第166回国会 厚生労働委員会 第8号(平成19年3月28日(水曜日)) 抜粋

案件:
 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件

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〔前略〕

櫻田委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日審議にかかります法案に関しましては、毎年毎年、戦後六十年余を経て、あの大戦によって大変に御苦労をなさった、 あるいはつらい運命を背負われた方々への国としての補償の充実を期すものといたしまして、賛成をいたします。

 そして、私が例年の審議の際に取り上げさせていただいているのは、御遺骨のことでございます。

 大臣も既に御承知のように、我が国が、第二次大戦において二百四十万の海外戦没者を持ち、なおかつ、現状で百十六万人 の方が未帰還でございます。中にはもちろん、海没、海に埋まり、あるいは国情等で我が国と必ずしも遺骨収集で良好な関係 にない国々に眠る方々もおられますが、それらを差し引いたとしても、六十万人余りは、我が国の努力の中で御遺骨の収集が 可能になるはずのものでもあるかと思います。

 私は議員になって七年目、歴代の厚生労働大臣にこの問題を御質疑してまいりました。坂口厚生労働大臣あるいは尾辻大臣 おのおの、戦争でお兄様やお父様を亡くされた経験があります。また、さきの川崎厚生労働大臣にも、御遺骨収集に尽力して いただくという御答弁もいただきました。

 さて、柳澤大臣は、安倍内閣が始まって六カ月ですが、この内閣の中で、御遺骨の収集ということはどのように受けとめら れ、話され、また大臣自身はどう思っておられるか、この御決意のほどを一点伺います。

柳澤国務大臣 戦没者の御遺骨につきましては、これは今阿部委員も御指摘のとおり、国の責務として、 可能な限り早期に収集できるよう努めていかなければならないと考えておりまして、現にそうした運びになっているというの が私の認識でございます。これまでも、遺骨収集事業におきまして、いろいろな方々の御協力も得ながら、また、戦没者の御 遺族及び関係者の方々の気持ちを大切にしながら、さまざまなルートからの情報を収集、精査いたしまして、国として、御遺 骨が一柱でも多く収集できますよう力を注いでいかなければならない、このように考えております。

阿部(知)委員 私も実際に、例えば昨年の一月、ちょうどことし三月に厚生労働省の遺骨収集団が派遣 されましたフィリピンのセブ島に参りまして、御遺骨の眠られる状況を拝見してまいりました。その中で、私も、昨年も、ま たことしのこの遺骨収集団の報告を受けても感じますことは、まずやはり内閣を挙げての取り組みをしていただきたい。

 どういうことかというと、外務省の出先機関である大使館、そして厚生労働省からは、派遣されております医官がおられま すが、実は、全フィリピンでたったお一人、外務省の大使館の館員として行かれるわけです。フィリピン等々は、大臣も御承 知のように、非常に急な傾斜地や洞窟や、いろいろな、必ずしも遺骨というものが目に見えるところにはないような状態で、 そして、現地の邦人保護のためにも他にたくさんの仕事がある。

 そうなりますと、私は実は尾辻大臣の時代に、詳しく言うと十七年の六月ですが、厚生労働省内に遺骨の情報収集のための 専門チームを置きたい、もっと言えば道筋をつけたいというふうに、尾辻大臣、御答弁でありました。そして、きのう、その 道筋がついたかなと思って担当者に伺いましたが、結局のところ、平成十八年度は、日本遺族会の皆さんにお願いして、約二 千九百万円の予算で現地の情報収集に当たっていただくということでありました。

 私は、それ自身は否定いたしませんが、やはり受け皿となるような厚生労働省側のチームなり体制の充実がないと、実は米 国に比しても、遺骨収集に専門にかかわります行政サイドの力量といいますか体系が弱い我が国でございます。もし、内閣挙 げてというお考えであれば、まず隗から、厚生労働省みずからこの遺骨収集と、それから、もちろん根幹は情報収集です、こ のことによりマンパワーを充実させていく、このことを柳澤大臣にお願いしたいですが、いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 まず第一に、遺骨収集のためには情報の収集というのがその基盤になるという御指摘は、 私どもも全く同じ思いを持っているわけでございます。

 私どもの事業としては、国内情報は、遺族会のホームページにおきまして情報提供の呼びかけをするとか、あるいは戦友会 の関係者の方等から事情を聞かせていただくとかいうことがその柱になっているわけでございます。

