第166回国会 厚生労働委員会 第20号(平成19年5月16日(水曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
日本年金機構法案(内閣提出第七八号)
国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七九号)
歳入庁設置法案(山井和則君外五名提出、衆法第二三号)
国民年金事業及び厚生年金保険事業の適切な財政運営に資するための国民年金法及び厚生年金保険法の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出、衆法第二四号)
公的年金制度に対する国民の信頼の回復を図るための年金個人情報関係調査の実施等に関する法律案(山井和則君外五名提出、衆法第二五号)
〔前略〕
○櫻田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日も長時間の御審議、皆さん、さぞお疲れのことと思います。特に大臣には、ずっと集中しておられますのでお疲れと思いますが、 あとしばらくのおつき合いをよろしくお願い申し上げます。
ただいまの高橋委員の、もう本当に胸に迫る指摘と申しますか、一方の厳しい国税の取り立て、そして命にかかわる国民健康保険証の 取り上げまで行いながら、しかしながら、社会保険庁の起こしたさまざまな不祥事には極めて甘く、看板のかけかえだけを行おうとする 今回の法案は、やはりどう見ても国民からは信は得られないものと私は思います。
冒頭やはり、このたびの審議で皆さんが大変熱心にお取り上げの、消えた年金と言われますが、本来どなたに所属し、どなたが給付を 受けるべきかが定まらない五千万件に及ぶ年金の記録について、私は、きょうも大臣の御答弁を聞きながら、大臣がそんな姿勢ではこの 問題は本当の解決を見ないだろうと強く思いましたので、まずその問題から御質疑させていただきます。
きょう山井委員が提出されました資料の中に社会保険労務士の廣瀬さんがお書きになった、五千万件の消えた年金問題は昨年問題に なった不正免除やあるいは不正不在処理などとはるかに質が違う、さらに深刻な問題なんだということを御指摘でありました。私も実に そう思うものであります。なぜなら、もともと手書きであった年金の記録がその後マイクロフィルム化され、あるいはオンライン化され て、今、記録保持方法が変わってきているわけであります。八五年からと見てよいと思いますが、その時代から約二十年余に及ぶ社会保 険庁の業務上の誤りがここに来て一挙に噴出しているんだと私は思います。
それに比べて大臣の認識は、現在、年金の給付の手当てのために、本当に目前のことに追われるようで、大変で、なかなか人手もまま ならないから、この部分については、気持ちはあるけれども後回しにせざるを得ない、簡単に言うとそのような御答弁でした。
しかし、大臣に伺います。私はこの厚い日本年金機構法案参考資料というものを見ながら、果たして、年金の記録がマイクロフィルム 化されたりあるいはオンライン化されたりしたときにその操作ミスで抜け落ちてしまった場合に、これは例えば厚生年金保険法の 第二十八条、記録という部分です、この法律に違反する違法な処置であった、処理であったと私は思うわけです。大臣はよく御存じと思 います。
二十八条を読ませていただきますが、今回は厚生労働大臣と変わりますが、社会保険庁長官は、「被保険者に関する原簿を備え、」こ れは今大臣はマイクロフィルムないしオンライン化されたデータだとおっしゃいました。「これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失 の年月日、標準報酬、基礎年金番号その他厚生労働省令で定める事項を記録しなければならない。」とございます。
すなわち、手書きのものからマイクロフィルム化するときに、今述べたような情報は記録されねばならないわけです。もしもそのとき、 記録漏れ、操作ミスがあれば、当然、その行為自身が違法になるわけです。しなければならないと定められたことをしていないのは社会 保険庁であります。なぜ大臣には、そうした社会保険庁の業務が犯した違法について厳しい認識がないのか、まず一点目はこれを伺いま す。
○柳澤国務大臣 今、阿部委員が御指摘になられたとおり、先ほども筒井委員の質問に対してお答え申し上げましたけ れども、私どもとしては、受給権者からの申請に基づきまして厚生労働大臣が年金の裁定を行うわけでございます。
したがいまして、やはり裁定者としての責任を全うするためには、記録の保存ということが非常に大事でございまして、その意味で、 二十八条で被保険者に関する原簿を備えなきゃならないということでございます。
そういうことで、これまでも、国民年金及び厚生年金につきまして、記録を大事にして、最終的には、今委員の御指摘のように、オン ライン化ということで電磁的なファイルをして原簿ということにいたしておるわけでございます。ただ、その過程で、人とそれぞれのコ ンピューター化のプロセスとの間で誤りが生じたということでございます。
