第164回国会 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 第6号(平成18年6月22日(木曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件
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〔前略〕
○三原委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私にいただきました時間が八分でありますので、しかしながら、三大臣おいでですので、できるだけお三方に伺えるように、ちょっと早口になりますが、頑張りたいと思います。
まず冒頭、安倍官房長官に予告外のことでお願いいたします。
小泉総理のこのたびの記者会見を伺っておりますと、確かに、自衛隊員が無事に帰国するということは私どもも含めて皆本当に安堵の思いでありますが、一方で、このイラク戦争開始以降、我が国の大事な人材、例えば外務省のお二人の前途ある有望な外務官、奥大使に井ノ上書記官はお亡くなりでありますし、民間人も四人犠牲が出ておられます。私は、総理のメッセージといたしましては、自衛隊員が撤退するということと同時に、この間の犠牲についてもやはりお触れになるべきだと思いますが、安倍官房長官はいかがですか。
○安倍国務大臣 このイラク復興支援において日本も責任を果たすという決意をし、実際に支援を行い、そして今回、サマワにおいての活動を無事終了するに至ったわけでございます。そうした間、今委員が御指摘されたように、奥大使また井ノ上書記官という二人の有為の人材の命が失われたということは痛恨のきわみであるのはもう言うまでもない、このように思っております。
今回、自衛隊のサマワでの任務の終了については、これはサマワでの任務の終了であって、これからも、もう既にこの委員会で答弁をしておりますように、空自の国連の活動への協力、あるいはODA、そしてまた、例えばPRTへの協力等々があるわけでございまして、こうした活動は今後とも続いていくわけでございまして、すべての活動を終了したわけではないわけでございます。そのことは申し上げておきたい、こう思うわけでありますが、この間、繰り返しになりますが、総理も、お二人の貴重な命が失われ、また、邦人の命も今まで何人かの命が失われてきたことは、これは当然我々としても極めて残念である、このように思っているところでございます。
○阿部(知)委員 私があえてこの問題に触れさせていただくのは、今、国民の思いといたしましては、例えば、空自が今後バグダッドあるいはエルビル方面に物資を運ぶときにも同じように危険があるのではないかという不安感を当然抱いております。
私自身は、実はこの委員会の派遣で高村委員長のときに、たまたまバグダッドにございます国連の本部の出先機関に行かせていただき、その直後に奥大使と井ノ上書記官が狙撃によって亡くなられました。そのとき思いましたことは、なぜ彼らがあそこであのように死ななければいけなかったのか。今度新たに航空自衛隊が物資の輸送にかかわりますために、バグダッドにございます多国籍軍の司令部に一部派遣されて、情報を得ながら活動するということでございますが、残念ながら、我が国に入ってくる情報は極めて限られております。ほとんどが米国からのものとなりましょう。情報収集能力を持たない、あるいは制空権は持っておりませんから、非常に自衛隊の活動は不安な中に行わざるを得ないと思います。
かてて加えて、これは額賀長官にお伺いしたいですが、私は先ほど伺っておりまして、例えば、陸自の活動が現在の基本計画と、当然、ある一部終了するわけですから、基本計画の変更も陸自の撤退後に考えるというお答えでしたが、航空自衛隊の活動は、今まで述べられております中には、このエルビルの空港とかは、少なくとも私の拝見したものの中には出ておりません。とすると、どこに規定されている活動をなさるのか。また、国際社会のPKOやPKFのスキームでもございません。こうやって法的にも計画的にもあいまいなものを続けていく、実は、奥大使と井ノ上書記官の赴任も、私が行ってみて拝見して、非常に危惧感を持った次第です。
そういうことがありますので、額賀長官としては今なぜ基本計画の変更をなさらないのか、そして、これが私の勘違いであるならばエルビルはここに含まれていないと思いますので、どのように考えるのか教えてください。