 それから、海外の情報収集としては、フィリピン及び東部ニューギニア地域へ調査員を派遣しまして、現地の在留邦人や日 系人の組織に対して、情報収集のためのネットワークづくりといったようなものにつきまして協力を依頼する、さらに、当該 国の政府等の関係機関に対しまして、現地住民等への本事業、情報収集の事業の周知等の協力を依頼する、さらには、各自治 体単位で現地住民を招集して情報の聞き取りを行う、こういったことを柱として活動してきたところでございます。

 そういうことで、これはもう地道な努力が必要だというふうに考えておりまして、常設の機関としてどういう体制で取り組 むべきかということにつきましては、援護局の事務としてもかなり力を入れて取り組んでおりますので、引き続き調査員の派 遣等についてしっかりした取り組みをしていくことが必要なのではないか、それが柱となるのではないか、このように私とし ては考えております。

阿部(知)委員 恐縮です、お手を挙げられたのですが、時間の関係で申しわけないです。

 大臣はそうはおっしゃいますが、実際にやはり遅々として進まない。悠長にはしていられない。一つは、もう御遺族が御高 齢化されるわけです。情報も風化いたします。遺骨も風化いたします。やはり私は、こうしたことはきっちりと、内閣を挙げ て、政府を挙げて取り組む中心課題に据えていただきたい。例えば硫黄島にも、また沖縄にもございます。それから、海外に もございます。

 そして、最後の一点。

 実は、今回の遺骨収集団、四十五体をお連れ帰ることになりましたが、もともとは民間人から寄せられた情報です。常に民 間が厚労省にお願いする。まず民間の人が、やむにやまれず情報を集めておられます。そのことは大変に貴重なことですし、 しかしながら、またさまざまな、例えば、どなたの骨であるか、場合によっては動物の骨か、いろいろなものが混入してまい ります。このことをきっちり鑑定するためにも、鑑定体制の強化をお願いしてまいりました。

 このたび、フィリピンの博物館の副館長である方から、現地の鑑定員、フィリピン大学の人類学者がおられますが、日本か らも鑑定人を同行することもよいのではないかと御助言をいただきました。私は、よい御助言は一つでも前向きに取り組んで いただきたいが、いかがでしょうか。

 これで終わりです。

荒井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、遺骨収集の関係でございますが、民間の力を活用するということは、私ども大事だと思っております。従来からそう いうことで情報収集をしながら、また民間の力をかりながら遺骨収集もしてきたということがございます。

 今後もそういうことで、御遺族それから関係者の方々の気持ちを大事にしながら、大切にしながら、さまざまなルート、さ まざまなパイプを広げながら情報を十分に精査し、国として戦没者の御遺骨が一柱でも多く収集できるように力を傾けてまい りたいと思っております。

 また、先ほどの鑑定の話でございますが、遺骨鑑定に関しましては、現地の事情に詳しい専門家に協力していただくことが、 事務全体を考えると一番いいことだというふうに考えてございます。そのために、従来から、在外公館を通しまして、相手国 政府から、考古学それから人類学の見地で遺骨鑑定が非常にうまくできる方だということで推薦いただいております。その鑑 定には信頼を置いているところでございます。

 また、相手国にそういう専門家がいない場合には、日本から鑑定をされる方を連れていく形で遺骨の鑑定をしているという ことでございます。

阿部(知)委員 そういう後ろ向きな姿勢で、本当にあなた方、この国が一番犠牲を強いた人たちに報い られると思いますか。  相手国からお申し入れがあったからどうするのと私は伺いました。人の質問もよく聞かない、厚生労働省内に専門班もつく らない、そういう格好で、本当に、援護など、語るもはばかられると思います。

 以上、質問を終わります。

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櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、与野党の理事のお計らいで、一般質疑の時間をちょうだいいたしました。また、私の時間を、この午後の冒頭をちょ うだいいたしまして、御配慮に心より感謝申し上げます。

 さて、一般質疑でございますので、日ごろなかなかこの委員会の法案のラッシュの中では取り上げられることのない、国家百 年の計にかかわります事案について、柳澤厚生労働大臣に御質疑をさせていただこうと思います。

 日本は、どなた様かは神の国とおっしゃいましたが、森の国であります。森林、美しい日本の自然というものは、今後私ども が、今、地球温暖化あるいは災害の問題、あるいはこれから大切になってまいります水の問題、いろいろな多面的な側面から見 直されるべきものと思います。内閣におきましても、そうした観点をお持ちになり、このたび美しい森林づくりに向けたさまざ まなお取り組みをなさるというふうに漏れ聞いております。

