科学技術・イノベーション推進特別委員会 第4号(平成23年5月19日(木曜日)) 抜粋

案件:

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件(原子力政策について)

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〔前略〕

川内委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、玄葉大臣にお越しいただきまして、所信表明を伺うということでございます。
 私は、先ほど遠藤委員の御質疑の中にもありましたけれども、遠藤委員が議運においてこの委員会の立ち上げを御提唱され、また超党派、各党の賛同を得て今日この委員会が始まったということは、本当に議会の歴史上画期的であると思っております。
 もちろん、これから政府は、科学技術の分野、イノベーションは大事な分野ですから、お進めになりますでしょうが、広くその科学技術が国民あるいは社会の意思をどう受けて進められるか、この双方がなければ、よく言うように、科学の進歩は光であり、影ももたらし得るものだからです。
 とりわけ、今般の原発事故というのはそのことを如実に私どもに示していただきましたし、また、きょうの審議を伺っていても、大変皆さんじっくりと時間をとって、深い審議が行われていると思います。なかなか忙しい国会の場で、こういう場面は少ないと思いますので、委員長初め、この委員会を持っていただけた皆さんに心からお礼申し上げて、そしてきょうは、実は、事故の問題一つとってもまだまだ究明、解明しなきゃならないことがありますが、せっかく大臣の所信表明の場ですので、基本的には全問大臣にお伺いしたいと思います。
 この科学技術という問題に対しては、一九九五年に科学技術基本法というものができまして、それも超党派というか全党派の賛同ででき上がったもので、推進をしていくという基本法ができ上がりました。それにのっとりまして、五年ごとに基本計画というものを立案いたしまして、予算づけをしていくというプロセスがもう三回進んだことになります、九五年から五年、五年、五年で。
 そうなってまいりますと、今回、いよいよ二〇一〇年度、これからのまた五年を計画していかなきゃいけないときになっているかと思いますが、その中で、玄葉大臣には、これまでの科学技術というものを推進しようという意思が政治の中にありながら、しかし、そのアウトプットはどうであったか、また、今回大臣になられて、骨子だけでも結構です、どんな基本計画をつくっていこうとなさるか、その点についてお伺いいたします。

玄葉国務大臣 第四期の科学技術基本計画ということになりますけれども、先ほど遠藤委員とも議論をいたしましたけれども、一つ大事なことは、イノベーションという概念をしっかりと組み込んでいくこと、もう一つは、重点化をしていくということが大事だろうということで、いわゆるグリーンとライフということに重点化するということにしましたが、さらに、今回の三・一一を受けて、私はもう一度、総合科学技術会議の皆様、つまりは学識経験者の方々にお集まりをいただいて、じっくりと議論いたしました。
 つまりは、この三・一一から我々は何を学ぶのか、そのまま、今まで決めてきたことの延長線上で行っていっていいのかということの議論の中で、グリーン、ライフという重点化に加えて、復興、再生、もっと言えばいわゆる安全性といったことも加味しながら、この科学技術基本計画を見直ししていかなければならないというふうに私自身は考えております。

