第166回国会 厚生労働委員会 第25号(平成19年5月30日(水曜日)) 抜粋

案件:

 委員長不信任動議

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案(石崎岳君外四名提出、衆法第三七号)

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〔前略〕

櫻田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。私にちょうだいいたしました時間が十分でございますので、御答弁は簡潔にお願い申し上げます。

 この社保庁の改革問題での審議も六回を重ねてまいっておるわけですが、私は、この審議を通じて、解体されるのはいわば社保庁の責任であって、その象徴が五千万件に及ぶ宙に浮いた年金記録、残るものは実はぬえのような社会保険庁の体質。このぬえの本質は何かと私はずっと考えましたが、やはり保険料をずっとずっと手元でハンドルしたい、扱いたい、この執念にも似たものが残り、そして、御答弁を聞きましても、例えば、大臣、長官、現場の青柳さん、現場に行けば行くほどガードがかたく、何ら本当には変えたくない、この繰り返しであるように思います。

 大臣は政治家ですから、国民に向けて政治の意思を話さねばなりません。大臣、例えば、この間問題になっております五千万件については、当初この委員会では申請主義を唱えられました。しかし、この間、政治の意思で、社保庁の側からアクションを起こす、働きかける、この政治の意思は、大臣一言でお願いしますね、大臣の心の中では決まっていますか、安倍総理の心の中では決まっていますか。二つ、一言でお願いします。

柳澤国務大臣 私どもは、基本的に、個人の申し出によって、修正をするならば必要な修正をする、こういうことでありますけれども、だからといって、では社会保険庁の側から何も働きかけないかといえば、そうではなくて、我々の方から、ここでは繰り返しませんが、いろいろな機会に、これでよろしいですか、これでよろしいですかということをやっておりまして、今後ともその考え方でまいりたいと思っております。

阿部(知)委員 大臣、ごまかさないでください。それじゃ何にも政治の意思を語っていないんですよ。今までだって、繰り返し、裁定のときには働きかけてきたんですから。でも、今、この組織を変える段に当たって、五千万件、やはりきっちり処理していただきたいんですね。そのためには、百年、川がきれいになっていくのを待つんじゃなくて今働きかけるべきだ、そこに政治の意思があるかどうかなんですよ。三千万人の既裁定者、五千万件の宙に浮いた年金、これを、午後もし安倍総理がこの場に来てきちんと政治の意思を示されるのであれば、実は柚木さんも当初おっしゃいました、その政治の意思をこそ、ここは話す場なんですね。現場がぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃわけのわからないことを言ってごまかして、時間を浪費して、国民には何の答えも出せない、それでは委員会の意味がありません。

 委員長、お願いがあります。

 もし、本日午後、安倍総理がいらして、その政治の意思が示された場合には、この委員会は政治家の責任を持ってそのことをき ちんと論議する、そのように理事会でお取り上げいただきたいですが、いかがでしょうか。

櫻田委員長 理事会で後刻協議いたします。

阿部(知)委員 後刻協議するということは、その前によもよも強行採決などはなさらないということであ ります。私たち政治家は国民に責任があります。そして、この間、何度も何度も、社保庁問題は、またか、またか、またかの繰り 返しでありました。国民だって、いいかげんにしろと本当に思っています。そんな不安を抱えたまま、一歩も進むことができない んです。この委員会の責任ですから、重ねてお願い申し上げます。採決以前に理事会で、午後の安倍総理の御答弁を聞いて、お考 えを願いたいと思います。

 引き続いて、私の質問に……(発言する者あり)与党はそんなとき、答えなくていいよなんて余分なことを言うべき立場じゃな いんです。与党だって国民に責任があるんです。こんなこと、与野党を超えて、五千万件も浮いたものをどうするんですか、本当 に。そのことも決めないで次のステップになんて行けないんですよ。

 村瀬さん、質問があります。

 村瀬長官は五千万件の件はいつお知りになりましたか。そして、次の機構に移るといいますが、どこまでに何をなさいますか。 短くお願いします。

村瀬政府参考人 五千万件の内容を知りましたのは五月でございます。

 それから、あと、現在の中でどうするかという時間軸の問題でございますけれども、まずやらなければならないことは何かとい いますと、やはり年金の場合には、既裁定者につきましては、お互いに記録の突合でございます。そのためには、システム的にい ろいろなことを仮に検討したとしても、今すぐにはできません。やはり、疑問に思われている方に事務所へ来ていただきまして、 一人一人、過去の記録を親切丁寧に対応していく、これしか解決の道は私はないと思います。

