予算委員会 第10号(平成19年2月16日(金曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
平成十九年度一般会計予算
平成十九年度特別会計予算
平成十九年度政府関係機関予算
〔前略〕
○金子委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私は、先日の基本的質疑の折の第一番目に環境問題を取り上げさせていただきました。現在、私ども人類あるいはあらゆる生きとし生けるものとこの地球環境との共存ということは、海も、山も、水も、空気も、土も、そしてその中で私たちが日々いただきます食べ物というものも、すべて含めて大変に大きな課題であろうと思います。
そして、私が先日質疑いたしました築地の市場の豊洲移転問題に関しまして、松岡農水大臣と若林環境大臣に御答弁をいただきましたが、私があのときも思いまして、時間の配分の悪さで十分詰め切れませんでしたところを、きょうは特に若林大臣を中心に、幾つかの質疑を重ねさせていただきたいと思います。
まず、若林大臣にお伺いいたしますが、二〇〇三年に施行されました土壌汚染対策法、この精神は何であるとお考えでしょうか。お願いいたします。
〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕
○若林国務大臣 土壌汚染というのは、なかなか見えにくい性質のものでありますし、一般的に、地下水やその他のように、その他の地域からも汚染があるということを把握しにくい性格のものであります。
その上にいろいろな社会活動、生活活動が行われるということを考えますと、汚染の原因となる事業が行われている間は承知でその事業者が使っているわけですけれども、これを廃止いたしました場合にそれが他の用途に利用されるということが想定されるわけですから、そういう意味では、廃止をしたら、その土壌について汚染があったかなかったか、それをきちっと検査していく、そして安心を確保していくというのが趣旨だと理解しております。
○阿部(知)委員 今の大臣の御答弁は、それまでの土地の履歴が、工場等々で使用されていた場合に、その土壌の汚染がいろいろな影響を及ぼすことを考慮しながらの法律であると。
もっと突き詰めて申しませば、もともとの対策法を読ませていただきますと、土壌の汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めるというふうにございます。ここもぜひ、当然過ぎるほど当然で大臣が言及されなかったものと思いますが、私は、何度も申しますが、人の健康ということにとりまして、この前の大臣の御答弁が、私は、一部御理解がいただけていない部分があるのではないかと思います。
先日の御答弁は、築地を豊洲に移しますときに、約四・五メートルの、二・五メートルの盛り土とそれから現状で汚染されたところの二メートル、ここをきれいにしておるので四・五メートル安全域があって、場合によってはそれでいろいろな健康被害も、安全宣言までは出ないけれども、担保され得るかもしれないくらいの御答弁と承りました。
きょう、大臣には恐縮ですが、一枚目はせんだってと同じでありますが、ここで出ておりますものは、砒素、シアン、ベンゼン等々が、この前お示ししましたのでおわかりでしょうが、そもそもシアンというのはあってはならない、出てはいけないものであります。非常に猛毒であります。ベンゼン、砒素等々も皆さんもうお聞き及びでありましょう。
一枚めくっていただきます。これは、大変に細かな図で、何が何やらわからないと思われますでしょうが、築地がこれから向かう豊洲の地域で砒素がどの程度検出されておるか、これを深さ別にかいたものでございます。その次がベンゼン、そして最後にシアンとなっております。三枚続きでございます。元図は、次のベンゼンというのを見ていただきました方が点々の数が少ないのでわかりやすいことと思いますが、このような土壌に、今までの検査ですと、この前も申しましたように、三十メートル、三十メートルの四角をつくって検査したのがこの図であります。
この図をよくごらんになりますと、どのくらいの深さで何が出ているか。マイナス〇・五、マイナス一、マイナス二、マイナス三、マイナス四、五、六、七と調べられておるのでありますが、ここで顕著なことは、今回処理されたのは二メートルまでですので、三、四、五、六、七、この黒ポチの部分はまだ残っておる、あるいは星印の部分は二メートルの下に残っておるわけです。
大臣は、四・五メートル積んであるから大丈夫とおっしゃいましたが、築地から豊洲に移りますときに、もともと豊洲という地域は、どんなものが来ようと二・五メートルは積まねばいけない地域です。なぜなら、この前も申しました、海と土地が全く同じ高さで、潮の満ち干で二メートル上下いたしますので、二メートルは積んでいただかないと、海より深く潜るような地に行くわけです。