これにつきまして、今、我々の記録に腑に落ちないと感じられる方々については、ぜひお申し出をいただきたいということで、この申 し出をいただいて、そして、今の我々の原簿であるところの磁気ファイルとチェックをして、まず第一次的にはこたえているわけでござ います。
そういうことでこたえているわけですが、なおまだいろいろ腑に落ちないというようなところにつきましては、私どもの記録の仕方と いうものにミスがあるのではないかということで、前の台帳、あるいは、国民年金についてはもっとさかのぼって、市町村にある名簿、 こういうものをチェックしているということでございますので、これは何回もお話を申し上げたんですが、私どもとしては、この問題に ついては、申し出を受けながら丹念にその一つ一つに対応していくということで対処をさせていただいているということです。
○阿部(知)委員 その対処では法にのっとらないということを私は言っているんです。二十八条は、記録せねばな らないのは社会保険庁なんです。その写しミス、これは今大臣もおっしゃったように、コンピューター化のときには必ず起こる出来事で あります。どんなに注意してやっても起こり得ることではあります。ただ、こんなに多いかどうかはわかりません。
そのために、先ほど来委員は、例えば幾つかのサンプルを摘出して、どういうタイプのミスが多いか、例えば八五年段階、すなわち昭 和六十年段階のマイクロフィルム化のときにその記録が紛失したものが多いのか、あるいは、都道府県、市町村から社保庁に事務を引き 揚げたときにそういうことが多いのか、あらあらサンプルを調査すれば、傾向と対策、何が起こったかが出るであろうということで要求 されたわけです。
大臣はそこをすっ飛ばして一挙に、申請してくれれば、申し出てくれればと、みずからの過ちを、給付を受ける国民の、受給者に転嫁 するわけです。そんなずさんな行政はないと私は思います。
二十八条は何のためにあるのですか。記録せねばならないのはだれですか。大臣、もう一度お願いします。そこを明確にしていただか ないから、いつまでも先送りで、目先が忙しいという話になるわけです。しかし、そんな省庁に国民は大事な年金をゆだねられない。看 板だけかけかえても、そんなものが同じ体質とシステムで続くのであれば、何ら安心の年金の仕組みにはならないのです。
義務はだれにありますか。大臣、もう一度明確に言ってください。
○柳澤国務大臣 阿部委員のお話を聞いておりますと、ファイル化の、原簿の整理の過程で何か大量のミスが起こった というようにちょっとお聞きしたのでございますけれども、そういうことはないわけでございます。
むしろ、その転記と申しますか、先行の紙をコンピューターのための媒体に移す、あるいは、それからさらにコンピューター化するとい うところで起こったというのは、今わかるだけでも何十件というようなことではないかということで、五千万件というのは何を言っている かというと、付番をしたときに、これは平成九年の一月の段階で付番をいたしましたので、それ以前で途切れている記号番号というものが、 そこで何の付番もされずに統合されるのを、いわば待っている状況にあるということなんです。
ですから、それを早くしなければいけないのでございまして、それは社会保険庁でも必死になって、基礎年金番号にできるだけ統合しよ うということで、三本、氏名と住所と生年月日、三つの項目がぴったり合っているものはどんどん統合していって、しかし、それで事成れ りじゃなくて、もう一回、これでよろしいですかということを確認されているわけでございます。
しかし、その後の問題というのは、氏名であるとか住所であるとかあるいはそういう生年月日ということだけでは、これはまだ統合され ていないものがありますから、それでそういう件数になっているということで、これをチェックしようということでも、もうチェックを一 回はしてありますので、これから先も、皆さんのお申し出に従ってこれがだんだん融合されていくということでありますので、ぜひ、磁気 ファイルに至る過程で起こっているミスと、付番のときに、もう九年一月の段階で、現に受給権者であるかあるいは被保険者であるかとい う人たちに付番をいたしましたので、それ前に途切れてしまった人は、今、余りこういうことを言うのは語弊がありますけれども、待って いるという状況で、これもできるだけ今符合させようとしてやったんですが、まだそういう状況だということでありまして、この電磁ファ イル化のプロセスでそういうことが起こっているということではないということをぜひ御理解賜りたいと思います。
○阿部(知)委員 大臣は、データもなく、どうしてそういうことが言えるんですか。積み重なった結果がここに出てい ると私は思うんです。
