第164回国会 厚生労働委員会 第21号(平成18年5月12日(金曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件


 政府参考人出頭要求に関する件

 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)

 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)

 小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案(小宮山洋子君外四名提出、衆法第一七号)

 医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案(園田康博君外三名提出、衆法第一八号)


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〔前略〕

岸田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 この医療制度改革論議が、冒頭から、いかに医療費を削減するかという一色に塗り込められて、本当に何を削減したら適正化するかということの論議は、実は、本日も、一日いろいろな委員とのやりとりがありましたが、厚労省側も確たる確信を持ってデータもお出しではありませんし、非常におぼつかない中だと思います。

 私は、きょう午後の一番手で岡本委員がお取り上げくださった、最近はやりのメタボリックシンドローム、私も、かてて加えてちょっと取り上げさせていただこうと思います。

 きょう、お手元の資料の中に、後から挟み込ませていただきましたので三枚目か四枚目になると思いますが、厚生労働省からいただきました「メタボリックシンドロームの状況を中心に」という一枚の紙がございます。

 大臣にもぜひお目通しいただきたいのですが、この下段、一番下の方には、「メタボリックシンドロームの状況(二十歳以上)」ということが書いてございます。もちろん、郡委員の御指摘にもございましたが、何だか片仮名になると怪しいというのは、それもそうなのですが、これを見ますと、実に、大臣、お目通しいただくと、男性の場合は、例えば五十歳から五十九歳でもいいです、四十歳以上でも、もう五〇%から六〇%の人がメタボリックシンドロームか、ないしは強く疑われる者に入ってしまうわけですよね。男性の二人に一人をつかまえればこれだと言えますし、女性の方はそれより比率は少のうございますが、しかしながら、年齢的に七十歳以上になってくるとこれがふえてくる。

 私は、端的に言って、これは医学の常識と大きくかけ離れている。日本人は六十五歳以上になると、だんだん肥満の方も減ってまいります。これは人種的な特性もあると思いますし、むしろ、御高齢な方を見たら、逆にやせ過ぎてくると体に問題が生じている、あるいは健康保持に逆の意味で栄養が悪い等々の問題があるのではないかと思った方がよいような現実だと思います。

 なぜこれだけの差が出てくるのか、その一番の大きな理由は、ここの、先ほども御指摘のありました基準にございます。「メタボリックシンドロームの状況」で、男性では、ウエスト八十五センチ以上がまずあって、それプラス、どんな症状があるか。女性では、九十センチ以上がまずあって、それプラス、どんな症状があるかです。

 ここで、男性が八十五、女性が九十というウエスト設定は日本だけしかないんだということは先ほど岡本委員も御指摘になりました。大体、諸外国の基準の中で本当にこれだけ諸外国と違えば、何が原因かというのも探すべきであって、そこは先ほどの岡本委員の御指摘でもありましたが、これのモデルとなったケースが少な過ぎるということです。それに対しての厚労省の御答弁は、これは、各学会が、例えば肥満学会が設けた基準であるから、自分たちは八学会の基準をありがたくそのままいただいて計画したものであるというお話でした。

 はてさて、学会の基準は、もちろん切磋琢磨されればそれは正しいものになりましょうが、おのおのの学会がおのおののメンツをつぶさないような形で一つ一つ取り寄せてモザイクのようにした基準が、果たして本当の国の政策の中で意味があるのかどうかということを、私は、厚労省はある見識を持ってしっかりと判断し、政策化しないと、大きな過ちを犯すと思います。

 そこで、きょう、私が皆さんのお手元にお配りいたしました一枚目に戻っていただきます。ここには、全国のコレステロール値の年齢から見た測定値の上限と下限が上段に出ております。真ん中には、日本動脈硬化学会が定めたコレステロールの基準が出ております。我が国は長くこの日本動脈硬化学会の基準でやってまいりました。しかし、この我が国の基準の矛盾は既にこれまで諸外国から指摘され、そして、この基準に基づいて行われてきた投薬についても批判がございました。

 今、これだけの話を聞くと、ああ何だか、これから起ころうとすることとこれまで起こっていることと、似ているなと思われませんか。これは、我が国の二百二十内外という基準で行った場合に、特に女性においては、大臣、見ていただきたいです、五十歳あたりからコレステロールの上限値は上がってきて、二百八十。下限値で見ても、まあ百四十くらいでしょうか、の間に移行しているものが、これは七十万人をはかった値です。にもかかわらず、二百二十というところで線を引いて治療を始めたために、女性たちは多くの不要な薬を投薬されてまいりました。

