第166回国会 厚生労働委員会 第31号(平成19年6月15日(金曜日)) 抜粋

案件:

 政府参考人出頭要求に関する件

 社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出第八六号)(参議院送付)

 救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案(参議院提出、参法第三号)

 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八七号)(参議院送付)

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〔前略〕

櫻田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の審議に係りますドクターヘリの問題以前に、きょう御出席をいただきました社保庁長官の村瀬さんと、そして柳澤厚労大臣に、おのおの一問 ずつ、緊急に私が確認しておきたいことがありますので、お願いを申し上げます。

 私も、今週、東京都文京区のマイクロフィルムの置かれている分室等々も視察してまいりましたが、今、年金の、消えた年金あるいは宙に浮いた年 金、隠れた年金、わからなくなった年金、いろいろな呼び方ができますが、そのことを何とか自分の給付に結びつけたいと思う方々が社会保険事務所 にはお訪ねでありますし、コールセンターにもたくさんの問い合わせがかかっております。

 まず、青柳さんもきょうお越しですが、村瀬さんにお伺いしたいですが、せんだって街頭でのチラシ配布をなさっていた絵柄をテレビで拝見いたし ました。そもそも、このチラシはどのくらいの数をまかれて、予算は幾らで、それはどこから費用が出されたのでしょうか。済みませんが、短くお願 いします。

村瀬政府参考人 御質問の問題について今最終資料を持っておりませんのであれでございますけれども、まず、コピー機で印刷 をさせていただいております。そして、東京では、私のところでまきましたのは四千百七十枚でございまして、ちょっと記憶で申しわけないんですが、 全国で約十五万枚だというふうに記憶をしてございます。

 そして、この部分については、今言いましたコピーのお金でございますので、金額的にはそんな大したお金ではない。また、職員については 幹部職員を中心にやらせていただきましたので、すべてそういう点では残業代等がない。また、時間外にやらせていただいている、こういう形でござ います。

阿部(知)委員 今わざわざ村瀬長官が幹部職員で残業代はないというふうにコメントされたのにはわけがあると 思うんですね。

 私は社会保険事務所へ行ってみて、やはり中堅、若手の職員に、今、非常に、精神的にも肉体的にも仕事の量でも強いストレスがかかっていると思 うのです。例えば、この前も、訴えに来た、年金を捜す方に殴られたりとか、いろいろな事案が既に起きております。

 それゆえに、政府としても一刻も早い対応をすべきと思いますが、私はここで、大臣にぜひお願いがあります。何かと申しますと、私が見たマイク ロフィルムもそうでしたが、もとの台帳は例えば漢字で書かれており、それがフィルムに撮られ、今度入力するときは仮名になる。名前の読み間違い は、やはり起こるべくして起こるんだと思うんです。

 今、政府の方針としては、三千万人と二千八百八十万件の統合を早急にやるとおっしゃいますが、何度も言いますが、壊れたデータのままどう突合 したって、やはり屋上屋を重ねるんだと思います。早急に入力作業の確認、要するに正しいデータかどうかを、オンラインは正しいのかどうかをやは りまず第一に手がけるべきで、私は、そこの仕事の負荷量を現在の若い職員たちにかけるということは、これ以上やはり無理だと思うのです。過去の 負の遺産です。不良債権です。何十年の不良債権です。それを今、これから先もしっかり働いてもらわなきゃならない人たちにかける。

 なぜそうなっていくかというと、やはりそこにはきちんとした予算措置の覚悟がないんだと思うんです。大臣はこの件に関しては、いつまでという ことを一貫してお答えじゃないです。しかし、こういう形でだらだらやればやるほど、国民の不安も長引く、社保庁の中でまじめに働いている人たち にも負担が加わります。私は、これは国民にとって百害あって一利なしだと思います。一日も早く、正しいデータがオンライン上にある、それが私は 今大臣が率先してやるべきことだと思います。