そして、認識が非常に甘かった点は、それは、オンライン化するときには必ず起こることですから、やはり元データは紙ベースで残さねば いけない。特に、長い給付を扱う年金では、それは当然の構えなんだと思います。そこがなくて、今大臣がおっしゃったように、移したとき の問題ではないとなぜ言い切ることができますか。
もちろん、統合時の問題はありますよ。三つくらい年金番号をお持ちの方に通知が行って、基礎年金番号に統一しますから、幾つかお持ち だったらお申し出ください、そういうものもその中には含まれていますでしょう。でも、それだけではないはずです。だからこそ、サンプル 調査をしてくださいといった委員の御指摘に、大臣は、何ら御自分たちのデータも持たずに、申しわけないけれども、勝手な推測で答弁にな るわけです。
しかし、受給権が消失した、あるいは間違いが常に起こることですから、そのことをダブルチェック、医療だってそうですよ、ダブルチェ ックしていってミスを少なくするんですよ。こういう当たり前の主義をとらない、手法をとらないでここまでやってきた。
そして、申しわけありませんが、私はその後、事務費の問題を言わせていただきますが、事務費は保険料からどんどん負担されて、しかし、 負担される一方で、給付のためのメリットは何にもない。ますますこんな五千万件の宙に浮いた年金記録になってくる。これでは、まじめに 納めている人は全く報われない年金の制度になってしまいます。
大臣には、ぜひ、今の御答弁の前に、せめて御自分たちで実態は、この二十年間のどこにどのような問題があったのか、大臣は、そういう のがあったからこそ市町村の記録も一回捨てないでくれと去年の秋の段階で発令されたのではないですか。やはり紙ベースのものもそこにあ って、年金というのは、コンピューターライズされることによって安定になる部分と、そこに消えるかもしれない不安と、必ずあるものです。 このやり方は、そういうことに余りにも意識が薄いと私は思います。
大臣、どうですか。簡略な御答弁をお願いします。
○柳澤国務大臣 このプロセス、最終的には磁気ディスクですか、とにかく電磁的なこういう手法によるファイリングとい うものが、原簿として持つに至る過程でいろいろプロセスがあったということは御指摘のとおりなんですけれども、その際も、社会保険庁とし ては何回も突合することによってやってきたということです。そのことと、阿部委員にちょっと御理解いただきたいのは、五千万件の話とい うのは、とりあえずはちょっと切り離してお考えをいただきたい。
それは、基礎年金番号を付番するときに、では、例えば、私なら私が、どこか民間会社に勤めていて、それで今度は国民年金になり、今度は 例えば共済年金になったというときに、私の九年の一月の厚生年金で私は付番されることになるんですね。そうすると、共済年金の時代、国民 年金の時代というのが、私の住所、氏名でぱっとできればいいんですが、できない場合には、ここの年金の番号というのはほうっておかれるわ けです。それなんです。
それが五千万件になっているということでありますので、そのことと、このファイルを積み上げていくときに起こったこととは、ちょっとと りあえず別にお考えいただいて、このファイリングの失敗ということについては、これは膨大なことになるものですから、とりあえず申し出に よって、それはそんなに多くはないんですね、そのことはさすがに。社会保険庁はいろいろ失敗が多いわけですが、そんなにめちゃくちゃに、 五千万件もファイリングで失敗していたら、そんなことでは原簿はできません、全部で一億ぐらいのものでございますから。そういうことでは ないということをぜひ御理解賜りたいのでございます。
○阿部(知)委員 大臣、そんなことではなくて、逆に、五千万件も宙に浮く情報が出てくるわけはないのです。本当にこ れは、大臣が今おっしゃったように、国民年金と共済年金と厚生年金と、その三つのおのおのがあって、それが一つに、基礎年金番号になっ ていないだけの話だとおっしゃいますが、今、そのもともとのデータ管理だって実は精度が問われているんですよ。だから、大臣の前提自身は 前提にならない。これをちゃんと調べていただかないと、これは、だからこそサンプリングをやってくれと。それでなければ、山井さんがおっ しゃったような事案は出てこないでしょう。
だって、国民年金は納めていたんですよ、保険料。だけれども、あなた、領収書を持ってきなさいよ、納付書を持っていらっしゃいよと。そ うやって、国民は納めた、納めたのにまた持ってこいと言われて、これでは本末転倒なのです。大臣、この一点もきっちり解決していただかな いと、何度も申しますが、年金審議は、百年安心プランどころか、あすからもういつも不安な仕組みになりますよ。そして、年金論議が深まれ ば深まるほど不安のやみが広がるという悲しい事態です。
大臣は、もうきょうはお疲れで、これ以上、その次の答弁が出ないかもしれませんので、私はあともう一点、大臣に認識を改めていただきた い点があります。