 厚労省に伺います。

 今、性差医学というものがございます。性の差による医学。男性と女性で、女性は小型の男性ではありません。おのおの、生物学的な特性も、代謝特性も、そして、何が最適なベストの体調かも異なります。

 そもそも厚労省は、長年我が国がこのコレステロール値二百二十内外で、もう十年、二十年でございます、やってきた基準について、どのような総括をお持ちであるか、まず一点、お願いします。

中島政府参考人 突然の御質問ですので、私、実は、もともと外科をやっておりまして、ちょっと専門分野でもないので、余り申し上げるのが適当かどうかわかりませんが、行政の方の立場におりましてこれまでいろいろ勉強させていただいたことから申し上げれば、この学会の上限基準値というのが設けられてはおりますけれども、それはあくまでも専門団体として、診療上の基準、目安として設けたというふうに理解をしております。

 一体、目の前の患者さんにどのような値でどのような治療をするか、薬を出す出さないというのは、個々のケースに応じてそれぞれ受け持つ主治医の方が判断されることであるというふうに思っておりまして、これで一律に薬が出されたり出されなかったりということではないというふうに理解をしております。

阿部(知)委員 そういう理解で厚生労働行政を行うから、逆に、現実に患者さんがどんなふうに薬を処方されているかが見えてこないのです。そしてまた、同じような過ちが今度のメタボリックシンドロームで繰り返されるのです。だからこそ、何人かの委員がこれを取り上げて、この政策の問題点を提起しているのです。今の局長の答弁はとても正直でしたから、だからこそ問題にしたいと、私が重ねてここの審議で取り上げさせていただきます。

 その下には、全国の総コレステロール高値異常率というのが出ています。従来の基準二百二十を基準に設定すれば、何と、特に女性では非常に高い率で、五十歳代、五十五歳代でコレステロールの異常値と判断され、実際に投薬が行われています。

 局長、御存じですか。アメリカにおいては、高コレステロール薬の投薬は、男性が四に対して女性が一です。比率四対一です。日本で現実、臨床現場でどのくらいになっているか。御存じなかったらないで結構です、答弁してください。

中島政府参考人 申しわけございません、私は存じ上げません。

阿部(知)委員 では、これを存じ上げるようになるまでこの政策はちょっとストップしていただきたいんですね。女性では、日本は男性の二倍の投薬を受けているんです。いいですか。アメリカでは、四人の男性に対して女性は一人です。日本は、二人女性がいて男性は一人です。なぜなら、性差が無視された投薬が行われているからです。

 本当に今の時代、皆さんが予防行政で、そしてもちろん、一に運動、二に食事、三、四がなくて五に薬、五でも何でもいいです。しかし、ある基準値にのっとって投薬が始まります。その母集団は、何と男性の場合は二人に一人、非常に多い率になります。現に大臣も、例えば高尿酸の血漿のための内服をしておられると言いました。一体全体、日本の医療行政の中で、高脂血症薬、脂質が高いと言われたために支出されている、使われている医療費はどれくらいですか。どなたでも結構です。だれか答えてください。これがわからないでこんな政策やらないでください。(発言する者あり)

岸田委員長 阿部知子君。

阿部(知)委員 しようがないですね。でも、日本の医療費の構造で何が高いかを厚労省が知ろうとしないからですよ。高いのは、薬剤費、検査費、材料費。

 私は、先回、いろいろな高額医療のお話をお尋ねしました。一体、高額医療費が医療給付費のどれくらいを占めるかということをお尋ねしたわけです。この場合にもお答えはなかったんです、実は。前日も、皆さんに投げ、翌日まで返事を待ち、答えも出ず、私が勝手にホームページで武蔵野医師会のデータを探してまいりました。

 おとといの質問にあえて戻らせていただけば、同じことの繰り返しです、高額医療費の患者さんの上位一%の方、これが医療給付費の二五%を占めています。高額医療費分析をして最も比率の多い、例えば一千万円以上の高額レセプトにしましょう、これの中で最も多い疾患は何ですか。これは前にやりましたから、答えてください。(発言する者あり)

