第164回国会 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 第2号(平成18年2月27日(月曜日)) 抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件

 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件

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〔前略〕

三原委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私は、二〇〇三年のたしか七月であったと思いますが、このイラク特別委員会の海外視察で、当時、高村委員長のもと、そして与党の筆頭は中谷・元防衛庁長官でありましたが、イラクへの視察に伺わせていただきました。その直後に国連本部が爆破され、そしてその後、当時ですが、奥参事官そして井ノ上書記官が亡くなられるという事態を受けた中で、私ども社民党としても一貫して反対しておりましたイラクへの自衛隊派兵と派遣というものが行われました。

 自来、私どもの党もそうですが、恐らくほとんどの国民が、一日も早くイラクの復興と、そして自衛隊が無事で帰ってくることを望んで、待って、そして、きょう例えばこの委員会の質疑も、そうしたことに何らかの展望が見える、そういう思いを国民は持っていると私は思います。

 きょう、私が先ほどの赤嶺委員の御質疑を含めて伺っておりますと、やはり何か奥歯に物が挟まったような御答弁が多くて、これを国民から見た場合に、本当に一体これは何を論議しておるのかということも見えづらいし、国民の思いからも遠いもののように思います。

 私は、冒頭、額賀防衛庁長官に二点お願いしたいと思いますが、自衛隊がイラクに派遣され、そして約二年を迎える中で、実は、派遣前と今とで異なった事柄があると私は思います。

 それは、アメリカとの関係において、一つは、昨年の十月に、日米同盟の再編と変革でしたか、再編と今後の展望でしたか、いわゆる2プラス2、未来のための変革と再編という取り決めがなされ、今長官は、鋭意、地元側の納得も含めてこの日本国内の米軍基地の再編問題を担っておられるわけですが、私は、ここで掲げられた文章の冒頭に、この「日米同盟 未来のための変革と再編」は、「世界における課題に効果的に対処する上で重要な役割」という形で、当然、私たちはみんな世界の中に生きておりますが、世界という地理的にも非常に広い概念の取り込みがなされ、そして、これは麻生外務大臣にもお伺いいたしましたが、ことし明けてから、QDR、四年ごとのアメリカの国防政策の見直し等々の中でアメリカが、対テロ戦略も含めて迅速に稼働、移動できる態勢を組むと。

 果たして我が国は、日米同盟と言われる関係の中で、このアメリカの動きと、どのように本来我が国が守るべきものを守って行動していくかということにおいて、ともすれば、やはり非常に懸念されるような事態が起こる。例えば、地理的な制約である、安保条約に言うところの極東事項、あるいはガイドラインでは、フィリピン以北という、周辺という概念をとったこと、今はもう広く中東まで自衛隊が行っているわけですから。

 きょうは非常に抽象的な御答弁しかいただけませんので、しかし、それでもいただいておきたいと思いますのは、額賀長官に、我が国としてきちんと守るべき諸法制、そして、もちろん憲法の制約もあります。安保条約もそうであります。先ほど赤嶺委員がお聞きになった、航空自衛隊が残り、各地で米軍の後方支援をするようになった場合に、おのずと問題が生じるだろうという認識で聞かれたのだと思いますが、防衛庁長官としては、我が国の守るべきのりを当然ですがきちんと守って一つ一つに当たっていかれるということと、そのためには、何がのりであるかということを、国民に、今何が問題になり、何が論じられて、例えばラムズフェルド長官とのお話の中で長官が、額賀さんが答えられたこともそうですが、やはり、やぶの中では国民が不安でならない、この船は乗ってどこまで行くんだろう、そういうことがありますので、一つ一つ明らかに明言し点検していく覚悟を、まず冒頭、一点お願いいたします。

額賀国務大臣 日本の防衛とか安全保障問題を考えるときに最も基本になることは、国民の信頼の上に立つことであるというふうに思っております。その象徴的なことは、それは、法治国家でありますから、憲法そして法律に基づいて実力部隊の自衛隊を動かす、シビリアンコントロールが生かされていくことであるというふうに思っております。

