数と重ね合わせたグラフを持っておりますが、これは見事に途中まで一致をしております。今のお話のように、石綿はもうぐんと途中でなくなりますけれども、途中まで見事に一致しておる。したがって、住宅のための資材として使われた、それがそのとおりのグラフになったということは、まず事実として申し上げたいと思います。
そうした中でもう一つ申し上げたいと思いますことは、日本のアスベストの使用というのは、ヨーロッパからうんとおくれております。ヨーロッパはうんと早くアスベストを使って、それがゆえにまたアスベストの被害についても早目に察知をして、そしてその昭和四十七年の話になる。日本は、それを聞いて手を打つわけであります。
そのころ日本はまだアスベストをそんなに使っておりませんから、日本における被害というのは、目に見える形ではまだ出ていない。ただ、ヨーロッパがそういうことだというので手を打たなきゃいけないというので、手を打つ。手を打ったのも事実です。
そして、そのときに手を打ったのは、まず、これもよく御案内でありますけれども、青が危ないわけでありますから青をとにかくまず規制しなきゃいけないということで、手を打つ。したがって、青石綿の使用量というのはそこからぐっと落ちて、平成元年にはゼロにならしておりますから、この図は白とかその他の石綿まで含めての量でございまして、危険な青とか茶というのは、昭和四十七年に気がついて手を打ってどんどん減らしてきたという、そこだけ見るとうんと下がっているということをまず事実として申し上げるところであります。
○阿部(知)委員 今の尾辻大臣の御答弁にも、一部、私は御認識の誤りがございますと思います。そういう形に官僚諸氏がお話しであったのかと思いますが。
実は、ヨーロッパでの現状を踏まえて、このまとめの文書でも私が本当に国民の命無視だと思いますのは、日本でまだ人が死んでいないから、日本でまだ中皮腫が多くないから、これは禁止しなかったという文書でございます。人が死ぬまで、犠牲が出るまで放置するのかということを私は問いたいと思います。
また、青石綿、茶石綿の問題は、同時に、南アフリカから入っておりますが、それもここで一部は減っておりますが、大臣がおっしゃるように全く減っていくわけではございません。
こういうことを考えますと、私が言いたいのは、BSE問題では、なぜ、欧米で危険とされた、やめなきゃ失政だと言われ、この石綿問題では、人が死んでいないから、まだ死んでいない、さあ、死ぬまで待とうというような行政に等しいと本当に思います。
私は、今回、このいろんなおまとめの中で、厚生労働省が特にひどいと思います。そういう事態が来ていないから、アメリカで、あるいはイギリスで二百人、フランスで何十人、そういう中皮腫があって、報告があって、なおやらないのです。先に使った国で被害が出ている。日本も当然にやるべきでした。この二峰性の問題は、私は今の尾辻大臣の御説明ではどうしても解けないなぞがありますし、ここは、どうあっても、あってはならないピークなのです。石綿全体についても、特に青や茶は問題でした、しかし、そのほかの石綿についてもいろいろな報告がなされております。
国民の命を守り、健康を守るということが、私は政治の命と思います。その意味で、きょう私に与えられた十二分、反論をいただかず恐縮ですが、きっちり指摘させていただいて、あとはまた厚生労働委員会でお願いしたいと思います。
あと、本当は、今の点を総理には認識していただいて、行政の最高指導者ですから。例えば、今度救済策が出るときに、住民に対しては、自己負担分は救済基金から出ますが、そのほかの健康保険七割は健康保険から出るわけです。国の不作為の始末をなぜ私たちの健康保険が負わねばならないのか。やはり私はおかしいと思います。こういう事態が生んだアスベスト問題であれば、国が原爆症と一緒のように全部救済すべきです。この点についても、追って、この法案、来国会提案だそうですから、やらせていただきます。
引き続いて、小泉総理にお伺いいたしますが、総理の選挙区は神奈川十一区でいらっしゃいます。私は十二区という数の上ではお隣ですが、実はよく総理の選挙区に伺わせていただきます。理由は、横須賀にございます海上自衛隊で、私が当選して五年になりますが、自衛隊内のいじめによると思われる自殺やあるいは放火事件が相次ぎまして、私は自衛隊は国を守る大事な財産と思いますから、そうしたことが起こるということは悲しいと思いますし、何が問題で、どう改善するのかを自分も考えるべく行かせていただきました。
ところが、このたび、潜水艦という一番厳しい任務を行うところで、六人の自衛官が大麻、MDMAなどの汚染を起こし、本日また七人目が逮捕され、横須賀全体に広がる汚染と考えられます。
総理はこの事態はどう受けとめて、どのように対処されるお考えか、一言お願いいたします。
○小泉内閣総理大臣 この大麻にしても覚せい剤にしても麻薬にしても、これはあってはならないことであって、まして自衛隊という安全確保のために重要な任務を担っている自衛官にとって、こういうことがないように今後しっかりとした対応を考えていかなきゃならないと思っております。
○阿部(知)委員 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
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