○額賀国務大臣 おっしゃるように、陸自の場合も、あらゆる情報収集、万全の安全体制をとりながら活動を展開してきました。空自においても当然のことでございます。したがって、その空港においても、実施区域としては、我々は安全確保の上からこれを公表しておりません。それはわかっていただけるのではないかと思っております。しかし、空自のC130が今週はどこへ飛ぶかということを考える場合には、万全の情報収集と安全を確保した上で飛ばさなければならないというふうに思っております。そして、人員、物資の輸送でありますから、それは一分一秒を争う時間の勝負ではないと私は思っておりますので、やはり、弾力的に安全を確保しながらそういう仕事、任務を遂行させる、そういう柔軟な状況判断ができる形で空自の仕事が結果的に目的を完遂できるのが望ましいというふうに思っておりますので、多国籍軍を初め、あるいはまたイラク、あらゆる情報を収集する中で仕事を展開させていただきたい。
エルビルのことを公にしましたのは、ここを拠点に国連の活動が展開されていくということであり、国連の要請もあったので、エルビルということを公にしたということであります。
○阿部(知)委員 そのようなものであったとしても、例えば平成十七年十二月八日変更の基本計画では、バスラ、バグダッド、バラド、モスルとなっておりますから、やはり基本計画なり国民に明示できる、そして国連がそこを拠点としているのであれば、当然、今額賀長官御自身がおっしゃったように既にわかっていることでありますから、私は、やはり基本計画として変更するならなさると言うべきであるし、その上で討議すべきだと思います。
そして、恐縮です、最後に麻生外務大臣、お願いいたします。
このイラク戦争が始まって以来、イラクに非常に大量の被害が一般人に起きた。そして、最も日本がやるべき支援は、十三の基幹病院のエンパワーメントだと私は思ってまいりました。そういうことで意見も言ってまいりましたが、いただきましたいろいろなこれまでの無償援助の中身を見ますと、救急車の寄贈であるとか、あるいは警察車のバスとかの寄贈とかございますが、実にコスト高でございます。それに比して十三病院のエンパワーメントは進んでおりません。
救急車だってどこに運ぶかという問題がございます。これは、国外からの遠隔操作であったために非常にお金がかかり過ぎています。救急車も七百台で三十五億、そして、その間でいろいろコンサル料にとられるお金が一・八億、ただでもODA予算が厳しいという折ですから、何が削減できるかを考えるべきであると思いますが、今後、治安の悪い中でイラクのこのODAを開始されるわけで、お考えはどのようにあるか、お教えください。
○麻生国務大臣 イラクの治安状況というのが一部回復しつつあるとはいえ、全体的に見れば極めて不安定な状況にある、予断を許さないということにあるという認識は共有をいたしておると存じます。
そういった中で、いわゆるこのODA関係を含めまして、援助関係者の安全というものを前提としてこれはODAを実施していくということになりますから、コスト高に必ずなります。当たり前のことだと存じます。治安のいいところでやるODAと治安の悪いところでやるODAとは、こっちの方がコスト高になるのは当然です。そういったものにある程度コストの経費がその分だけかかりますので、そういった意味では、その中で日本人の安全を考えると、邦人を中に入れないという形で、現地のイラク人を使う、コンサルタントを使う、また、隣国のヨルダンから遠隔操作をする等々いろいろな形で今もやっておりますけれども、こうした遠隔操作というものの方がコストはかかるというのは、もう間違いありません。
したがって、治安状況がよくなれば、その遠隔操作の分が減りますし、現地に入りやすくもなりますでしょうし、いろいろな形でそこの分のコストが削減されていくと思いますが、一番の基幹の電力等々が破壊されていますから、いわゆる病院のエンパワーメントをやろうにもそのパワーのもとがないんですから、そういった意味では、たんびたんび臨時電力というわけにもいきませんので、そういった意味での電力等々、また、それに搬送いたしますためには道路などがきちんとしていくということが大事だろうと思いますので、残り三十五億ドルというものの円借款によります支援というものは、これは中心になっていくとは存じますけれども、そういった中で、今言われましたような点はこれは十分工夫が要るんだと思いますけれども、イラクの復興に関しましては、今言われましたように、治安情勢というものが改善をされない限り、いろいろ工夫をやっていかねばならぬところだと、私どももそう思っております。
○阿部(知)委員 治安の回復のない中で、このODAということを極めていびつに行おうとしていると私は思います。またこれも、別途改めて審議させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○三原委員長 本日は、これにて散会いたします。
午前十一時五十七分散会
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