阿部委員 私がきょうお手元に配らせていただいたこの五年、五年の下には、総括のようなものも多少書いてあると思うのです。今、大臣はその点については余りお触れになりませんでしたので、ちょっとここで確認というか、おさらいをさせていただきます。
 例えば、九六年から二〇〇〇年までは、ポスドクと呼ばれるドクターたちの一万人計画というのがございました。しかし、この間、ポストドクターが全く暮らせない、学術を続けられないような状況の中に置かれています。私は、これから、本当に科学を支える人材の生活を安定させ、やる意欲を持たせていただかないと、日本は、笛吹けどだれも踊らずになると思います。
 また、その次の二〇〇一年から二〇〇五年というところも、一応、重点分野の設定や、ここは非常にリアルですが、五十年間でノーベル賞受賞者三十人をつくると。いいと思います。その意気やよしといたしましょう。
 しかし、今、御承知のように、ノーベル賞をお受けになった方は七十歳代、八十歳代になっておられて、逆に言うと、昔、一生懸命いろいろな困難の中で研究され、海外にも羽ばたいた方が、現状、我が国にノーベル賞をもたらしてくれているということでありますので、大臣にはくれぐれも、こうした中における人材の確保ということを本当に保障できるものは何か。例えば、大学も独法化されまして、基本的にそこで働くというか研究する人たちの先ほど申しました身分不安定もございます。
 私は、日本がこれから尊敬される国になるためには、やはり科学技術というもの、それも、特に安全性や健康やあるいは環境に重きを置いた科学技術立国というものは、世界の中でこれから日本が占める位置だと思いますので、それを担う人材の問題をぜひお心にとめていただきたい。
 第三期は、ここはちょっと余りにも漠としていて、イノベーター日本とかいう言い方をしておりますが、科学技術の革新、それが広く普及し、社会の経済の発展や、いろいろな意味で社会そのものを持ち上げていくという概念だと思いますが、残念なことに、九〇年代半ばから今に至るまで二十年くらいは失われた十年、二十年と言われていて、社会は低迷し、日本が消えてしまいそうと言われております。これをよく見ていただきまして、今回のプランがつくられますように。
 そして、次のページを見ていただきますと、これは、では、さて政府は科学技術関係予算をどのように組んできたか。実は、けさ資料が届きまして、もう少し新しいものがあったのですが、私はここでOECDのものを利用させていただきましたが、購買力平価に直した数値でございますが、日本は二〇〇六年段階でも三・六兆円余りでございます。
 さて、大臣にあっては、やはりお金がどのくらいそこに投資できるかということはどんなことにおいても非常に重要ですし、日本は財政難だと言われて、切り詰めろ、切り詰めろということで、今年度予算もどうなっていくのかとみんな不安に思っておりますが、私は、ここを出し渋ると日本はイノベートできない、そこに立ち至っている、ちょうど震災もありましたし。
 大臣がこの表をごらんになって、あるいは、今後どんなお考えで進めていかれるか。これは政府内においても強力に発信していただかねばなりませんので、覚悟のほどを伺います。

玄葉国務大臣 先ほど、私が科学技術の担当、旧科学技術庁ということではありませんけれども、この担当になったのが一月十七日であります。予算の編成のとき、国家戦略担当大臣あるいは政調会長という立場で、それこそ阿部政審会長にもいろいろと御相談をさせていただいた経緯もありますけれども、そのときに留意をし、また、菅総理も非常にこの科研費、科学技術予算については強い関心を持っていたということは申し上げたいと思います。
 特に、先ほどおっしゃったいわゆる人材育成は、科研費の補助金三割増、あるいはポストドクターも三割増ということで、ここのところについては、私たちも厳しい財政状況ではありましたけれども、今回の一つの予算の特色になっているということは御存じのとおりということでございます。
 残念ながら、この阿部委員が出された米国とEUと日本の表を見ると、日本の予算が少ないということは一目瞭然なわけでありますけれども、これからまさに、選択と集中じゃありませんが、しっかりと重点化をし、また先ほど申し上げたようなイノベーションという発想もしっかり取り入れながら、戦略的にこの分野を進めていかなければならないというふうに考えております。