それで、その分の二メートルと二・五メートル積んだといたしましても、ここで皆さんによく見ていただきたいのは、三、四、五、六、七、このあたりはそのまま土壌の中に残されておるわけです。深さ、このもとの地域からマイナス三、マイナス四、マイナス五、そしてこの三、四、五、次のページでベンゼンもございます。ベンゼンが黒いところ。これを現在の土壌汚染法の基準である十メートル四方にしたら、実はもっと点はふえてまいります。旧来の基準でもそうです。三枚目のシアンもそうです。何度も申しますが、シアンは猛毒です。これは出ていただいては困るものであります。これが、三、四、五、六あたりには現状でもいっぱいあるんですね。
大臣は、大阪のアメニティパークというところ、これも同じように土壌汚染で、実は一九九六年の段階で五メートルの土をかえて、上に三十センチから一メートルの盛り土をした。しかし、二〇〇三年段階で、地下から浸透した地下水、あるいは土壌をもう一度調べてみたら、土壌汚染がわかってしまったということで、ただいま係争中なのであります。
私が申したいのは、地下から上がってくる分、毛細管現象で少なくとも二メートルは上がると言われています。現状で、五メートル積んでも上がってきているんです。土壌汚染法が制定されるときに、附帯決議の中で、まだまだこれから明らかにしなきゃいけない、例えば大気への放出あるいは生態系への影響など、今後の課題だということが述べられております。
大臣としてやっていただきたいのは、やはり、食の安全をめぐるところで、ベンゼン、シアン、そして砒素も鉛もあるんですが、これの影響というのは、まだ、どのくらい上がってくるか、どのくらいどう動くかわかっていないんです。私は、ぜひここは大臣に、そうした知見も踏まえて、現状、起こった大阪アメニティパークのことも含めて、より精査することを国の施設である環境省としてもお考えいただきたいんです。それで、安全宣言が出せるなら出していただきたい。これが一点。
でも、私は思います。こうした食の安全の極めて重要な時期に、今地球は温暖化しております。地熱で温まれば、こういう重金属の動きも、ましてベンゼン等々の揮発性のものの動きも、予測を上回るスピードで上昇してまいりますでしょう。
地球温暖化による影響、それからアメニティパークの事例、そして安全宣言が出せるのか、この三つについて大臣にお願いいたします。
○若林国務大臣 委員が御指摘になられましたように、現在の土壌汚染防止法、これは、なおなおいろいろさらに検討を深めなければいけない事項が残っているということについては認識いたしておりまして、土壌汚染の対策をさらに万全を期するために検討をしていかなきゃならないというふうに考えておりますので、現行の土壌汚染法上の基準を一応満たしているからということで完全に安全だと言い切れるというものではない、まだまだ対策を検討しなきゃいけない問題は残っているというふうに思い、環境省としても、土壌汚染防止法について引き続きの検討をしているところでございます。
それから、御質問にお答えするに当たりまして、環境省としての今のこの問題についてのかかわりぐあいですけれども、実は、阿部委員もお話しになりましたように、土壌汚染法が施行される前に東京ガスがここにおける事業を廃止いたしておりますために、法律上の権限をもって土壌汚染について環境省、国が直接これを指揮し、あるいは検査をしというような立場にはなっておりません。
そこで、環境省は、この豊洲の地区に築地市場を移転させようとしております東京都に対しまして、この豊洲地区の土壌汚染状況はどうなっているんだというようなことを聴取いたしまして、東京都から情報を得て、土壌汚染上の措置が、今進行されているようなことで大丈夫なのかという判断をしているところでございます。
それで、東京都は、そういう一般的な環境影響評価とか土壌汚染対策ということをする行政上の責任を持っている地方自治体としての東京都以外に、ここに中央卸売市場を移転させたい、こういう意図があるわけでございます。中央卸売市場は、東京都が開設者になり、そして東京都がその市場の運営管理をする責任を負っているという意味では、豊洲地区の土壌汚染が今講じられている施策、措置によって十分であるかどうかということは、二重の意味で東京都がしっかりとこれをチェックしていく立場にあるもの、こう考えております。
お話しのように、ここに築地の市場を移転させるとすれば、生鮮食品、とりわけ魚類について多くの不安、疑義が指摘されているわけでありますから、具体的に、そこで中央卸売市場を開設、運営するということの視点から、特段の、安全の上にも安全を期する、万全を期するという意味で、これを東京都の開設者たる立場における責任においてもきちっとしていかなきゃいけないと考えておりまして、当然、そういう措置は、今後東京都で卸売市場を設置するという立場からしっかりとした対策を講ずるということを前提として、先般、余り時間がございませんでしたので、そのような、ほぼ土壌汚染対策としては、おっしゃられましたような、それだけの状況であれば土壌汚染対策としては満足されているのではないかと。
