第177回国会 本会議 第7号(平成23年3月1日(火曜日)) 抜粋

案件:

 平成二十三年度一般会計予算及び同報告書

 平成二十三年度特別会計予算及び同報告書

 平成二十三年度政府関係機関予算及び同報告書

議事録全文(衆議院のサイト)
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〔前略〕

議長(横路孝弘君) 阿部知子さん。

    〔阿部知子君登壇〕

阿部知子君 社会民主党の阿部知子です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、二〇一一年度政府予算三案並びに自民党・無所属の会提出の編成替えを求める動議に反対の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、熟議の国会、あるいは野党との協力と言いながら、政府・民主党は何らの譲歩も見せず、また、歳入を決める税法や公債特例法などの審議が全く進んでいない中、強引に予算案本体のみの採決を押し切ろうとすることに、強い憤りを覚えます。
 今、政府に求められるものは何でしょうか。それは、経済活動を促し、庶民の懐を暖めることです。ちょっとした気遣いと優しく差し伸べる手が、疲弊した社会を救います。残念ながら、政府が提出した予算案は、こうした温かみや優しさよりも、従来型の経済成長に重きを置くものとなっています。しかも、対米追随のTPPや、庶民に負担を押しつける消費増税ばかりを声高に叫ぶ菅総理の政治姿勢に、国民は、怒りを通り越して、あきれ果てているのです。
 一昨年の夏、国民の選択による政権交代が実現いたしました。それから一年半、菅政権は、三党連立合意が掲げた国民の生活が第一という理念に背を向け、消費増税を意図した、税と社会保障制度の一体改革、法人税減税、輸出関連企業優先のTPP参加検討表明、米軍普天間基地の辺野古移設堅持などに見られるように、官僚主導、対米依存回帰の傾向を強めるものとなっています。
 この予算案の最大の問題は、リーマン・ショックからようやく少しばかり経済が回復しかけたこの時期に、さまざまな形で国民に負担増を求めていることです。物価下落を理由にした年金支給額や児童扶養手当の引き下げ、国民健康保険料の算定方式の見直しによる負担増など、挙げれば切りがありません。
 子ども手当の財源とするために成年扶養控除を縮減しようとしていることも同様な問題です。さまざまな理由で働くことができない人たちを扶養する家庭へのわずかな控除すら取り上げようというのは、国民の生活を忘れた菅政権の姿勢があらわれていると思います。
 社民党が予算協議の中で再三求めてきた雇用対策や中小企業支援策も、規模、内容ともに不十分なままで、踏み込んだ政策はついに出さずじまいでした。
 政権交代で前進が期待された基地の問題も同様です。三党合意で削減をうたっていた思いやり予算は、あろうことか五年も維持させるものとなっています。沖縄の基地移転関連予算、沖縄防衛局名護事務所設置及び高江ヘリパッド建設の予算を計上するなど、負担軽減の発想はみじんも見られません。
 おまけに、この数日の予算委員会の中で大きな問題となった国民年金の運用三号問題は、年金の、保険料の納付と給付の原則を大きく逸脱した通達行政です。
国民の年金への信頼を損なうにもかかわらず、十分な議論も尽くさず、また、求められている統一見解も先延ばしにして、きょうの統一見解、あすの統一見解、あさっての統一見解。一体、いつになったら本来の統一見解は出るんでしょうか。予算案の通過のみを数で押し切ろうとする本日の採決もまた含め、これでは国民の不信は募るばかりです。
 国民生活等への影響を真剣に考えるならば、国民が政権交代に寄せた期待に真摯にこたえるべきであり、政権交代の原点に立ち戻った対応を速やかにとるべきであることを申し添え、私の反対討論を終わります。(拍手)


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