阿部委員 対GDP比で申しますと、今の政府関連予算が科学技術振興につぎ込まれる率は〇・七三くらいになっております。日本の科学技術振興の経費の特徴は、民間投資の方が多くて、政府支出は少ない。しかしながら、これからお話し申し上げますが、今後この日本が、さっき言った環境立国、健康立国、あるいは安心、安全立国となっていくためには、今起きました原発事故も含めまして、私は、大胆に政府が対応していく、研究面においても技術革新においても必要な場面が必ずこれから訪れると思います。
 ちなみに、これまでの予算の使われ方を見ますと、今回は政府予算案で三・六兆円余りですが、平成二十一年度は、補正予算も含めると五兆円余りが出ておりました。これは前政権の最後の時期でありますが、補正で何回か組まれたということであります。
 私は、二次補正の中でもぜひ玄葉さんに組んでほしいものがあるので、自分でその方向に引っ張っていきたいがために聞いているところもありますが、しかし、非常に今大事な局面にあると思いますので、この少なさをよく自覚していただいて、そして日本の国の将来のために、子や孫のために今ここで頑張るぞとぜひお考えいただきたいと思います。
 そして、三点目を伺わせていただきますが、先ほど私が申し上げましたように、日本の将来向かう姿は、安心や安全、健康あるいは環境などがキーワードになりますし、それはライフイノベーション、グリーンイノベーションと、御政権、今の現政権がおっしゃったことともマッチしてくると思います。しかし、そう言われている一方で、現実がそうなっているのかなということを私は懸念するわけです。
 それについて、三ページ目をおあけいただきたいと思います。これは、今般の事故の事故後の処理における対応でございますが、私は、一言で言って、この対応には健康配慮と環境配慮が非常におくれているどころか希薄、もしかして本気でないんじゃないかと思うので、きょう玄葉大臣に、先ほど来、福島の選出であることや、あるいは一大臣、国務大臣としてとおっしゃっておられましたが、科学技術担当大臣としてぜひ御発信していただきたいことがあります。
 私は、実は連休中にアメリカに行ってまいりました。原子力規制委員会、NRCに行き、またエネルギー庁にも行ってまいりましたが、NRCに行ったときの一番の驚きは、パブリックヘルス、公衆の健康を守ることと環境を守ることがゴールであり、掲げられた目標なのであります。NRC、原子力規制委員会の目標は、公衆の健康を守り環境を守る、あとは、核物質が、今は核テロもありますから、分散、散らばっていくことを防ぐということが掲げられております。
 翻って、日本で考えると、先ほどおられましたが、東電の皆さんも保安院も、もっと言えば安全委員会も、私は、どこか歯切れが悪いというか、本当にあなたたち、国民の健康を守ってくれるのか、あるいは、汚染水をじゃぶじゃぶ流して環境は大丈夫なのかと。