阿部(知)委員 それではこの委員会が始まったときから一歩も進んでいないんですよ、来てもらったらや りますよと。あるところで確認しなきゃいけないのは事実ですよ、貴重なデータですし、受給権にかかわりますし。でも、何のた めに六回も委員会をやってきたんですか、浮いた年金のために。本当は、もっと違う、中身の論議をしたかったわけです。徴収を 民間ではないところのよくわけのわからない公法人、看板かけかえ法人に任せて大丈夫かどうか、給付のシステムはもっとサービ ス向上ができるんじゃないか、そのためにはどんな組織がふさわしいか、その本質論議に入る前にみんなここでストップしている んですよ。そのことの責任は、九割以上、いわば、社会保険庁の側のこの五千万件をめぐる、どうするかのアクションプログラム がないことが起因しているんですね。そのことを長官は、少なくとも今の責任者として自覚なさるべきですよ。

 私は、村瀬さんは、さっき言ったぬえのようなところに行かれて、それなりの努力をしましたね。納付率を上げろと言ったら不 正免除、そして、五千万件ある、これもまた、村瀬さん、待つんですか。それじゃ、あなたが民から行かれた意味もないし、結局 そこに残ったのは、非効率で、不誠実で、看板だけが変わるよくわけのわからない特殊法人ですよ。そんなことを国民はだれも望 んでいません。

 次の質問に行きます。

 きょう、お手元に、先日お伺いした納付率の問題、これはもう長官の方がようよう御存じだと思います。納付率、表面上は六七・ 一%、しかし、不正不在等々を処理すれば六五%くらいになるかもしれない。結局、何で納付率は上がってきているか。免除がふ える、免除をふやすしか納付率を上げることができなかったこの数年が、これは山井先生も同じデータをおつくりでありました、 しかし、如実にこのグラフは物語っています。普通、民間であれば、この手法、この商品はどうなのか、いいのかどうか。私は、 今、年金にとって危機的な状況を生んでいると思います。

 二点目の資料をおめくりいただきたいです。

 ここには、実は、国民年金の免除がふえるごとに厚生年金からの国民年金への繰り入れがふえていく図がかかれております。丸 で示されたのが国民年金特会への繰入金であります、今や十兆円を超えました。保険料収入は二十兆円で低迷しております。給付 は赤になってきております。

 このまま国民年金の免除、免除、免除をし続ける体制が実は厚生年金の屋台骨を揺るがして、一方で、福島委員も御質疑になり ました厚生年金の未納、未加入問題、これも早急に手当てしなきゃいけない。屋台骨が揺らいできたら、年金は本当にこの国の社 会保障の根幹に座り続けることができなくなります。

 大臣、やはり政治は、この厚生年金の適用拡大、徴収の効率化、未納、未加入の処理、あわせて、もう実際に免除を除いたら五 〇%になっちゃっている国民年金のこの制度設計、この三つに答えを出すべきではないですか。御答弁をお願いいたします。

柳澤国務大臣 いや、最後の制度の改正、こうおっしゃられましたけれども、この点は、私どもは、去る十六 年度改正でかなり安定したものに、軌道に乗せることができている、このように思います。

 その他の、適用の拡大、あるいは未納の率の縮減、あるいは免除というようなものを本来受けるべき人にきちっと免除の措置を とるというようなことに努力をすべきだというのは、私は委員のお考えに同意をいたします。

阿部(知)委員 先ほどの高橋委員の御質疑にもありました、非正規あるいは不安定な働き方がふえればふ える都度、我が国の年金が揺らいでいるという姿です。これに政治が答えを出すべきだと。本来は、そういう審議をして、それに ふさわしい組織のあり方、徴収については、やはり私は一元化がいいと思います、そういう審議をこそすべきだと思います。

 午後の安倍総理の明確な見解を私は期待して、終わらせていただきます。


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