 そのための予算措置、例えば、総理のおっしゃることと財務大臣のおっしゃることにもそごがございます。財務大臣がそこに人を配置するための予 算とおっしゃったのかどうかはわかりませんが、補正予算等々のお話も出ています。そこは実は、大臣がはっきり見通しを立てて、今ここをやるぞと いう決意と、それには人が必要だという見通しを出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 御理解をいただきたいところですけれども、要は五千万件の中で、今二千八百八十万という数字を出しているわけ ですけれども、この数字については、三千万人の受給者と突合したことがないんですね。だから、これは至急に早くやらせていただきたいということを 申し上げているということで、まず御理解をいただきたいわけでございます。

 それからもう一つ、今委員もおっしゃられるし、また他の党の方々も力説されるところなんですけれども、原資料と今のオンラインの記録との突き合 わせをやりなさい、これもやると私どもは言っているわけでございます。それから、今委員は御発言の中で、だらだらやっても、こうおっしゃったんで すが、我々もだらだらやるつもりはありません。計画的に、しかもその進捗状況については定期的に公表しながらやるということを申し上げているわけ でございますので、その点は御理解を賜りたいと思います。

阿部(知)委員 大臣、ちゃんと私の質問を聞いてくださいよ。そこには人手が必要なんですよ。大臣、見たことありますか。私 も何カ所か見に行きました。本当に、一日で何件できるでしょうと考えてみて、それを今の現状の仕事とあわせてやれという指令は、さっき言った不良 債権なんですよ、今の本当に真剣に働く職員に、それは余りにも過酷だと私は思います。大臣はわかっていて今の答弁であるならば、私はそれはやる気 がないというふうにみなさざるを得ません。

 恐縮ですが、きょう、私十五分ですので、これは委員長にもお願いしますが、三千件のうちの四件と言われるミスの問題とあわせて、次回、大臣に明 確な御答弁をいただきたいと思います。

 引き続いて、本日話題になっておりますドクターヘリの問題。もう各委員から、いろいろな多面的な御質疑がありました。例えば、ドクターカーはど うか、あるいは消防の持っている防災ヘリとの連動はどうか、そこのマンパワーはどうするのか、教育はどうするのか。そういうことはもう重なります ので、私からは、大体、救急というものの成り立つ土台、日常医療の部分で今進んでおります医療崩壊、この土台がなければ、これも幾ら屋上屋を重ね ても瓦解いたしますので、土台部分についての質疑をさせていただきます。

 きょう、大臣のお手元にも配らせていただきましたが、この間、与党の皆さんも、医療崩壊状況、特に医師不足状況についてはそれなりのお取り組み をなさっておられることと思います。これは、数日前、厚生労働省で検討されました、例えば緊急臨時的医師派遣システムというものを構築するための 会議の資料でございます。これは、コンクリート、まだ定まったものではございませんが、私は、それにしても、考え方において幾つか伺っておかねば ならないと思います。

 今、例えば地域の中核病院で人手が足りない、それゆえに休診せねばならぬ等々の事案が生じた場合に、ここにドクタープールというのをつくる。こ のドクターのプールの中の、退職医師というのはわかります。もうすぐ私も、団塊世代で、医師としては退職に入りますから、これを確保しよう、いい 案だと思います。

 一方の、全国規模の病院グループ等からの、例えば勤務医や後期研修医をグループにおさめて、ここから派遣しようということになってまいりますと、 ここには二つの大きな問題が派生するように思います。

 ちなみに、時間がないため、私が一方的にしゃべらせていただきますが、全国規模の病院グループ、では、どんなところを考えていらっしゃるんです かと伺いましたら、一つは国立病院機構、旧国立病院、そして、二ページをあけていただきますと、日赤あるいは済生会あるいは厚生連などの病院であ りました。

