第177回国会 本会議 第34号(平成23年7月14日(木曜日)) 抜粋 案件:
日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案(災害対策特別委員長提出)
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案(内閣提出)及び電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
〔前略〕
○議長(横路孝弘君) 阿部知子さん。
〔阿部知子君登壇〕
○阿部知子君 社会民主党の阿部知子です。
私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案並びに電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
まず、冒頭、菅総理御自身が大変思い入れが深く、また今後の日本のエネルギー政策の大きな方向性を見きわめる本法案の本会議質疑において総理の御見解を伺えないのは、極めて不自然であり、また、残念なことであります。
我が国の主権者たる国民が、みずからの生存や健康、生きとし生けるものをはぐくむ環境を守り、また経済活動の根幹であるエネルギー政策をどう選び取っていくのか、その選択肢を問われているのが今日であると思います。別途、国民と総理との真摯な対話が行われることを期待いたします。
三月十一日に発生した大地震、津波、そして福島第一原発事故は、私たちの身の回りの当たり前の景色や価値観をも大きく変えるものでした。被災地の方々のみならず、多くの国民にとって、命のいとおしさ、人間と自然との共生、そして地域のきずななど、私たち一人一人にとって本当に大切なものに改めて気づかせてもくれました。
他方、残念なことに、福島第一原発事故はいまだ収束せず、その放射線汚染のために不安を抱く被災者、国民も多く、とりわけ、子供たちの将来を案ずる親御さんの思いは深刻です。
そのような中、三重の被害という過酷な現実を乗り越えるべく福島県が取りまとめた復興ビジョンの基本理念には、まず「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」が挙げられています。また、同時に、再生可能エネルギーなどの集積による復興も宣言されておりますが、この被災地からの声を海江田大臣はどう受けとめ、支援していくお考えでしょうか。
また、この法案は、くしくも震災当日の三月十一日に閣議決定されたものですが、審議開始もおくれ、被災自治体のみならず、全国自治体からも早期の成立を期待する声が上がっております。
昨日、秋田で、三十五道府県の参加で自然エネルギー協議会が発足いたしましたが、エネルギーの自立を図るために、それぞれの地域の特性に応じて固定価格買い取り制度を活用できるよう、強く望んでおられます。そのためには、太陽光、風力、洋上風力、水力、小水力、バイオマス、地熱などについて、それぞれの電源種ごとの事業収益性に見合った買い取り価格と期間が設定されることが重要と考えます。また、それによって投資もおのずと活性化するはずです。
海江田担当大臣は先ほど一律とおっしゃいましたが、改めて、こうした観点からお考え直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
加えて、この再生可能エネルギーの普及が本格化するためには、電力会社による全量買い取り義務が確実に履行されることが前提になります。電力会社がむやみに接続を拒むなどということが起こらないよう政省令の中でも明確化すべきと考えますが、いかがですか。
また、これまで、その供給の不安定性や送電網に与える負荷が指摘されてきたことも踏まえて、早急にスマートグリッドの普及を図るとともに、送電網を発電とは分離して管理することも必要と思われますが、先ほど、これも海江田担当大臣は予断なくとおっしゃいましたが、そのようなゆとりもないと思います。明確に、はっきりと方針を定められてはいかがでしょうか。
いずれにしろ、今回再びこの再生可能エネルギーへの大胆な転換の波に乗りおくれることがあれば、我が国の経済再生にとってのマイナスははかり知れないものがあります。二〇〇二年に成立したRPS法での買い取り目標の設定や太陽光発電の余剰買い取りという仕組みが限定的なものであったことで、再生可能エネルギーの大幅な普及はおくれ、我が国はデフレ脱却にも環境関連産業による雇用創出にも十分な効果を上げられなかったと思います。そして、いまだにデフレ経済は深刻であり、そこに東日本大震災が起こりました。