水田政府参考人 ちょっと手元に資料がございませんけれども、血友病でありますとか、それからあと、心疾患の手術のケースなんかがあったと思います。

阿部(知)委員 国家試験は多分通ると思います。

 なぜ血友病が高くなるか、血友病に使う薬が高いんですね。そして、何と四割が心臓疾患ですが、何が高いかというと、医療材料費が高いんですね。であれば、厚生労働省が行う医療政策とは、薬価を低くすること、血友病のお薬もそうです。それから、医療材料費だっていまだに諸外国に比べて高いです。そこをもっともっときっちりと把握し、手当てすることが今の医療費の適正化の第一ではないですか。

 大臣に伺います。

 投薬が幾らになっているか、医療を何が高騰させているか、なぜこんなに分析されないままこういう審議が行われるのでしょうか、御答弁をお願いします。

川崎国務大臣 まず、血友病に関しましては、国、地方が税をもって措置させていただいておるということでございますので、診療報酬という意味で入ってくるかということとは別の見地として御質問をいただいたんだろうと思います。

 それから、医療費の問題で、実は私、ちょうどきのうそれを勉強したところでして、全体的に六兆円ぐらい、何か生産高と言うんですね、要は輸入物も全部含めて、一度パッケージが変わるからでしょうか、生産高として、六兆五千億ぐらいの医療全体を占める。

 それで、これはこの十年間ふえているのかと言ったら、担当者の言うことを信じたとすれば、ふえていない、逆にふえていない。そして、それではアメリカと比較したらどうだと言ったら、全体の薬の五〇%、世界じゅうの五〇%をアメリカが使っているということでありますから、アメリカと日本というものをもし比較されるとしたら、我が国の薬剤にかかる費用というのは多分低いであろう、こういう理解をいたしております。

 ただ、二十八兆円なり三十一兆円の中に占める六兆というのが多いか少ないかというのは、きのう少し議論をさせていただいたところでございます。阿部委員は多分それが高いという御指摘なんだろうと思いますけれども、必ずしもそうであるのかなというのはもう少し私自身も勉強したいと思っております。

阿部(知)委員 今大臣は、薬剤費についてお答えでありました。これは、薬を院外に、処方薬局に移してからその売り上げが六兆円になったということで、今のようなお話なんだと思います。そして、それがだんだん、相対的には昔よりは下がってきても、やはりそこのシェアがふえてきているということで、何とかせにゃならぬというのが実は厚労省内での御論議だと思います。

 私がもう一点伺った医療材料費については今御答弁がありませんでしたが、私は、厚生省がいわゆるゾロ薬等々の開発を、使用を進めるということも含めて、やはり薬剤費の部分はもっと工夫があるだろうと思います。それからもう一つ、医療材料費が工夫ができますでしょう。従来から言われる、カテーテル一本の値段もアメリカよりはるかに高いです。それは大臣は御存じだと思います。

 やれる努力をやらないで患者さんの負担に振り向けていくというやり方が、いかに厚生労働行政として問題が多いかということを一点指摘させていただきますと同時に、私は今回、先ほど申しました高脂血症薬、鴨下先生からメバロチンじゃないのというお話が出ましたが、これも含めてです、過剰に投与されている実態があります。治療せずともよい者が投薬されて、皆さんの周りの女性たちに聞いてみてください、ほとんど五十歳以上で女性で、高脂血症だと言われてお薬を飲んでおられると思います。

 でも、コレステロールは、著しく低くても、例えば、統計上はがんになりやすいとか炎症が治らないとかうつになるとか出てきます。著しく高ければ別です。でも、そのグレーゾーンの部分を全部投薬対象にしてきた歴史があるわけです。皆さんが、こういうメタボリックシンドロームという概念をぐわっと膨らませて新たな予防医療行政に入ろうとするのであれば、その実態を私はまず把握していただきたいと思います。

 大臣、この点はいかがですか。実際にどんな投薬がなされてきたか、いるか、この点です。

川崎国務大臣 先ほどから申し上げましたとおり、医療費全体に占める薬剤費というものが、これは、アメリカの例はアメリカの方がうんと高いだろうと申し上げました。しかし、諸外国もあるわけですから、そういうものも見ながらもう少し私自身は勉強してまいりたいと思います。

 一方で、女性のコレステロールが高いために薬をもらうという話を今お話しいただきました。実は私の家内も飲んでいまして、東大病院に行って診察を受けたら飲んだ方がいいと。これは母親がもらっていますから。母親は随分苦労して四つぐらい病院を回りまして、やっと東大病院にめぐり会っておかげさまで命を救われたと思っているんですよ。そのお医者さんのアドバイスでございますから、やはり素直に受けてやっている、それが悪いと言われると、私、きょう本当に迷いの中に入ります。