 現状、医療崩壊には大きな二つのファクター、一つは経営的、いわゆる医療運営上の経営的、お金にかかわること。例えば、救急医療もそうですが、 救急医療を常時開いておくには日常的にお金が要るわけです、そこにまず場を確保して、医師を確保して、来ても来なくてもそこに開くという。このお 金の問題も解決しなければ、先ほどのドクターヘリも解決しないという御指摘はありましたが、実は日常の医療でも、そこに病院が病院として成り立つ ための経済インフラというものが必要であります。

 これらの病院、ざっと見渡しますと、日赤、済生会、厚生連など公的病院の財政事情、これは厚生労働省の資料でありますが、見ていただきますと、 赤字、黒字、赤字、黒字、病院比率が出ております。ちなみに、例を日赤に引かせていただきますと、平成十年から十五年にかけて、いわゆる赤字病院 の比率はふえてきております。

 これは、実は、ぜひここを伺いたいのですが、近年の、ますます病院にとっては厳しく、苦しく、やりづらくなっている診療報酬改定前のデータであ ります。病院が赤字に傾けば、当然そこでいい医療もできませんし、人の確保も、特に医師の確保は難しくなってまいります。

 先ほどのドクタープールということを考える以前に、診療報酬改定に伴って各公的病院がどのような経営状態の変化を来しているか。ここには十五年 までしか、これが最新データだと言われました、これ以外はないのでしょうか。そして、ない段階では、今お考えのところの、そこの病院から医師を引っ 張り抜く、どこかに派遣するということも極めて深刻な事態になりますが、大臣、どう伺っておられますか。

 引き続いて、もう一点お願いいたします。

 ここには後期研修医も派遣すると書いてございます。しかし、後期研修医は、職員として雇うわけですが、三年間の期限の中で、おのおの自分の医師 としての自己研修のプログラムがございます。それが、急にどこかで不足になったから、たまたまあなたのやりたいことと合うから行ってくれならばま だしも、後期研修をやりたいと思う医師にとって、その医師自身のニーズとここに生じた医師不足という情勢のニーズは必ずしも合致いたさない場合が あります。そうすると、個々人の医師の自己研修という観点からは遠いところになりますが、そのことは今後どのように検討されるのか。  大臣、経営面の問題、そして個々人の医師の自分の将来図の問題、この二つについてきょうはお伺いしたいと思います。

柳澤国務大臣 先般、地域医療支援中央会議におきまして、緊急臨時的医師派遣システムということを政府・与党の緊急の医師確 保対策の中で決定いたしましたのを受けまして、私から、ぜひ派遣元とされる全国規模の病院のグループの代表の方に御協力をお願いした次第でござい ます。

 もとより、その方々からは、むしろ、事前に私個別にもお話し合いの機会を持たせていただきまして、それぞれに、今現在、今委員が御指摘になられ るように苦しい状況にあるということはお聞きしておりました。しかし、私ども、緊急に医師派遣を行わなきゃならないというところの緊急性というこ とにかんがみまして、先生方にも御協力をお願いしたいということを折り入ってお願いした次第でございます。

 もとより、臨時、緊急ということでございますので、私ども、例えばの話でございますけれども、今のところお医者さんがいなくなってしまったけれ ども、来年の四月になればめどがついているんだ、それまでの話なんだ、こういうようなことになっておりますので、では、それまでのいわば補てんと いうような意味合いでお願いをするということでございまして、体系的に今このところを考えてやるというより、まさに緊急、臨時の措置としてお願い をしたということでございます。

 後期研修中のお医者さんにつきましても、これは、そういう方も想定をして、排除するわけじゃないという意味でそこに掲げさせていただいているわ けで、その方々にすぐに行ってもらうというよりも、そのお願いをした医療機関の中でのいろいろな人選の中で決まってくる話だろう、こういうように 思いまして、そう無理やりに御自身の持っている研修計画というものを大転換させるというようなことまでお願いするということには考えていないわけ でございます。


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