第166回国会 本会議 第46号(平成19年6月20日(火曜日)) 抜粋 案件:
衆議院議長河野洋平君不信任決議案(鳩山由紀夫君外六名提出)
〔前略〕
○副議長(横路孝弘君) 阿部知子さん。
〔阿部知子君登壇〕
○阿部知子君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題になりました議長河野洋平君不信任決議案に対し、 賛成の討論を行います。(拍手)
冒頭、こうした形で、リベラルで、かつ永年平和外交に努力されてきた河野洋平議長の不信任を述べねばならないということは、残念のき わみであります。
しかし、そもそも、今第百六十六通常国会は、主権在民をねじ曲げる国民投票法案、イラク特措法案、米軍基地特措法案など、我が国の行 方を左右する重大な法案があれよあれよという間に通過、成立した国会であり、歴史の分水嶺に位置づけられる国会であると思います。加え て、その運営手法の上でも、議会制民主主義の破壊という、歴史に残る国会に成り下がってしまったと言わざるを得ません。
戦後、現憲法のもとで、今国会ほど異常、異例な運営がなされた国会があったでしょうか。その冒頭から、与党による数の力を背景にした 強行採決や委員長の職権による強引な委員会設定が相次ぎました。
まず、三月二日の衆議院予算委員会では平成十九年度予算三案が、同日の財務金融委員会では平成十九年度公債特例法案、所得税法等一部 改正案、特別会計に関する法律案が、総務委員会では地方税法一部改正案、地方交付税法等一部改正案が強行採決され、三月三日の衆議院本 会議で予算三案が同じく強行採決されています。三月十五日の憲法調査特別委員会では、公聴会の開催までもが与党によって強行採決され、 次いで四月十二日、国民投票法案をまたまた強行採決いたしました。同じ十二日に安全保障委員会で米軍再編特措法案が強行採決され、翌四 月十三日の議院運営委員会では野党の反対を押し切り教育再生特別委員会の設置が議決され、十八日の法務委員会では少年法等一部改正案が 強行採決されました。とにかく枚挙にいとまがありません。
そして、五月二十五日の厚生労働委員会では、宙に浮いた年金、消えた年金問題について真摯な追及を続けていたにもかかわらず、社会保 険庁改革関連法案と年金特例法案がこれまた強行採決されました。
また、野党が賛成している法案ですらも、時間がないからという理由にもならない理由で強行採決されたことすらあります。四月二十二日 の法務委員会では全会一致だった更生保護法案が、六月十五日の衆議院財務金融委員会では民主党の皆さんが賛成している電子記録債権法案 すら強行採決されました。
さらに、六月八日の議院運営委員会では、議員の身分にかかわる内山晃君懲罰事犯の件が与党の多数で採決され、十八日の懲罰委員会では、 公平な運営に努めようとした横光克彦委員長に対し、与党の多数で不信任を議決し、委員長を宙に浮かせたまま、内山晃君懲罰事犯の件を無 理やり押し通したのです。
そのほか、委員長職権による委員会立ては枚挙にいとまがありません。
このような数の暴力による暴走に猛省を求めるのが、本来の議長の役割であるはずです。ところが、河野議長は、就任の際に公平公正な運 営に全力を傾けると誓われたにもかかわらず、強行に次ぐ強行を重ねる与党のやり方に歯どめをかけるどころか、昨日は横光懲罰委員長に自 発的に辞表を出すように迫るという前代未聞の議長裁定を行われました。公平な議長であれば、委員会において公平な運営が期待されている 横光委員長がその職務を全うしようとしたときに、そのやさきに不信任されたという苦衷のお気持ちがだれよりもおわかりになったはずなの にと思うと、残念でなりません。
最後に、ここにおられるすべての皆さんが、いま一度国権の最高機関である唯一の立法機関に身を置いていることの重責をよくよく胸に手 を当てて考えてみていただきたいと思います。最近とみに、戦後レジームからの脱却と美しい国づくりを掲げる安倍官邸による強引な議会運 営が目についてなりません。しかし、国民の代表者としての自覚、議会の権威の確立、立憲主義、議会制民主主義の発展については、与党、 野党を問わず共通のものがあるはずです。今求められているのは、まさに議会の良心ではないでしょうか。
以上申し上げ、議長河野洋平君不信任決議案に対する賛成討論といたします。(拍手)
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