予算委員会公聴会 第1号(平成19年2月21日(水曜日) 抜粋 本日の公聴会で意見を聞いた案件:
平成十九年度一般会計予算
平成十九年度特別会計予算
平成十九年度政府関係機関予算
〔前略〕
○金子委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
三人の公述人の皆様に、できれば一問ずつ質疑をさせていただきます。 冒頭、島田公述人にお願いいたします。
きょうお話しいただきましたいろいろなこと、本当に参考になりまして、特に、公述人が視点として持っておられます人口の動態と今後の 日本の社会モデルのような部分は、非常に視点としても重要と思っております。特に、公述人がお話しのように、今、都市に一極集中という ことでずっと戦後の日本があった中、もう一度各地方でも暮らせるようにという視点は本当に今後を切り開く視点と、私もそこは共感するも のなのでございますが、公述人に本日お伺いしたいのは、そういう視点に立ったときに、私はもともと医者であるということもあるのですが、 地方で暮らす場合の最も不安要因となりますのは、特に御高齢期を地方に戻るとなった場合は、やはり医療問題が大きいと思うのです。
先ほどの公述人のお話を聞いておりましても、では、第三次産業部門、特に医療部門で、今後日本がある意味でイノベーションを重ねたり、 あるいは場合によっては混合診療等々でサービスメニューをふやしていけば、果たしてそうしたニーズに合うのかどうかということにおいて、 恐らくちょっと、私と公述人とは、意見を異にするのだと思います。
どういうことかというと、今、地方が疲弊しておると言われる中でも、特に、地域で出産ができない、あるいは救急、倒れたときに行く場所 がない等々の、いわば基本的な生存を支えるための、共通資本としての医療と言ったらいいんでしょうか、地域で不可欠な分野がもう手だてで きなくなってきておる、上乗せ部分がどうかよりも、下がもうもたないというところにまで来ていると思います。
ちなみに、私、先週、日本医療政策機構というところの医療サミットというのに出たのですが、そこでもイノベーションのお話は出ておった のですが、でも、医療政策機構の調査でも、年収が八百万円以上の比較的富裕層の方でも、三四%が、重い病気にかかったらお金が払えないん じゃないかという不安を持っておるという時代になっております。
では、サービス提供もない、お金も不安だとなったら、とても、例えばこの近辺ですと、芝さんも慶応病院に運んでいただきましたけれども、 そういうこともあるかと思いますが、本当に地方に暮らしたい人は多いと思うんです。でも暮らせないという不安がある部分について、どのよ うにお考えであるか、一点目、お願いします。
○島田公述人 阿部先生、医療機構のときは大変ありがとうございました。
この問題は非常に大きな問題で、総合的に議論をすると大変時間がかかるものですから、今、地域との関係でおっしゃった点に絞って私の感 想を申し上げさせていただきたいのですけれども、確かにおっしゃるとおりで、医療のサービスあるいは医療の人材、機関は、大都市集中がど んどん進んでいるわけですね。地域は非常に薄くなっています。先生がおっしゃられますように、確かに日常の医療サービスも欠け始めている、 それから、救急も産婦人科も高度医療も、地域は本当に少ないのですね。そういう状況の中でどうするか。
高齢成熟社会で、地域に健康の、自然条件がありますよということを申し上げたのですけれども、自然条件だけでは人々は安心できませんか ら、住宅とか生活サービス、その中で医療は大変重要ですね。予算が限られて、お医者様から見れば、地域だとお客さんが余り来ないので、み んなやはり大都会へ行ってしまうという状況の中から、どうしたらいいのかということを考えますと、一つは、その中でもやや無駄が行われて いるんですね。
公立病院がたくさんありますけれども、公立病院の持っている資源というのは十分に住民のために活用されていない面があって、病院管理の 問題ですけれども、管理システムがまだまだ不十分。本当は、各県に公立病院というのは十も二十もあるんですが、これがいい形で連携をして、 情報共有してサービスをしてくださいますと、かなり今までより何割もいいサービスが実は提供できるんですね。そして、車で運べば十五分、 二十分でそういうところへ行けるというようなことですから、徹底的にこれをまずやる。