しかし、安全かと問われますと、そこは、その上で行われる生鮮魚類の取引という点から、万全の上にも万全を期するという意味で、これで安全だというふうに私どもとして言い切れる状況にはないというふうに考えております。
〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部(知)委員 大臣は誠実な方ですから、言葉も選ばれての御答弁でありましたが、私としてなお求めたいのは、東京都、地方自治体のやれることとやれないことがあると思うんです。それが地球温暖化で、現在も、だれもが感じています、暑くなって。
地熱で温まれば、先ほど申しましたベンゼンなどの行動様式も変わってきます。有機化合物あるいは重金属の拡散ぐあいも、スピードが違ってまいります。ですから、国としては、そういう今の気象変動に伴うこうした土壌汚染物質の行動動態、あるいは地下水の、毛細管現象といって、上がってくる度合いも違うのですが、そこまで東京都に証明せよというのは、ある種無理があると思います。逆に言うと、いつまでも安全宣言は私は出せないであろうと。
しかし、これは、もともとそんな土地に行く必要があるんだろうかという問題がございます。汚染状況が本当にどのような動態をとるかわからないところに市場を移転させるということ自身が、最初のスタートが間違っているんではないか。例えば、子供の遊ぶ公園をつくるのも間違っていますし、食料品を扱うようなものをつくるのも間違っていると思います。
でも、なお大臣には、本当に、今、そういう地下水がどう動くか、さっき言った、温暖化すればベンゼンや砒素やその他のシアンはどう行動するか、ぜひこれは国の研究の中でさらにきわめていただきたいと思います。
今後、幾つも大阪アメニティパークのような例も出てまいりますでしょう。その都度、住民とその汚染処理のための企業が争っているのでは、どちらにとっても不幸だと思います。本当に、日本が高度経済成長の中で進んできた不良債権のようなものです、こういうものは。しかし、それをどうやって私たちがよりよく処理して、特に地下水の三分の一は飲料水に回ってきますから、未来にわたる安全にもかかわります。ぜひ、大臣の御尽力で、そのあたりは国が、私は、もっともっと見識と知見を高めていただきたい。それが衆参両院の附帯決議であったと思いますので、よろしくお願いいたします。
あと、松岡大臣に付随してお願いいたしますが、築地の卸売市場で、食の安全については、それでは大変問題なんじゃないかという力強い御指摘もいただきました。あともう一つ、この卸売市場の移転や新たな開設には環境負荷を軽減するということが明言されております。
もしもこのまま豊洲に行った場合、アスファルトで覆われた土の下からベンゼンが出てきたり砒素が出てきたりして、そこを車が通ったら、それこそ環境負荷、環境汚染が増強してまいります。農水省の方でも、そうしたことも加味して、本当に卸売市場として適切な地かどうか、大体多くの車がそこに出入りいたしますから、そういう点も考えて、排気ガス汚染プラスこうした有機溶剤やあるいは重金属汚染が広がりますので、検討していただきたいのが一点。
もう一つ、既に、実は築地については、現在の場所で新たに改装するということで十八億の補助金がこれまで出ておりました。それが、ある日突然、豊洲に行くぞとなって、今度また補助金が出るというのでは、何だか補助金二重取りになってまいるような気もいたします。このあたりは、国の大事な財政、税金でございますから、そうした二重取りのような事態が生じないために何かお考えがあるか。二点お伺いします。
○松岡国務大臣 お答え申し上げます。
この問題につきましては、前回も阿部先生から御指摘をいただいたところでございます。これはもう本当に、先生御指摘のとおり、国民の食の安全、安心という大命題でございます。したがいまして、中央卸売市場は、築地市場はもちろんでありますが、全国にありますこういった市場、これは国民の健康と生命に直結する問題である、そのような認識を重々持って対処していかなければならない、このように思っております。 そこで、先生おっしゃいましたように、中央卸売市場整備計画というのがございます。そこでは、環境の負荷を軽減していく、こういう大きな方向で取り組んでいるところでございます。
そして、御指摘の豊洲への移転の問題でございますが、これは、この前も申し上げましたように、いろいろな事情があって、条件があって、やむを得ずそちらに行く。