 お互いに、やはり医療というものは、お医者さんとの一対一、そして、そのお医者様の診断というものを受け入れながらやっていくのが事実でないでしょうか。それが全体的に正しいか正しくないかというのは、逆にもう少し大きな目で見ながら、我々判断していかなければならないな、このように思っております。

阿部(知)委員 大臣、恐縮ですが、大きな目で見るために、私は、なぜ日本では女性だけが高脂血症薬をたくさん投与されているかという実態を申し上げました。

 個別には、やはり医師、患者関係ですし、例えば奥様がある値以上であれば、私が医師でも投薬を勧めるでしょう。しかし、それをマスとして、やはり実態として、日本だけがなぜ突出して高脂血症薬が売られているかということを厚労省が把握しないでは医療行政はやれません。

 世界じゅうの血液の三分の二を使ってきた国です。エイズの発症を見ても、なぜ我が国に薬害エイズが多かったのか、世界じゅうの血液を集めて我が国は消費いたしました。そのことのいびつな構造を厚生労働省は知っているはずです。そして、それを知りながら、今なおこうしたメタボリックシンドロームという、ススキのお化けです、こういうものに持っていこうという政策を私は批判しているんです。

 二枚目のデータを見ていただきたいです。

 私は、せんだって、あの新聞を見たときに、これで多くのいわゆる素朴な感情を持つ国民の皆さんが、自分は太り過ぎなんじゃないかと思って例えばダイエットをなさる、あるいは本当に場合によっては何やらのお薬を飲む、そのことによってかえって健康を害することが心配です。

 ここには、上段男性、下段女性の、先ほど岡本さんがとても詳しいデータでお示しですが、BMIというのは簡単に言えば太り率です、身長と体重から出した。BMIレベルと死亡率というのがございます。私は、この委員会でわざわざ時間を割いてこれを取り上げるのは、あの新聞記事や、あるいはこれからの厚生労働行政が逆に本当に国民の健康を害してはいけないと思うからです。

 これを見ていただきますと、例えば、年齢が五十九歳以下と八十歳以上で分けてある上の男性にいたしましょう。八十歳以上の男性では、むしろBMIが低いほど、やせているほど死亡率が高いのです。そして、日本の基準ではBMI二五くらいを肥満にとります。ここから先は男性では二五も三〇もほぼ死亡率は下がってくるのです。小太りが元気ということです。いいですか。(発言する者あり)そのとおりです。鴨下先生もお墨つきです。

 そして、女性も見てください。同じです。女性も八十歳代、七十歳代、六十歳代、五十九歳以下、書いてあります。やせているほど死亡率は高いのです。筋肉も落ちて、先ほどの不要な食事制限、よく今あるのは、女性たちがコレステロールが高いからといって卵をやめます、卵をやめたら貧血になります、貧血になって感染を起こします。こういう実態があるんです。むしろ、本当に豊かな食事をしていただいて、おいしくいただいて、ふっくら小太りになっていただきたいです。

 そういうことを知っていて厚労省がさっきのメタボリックシンドロームなるものを、これを見てください、男性は二人に一人ですよ、女性は高齢者ほどメタボリックシンドロームが多いと言われるんです。高齢者ほど小太りであってほしいんです。大きな矛盾でしょう。

 私は、こんな行政、幾ら厚生労働省が財務省から言われて苦しくて編み出した苦肉の策でも、そして厚生労働省の味方をしたいと思う立場の私でも認めるわけにいかないのです。

 大臣、この政策について見直していただきたいです。少なくとも、こんなファジーな、メタボリックシンドロームというのは健康管理の概念ではあっても疾病と直に結びつくものではない、肥満も誤ったメッセージを送ればかえって患者さんの死亡を高めます。先ほど言いました、コレステロールが低いとがんとうつと感染症がふえます、ある値以下になれば。(発言する者あり)そうです。いいことないんです。だから、政策的にしくな。

 そしてもう一つ、メタボリックシンドロームの日本の基準には、また例えばコレステロールの一つが目安になっていますが、これも男性と女性の性差が全く組み込まれていません。幾ら関係学会が行って持ち寄って、メンツを傷つけないようにといって政策化しても迷惑です、女性たちにとっては。女性たちはただでも七十五歳以上で高齢者医療制度で保険料取られて、あれはおばあちゃん保険です、はっきり言えば、女性たちをプールして。本当に健康に私たちが生きるための政策にならない。