 冒頭、柳澤大臣にお伺いいたしますが、本年の二月に、第一回会合、美しい森林づくりのための関係閣僚による会合がござい ましたと思います。そのときの、他省庁たくさん出ておられましたけれども、主に厚生労働省としてのお役割はどのようにお受 けとめであるかという点を冒頭お伺いいたします。

柳澤国務大臣 ことしの二月でございましたか、安倍総理のリーダーシップのもとで、もちろん林野庁を所 管する松岡農水大臣が大きな役割を演ずるということが想定されておりますけれども、いずれにしても、内閣挙げて美しい森林 づくりということに取り組もうということで、関係閣僚会議が設置をされました。

 本当に阿部委員初めこの委員会の先生方に申しわけないんですが、当日たまたま私は所用がありましてその会議に出席できず、 石田副大臣がかわって御出席いただいたわけでございます。したがって、詳細は石田副大臣にお任せした方がよろしいかと思う んですけれども、たまたま私はきのう安倍総理と立ち話をしまして、この話を、美しい森林づくりの話をちょっとお話ししたこ とがあるんですけれども、そういう意味で、安倍総理としてもすごく力が入っている。

 実は、スウェーデンの国王がいらっしゃったものですから、そういう大変豪華な祝宴にお招きをいただいたわけですけれども、 そのときにある皇室の方と森の問題についてお話をしまして、総理もそこに当然いらっしゃったものですから、我々の内閣でも 美しい森林づくりというものに取り組むんですよというような話を交わしました。少なくとも、非常に重視をして取り組むとい うことは、内閣の方針として打ち立てられているということでございます。

 そういう中で、厚労省がどういう役割を演ずるかということでございますけれども、とりあえずは、私ども、これからの審議 に参加して、その中で私どもがやるべきことを受け持っていきたい、このように考えております。

阿部(知)委員 私がいただきました資料等々の中には、やはり森林を守るための森林労働者の問題が一点、 それからまた、介護施設やあるいは医療施設等々での人間がくつろげる木材の使用というものの二点が大きく挙げられておりまし た。それで、前者の雇用面、いわゆる森で働く方々の健康管理、労働条件等々で私はぜひ厚労省に御尽力いただきたいと思うこと がございますので、次の質問に移らせていただきます。

 実は、森林で働く皆さんの問題は、私が、安倍総理が総理になられて早々の、臨時国会の冒頭の予算委員会、平成十八年十月六 日に取り上げさせていただきました。森を守るためにどのくらいの人々が必要で、そこで働く方々の数、それについて総理はどの ような目標に向けての取り組みをなさるのかと。そのときの総理の御答弁は、第二の人生を歩んでいただけるような方々を森林に 従事する方にお招きしたいということでありました。

 しかし、はっきり申しまして、林業と申します分野は、経験も必要ですし、また非常に危険の多い分野でございます。例えば六 十あるいは六十五から急に森に入られて、森を守れと言われても、現実的には、能力的にも体力的にもかなわない、技術的にも体 力的にもかなわない。やはり、これから積極的に森林を守っていただく労働者の育成やあるいは労働条件の改善、あるいは特に労 災等々の手当てをしていただきたいと思い、私はきょう質問をさせていただきます。

 まず、大臣のお手元に、きょう皆さんのお手元にも配らせていただきました一枚の紙がございます。ここには、「事業所規模別、 度数率」といううたいになっておりまして、「労働災害動向調査報告」、厚生労働省が出典でございます。昭和四十年から平成十 七年に至るまでの数値が挙がってございますが、実は、度数率という、災害発生の頻度を申しますが、これで見ていただきますと、 例えば事業規模三十人から九十九人というところでごらんいただければわかりますが、林業においては、非常に労災の発生率が高 うございます。例えば平成十五年、全産業で申しませばこの度数率が三・七三というところ、林業においては四四・五五、一般の 産業の十数倍の労災が発生する分野だということであります。

 おまけに、長時間労働に今なっておりますし、高齢化しておりますし、賃金も低賃金、世の中で言うと三Kと言われるような職 場に近くなっておりますが、しかしまた、国が積極的にそういう人を育成しよう、守ろうという心意気があれば、本当の日本の財 産を守っていただくのに、若い方の就労もかなうかと思います。

