第166回国会 厚生労働委員会 第7号(平成19年3月23日(金曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
〔前略〕
○櫻田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日審議されます国民年金法等の一部を改正する法律案につきましては、現在、国民的に最も関心事であります基礎年金部分の国庫負担を二分の一に 引き上げる過程であるということは評価しつつも、その財源手当ということにおいて、本来的に抜本的な税制の見直し、例えば所得税の累進度の見直し やあるいは法人課税そのものの見直し等々の税制の改革の中で、きっちりとした安定した財源が確保されるべきと考えております。そして、法案の対応 は反対とさせていただきます。
では、引き続きまして、私に残されました時間の中でタミフルの問題を取り上げさせていただきます。
タミフルが引き起こしましたさまざまな混乱事象ということにつきましては、既にこの国会冒頭の二月の予算委員会で、私は柳澤厚生労働大臣にも質 疑をさせていただきました。この間の厚生労働省の対応は、恐縮ながら後手後手に回ったといいながらも、起きてきている国民の不安にこたえようとし ているものとは思っております。しかしながら、対応そのものの中で、よりきちんとした、タミフルという薬が使われている現状を把握し、必要であれ ば、例えば薬害被害に遭われたという申請を出されている方々への対応も含めて、再度私は仕切り直しがなされるべきと思いますので、本日は、そのよ うな観点から質疑をさせていただきます。
まず冒頭、大臣に伺いますが、きのうも辻事務次官ですか、会見をなさっておられました。その中で、タミフル発売以来、二〇〇〇年のことですが、 厚生労働省には、いわゆる現場から上がった副作用報告が、件数において千八百件上げられているそうであります。これを見直されるという御発言であ りましたが、大臣の見解は同じでありましょうか、これについてお願いいたします。当然だと思いますが。
○柳澤国務大臣 タミフルにつきましては、阿部委員からは非常に早い段階からいろいろ御指摘をいただきまして、私どももいろい ろ啓発されたりあるいは勉強したりする機会を御提供いただいた、このように認識をいたしております。
二月の末に、立て続けに、本当にかわいそうに、若い中学生が異常行動で転落死するという不幸なことがありまして、直後に私ども、これについて医 家向きの注意文書を出したわけでございますが、今週の火曜日に再び、これは不幸中の幸いで死亡には至りませんでしたけれども、やはり同様、二階か ら飛びおりてけがをされるということが起きた、加えまして、また同様事例が製薬会社からもたらされたということで、即刻決断をしまして、緊急安全 性の注意をさせていただいたということでございます。
そういう中で、今後どうしていくかということでございますけれども、やはり個別の検証やさらにはまた疫学的な調査等々、万般にわたりまして見直 しの調査をしなければならない、このように考えております。
○阿部(知)委員 私は、見直していただく場合に、これまで厚生労働省に上がっている、報告された事例、まずこれをきっちりと検 証していただくことが先決かと思います。
大臣のお手元に、そして皆さんのお手元に配らせていただいたのは、例えば、平成十八年の一月一日から平成十八年の三月三十一日まで三カ月間で上 げられた副作用報告であります。これは、臨床現場の医師たちが投与して、その間、患者さんに起こったこと、あるいは親御さんの方からおかしいんじ ゃないかという声が上げられたことの具体的なものであります。
ページを一ページおめくりいただいて、これは、この資料はもともと医薬品等安全対策部会というもので検討されたもののもと資料でありますが、下 段からリン酸オセルタミビルという形で、いわゆるタミフルについての集計がございます。
まず、一ページ目は、激越、これは激しく興奮することをいいます。二ページをあけていただきまして、上から順次チェックしたものをまず読ませて いただきますが、健忘、自殺未遂どころか自殺既遂、錯乱、譫妄、妄想、意識レベルの低下、うつ病、情動障害、易興奮性、そして幻覚、あるいは感覚 鈍麻等々。次のページをあけていただきます。またここにも並んでおりますが、これは躁病、そして落ちつきのなさ、自殺念慮、そして視覚障害、退行 行動、異常行動なんと三十五例、そして精神症状三例。
ここにチェックいたしましたもの以外にも、例えば、中枢神経にかかわります症状として取り上げられますものは、けいれんや見当識障害、構音障害、 嚥下障害等々ございます。
何と、こういうものを集計いたしますと、恐らく医学的に見て、中枢神経に何らかの影響を与えたと思われる事案は百二十五件となっております。
一方、このデータの中にも、皆さんにぜひ見ていただきたいのですが、骨折という記載や、あるいはページで四と打ってございますが、外傷性骨折、 脳挫傷など、普通、タミフルを飲んでなぜ脳挫傷したり骨折をするか、こういうものは非常に奇異な副作用に見えるわけですが、薬剤を投与した後、例 えば飛びおりられれば脳挫傷し骨折をいたします。
実はこれだけの事案が、この十八年一月一日から三月三十一日までの安全対策部会に上げられております。
しかしながら、その後に行われました安全対策部会では、ただの一言も、このタミフルのタの字も出てこず、何ら検討がなされていません。私は、昨 日、現場の担当者にも伺いました。そうしましたら、異状死等々がなかった、死亡ではなかったと。死ぬまで、死んで初めて薬害として検討がなされる というような体制は本当におかしいと思います。