問題は、豊洲に行ったときに、豊洲が本当に、今先生御指摘のようなことがすべてクリアされるかどうか、こういうことでございますので、私ども、卸売市場の所管部局といたしまして、環境省とも十分な連携をとりながら、また開設者であります東京都とはしっかりと連携をとりながら、環境影響評価が今行われておりますので、これもしっかり確認してまいりたいと思っておりますし、それから環境基準、これも万全を期していただく。そしてまた、科学的見地に立って、問題ないということをしっかりと説明もしていただく。その上で、消費者の、国民の皆様方の理解と納得が得られるような、そういったことがしっかりとなされていくということを、私どもはしっかり見守り、かつ対応してまいりたい、こう思っております。
二点目でございますが、これにつきましては、いろいろ決まりがございまして、例えば農業の基盤整備とかの補助金ですと、八年たたないうちに転用したりすれば補助金返還、こういった規定がございますが、この場合もございまして、構築物の場合は、五十年たたないと、それ以前にやってしまえば補助金を返さなきゃいけない。
したがって、当然、そういったこととの兼ね合わせで、二重ということにはならないように、これは開設者の問題ということにもなりますが、しかるべき法の決まりがございますから、それに従って私どもは対処してまいりたい、このように思っております。
いずれにしても、先生の御指摘をしっかり受けとめまして対処してまいりたいと思っております。
○阿部(知)委員 国民の安全という、食の安全は、本当に松岡大臣おっしゃられたように、非常に国民的関心事ですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
時間が足りなくて恐縮ですが、柳澤大臣にお願いいたします。
私は、せんだっての質疑の中でも安倍総理に、産婦人科医療について、診療報酬上で何か手だてしてくださるとおっしゃいましたが、産婦人科というのは保険診療じゃない、診療報酬じゃないというお話をしました。
ここで、恐縮ですが大臣に伺いますが、大臣はお子さんがおられますので、また、お孫さんもおられるやもしれません。大体、子供を出産するのに幾らぐらい費用がかかるものか御存じであるか。
それから、現状で、私は、きょう、これだけはどうしても大臣にお伺いしたいのですが、今、妊産婦さんたちの不安の声は、赤ちゃんが脳性麻痺で生まれるということもありますが、この前の奈良の病院の十八カ所のたらい回しも、あるいは福島の事案も、お母さんが死亡しておられます。大臣は、女は産む機械とおっしゃいましたが、そうではなくて、命がけでみんな産んでおるわけです。
こういう構想が厚生省であると伺っておりますが、こうしたことを医師や専門家集団だけで、あるいは損保会社の皆さんとだけで話し合う前に、実は、一九九二年から陣痛促進剤によって亡くなったお母さんあるいは障害を受けた赤ちゃんの事案を二百二十六例集めている、いわゆるお母さんたちの団体がございます。お産の現状について、大臣は、せめて、前回の発言をやはり本当に取り戻していただくためにも、そうした産む側のお母さんたちと会っていただけまいか。 この二点、きょうはお願いいたします。
○柳澤国務大臣 いろいろな観点からのお話がございましたけれども、私が先般の発言で女性の方を傷つけたということで、自後、私は妻がおりますので、妻からしかられたのでございますが、いろいろな点でしかられましたけれども、一番しかられたのは、女性が子供を産むのは命がけという、今先生がまさにおっしゃった点で私は大変しかられたのでございます。それで、それは、本当に私が皆さんにおわびをし、また深く反省していることの中心にある考えであるということでございます。
先ほどの総理の御答弁についてのお話もいただきましたけれども、総理は、通常の正常なお産が、そうした診療報酬ではなくて、出産育児一時金の支給によって対応されているということも、昔の社会部会長でもいらっしゃるものですから十分承知をしているわけですけれども、あのときの念頭にあった話では、お産に伴っていろいろ難しい状態が生まれたときのお産のことをひっくるめておっしゃられたということでございますので、その点は、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
なお、お産に伴う無過失の補償の問題であるとか、あるいは、非常に難しい病気というものを伴って出生するようなお子さんがおられるというようなことをどう考えていくかということについて、いろいろ検討が進んでいるわけですけれども、いずれにせよ、最後に先生がおっしゃられた、お産をする女性に会うべきだということにつきましては、私は、本当におわびの気持ちも込めまして、もしお許しいただければ、会わせていただいて、直接おわびを申し上げたい、このように思います。
○阿部(知)委員 ありがとうございます。ぜひ、大臣に産む側の声も聞いていただいて、諸制度は考えていただきたいと思います。 ありがとうございます。
第166回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る