きょう、皆さんのお手元に、資料の五枚とじの三枚目に出させていただいたのは、これは生年月日別の宙に浮いた年金が一体幾らあるかとい うデータでございます。これは、社会保険庁の方から出していただきました。大臣が、盛んにお知らせを出すから申請してくださいとおっしゃ いましたが、しかし、この申請も、例えば五十八歳のときの年金のお知らせとか、これから受給権を取得される人はまだ可能性はありますが、 きょうの午前中の御質疑の中でも、もう既に裁定されて受給されている方についてはそういうお知らせも行かないということでありました。そ れもそれでけしからぬです。やればできることですから、やっていただきたい。
しかし、もう一歩さらに深刻なのは、申請をしようにも、これも例が挙げられました、例えば御高齢で痴呆等々の状態があって、御自身で御 自身の申請ができない。では、言っていけない人は切り捨てていいんでしょうか、大臣。私は、これはすごい問題だと思うんです。
例えば、ここに、八十五歳以上で、厚生年金保険百二十六万あるいは国民年金で六十万何がしの浮いた年金の記録があります。でも、大臣も 御存じのように、普通に医学的常識でいえば、八十五歳以上の方は三人か四人にお一人はいわゆる高齢期の痴呆ということに我が国でもなって おります。そうすると、大臣が申請してきてください、言ってきてください、まして、御家族のいないおひとり暮らしの場合だってあるでしょ う、その方は、かつて一生懸命年金を納めたのかもしれません。でも、国の方では、宙ぶらりんになった年金記録がどこに所属し、どの方に給 付されるのかわからない、こういう状態だから全く放置されるわけです。申請する能力が現状でない、あるいは後見人などがいない、こういう 方々の年金権はどう担保されるのですか。大臣、お願いします。
○柳澤国務大臣 痴呆症でみずからが、みずからでさえどういう人間かということがわからなくなってしまうというような ケースのときに、もし統合されない年金記録をその方がお持ちの場合にどうするかということで、真正面から言われますれば、これはやはりな かなか解決を、こうしますということは申しにくいのでございますけれども、しかし、その方の場合、例えば氏名とか生年月日とか、先ほど言 った住所だとかというものが御一緒の場合には、我々の方で統合をした努力の中で解消をされているだろう、こう思うわけでございます。
そうではなくて、何かそこの三つの事項の一致というものが図られなかった、そのどれかが欠けていたというときには、おっしゃるとおり、 この五千万件の中の一件ということになってしまうわけです。わかる人がだれも近辺にいないということであれば、これはもう、私ども本当に お答えのしようがないわけですけれども、どなたかいらっしゃっていただければ、これから先、年金の支給の通知、年間を通しての金額の御通 知の際にそういうことをうたわせていただきますので、ぜひそれをごらんになって、給付を受けられるというときに、そういうことが知らされ てきたのでよく調べてもらいたいということをお近回りの方に言っていただければ、私ども、特にそういう方については丁寧な対応をいたしたい、 このように思っております。
○阿部(知)委員 大臣、おっしゃっていることがちっともリアルじゃないんですよ。
では、例えば八十五歳以上の方でおひとり暮らしで、その方にはどんな通知がこれから行くんですか。年金は今、何がしかお受け取りかもし れません。その方に、この宙に浮いた年金についてどんなお知らせが行くんですか。今大臣、行ったならばと言いましたけれども、どんなお知 らせが行くんですか。
さっきの午前中の審議では、既裁定者、今、年金受給者には、あえてこれから、あなたの年金の受給権について確認してくださいというお知 らせは行かないというお話でしたが、どんなお知らせが行くんですか。明確にお願いします。
○柳澤国務大臣 毎年一回、六月に行っておる支払い通知というものがありますが、そこに、お知らせということで、ぜひ確 認をさせてくださいということを御通知申し上げるつもりでございます。
○阿部(知)委員 大臣、平成九年の段階で基礎年金番号に統合したのも社会保険庁がなさったことですよ。その行為によっ て宙に浮いてしまった年金がここに発生したわけです。
そして、大臣は何度も、今のだって、最後はそれをもらったら何とかしてよねと相手に振っているわけでしょう。そうじゃないんだと思うんで すよ。だからこそ、それは全部一遍にやれるとは思いません、社会保険庁の方からこういうプロセスを進めるべきではないですかというのが、み んな言っていることなんですよ。
なぜ大臣は、そこがおわかりになって、申しわけないけれども、ごまかしておられるのか。だったら、もう一度真剣に考えてください。これは 社会保険庁みずからがまずスタートしなきゃいけないんですよ。行って、それからあなたの申請をお待ちしていますという形では解決しないんで す。
私は、時間の関係で、この問題はまた後ほどにいたします。
