予算委員会公聴会 第2号(平成19年2月22(木曜日) 抜粋

本日の公聴会で意見を聞いた案件:

 平成十九年度一般会計予算
 平成十九年度特別会計予算
 平成十九年度政府関係機関予算

議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ (衆議院のサイト)


〔前略〕

金子委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、四人の公述人の方、日比野公述人、大野公述人そして中川公述人からは、非常に現場の声というかリアルなお声を届けていただき、 ありがとう存じます。また、森田公述人には、大局的見地からのお話をいただきました。私に与えられた十分の中で、なるべく皆さんに御質 疑できればと思います。よろしくお願い申し上げます。

 まず、大野公述人にお願い申し上げます。  先ほどのお話を伺っておりまして、当初、工場の立ち上げからキヤノンでのお仕事をしておられて、キヤノン側の正社員がお二人と、大野 さんともう一方が請負会社からそこに行かれて、最初、御自分を派遣と思っていらしたということのお話でありました。

 もともとこの請負の会社で働き方を会社と御自分が取り決めるときに、何か文書で、自分が派遣か請負かわかるようなものがあったのか。 あるいは、これは本当に難しくて、恐らく、若い人たちに聞くと、自分が派遣なんだか請負なんだかよくわからないなという人が多いと私は 勝手に思うのですが、そのあたり、働いている仲間とはどんなふうに話されているかを、一問目、お願いします。

大野公述人 お答えします。

 自分たちの職場が十年前から立ち上がったということで、自分ではないもう一人の非正社員と二人で築き上げた職場で、自分は七年間そこ で働いています。

 そういうことを、請負、派遣という言葉、請負という言葉を知ったのも実はつい最近でして、そういうのは何も説明なく、恐らく、全国で 働く請負、派遣の人で、自分が請負、派遣で、派遣はこういう制限があり、請負はこうだということを多分知らないで働いている人が多いの ではないかと思っております。

阿部(知)委員 東京ユニオンの方でまとめられた資料の中にも、当然、派遣であれば、この三月、四月からは違ってま いりますが、一年間で契約が終わったときに正規の職員としての雇用の申し入れ等々を行わねばならないところを、そうした直接雇用申し込 み義務をやらなかった事例とか、次々と出ております。特に、働く側も自分の身分がよくわからない、そして使っている側もルールを守らな いとなると、本当に、働く場の雇用の安心とか、もっと言えば安全もないように、私は承りながら思いました。

 特に一点教えていただきたいのは、働いておられる場で、どなたか、労働災害のような形で事故ないしけがのあった方がおありだったか。 労災の場合は、派遣と請負ではおのおの管理責任が違ってまいりますけれども、もし具体的にそういうことがおありであったら、どう処理さ れたかも教えていただきたい。また、御自身の身の回りでなければそれはそれで、ないというお答えで結構です。

大野公述人 労働災害ですね、小さいけがとかそういうことはあって、確かにそういうことに対して対策はなされるんですけれども、どう してそういう対策がされているかとかということは自分たちは聞かずに、例えば眼鏡をしなさいとか、その程度の話でいつも終わる。そうい

う意味でも、労働災害に対して、請負と正社員ではちょっと温度差があるなと思います。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 日比野公述人にお伺いいたします。

 今、大きな企業、日本の大企業の代表であるキヤノンで働く若い皆さん、大変にキヤノンを愛して、そして何とか正職になりたいと求める お声は、恐らく日比野公述人も今の若者を頼もしく思って聞かれたと思うのですが、もう一方、先ほど、例えば御地元では、高校を卒業した 若い力をもっと活用したいというふうにもおっしゃっておられました。

 特に今、中小企業の皆さんにとって、大手は人件費の問題があるということを理由にこういうとても不安定な雇用を正当化なさいますが、 むしろ中小企業の皆さんにとっても、本当は、人件費の部分は大変と思いますが、しかし、人を大事に育てていきたいという思いは中小企業 の方がむしろ強いのではないかと思うのです。

 そのあたりで、今の若い人たちの働き方、それから経営者としてのお考えを少し御披瀝いただきたいと思います。

日比野公述人 経営していまして一番難しい問題と大切な問題というのは技術の継承ですね。いかに長くその人たちの技術を会社の資産と して残すかということ。それは、やはり社員なんですね、機械じゃないんですよ。

 ですから、会社、会社によって、労務管理、雇用管理、雇用問題というのは違うんですよ。そういうことでございますので一概に言えませ んけれども、私は、今後、例えば定年延長の問題、それから雇用関係で勉強して、どういう形で、例えば八時間なら八時間、十時間なら十時 間というものを、どういうメンバーで技術を安定しながら伸ばしていくかというのは各社各様でございまして、一番ポイントは技術だと思い ます。それをどう長く続けられるかということにポイントを置いていくんじゃないかなと思っております。会社と業種によってちょっと違う んじゃないかなと思います。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 では、森田公述人にお願いいたします。

 きょう、長く政治を見てこられた森田公述人から、現在の政治の大きな過ちというか問題を御指摘いただきました。

 私は、もう一点、今、日本は外交的にも大変な岐路に立っておると思います。ちょうどチェイニー副大統領が来日中でありますが、恐らく 日本にとって、今後、日米関係ともう一方での日中関係ということをきちんと方向性を見失うことなく進んでいかねばならないときと思いま すが、そうした観点からの御意見がございましたら、お願いいたします。

森田公述人 日本の哲学といいますか日本の政府の哲学といいますか、そういうものが明確に海外に伝わらなくなっていて、海外からは、 つまり、米国の海外政策と一体化しているという見方がどんどん強くなっている。日本独自の哲学に基づく外交なりそういうものが感じられ ないという状況になっていることは、日本外交の危機だと思います。

 もっと積極的に、日本は率直に言って平和でしか生きていくことができない国ですから、日本が強い軍事力を持って、そこで他国をおどし ておとなしくさせて平和を保つという国じゃありませんから、やはり日本が積極的に飛び込んでいってやる外交が必要だ。

 私は、拉致問題についても、遠くで厳しい制裁を加えれば相手がおりてくるという期待は、率直に言ってむなしい期待でしかない。あらゆ るチャンスをとらえて飛び込んでいって、向こうの国にいるならば解放してくる。直接やっていくという積極姿勢が乏しい点が問題だと思い ます。

 そんなところを感じておるところです。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 中川公述人には、なお国民の最大の死亡原因であるがんへの基本的、根本的お取り組みをよろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。


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