これは大臣も本当に虚心坦懐に見ていただきたい。こんなに累々とです。異常な副作用の数々であります。また、低体温十一例というのも、医学的に 見れば中枢神経障害です。これを集めて、千八百件あるわけです。まず、このデータの全貌をきっちりと解析する、このようなお気持ちがおありかどう かを、私は先ほど伺いました。大臣の御答弁は、直にそのことを御理解いただいていなかったようですが。
実は、私がこのように申しますのも、我が国と、例えばよく引き合いに出されます米国FDAでは、薬害や、起こった不測の事態に対しての対応の迅 速さ、あるいはデータ処理の仕方が圧倒的に違っております。先ほど、山井委員がお取り上げになりましたフィブリノゲンの問題でも、既にFDAでは、 一九七七年に発売中止。我が国では、その後、最終的には八七年でありましたでしょうか、約十年を経て禁止がされております。そのおくれの間に、ど れだけの人が被害に遭ったか。
私は、これからの薬事行政において、この安全性についてやはり抜本的に改めるということがなければ、数多い方々の被害は報われることがないと思 います。
まず、大臣、先ほど私が伺いましたが、このような累積した悲惨な症例の数々を見直して、そして、これまで、この医薬品機構の中で副作用として申 請しながら否定されてきた御家族が四家族あります。当然ながら、見直されればそうした方々の申請についても、却下ではなくて見直すこともあり得る のかどうか。これは科学的な治験をきっちりしてくれということであり、同時に、今までの医薬品機構の中で却下されてきたものについても、当然見直 されるべきだろうということでありますが、御答弁を伺います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
これまでのタミフルに関する副作用の症例、これにつきましては、死亡症例につきましては、これまで審議会での審議などを経まして検討いたしたと ころでございますけれども、それ以外の症例につきましては、やや不十分な点があったのではないかというふうに私どもは考えておりまして、その点は 再度精査をいたしたいというふうに考えております。
それから、今お話の二点目にございました、これまでの救済給付の申請の申し立ての件でございますけれども、これは、その中身につきましては、実 際に私どもの医薬品副作用判定部会の方できちっとした審査をやっております。その点について、ちょっとどういう扱いにするか、その点につきまして は、少しお時間をいただいて、検討させていただきたいと思います。
○阿部(知)委員 何度も申しますが、先ほど御紹介したような累々たる副作用報告があって、医薬安全対策部会では一言も、一行も 触れられていないんです。そういう中で、勝手に、これは副作用ではないとして却下してきたわけですから、本当に真剣に見直されるべきです。もちろん 第一段階は、この千八百件の報告を見直すということだと思います。
大臣には、その点の確認を後ほどお願いしたいですが、もう一つ、御質問があります。
実は、今、このインフルエンザのタミフル使用ということに関して、先日来取り上げている研究班がございます。平成十七年度と十八年度の二年間にわ たって研究をしておられますが、十七年度の報告は何ら有害な事象として判定されないと、一応そういうふうにはなっておりますが、よく読めば問題があ るという部分も指摘がされております。ところが、ここにかかわります研究班員の教授八人のうち三名が中外製薬から寄附を受けておられたということが 判明いたしました。
今後の、例えばこの千八百件を見直していただくにも、同じように中外製薬から寄附があった方がまた見直していただくというようなことが出ると、国 民にとっては非常に信頼のできない見直しだということになってまいります。
大臣として、こういうのを利益相反と申しますが、研究にかかわる方と、その方が受けておられる背景の経済的なバックグラウンド、それについて、今 後、厚生労働省としてどんな見直しをしていかれるのか。
特に、この研究は厚生労働省が指名なさって研究をお願いした方です。よもやそうした背景を御存じなくて指名されたのか、そして、そういうことが繰 り返されては困りますので、厚生労働省としての対応を伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 私は、言うまでもないことですけれども、医薬については、効能というか、期待される効果もあるかわりに副作用もあ るものだという基本的な認識を持っております。しかし、その副作用が、やはり人間の生命あるいは健康に重大な障害があるということでは、安全性の観 点からこれは許されないことでございます。
そういう意味で、安全は第一にいたしたい、こういうように考えておりまして、今、委員が指摘されるように、これまでいろいろな形で報告がありまし た副作用という報告につきましては、逐一これの見直しを行うということでございます。
それから、その見直しを行う機関について、寄附をいただいている先生がいたけれどもこれはどうするかということでございますが、これは、当然除外 をして、新しい体制の機関にいたしまして、そして、いささかも公正性において疑われるようなことのない体制を構築して、この見直しに当たらせたい、 このように考えております。
○阿部(知)委員 もう一点、伺いました。異常行動死二名、そして突然死二名は、これまでの医薬品の救済機構の中では却下されて おります。極めて不当な判断だと思います。この点もあわせて、大臣にはよろしく御検討をお願いしたいと思います。
終わります。
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