 そして、つくり直していただきたい。もっと明確にピンポイントに絞って、がんと糖尿病でやるべきです。こんな概念を開いたことによって、日本は医療費抑制どころか医療費も高騰し、国民は不幸になります。大臣、もう一度、今の私の二つのピンポイントに絞って長期的な医療計画を組み立て直して、この委員会に出していただきたいが、いかがですか。

川崎国務大臣 委員の御指摘は委員の御指摘として承りました。

 ただ、私どもはもちろん学会とさまざまな議論をし、また与党内手続も終えてここに提出させていただいておりますので、できるだけ速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

阿部(知)委員 そんな根拠もないこと出して居直らないでください、大臣、申しわけない、私はこんな言葉使いたくない。だけれども、聞くところによると、もう来週には採決しようかと。こんなずさんなもの採決できないです。国民のためにだって採決できないです。学会間のメンツだけを重んじて、何らそこには国民が不在です。基準値についても欧米からの批判もあることは、私がわざわざ、きょうは私は違う質問をしたかった、しかし、この時間の大半を割いて指摘したはずです。

 大臣が今のような私の個人的な見解だと言うならば、きちんと調べてから言ってください。私個人の見解ではない、鴨下先生に聞いてくださっても結構です。本当にこんな誤った政策で前に進められたら国民は泣くに泣けない。大臣、いかがですか。

川崎国務大臣 先ほどから御答弁させていただいたとおりでございます。

 委員の御指摘はよくわかりました。しかしながら、私どもは私どもで議論した末、この提案をさせていただいているというのを御理解賜りたい。

阿部(知)委員 それでは、大体、国会審議というのは何でしょうか、大臣。もともと私たちが出したものは私たちが出したものだから、いいじゃないかと言っているだけじゃないですか。国会で問題点をみんな一生懸命指摘しているんですよ、勉強し。そこで指摘を受けて、せめて検討するくらいのことが言えなければ、大臣たる度量がないと思います。私は、本当にきょうはほかにいっぱいやりたいことがあったんです。でも、そういう審議の姿勢が何よりも私は問題だと思います。特に、こんな、国民の男性の二人に一人ですよ。みんな、毎日おなか回りをはかるんですよ。

 そして、これは局長でも結構です。この母集団の数と、そして、実は、それをデータとして使ってよいかどうかの精密度についても批判が起きているんです。御存じですか。

中島政府参考人 今回のデータについては、国民生活基礎調査ということで、これをもとに算出しておりますので、その点については、数の面、それから利用の面について問題はないものというふうに考えております。

阿部(知)委員 違いますでしょう。肥満は肥満学会の基準に従ったと言ったじゃないですか。何でそんないいかげんなことを言うんですか。さっきあなた、肥満学会の基準だっておっしゃいましたよね。母集団の数だって、さっき岡本さんが指摘された数のとおりですよ。男性が五百五十四名、女性百九十四名ですよ。

 なぜ日本だけ、女性のウエストは九十で、男性は八十五ですか。これから毎回はかられる国民の立場に立ってくださいな。これはどうですか。

中島政府参考人 今、ちょっと御質問を取り違えまして、今回の調査結果の発表についての母集団のことかと思いましたので、そのようなことを申し上げましたが、先ほどの診断基準作成については、先ほど御指摘のあったような数でございます。

 ただ、日本の基準が特異であるという点については、それは世界的にも我が国内でもいろいろ議論があったところでございますが、一番信頼できると考えられるCTの所見に基づいてこういった基準を出したという点において、その信頼性が高いということで採用されているというふうに考えております。

阿部(知)委員 ある値を診断基準として用いていいかどうかの、これはまた学問的な手法があります。それにのっとっても間違っています、残念ながら。もし中島さん、お医者さんであるならば、私は小児科、あなたは外科かもしれない、しかし、何を基準値に置くかというときの基準の妥当性をはかる指標があります。それにのっとっても間違っていますから、きょう、私の時間がこれで終わるということですので、本を一冊渡しますから、しっかり読んでください。

 しかし、この論議がちゃんと決着するまでは、ゆめゆめ採決なぞという、これは後世に、本当に問題なんです。また余分な薬が売られます。その結果、日本の薬剤費はまた上がります。本当に必要な人に医療は行かず、いいかげんな投薬がふえる。これが国民の幸せの姿ではありませんから、重ねて私は、この決着を見るまでは採決はここに座ってでも阻止させていただきますので、きょう、ここに渡しますので、お願いします。

〔後略〕


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