 そこで、特に労働災害の分野からお伺いしたいと思いますが、今、他の工場での労働災害の発生等は、労働基準監督署あるいは 局等々で、そこの労災の発生状況について、よく見て、再発防止なり、何が労災の原因になったかというようなことについても、 労働基準監督署から人が送られていきます。ところが、林業分野というのは、山奥であったり、一般的に言えば非常に広いエリア に広がりますので、なかなか労働基準監督署の方が実際に指導に入られたり、どのような危険の改善をすればいいのか、なかなか これが行けない、わからないという分野が多いと思います。

 そこで、私のお願いですが、実はそういう森林労働ということにこれまでもいろいろな意味で御経験のある林野庁と積極的に労 働基準監督署がタイアップなさって、特に、重大な死傷事故等々はリスクをチェックすれば随分未然に防げるものがございます。 そういう点で御尽力いただけまいかと思います。林野庁との連携、提携はどのようになされるべきか、まずお願いします。

    〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕

青木政府参考人 林業について、非常に危険が多い、災害が多いという御指摘もございまして、まさにおっ しゃるとおりだと思います。我々としても、そういうことで、林業については、重点といいますか重要な業種ということで考えて 行政を進めてきております。

 とりわけ、まさにお触れになりましたように、林野庁と連携して仕事を進めるというのはとても大切だというふうに思っており ます。それと同時に、お話にもありましたように、場所もかなり、いわば森林でありますので、離れたところにあるということも ありまして、やはり労使の取り組みというのも大切というふうに思っております。

 そういう面でも、我々自身といたしましても、事業主団体、あるいは事業主団体で構成されています林業労働災害防止協会であ りますとか、そういったところとも協力をし、労働災害の防止のために進めていく、それには、やはり林野庁とも関係機関とも十 分連携をしてやっていくことが大切だというふうに思っております。

阿部(知)委員 次回のこういう関係省庁会議がございましたら、ぜひ大臣の方からもこの点よろしくお願い 申し上げたいし、もう一点、大臣にはお願いがございます。

 この森を守るために一体どれくらいの働き手がいたら、本当に私たちの国は森林を守っていけるんだろうか。この点についても、 昨今、新規で就労者はふえておると言われながらも、中途退職者も非常に多うございまして、このままの見通しでいくと、平成十 七年は現状で五万二千といたしまして、平成二十七年は四万人程度というふうに減ってまいることになっております。これが平成 では、八万数千人、九万人近くおられました。

 これから本当にこの森を守るための必要な人数、働き手の人数、これも、寡聞にして、私は政府から発表されたものを見てござ いません。ちなみに社民党は十万人という数値を出させていただいておりますが、このあたりについても、もちろん、数だけ上げ ればいいというものではありません。働く環境、労使の関係、安全、いろいろあると思いますが、積極的に見直しをしてくださっ て、大臣にはぜひ関係省庁会議の中でも御発言を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

 さて、私に与えられました残りの時間で、今のは、長い、国家百年の計のことでございましたが、この三月末日をもちまして、 緊急、火急、非常に、大変に困ることがございますので、これを大臣に御質疑いたしたいと思います。

 これまでの委員会でも何度も取り上げさせていただきましたが、いわゆる我が国における出産の場の確保の問題でございます。 せんだって、朝日新聞には、何とこの一年間で、出産できる病院、診療所が百五カ所も減ってしまったと。また減っていっている、 本当にもう悪循環、これきわまりなしというところに参っております。

 その中で、全体の出産の約一%をつかさどるということで、それを多いと見るか少ないと見るかはありましょうが、しかし、現 実に一生懸命頑張ってくださっている助産所、これが、昨年の医療法改正において、本年の四月一日から、医療法の十九条におき まして、嘱託医師とそして嘱託病院、機関、両方を兼ね備えないと助産所としてやっていけないということが決まりました。

 しかしながら、現状では、なかなか、例えばこの嘱託医をお受けくださる先生、武見先生がちょうどおられますが、各診療所の 先生方も、もう御自身のことで、正直言って今大変である。助産師さんの嘱託医を受けたとしても、本当に責任が持てるだろうか というような不安な思いも一方でございます。そうなってまいりますと、その指定の嘱託医あるいは嘱託機関がないために助産所 が立ち行かなくなる。既に横浜の青葉区でも報道されております。横浜などは人口が急増しておりまして、そこで助産所の出産を 望むお母さんもたくさんおられます。