 私は、これから日本が国際会議で聞かれる場は多いと思うのですが、この事故は恐らく、スリーマイル、チェルノブイリ以上の福島という名を残してしまうと思います。であれば、我が国が総力を挙げて何に向かって何をメッセージしていくのか、その突端に大臣が立っておられます。
 この工程表の何に私がこれだけ怒っているかというと、これは五月十七日に発表されたものですが、下の、ずらっと並んでいる「政府の被災者への対応に関する工程表」という方を見ていただきたい。上は東電が御発表でありますが、さて、政府の発表はどうかというと、「帰還に向けた取り組み」のところに「土壌の放射性物質の蓄積状況の調査 ※五月以降実施」とか、もっとひどいのは、「中期的課題」でしかなくなっている「除染・改良の実施」。これはいつも言うんですけれども、簡単に言うと、原子力の灰や放射性物質は降り注ぐだけ降り注いで、落ちついたらお掃除しましょうという意味であります。
 今、実は、先ほど民主党の議員の御質疑である、地表の線量もはかられていません。空間線量と地表の線量は違うものです。地表の方が高くなります。子供は低いところに暮らしています。あるいは、土壌の線量は、今、五キロ掛け五キロのメッシュで福島県内のみはかられていると思います。これはどう考えても粗過ぎるし、これから取り組むべき土壌改良は、もちろん福島県の汚染のひどいところもそうですが、今、郡山でも問題になる校庭の問題もそうですし、もっと遠いところでも通常よりは高い線量が明らかに出ているわけです。
 ここで基準値争いをする以上に、私は基準は大事だと思います、でも、それ以上に、実態を知ること、現状を知ること、改善策に手を打つこと、これ以上のライフイノベーションはありません。でも、だれも手を挙げず、だれも取り組まず、放置されて今日まで来ております。
 実は、先ほどの文科省の御答弁で、私はちょっと半分あきれていましたが、チェルノブイリに学んでこれから協力をしてもらえると言われたと。まあ、それはいいことです。私は、この前予算委員会でも、それももっとやってくれと言いました。でも、実は、今言われているような、校庭の土壌の表面をかえるとか庭の木の剪定をするとか土壌の改良のために化学肥料を入れるとか、二〇〇一年のキエフの会議でもうレポートが出ています。
 なぜ十年間もほったらかして、今これから、さあ線量の測定に取り組みますよ、土壌の改良は事が決着しなければ手をつけませんよというような状態でよしとされるのか。
 ちなみに、地表の線量の測定は、科学技術総合会議の中にいる日本学術会議も四月の半ばに提言しておられます。四月の四日くらいだったと思います。もう一カ月も過ぎました。文科省はこれから検討すると言います。だれが国民の健康を守るのか。
 たくさん申し上げて申しわけありませんが、私は、科学技術担当大臣が、ライフイノベーション、環境イノベーションをするんだという決意において、このことをもっと全輪駆動していただきたいですが、いかがでしょう。