 したがって、日本の自衛隊は、日本の国民の皆さんと国家の安全と周辺の安定に関心を持ち、それをきっちりとフォローしていく、そのために日米同盟関係があるということであります。

 世界の中では、これは先ほどのイラクの人道復興支援もそうでありますし、国際的な災害が起これば、それは、自衛隊にできることであれば、受け入れ国の要請があれば、いろいろなところへ行って世界のために働くこともやぶさかではないということであります。

阿部(知)委員 イラクでの事案は災害ではございませんので。今の件はしかと私も承りました。

 そして、先ほど長官は、自衛隊員は命をかけてお国のために頑張ると思っていられると。確かにそうでございますが、と同時に、私たちは、その自衛隊員の命がけの行為というものが、本来守られるべき命が守られないような状態に決して置いてはいけないという意味で、いろいろな意味での、自衛隊員を守る、その仕組みも同時に私は全力を挙げてつくらねばいけない。

 きょう、もう一点お伺いしたいのは、実はイギリスで、イラクに派遣された方々の中で、いわゆる精神的なストレスによるもの、あるいはPTSDと呼ばれるようなものが数多く報告されているということで、現在、二〇〇三年一月から五年の九月までの間に派遣された軍人の約一・五%にストレスによるさまざまな障害がある、必ずしももちろんストレスが直対応に見られないものもありますが、やはり、いわゆるメンタルヘルスケアにかかわる部分がとても重要になっているという指摘なんだと思うんです。

 私は、国会に参りましてから、自衛隊員の自殺や、あるいは先般明らかになりました横須賀における薬物の問題、あるいはいじめの問題、先ほどの秘密漏えいの問題、やはり、人を本当に健やかに育てなければ国の守りはできないわけですから、長官として、このイラク派遣ということも含めて、行かれた方々の、隊員の身体的あるいは精神的なメンタルヘルスケアも含めてどのようなフォローアップ体制をとられるのか、この点を明らかにしていただきたい。

 ちなみに、米国の湾岸戦争後では、湾岸戦争症候群と呼ばれるものが非常に問題になったということはもう皆さんに周知されたことですので、自衛隊員の一人一人を本当に元気で心身ともにやっていただけるようなためにどんなフォローをなさるのか、お願いいたします。

額賀国務大臣 もうそれはおっしゃるとおりだと思います。

 私も長官に就任をして、これは歴代長官みんなそうだったと思いますけれども、やはり、イラクで自然の過酷な中で仕事をしている人たち、隊員の姿を考えると、それはまず、健康で、安全で仕事をきちっとやってほしいということであります。そのために、私も現地に行ってまいりまして、どういう生活をしているのか、どういう仕事ぶりなのか、治安はどうなのかということをこの目で見て、耳で聞いて、足で確かめてきたわけでございます。

 精神的な意味でのフォローについても、その道の専門家の先生方が行っておられていろいろな相談に乗っている、あるいはまたストレス解消のために休暇も与える、そういうことがなされていく、あるいはまた、家族とテレビ電話とかメールとかそういう交流ができるように気を配っている。

 そういう中でも、この前行ったときに聞いたところ、余り原因がわからない発熱の症状を訴えたりとか、あるいは、過酷な自然の状況でありますから風邪を引いたりすることがあるわけでございますけれども、そういうことについて我々はできる限りの対応策をとりたいし、とっているというふうに思っております。

三原委員長 時間になりましたので、阿部君。

阿部(知)委員 私のお願いしたのはもう少し中長期的なものも含めてでございます。ぜひお願いします。

 あと、麻生外務大臣にはいつも済みません、予告してあって質問の機会を得ませんでしたので、また日を改めてよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございます。

三原委員長 次回は、公報をもってお知らせいたすことにしまして、本日は、これにて散会いたします。


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