もう一つだけ、きょう絶対にやらせていただきたいことがあります。皆さんのお手元に配らせていただいた、これは大臣に先回宿題ですと申し 上げましたが、「年金事務費の内訳」という、申しわけありません、ちょっと小さな、細かな字のものがございます。
せんだっての審議の中で、年金の事務費につきまして、謝金職員などの給料は、国家公務員の常勤、非常勤とは違って年金事務費の中から支払 われるということで、ここに分けて書いていただきました。「徴収対策専門員等の謝金及び保険料徴収等のための旅費」というところで、平成十 年からずっと見てまいりますと、平成の十四年から大体倍増してございます。この倍増の意味は、地方自治体にお願いしていたいろいろな徴収事 務を社会保険庁の方に引き揚げたからだというお話でありました。
そして、午前中の審議の中で、この謝金の総額はお幾らですかということが聞かれて、平成十八年度で二十四億円というお答えでしたが、いた だきました資料の中では五十四億円となっております。この差はどこから由来しているのでしょうか。
これは、大臣がもし数値を読み込むまでのお時間があったら、事務方からお願いいたします。
○清水政府参考人 お渡ししてございます資料の一番左肩の表題にございますように、この欄の合計数字は、非常勤職員の謝金 というものが一つと、それから旅費、その二つを合算したものでございます。そのために、単なる非常勤職員の謝金だけの額ではなくて表示され ているということでございます。
謝金についてのみ申し上げますと、この資料では、平成十八年度、五十四億円という表記になってございますが、そのうち、謝金だけ取り出し ますと三十一億円。平成十九年度、四十七億円となってございますが、謝金だけ取り出しますと二十七億円。そのようなことになってございます。
○阿部(知)委員 御答弁で触れられなかったので、随分旅費の分が多いんですね、改めて見ると。五十四億円のうち、三十一 億円が謝金で、残る二十三億円は旅費だと。実は、この旅費は、謝金職員の旅費だけじゃなくて、国家公務員の皆さんの旅費もここに入っているん ですね。そんなからくりはどこでも言われませんでしたよ。それは、国家公務員としてお働きの方も移動する場合、タクシーなんかを使いますでし ょう。その旅費も全部こっちにいつの間にか滑り込ませている。
どうですか、この事実については。
○清水政府参考人 この旅費は、基本的には保険料徴収というものが大部分を占めているところでございます。
○阿部(知)委員 国家公務員として人件費手当てされている方の旅費もここに含まれるのかどうか。そして、そのような場合 に、やはり私ども国民はわからないのですよ。いつ何がどこに滑り込まされて、あっという間に膨らんでいくんですね。こういうからくりがこれか らも続くとしたら、この事務費の流用という問題は、知らないうちに何から何まで事務費で手当てされるようになるじゃありませんか。
大臣、御存じでしたか。大臣にお願いします。
○清水政府参考人 事実関係について、私の方から申し上げます。
確かに、この旅費の中には正規職員が用います旅費も含まれておるわけでございますが、主たる目的は保険料徴収ということでございます。
また、額につきましては、平成十年度、二十一億円で始まってございます。一番低い年は十八億円、一番高い年は二十五億円ということでござい ます。おおむね十年間で見ますと横ばい、そういうことになっておるところでございます。
○阿部(知)委員 横ばいだからいいかどうかではなくて、そうやってわけのわからないうちに事務費を膨らませていくこの仕 組みを厳然として温存して固定化する、だからこそ、この法案は大問題なんだと思います。
私は、今大臣の御答弁を聞くことがもしかなえば、委員長がちょっとだけ許していただければ、大臣、どうですか。お願いします。
○柳澤国務大臣 現状というか過去の経緯については、今事務当局が説明させていただいたとおりであるわけでございます。
しかしながら、今後の日本年金機構になりましたときにどういう事務費を保険料で賄うかということにつきましては、今委員からいかにも不信の 言葉を投げかけられてしまったんですけれども、そういうことのないように厳格に精査をしまして、財政当局とも、これは直接的に年金の給付に必 要なものに限定していく。そして、それ以外の一般行政経費とされるものについては、これは厳格に国費でもって負担をするというようなことに、 さらに一層、私ども、厳しい分別というものでもって対処をしていきたい、このように考えます。
○阿部(知)委員 何から何までそのようにずさんで、ルーズで、隠して、一つ一つ追及されれば、あれもあった、これもあっ たという年金審議が続く限り、やはり国民は納得できないと思います。
終わらせていただきます。
○櫻田委員長 次回は、来る十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会 いたします。
午後五時散会
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