第177回国会 本会議 第39号(平成23年8月23日(火曜日)) 抜粋

案件:

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法案(内閣提出)

 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案(内閣提出)

 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法案(環境委員長提出)

 石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案(環境委員長提出)

 災害弔慰金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(参議院提出)

 東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案(参議院提出)

議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ(衆議院のサイト)


〔前略〕

議長(横路孝弘君) 阿部知子さん。

    〔阿部知子君登壇〕

阿部知子君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法案について見解を申し述べます。(拍手)
 現在の子ども手当制度は、本年九月で期限が切れ、旧来の児童手当に戻り、受給者、自治体へ大きな混乱を及ぼします。この混乱を避けるためには何らかの措置が早急に必要であり、その一点において本法案に賛成をいたします。
 しかしながら、私は、本法案に本質的に賛成しているわけではありません。
 当事者である子供・子育て世帯を置き去りにし、本来の子供支援のあり方を、国会というオープンな場で審議に付することもせず、ねじれ国会を理由に、民主、自民、公明の三党合意によって骨格が規定されたことは、立法府としては大きな禍根を残すことになります。また、その結果、政権交代直後の子ども手当の理念が薄れ、国民からも見えづらくなりました。
 すなわち、従来の子育て施策は、旧来の家族観や子供観に縛られ、現実と乖離する場面も多く、さまざまなひずみが生じておりました。
これに対して、社民党も含めた連立政権が当初目指した子ども手当は、子供一人一人に着目して、社会全体で子供の育ちを応援しようという趣旨でありました。子ども手当に所得制限を設けないのは、子供を主体として制度を設計し、スティグマのない普遍的な制度を目指していたからにほかなりません。さらに、現金給付と現物給付のバランスをとりながら子育ち・子育て施策を強化するとともに、子供の貧困問題や児童虐待問題の解決に大きな一歩を踏み出そうとするものであったはずです。
 妥協を積み重ねる子ども手当によって、子供や家庭が振り回され、さらには政治への信頼を失いかねない事態は、ざんきにたえません。
 法案は、検討規定で、来年六月分から所得制限を復活することとしておりますが、実は、年少扶養控除の廃止により、子育てをしている者が実質的に減収となるケースは所得制限世帯以外の中間所得層にも拡大し、大きな問題となります。そもそも、未来である子供たちへの支援をまず削って復興財源にという考え方自体が大きく誤っていると思います。
 さらに、児童手当に戻るのであれば、少なくとも来年四月からの住民税の年少扶養控除は廃止すべきではありません。また、保育等の現物給付を充実させるための自治体の役割や財源も、早急に議論され、合意を図るべきです。
 政府の統計が示しているように、児童虐待、子供の貧困、消えた子供問題など、子供たちを取り巻く環境は悪化の一途をたどり、極めて深刻です。各党、政治家がメンツにこだわっている場合ではないのです。一刻も早く政治が一丸となって子供施策を最優先に取り組むことを訴え、私の討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。


第177国会 国会活動コーナーに戻る   阿部知子のホームページに戻る