しかし、それをやったら足りるかといっても、先生まさにおっしゃられるように、足りないところはたくさんございます。
今どうして産婦人科が減っていくのか、小児科が減っていくのか。お医者さんとしては、そういうのはやっていられないわけですよね。です から、そこはやはり診療報酬体系を見直す、あるいは、これはセーフティーネットですから、特別にきっちり予算をつける。予算にも正しい予 算のつけ方というのがあるんだと思うんですね。よく議論されてそこをつけるという形で、地域に安心して暮らせるネットワークがある。
ただ、地域でこういう議論があるんですね。我が県で全部総合的に機能を持たなきゃいけない、高度医療までなきゃいけないんだという議論 がとかく出てきがちで、私は、それはちょっと違うんじゃないか。
本当の高度医療は、今、地域にはたくさん空港があるわけですから、空港ネットワークですぐ、全国的に、集中的な高度医療ができるところ へ運ぶというのは一時間以内でできるところが多いわけですね。昨今では、本当の高度医療になるとバンコクに行ったりドバイに行ったりする という人が出てくるくらいなので、グローバルになっている。
まして、こんな狭い日本列島ですから、うんとお金のかかる高度医療は十分にお客さんが来る幾つかの拠点でやる、地域はベーシックなもの を整える、そして公立病院は無駄を排除して連携するというようなことをやりますと、非常に限られた資源の中で、ある程度地域でも安心でき るインフラがつくれるんじゃないか。先生、ひとつよろしくお願いいたします。
○阿部(知)委員 そのベーシックなものにお金がかかるんですね、救急、小児、産婦人科。ここはもうぜひ、先生もいろい ろなところに影響力のある方でいらっしゃいますので、めり張りをつけてきちんとやっていただければありがたいです。
あと、逢見公述人にお願いいたします。
きょうも、また昨年も、大変御苦労さまです。そして、格差問題は去年も論じられ、ことしも論じられ、さらにきょうの御発表でも深刻であ ると。私も本当に思いを一にいたしますが、特に、働く部分、労働といいますか、逆に返せば雇用の部分で深刻と思いますが、とりわけて、や はり期限の定めのある雇用、有期雇用と言われている分野が極めて勤労者を不安定にしている、そして、その方たちは社会保障も持たないとい う形になっております。
EUの諸国では逆に、有期雇用にしていいものをかなり限定して絞り込んで定めて、日本のように何から何まで有期雇用、派遣でも、先ほど の例にもありましたが、約十年近く派遣のような形態はとっておらないと思うのです。この有期雇用における限定列挙方式というんでしょうか、 これは連合ではどうお考えでしょうか。
○逢見公述人 お答えいたします。
有期雇用については、今回の労働契約法の議論の中でも、きちんとした条文をつくるべきではないかということを連合として申し上げてきま したけれども、残念ながら、そういうものにはなっておりません。期間一年が三年になっているわけですが、しかし、契約の更新ということに ついてのルール、これは大臣告示のような形でのものはありますけれども、条文にはなっていないということがあると思います。そういう意味 で、連合としても、有期雇用についてのワークルールをきちんと定めるという必要があると思います。
その場合に、期間の定めを置くこと自体は、そうした雇用形態があってもこれは構わないと思いますが、しかし、その人たちが理由もなく解 雇される、あるいはきちんとした説明もなく更新が拒絶されるということがあってはいけないと思いますし、それから、期間の定めのない雇用 に移っていくための権利が保障されるべきであるというふうに思います。
あわせて、社会保険の適用拡大ということについても必要だと思います。特に、今、働く女性の中で、こうした有期、パートで働いている人 たちが、年金等の社会保障の適用の外にある人たちがいらっしゃいまして、こういう人たちがきちんとした社会保障のネットの中に入るべきだ というふうに思っております。
○阿部(知)委員 ありがとうございます。
申しわけありません、湯元公述人に時間がなくなりました。終わらせていただきます。ありがとうございました。
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