第164回国会 予算委員会 第19号(平成18年2月28日(火曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
平成十八年度一般会計予算
平成十八年度特別会計予算
平成十八年度政府関係機関予算
議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ (衆議院のサイト)
〔前略〕
○大島委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日の委員会は、主に格差の問題を取り上げて審議が進んでおりますが、実は私は、ことしで三十一年目になります小児科医でございます。子供たちを通して見える子供たちの家庭の貧困化、格差の問題をきょうは私はぜひ委員の皆さんに御理解いただきたく、特に、わけても子供は未来でございますので、そうしたことにしっかりと政策を打っていただきたいという観点から御質疑させていただきます。
私が診ております子供たち、特に不登校、登校拒否と言われる子供たち、あるいは適応障害などの子供たちの御家族が、例えば、お父さんがリストラで職を失う、精神的な疾患になる、あるいは生活保護をお受けである、母子家庭である、本当に、三十一年間やってきて、とても、私どもが感じます実感でふえております。
せんだって二月の七日、この委員会で、冒頭、前原民主党の代表が就学援助費の問題をお取り上げでありました。学用品や給食代に事欠く子供たちが出てきており、そのことについて、国も地方自治体もおのおの援助の役割を負っておるはずです。
きょう、ここに用意させていただいたパネル、実はこれは、当初の予算委員会で使おうと思っておりまして、時間切れで使えなかったものでございますが、就学援助を受ける子供の数は、九〇年代から比べて約二倍、現在一二・七七%。それに比べて、国が出している補助はどんどん目減りして、実はこの二〇〇五年度からは地方に一括してお願い申し上げるということで、国の補助金はなくなってございます。
小坂大臣はよく御存じと思いますが、平成十七年度、果たして地方は、これまで子供たちに出していた就学援助について、給食費や学用品代でございます、しっかり従前と変わらない手だて、手当てができているかどうか。実は、これは三月末でないとお答えが出ないという、私がいただきました質問の予告へのお返事でしたが、私が聞き知る各市町村、いろいろデータを集めましても、今まで、いわゆる生活保護世帯プラス準保護世帯、その近隣の方々のお子さんを扶助しているわけですが、それについて、例えば、生活保護の一・二倍であったところを一倍、同等の方、同等の家庭だけにするという形で対処せざるを得ない自治体も出てきておるやに聞いております。
教育基本法の中で、子供たちが経済的なことを理由に教育を受けられないということは、これは基本的に子供たちの将来にもかかわるし、人権の問題でもあるという御認識は小坂大臣はおありと思いますが、これが国から地方に譲り渡された先、果たしてどのような実態になっておるかお調べいただいて、子供たちを、何よりも、きちんと教育を受ける、給食はちなみに学校の重要な要素でございますので、この点について、まず文部科学大臣としての御見識を伺います。
○小坂国務大臣 阿部委員におかれましては、日ごろから子供の教育環境の改善に向けていろいろと御示唆を賜る質問等をいただいているわけでございますが、この問題については既に何度か御質問いただいております。
今回の平成十七年度の各市町村の準要保護者の認定基準については現在精査中であるというのは御指摘のとおりでございまして、その中で、現在わかっているものの中に、基準の引き上げ、すなわち緩和したもの、また、基準の引き下げを既に決めているもの等ございます。
例えば基準の引き上げにつきましては、秋田県の二ツ井町の基準でございますが、生活保護基準の一・一倍と従来しておりましたものを、十七年度、一・二倍と逆に緩和している例、北海道の岩見沢市のように、生活保護基準の一・二七二九倍のものを一・二七五二倍と緩和している例もあるわけでございます。
一方で、市町村合併に伴いまして、静岡の伊豆の国市のように、この基準が、合併で三つ一緒になったわけでございますが、その一番低い方に基準を統一したということによって、結果として引き下げのような状況になっているというところ。
あるいは、生活保護基準そのものの基準額の改定に伴って準要保護基準が改定されてしまった、これは大阪府の寝屋川市のようなところでございますが、こういった例があることは事実でございます。
いずれにいたしましても、委員御指摘のように、地域の実情に応じて適切に判断していただくという考え方のもとに、国としては、準要保護については、要保護とは違いまして、困窮度の程度からすればそれぞれの地域事情を反映して判断していただくことが必要と考えておりますので、今後とも地域の実情に応じた取り組みにゆだねることが適切と考えて、国庫補助を廃止し税源移譲したところでございまして、その辺の事情は御理解を賜りたいと存じます。
○阿部(知)委員 今の御答弁は地域の実情に応じてということでしたが、小泉総理にお伺いいたします。
ユニセフという児童基金が調べました調査で、OECD諸国の中で、むしろ先進国の中で、子供を持つ家庭の貧困化が進んでおると。貧困率は、平均世帯収入の半分以下の世帯を一応貧困といたしますが、昔、貧困というと低開発諸国の問題でありましたが、今は、都市化に伴って逆に先進諸国の中で貧困率が進む、そのことによって子供たちが教育を実際に受ける保障ができなくなっているというのが世界的に起こっております。
小泉総理は御存じかどうか。子供たちの給食費は、例えば小学生であれば、年に直せば五万円くらい、中学生は六万円くらい。学用品代は、小学生は一万円、中学生は二万円。私は、本来はこれくらいは、地域事情とか云々言わずに、子供が学校に行き、勉強し、給食を食べる。特に、今、子供たちの基礎学力が問題になっております。やがて我が国にも大きな禍根を残す私は予兆がここに見えると思いますが、例えば給食費は無料にする、国が持つ太っ腹くらいあってもいいと思いますが、小泉総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 地域の実情はそれぞれ違うと思います。給食にいたしましても、最近は地域の生産物を使おうという動きも出ております。そういう点から考えて、教育の機会をすべての児童に与えるという点について、国と地方公共団体、地域が協力して、必要な教育費を児童なり家庭なりに与える、教育の機会を与えるということは重要であると認識しております。
○大島委員長 お時間でございます。
○阿部(知)委員 ありがとうございました。
○大島委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
〔後略〕
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