今度こそ、再生可能エネルギーを我が国の基幹エネルギーとしてしっかりと位置づけ、また、世界の、なかんずく中東やアジアの再生可能エネルギー活用の機運に先陣を切る覚悟を持って臨むべきです。
経世済民、そしてエネルギーの主権者は国民であることを明確にして、再生可能エネルギーの本格的な普及に向けたものとしての本法案を成立させるべく、海江田担当大臣の決意をお尋ねして、最後の質問といたします。(拍手)
〔国務大臣海江田万里君登壇〕
○国務大臣(海江田万里君) 阿部知子議員にお答えいたします。
福島県の復興支援に関する御質問をいただきました。
福島県の復興ビジョンにおいては、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」との理念のもと、再生可能エネルギーの飛躍的推進が位置づけられています。
再生可能エネルギーの導入につきましては、復興構想会議の提言の中にも同様に盛り込まれているところでありまして、政府としても、最重要な課題であると考えております。福島県の提言内容等を十分に踏まえつつ、政府全体で連携し、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
次に、買い取り価格に関する御質問をいただきました。
再生可能エネルギーを利用した発電事業のコストは、おのおのの再生可能エネルギー源ごとに、それぞれの設備の規模や立地条件等によって差があることは事実でございます。
先ほども御答弁申し上げましたが、この点について、個々の再生可能エネルギー源ごとの事業性を考慮して買い取り価格を決める考え方がございます。
しかしながら、この考え方の場合、発電コストの高い電源にも一定の利益率を見込んで買い取り価格を設定することから、高目の買い取り価格が設定される可能性があり、国民負担の抑制にそぐわない面がございます。
他方で、再生可能エネルギー源の種類によらず一律の買い取り価格を設定する考え方がございます。
この考え方の場合、発電コストの低い電源から先に導入が進む、あるいは、一律の買い取り価格を意識して発電コストを下げる創意工夫が働きやすく、国民負担の抑制に資すると考えられます。
本制度においては、再生可能エネルギーの導入拡大を図りつつ、国民負担を抑制する観点から、太陽光を除く再生可能エネルギー由来の電気について、一律の買い取り価格にしたいと考えております。
次に、電気事業者が接続拒否できる場合を明確化すべきではないかとの御質問をいただきました。 本法律案では、再生可能エネルギーによる発電を行う者から送電網への接続を求められたときは、電力会社は、接続に必要な費用を当該発電を行う者が負担しない場合、電気の円滑な供給の確保に支障が生じるおそれがある場合や、省令で定める正当理由がある場合を除き、接続を拒んではならないと規定しております。
電気事業者が送電網への接続を恣意的に拒否することのないよう、省令で定める正当理由は明確な内容を規定することや、不適切な事案に対する経済産業大臣の勧告、命令の実施、接続ルールの監視等を行う電気事業法上の第三者機関ESCJの機能強化を通じ、接続義務が着実に履行されるよう努めてまいります。
次に、スマートグリッド及び発送電分離に関する御質問をいただきました。
再生可能エネルギーの供給の不安定さという短所を克服するとともに、送配電網に与える負荷を軽減するため、スマートグリッドの普及を図ることは極めて重要であると認識しております。
このため、現在取り組んでいる国内四地域における実証事業を進め、スマートグリッドの技術を高度化するとともに、そのビジネスモデルを確立するよう努めてまいります。
また、発送電分離など電力事業形態のあり方を含む今後のエネルギー政策については、今回の事故原因について徹底的な検証を行い、その検証結果を踏まえ、国民各層の御意見を伺いながら、予断なく議論を行ってまいります。
最後に、本法案の成立に向けた決意に関する御質問をいただきました。
再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギーセキュリティーの向上、地球温暖化対策や環境関連産業の育成等の観点から重要なものだと考えております。
本法案による全量固定価格買い取り制度の導入は、再生可能エネルギーの導入拡大にとって大きな効果を有するものと考えており、ぜひとも早期に成立させていただきたいと考えております。
この成立にかける思いは人後に落ちないつもりでございます。
以上でございます。(拍手)
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