第164回国会 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 第4号(平成18年5月31日(水曜日)) 抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件

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〔前略〕

三原委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。

 私は、いただきました八分の時間の中で、ただいまの赤嶺委員のお取り上げになりましたイラクにおける人権状況についての質問をさせていただきます。

 冒頭、今、赤嶺委員と防衛庁長官の質疑を承りながら、先ほど来、防衛庁長官は、今後我が国が世界において自由と民主主義という価値観を共有して、アメリカともテロ等々にも対処していくんだということをお述べになった御答弁がありましたが、私はこの場でもう一つ確認をしたいと思うのです。

 我が国が世界的に共有していかなければならない価値観の一つに、人権あるいは平和的生存権、例えば今赤嶺委員がお取り上げになりました、突然海兵隊が入ってきて乱射する、恐らく一歳から十四歳の女の子たち五人、あるいは普通のパジャマ姿で寝ていた民間人が射殺されたとすれば、それは、今のイラクの治安を担っている、幾らそういう米軍の名目があったとしても、許容されてはならない実態なんだと思います。

 長官に改めて、我が国がこれから世界の中で共有していくべき大きな価値観、例えば我が国は、憲法の前文に平和的生存権ということを、世界じゅうから飢餓や貧困をなくす、あるいは紛争の処理においても、もっともっと人間そのものの安全ということを打ち立てた憲法を持つ国であります。そこにおいて、先ほど来、私はいつも額賀長官の答弁というのは尊敬もしておりますし評価もしておりますが、今のような御答弁であれば、やはり我が国が世界に見せる国のいわば哲学というものに少し遠いと私は思いますので、いま一度、これから例えば事態をお調べになって、きちんとイラクにおける人権状況についても、我が国として、何せ我が国は、イラクの人権ということに基づく人道復興支援に行っておるのですから、自衛隊にかかわることでなくても、やはり全体的なものは当然視野に入れるべきと思いますが、重ねて御質疑をお願いします。

額賀国務大臣 自由と民主主義、民主主義の要件の一つは、個人主義とか人権の尊重とかであります。人権のうち最も大事なものの一つがやはり自由であるというふうに思っておりますから、私は、おっしゃるとおり、この自由と民主主義というのは人権を含むものであるというふうに思います。

 それから、いかなることがあっても、こういうテロだとか戦争だとかいうことにおいて、合理的な理由もなく民間人が犠牲になることは許されるものではないというふうに思います。

阿部(知)委員 麻生大臣に本来質問通告をしてございますけれども、麻生大臣は、この事案、赤嶺委員が詳しくお述べでありますが、事が起きたのは昨年の十一月だと言われています。当時米軍は、このイラク西部のハディサというところで掃討作戦を展開した。その中で、市民を含む民間人二十四人が殺害されたのではないかということであります。既に米国側の報道は、三月段階でタイム紙に報道され、その後軍内の調査も進んでおるということであります。

 日本は、この報道される事案についてどの程度情報をお持ちか、あるいはどういうものと認識しておられるのか、麻生大臣にお願いします。

麻生国務大臣 ニューヨーク・タイムズ、昨年の十一月に、イラクの中部のハディサで米海兵隊員が無抵抗のイラク人を殺害した疑いが浮上している旨報じたことは承知をいたしております。

 この件に関しましては、アメリカの統合参謀本部長のペース大将のあれが出ていましたけれども、四つ出ていたとたしか聞いております。調査中であり、調査の結果は公表する、現段階での推測はできない、報道のような事実があれば関係者の処分を発言したということを承知しておりますが、この調査の結果というものに関して、私どもは正確なところをつかんでおりませんのでそれ以上のことを申し上げるわけにはいかないんですが、さらに数週間を要するというような報道もなされておりますし、私どもとしては、ちょっと今の段階で推測の域を出ませんので、それ以上の話を知っているわけではございません。

阿部(知)委員 今、米国においては、上院において、軍事委員会のウォーナー委員長が、公聴会を開くことも検討しておると。すなわち、これがアブグレイブ以上の、無差別大量殺りくであるということがわかったならば、アブグレイブ以上の問題であろうと言われているわけです。

 我が国は、例えば国際的な刑事裁判所等々の仕組みについて積極的に動きをしておりませんが、イラクにおける人権状況の本当の確保ということにおいても、今後、我が国として積極的にこうした国際刑事裁判所等々において、アメリカは一方の当事者ですから、こうした大量殺りくとか人道への罪をきっちりと明確化して対処していくというお考えは、麻生大臣はいかがでしょうか。

麻生国務大臣 今の件ですけれども、米側が事実関係を調査中で、人道に対する罪との関係を含めて、正確ではありませんので、ちょっと正直言って評価をできる立場にはないのが正直なところなんですが、少なくとも、昔のソンミ村事件やら何やら幾つか思い返せば、こういった戦争という極限状況においてはいろいろこの種の非人道的なところが起きるという話は、悲惨な話はついて回る話ではありますが、少なくとも、これが隠さず出てくるというところも、これは昔だったら隠ぺいしちゃうところなんでしょうけれども、これが隠さず出てくるところが救いはあるなと正直私どもとしては思ってはおります。

 ただ、いずれにしても、そういうような非人道的な話というものがついて回るところが戦争というものの狂気のさせるところなんでしょうけれども、私どもとしては、こういったようなことに対しては厳しく対応していくべきだと思っております。

阿部(知)委員 殺された側は救われませんし、それから、そういうことのために国際刑事裁判所が提案されているんだと思います。日本としてもっと積極的な動きを私はお願いして、質問を終わります。

〔後略〕


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