 大臣には、せんだっても私は、この助産師さんの活用、もっと積極的に行政がネットワークの中に組み込む、行政の主導権でやっ ていただきたいということをお願いいたしましたが、この現状で、十九条のあり方について見直していただけまいかというのが一点。  それから、現実にそうした受け皿機関がないとおっしゃっているような助産院については、行政機関がもう少し積極的にネットワ ーク先を、手助けする、探す、お願いする、そこで現状お産ができるようにする、このお取り組みをやっていただけまいか。二点お 願いいたします。

柳澤国務大臣 助産所あるいは助産師さんを重視するという考え方は、私は阿部委員と同じ気持ちでいるとい うことを申し上げられると思っております。

 その中で、医療法十九条を改正いたしまして、嘱託医師に専門の医師を選任していただく、さらには、異常度、緊急度が高い場合 にはその嘱託医師でも対応困難なことも想定されるので、医療機関と申しますか病院というか、そういうものとの関係もしっかりし ていただくということを規定いたしたところでございます。

 その場合に、義務づけというようなことも考えられないかということが御念頭にあられるかと思いますけれども、私どもとしては、 助産所とこうした嘱託医師あるいは嘱託医療機関との間を結びつける根底にしっかりした信頼関係がなければならない、そちらを重 視したいという気持ちもございまして、義務づけはいたさなかったところでございます。

 ただ、そういうことで、この嘱託の関係先が確保できないというようなことである場合にどうしたらいいかということでございま すけれども、私どもとしては、関係団体等に本制度への協力を呼びかけるということで対応してまいりたい。個別にその関係を形成 するということに具体的な支援が行い得るかということについては、やや、積極的にお答えするのにちゅうちょを感じております。

阿部(知)委員 大臣にとってはちゅうちょで済むのですが、申しわけないが、その難関を抱えた助産院にとっ て、あるいは地域で、そこで産みたいというお母さんにとっては、本当に存続するかどうかの危機的な状況にあります。そのことは、 何らかの行政的な手助けを必要としていると私は思います。

 今、二重のハードルがあるわけです。嘱託医師を見つける、これは大体開業の先生にお願いいたす。そして医療機関を見つける、 これは、しかるべく、非常に重症な場合にもお願いできるような。しかし、これを個々の助産院があっちこっち探し歩いてお願いし て、現実に、見つけようにも見つけられないという状況があり、それが新聞報道されるわけです。

 申しわけありません、武見先生、御答弁を振って恐縮ですが、やはり現実に厚生労働省として動いていただかないと、お産の場が なくなっていきます。私自身は、十九条というもののあり方、今パブリックコメントも求められていますが、現状、ハードルが高過 ぎたら、安全性のためといえども、現実にはお産の場が消えていくということになると思います。

 武見先生は、長年医師会関連のお仕事もしていらっしゃいました。そして、助産所のあり方についても御理解があると思います。 そういう中で、今厚生労働省が何ができるか、その点はどうお考えでしょうか。私は、もうこれは四月一日からの問題で、みんな非 常に深刻に悩んでおりますので、きょうはどうしても、何をしてくださるか、御答弁をいただきたいです。

武見副大臣 我が国の中で常に安全に安心して出産ができるという状態をいかにより確実なものとしていくか、 こういう観点から、やはり、産科医、助産師、そして看護師、こういった人たちの役割というものをしっかりと確認しながら、その 連携というものをより緊密にしていくという基本的な考え方がまず必要だろうと私は思います。

 そういった中で、嘱託医の確保の件あるいは提携する病院の件、これらについては、厚生労働省としても、それぞれ関係団体と連 携して、そうした確保がしやすいようにその協力を図るということは、私は、厚生労働省としては当然するべきことだろうと思いま す。

阿部(知)委員 では、確認です。存続が危うくなった助産所は、厚生労働省にじかにお願いしてそのような手 だてをとれるものというふうに今の御答弁を承りました。やはり行政の関与が必要です。弱い助産院の側から医院にお願いしたり病 院にお願いするということが時にうまくかなわない場合もございます。そこは、今の副大臣の御答弁をいただきまして、厚生労働省 は、もしそのような事案があったら積極的に言ってこいと言ったというふうに受けとめさせていただいて、本日の質疑を終わらせて いただきます。

 ありがとうございました。


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