玄葉国務大臣 阿部委員から大変大事なことを言われたというふうに思っております。
 先ほど、科学技術の新しい挑戦をしなければならないという中で、もう一つ私が各先生方に申し上げたのは、チェルノブイリとスリーマイルは、広大な土地、それぞれ旧ソ連、アメリカですから、ある意味、その後も事実上放置状態にあったと私は認識をしています。日本国政府は放置をしない、よみがえらせるということで、これから、世界の英知のみならず、若い研究者を育てながらこの新しい挑戦をやっていこうということを申し上げ、同時に、人々が、つまりは今の被害者、被災者の皆様が地元に戻って初めて復興という基本的な考え方でまず取り組んでいくべきだというふうに考えております。
 その上で、先ほどおっしゃったような、例えばこれは石森委員からも御指摘がありました地表の測定、あるいは福島県に限らないんじゃないかとか、あるいは校庭の問題であるとか、私は私なりに、個人的に高木文科大臣にもこれは申し上げてございますし、担当者の皆様にも申し上げております。
 今おっしゃったようなことも含めて、しっかり私なりに、これは本当に実感として実は感じていることなので、あえて今この場で言葉にできないようなところもあるんですけれども、しっかりやっていきます。

阿部委員 玄葉大臣は今、チェルノブイリやスリーマイルはそこに立ち入らせないというふうにしたのと日本は違うとおっしゃいましたが、実はチェルノブイリでも、四月の二十六日の事故で汚染マップはもう六月にできているんですね。そして、その事故の近隣も含めた汚染マップができているんですね。
 あと、今、日本は二十キロ圏内でほったらかしにした動物たちも、実はチェルノブイリでは、避難するときに、飼っている人と一緒に外に出ているんですね。そこから、どうすればその動物が浴びた被曝量を軽減できるかということで、いろいろな改良努力をしているんですね。  私は、チェルノブイリも情報隠しがあったと思います。社会主義的な報道統制があって、悲惨な実態が伝えられなかったのも事実です。でも、いろいろな取り組みはしておられますから、ぜひ謙虚に学んで、そして、それは日本のこれからの姿にとても大事です。
 私は、今の対策、さっき申しました除染が、こんなすべての放出過程が終わってからなんということは納得し得ません。だって、水はじゃあじゃあ汚れています。それから、最初に起きた放射能のちりを早く払わなければ、それはそこにい続けて拡散し続けます。風に舞い、雨に流れ、拡大する一方です。このプロセスが遅いということが、何としても、今の政権の取り組みの最も欠けたる部分だと私は思います。
 ただしかし、事故はないことを想定してきたので、大体環境を守る法律はないわけです。環境汚染法だって放射能被害はないわけです。それから、炉を守る法律はあっても、外に一歩出たらどうなるかは法もないわけです。ですから、政権だけのせいとは言いません。だけれども、謙虚に学んで、環境と健康を本当に守る覚悟、そうしたら、やっとアメリカのNRCレベルになるでしょう。でも、アメリカでも今原発が抱えている問題がありますので、それについてまた後ほどお話をさせていただきます。
 実は、その次にお願いしたいのは、自然エネルギーを促進させたいというのは、このような悲惨な状況が世界に発信された中で、さて日本はどうするんだろうとかたずをのんで見ています。今度G8で菅さんも行かれて発表なさるそうですが、あの震災のあった三月十一日に、同じ日に閣議決定された自然エネルギー促進法、買い取り法ですね、固定価格法と言ってもいいです。風力も太陽光発電も地熱も、あるいはこれから開発される波等々も、あらゆるものが可能性を持っている。
 しかし、これは政府が提案された閣法であります。そして、私は、国会を閉じるなんて言っていないで、この法律をきちんと政府の意思で通していただきたい。私たち議会側も協力します。でも、もう六月の中ごろで閉じるよとか言われたら、時間の優先順位とその審議にかかっている法案委員会がありますから、これすらも通さずに閉じるのかと非常に最近不安になっております。
 ぜひ、政府としての意思です、閣法なんですから、出したんですから、買い取りを進めたいんですから。決意表明をお願いします。

玄葉国務大臣 先ほど私は一言申し上げなきゃいけないことがあったんですが、まさにきょう、科学技術の推進費の中で半分以上、放射性物質による環境影響ということで使わせていただくことを正式決定したいというふうに考えております。
 具体的に言うと、放射性物質の分布状況等に関する調査研究、これをまさに細かなメッシュでやるということと、いわゆる土壌汚染に対する放射性物質の除去技術の開発、具体的に言うと、放射性物質の分布状況等に関する調査研究が七・一億円、農地土壌の問題が約五億円ということで正式決定して、これは推進費で機動的に対応できるということなので、早速行いたいというふうに考えております。
 また、国会の話はこの場で私が申し上げるのは適切じゃありませんが、固定価格買い取り制度の法律、ぜひとも成立をさせたいので、御協力をお願い申し上げたいというふうに思います。

阿部委員 私が先ほど申しましたように、政府だけでなくて、こうした委員会ができたということは、各党から来ていただいていて、各党の代表でもいらっしゃいますから、私からも各党の皆さんにもお願いし、でも、早くに閉じちゃったらできませんから、よもよも早期に国会を閉じるなどはおっしゃられませんようにお願い申し上げたい。
 あと、今のは七兆かなと思いましたら七・数億。でも、瓦れきの処理だって、例えば塩害で十年かかると言われて、そこでその処理をするための人工代というのが出るんですよ。十アール当たり三万円とか。放射性物質の汚染の除去、そこで人が働くわけです。そこで収入になるわけです。だって、いい土地が欲しいんだもの。そのための人工代だって出ないと、研究ばかりしたらイノベーションじゃないんですよ。社会の中に還元する、経済としても推進させる、雇用も生む、まさに玄葉大臣がおっしゃったとおりですよ。研究調査費がついたことはうれしいです。でも、もっと大胆にプロモートしていただきますよう。
 最後に、エネルギーシフトのお話をいたします。
 皆さんのお手元に中長期的な電力シフトイメージというものを出させていただきました。これは、今約三〇%くらいを原子力に頼っている我が国で、今後、四十年たった炉を閉鎖していく、そういうシナリオを書きます。四十年というのは、原子炉の普通の寿命からいうと高齢に入ります。今、原子力の世界は少子高齢化です。新しいものはなかなか生まれない。まして、これから生まれない。無理です、はっきり言って。大体、五基も六基も同じ場所に立地する。アメリカでさえやっていないです。一基か二基です、せいぜいワンサイト。
 でも、日本はなぜか福島にあれだけお世話になっています。申しわけないとも思います。でも、このありさまを見て、だれも国民の中に、いや、うちでいいよと収束もしないのに言ってくれる可能性は、ゼロとは言いませんが、極めて少ないです。これから海洋汚染だって広がってきたときにはもっと反発と反感が出ます。
 そこで、当然ながら古くなったものはやめましょうというふうにやったといたしますと、実は二〇二〇年までにあと二十基が四十年を迎えてしまいます。今、もう四十年を迎えたものが恐らく三基か四基あります。女川とか、今回の福島もそうですし、あと敦賀がそうだと思います。おまけに事故と同じ型の炉もあります。
 国民が求めているものは安心です。それをどう担保するかというのに、地震の問題、古さの問題、両方掛け合わせてシミュレーションをしてみますと、これは、上はただ単に古い方から閉じるということです。二〇二〇年には一七%になっちゃうから、どこかでエネルギーを持ってこなきゃいけません。それに天然ガスを使う、自然エネルギーを促進するなどです。下は二〇二〇年までに、そうはいっても、あと七年くらいで全部の原子炉をやめる、これにはさっき石森さんがおっしゃった使用済み核燃料のスペースがあと七年しかないんです。どこにも置けない。モンゴルに持っていこうなどというお話は論外であります。
 この一と二は、実は大胆に見えて現実的なプロセスなんだと私は思います。一つ、新しくつくれない。一つ、老朽化する。一つ、核燃料の使用済みの保管庫がない。いかがでしょうか。これは社民党で近々発表させていただきます。ぜひ御採用をいただきたいが、どうでしょうか。

玄葉国務大臣 今、原発五十四基、二〇三〇年までに新規十四基という計画をつくって、発電電力量に占める割合をたしか五二%にする、こういう計画だったと思います。再生可能エネルギーの割合を二割にする、こういう計画だったと思いますけれども、まさに、このところについて白紙で見直していくということだと思います。
 原発を考える上で、論点は今おっしゃったとおりだと思います。つまりは、新規十四基できるんですか、できないと思います。その問題、高経年化の問題をどうするか、これが一つの現実。しかし、もう一方の現実として、経済リスクとか電力不足の問題がありますから、ここにリアルな工程表、ロードマップをつくる必要性が出てくるということではないかと考えております。
 そのときに大切なことは、先ほど短期と中長期に分けて考えていかなきゃいけないと申し上げましたけれども、先ほど阿部委員が御指摘になられたとおり、特に中長期の部分は、国が主導で革新的技術の開発をやらざるを得ないと思うんです。
 つまり、もっと具体的に言うと、電池の革命、発電効率の革命、あるいは材料の革命、こういったものが私は必要だと思っておりますが、既存技術の改良に民間の研究開発投資は大体九割使っています。それは仕方がないと思います。ですから、中長期の革新的技術の開発についてはやはり国家主導で行うということが私は必要だと思っておりますので、そういった問題のスピードとの関連で、どこまでリアルなロードマップをつくって、どこまでベストミックスな、まさに安心という意味からしてもベストミックスなエネルギー政策がつくり得るかということで、私も奮闘していきたい、こう考えております。

阿部委員 ぜひ、大臣にエールを送りますので、また委員会の皆様と力を合わせて審議を深めていきたいと思います。
 ありがとうございます。

     ――――◇―――――

川内委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件、特に放射線の健康影響について調査のため、明二十日金曜日午前九時、参考人として原子力安全委員会委員久住静代君、琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬君、高木学校・元放射線医学総合研究所主任研究官・医学博士崎山比早子君及び中部大学教授武田邦彦君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、明二十日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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