第177回国会 厚生労働委員会 第18号(平成23年6月10日(金曜日)) 抜粋 案件:
厚生労働関係の基本施策に関する件
独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部を改正する法律案起草の件
独立行政法人地域医療機能推進機構の運営等に関する件
〔前略〕
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
本日、後ほど採択されます、いわゆるRFOの機構改正法案については、質問というよりもコメントをさせていただきたいと思います。 医療あるいは病院という組織は、人が人を支えるものであります。こうした病院の存続をめぐって、例えば採算がどうであるから売り払えとか、存続そのものが不透明になるような論議がずっと国会で続いてきたことは、私は大変に、地域にとっても、そこで働く皆さんにとっても、不幸なことであったと思います。逆に、政治が医療というものを翻弄してきたとすら思い、怒りすら覚えます。
この厚生年金病院にしろ、社会保険病院にしろ、地域医療をもちろん担っております。あるいは政策医療も担っております。かてて加えて、災害拠点支援病院などにもなっております。いわば、そこの地域を支え、生命を支え、あえて言えば日本の社会と国を支えているような財産に関して、私は、もちろん病院とて経営や採算は大事だと思います。しかし、一番経営や採算を脅かすものは、この先存続できるかどうか不安定なことによって、医師も来ない、あるいは看護師さんがやめていくなどの状況が、一番病院にとってはマイナスであります。そうしたことに耐えて、よくぞここまで皆さん頑張ってくださったと思います。
私は、この委員会の中でも、仙台の二つの社会保険あるいは厚生年金病院、あるいは、先ほど高橋さんも二本松の社会保険病院をお取り上げいただきましたが、みずからも被災しながら一生懸命地域の人々を支えたということが、また今回、こうやってみんなでこの存続のための法案を成立させる大きな原因にもなっていると思いますが、どこでもいつでも起こることだと思います。
私も、願わくば閣法で先回の昨年の夏、通ってほしかったと思います。また、今回、衆議院をきょう通過いたしましても、先ほど高橋委員のおっしゃったように参議院が不透明ということでは、本当にこれまで耐えに耐えてきた病院関係者の皆さんもあるいは地域の皆さんも、引き続く不安の中に置かれると思いますから、私は、各党各位の御尽力、さらなる御協力をお願いしたいと思います。
それを一点申し述べて、本日の質問にさせていただきます。
国会も会期末ということがにおわされておりまして、私はもっと、今の被災地の状況から含めても、国会は続けていくべきと考えるものですが、今緊急にお取り組みいただかねばならないことがあるので、きょうは、被災地の障害者問題について資料を配らせていただきました。
この東北三県、福島も含めてですが、被災状況というのは、特にこの間、避難所でお暮らしの方、県外に避難された方も含めて、あるいは在宅で踏ん張っている方も含めて、まだまだ全体像が把握されておりませんが、特にその中でも、障害をお持ちの皆さんが現状どういう状況にあるかということは、なかなか把握が進んでおりません。
五月二十三日の障がい者制度改革推進会議で、災害と障害者に関する論議が行われた中から、資料を引いてまいりました。
一枚目は、宮城県並びに、その中でも特に津波被害のひどい地域の障害者数と、避難所におられる人数の確認、そして、その中で具体的に対話、インタビューして情報が得られた方の確認でございます。
この地域にお住まいの障害者は、人口が全体二百三十四万のところ、十万三千八百九十二人、また、津波などの沿岸地域には五万三千五百十一人、いわゆる障害者手帳、身体手帳とか療育手帳とか精神保健手帳とかお持ちの方がお暮らしでありますが、実は、対面して安否確認あるいはニーズ確認ができた方は、わずか千二百六十三人であります。全体の障害者の比率、全体十万からいえば、一・二二%ということになっております。
被災自治体の自治体機能もない中であります。果たして、厚生労働省としては、これからこの障害者における、もちろん他の避難の方もさまざまなニーズを抱えておられますが、実は最も支援を必要とする方々だと思いますが、この対策をどうお進めになるのか。情報確認も含めて、厚生労働大臣にお伺いいたします。
○細川国務大臣 障害のある方につきましては、どのような形で支援をしていくかということが大変重要でありますけれども、今、障害のある方への支援につきましては、自治体の職員や保健師さん、あるいは相談支援専門員の方たちが、避難所とか在宅にいる障害者を訪問いたしまして、障害のある方のニーズとか状態などの把握に努めていただいているというふうに思っております。
また、岩手県では、避難所等に障害者相談支援センターを設置いたしまして、そして、避難所や居宅を訪問して必要なサービスにつなげる、そんな取り組みを進めているところでございます。
さらに、全国の視覚障害あるいは聴覚障害の団体や、発達障害を含めた知的障害関係団体などが、岩手県、宮城県、福島県それぞれに支援本部を設けまして、現地の自治体や当事者団体とも連携を図りながら、巡回相談を行って、安否確認や必要な支援につなげる努力が進められている、こういうふうになっておるところでございます。
厚生労働省といたしましても、自治体や関係団体と連携いたしまして、このような現場の取り組みを支援してまいりたい、このように考えております。
○阿部委員 行政機能が低下している中、いろいろな障害者団体が連携しながらやっておられるという御答弁でありましたが、その障害者関係団体が一番苦慮しておりますのが、どこにだれがおられるか、いわゆる個人情報保護の壁によって居場所の確認ができないということであります。
お示しいたしました次の資料は、これは福島県のデータで、さらに三枚目をめくっていただきますと、そうした中、実は障がい者支援センターふくしまという形で、日本障害フォーラムの皆さんが、南相馬市の中を、情報公開法の五条にのっとって市からいろいろな情報の提示を受けて、対面訪問ということを開始されたのが三枚目のデータでございます。
情報公開法の五条は、本来はかかっている個人情報保護でありますが、人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要と認められる情報については情報を提供できるという法律でございます。この法律を使って、市の情報を積極的に提供して安否確認をしている自治体の一つが、南相馬市でありました。そして、訪問していただくと、ここにはさまざまなニーズあるいは情報が得られるわけです。
私は、今後、障害者のみならず、介護を必要とされている方あるいは難病の方、県が持っている難病データもそうでございます。いずれも個人情報保護法とのせめぎ合いになりますが、ここに書いてございます生命、健康、生活または財産を保護するために、積極的にそうした場合の情報開示が可能であるということを厚生労働省としてもお伝えいただいて、そうしないと情報が来ません、どこにだれがいるか。特に隠れてしまいがちな在宅の皆さんは、非常に私は、次にまた二次災害になる危険があると思います。
もう一度、厚生労働大臣にお伺いいたします。
どうやって、いわば、先ほどちょっと話しておりました、消えた障害者になってしまいます。この問題にどうやって積極的に手を打っていくのか。こうした情報公開法の五条などの活用ということも含めて、私は広くお伝えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岡本大臣政務官 以前も私、これは委員会でお答えさせていただいたことがありますけれども、基本的には、どういった情報を個人情報で保護するかというのは、市町村の個人情報保護条例に基づいて判断しているというところでありまして、一概に、それを厚生労働省からこういう条例でということはなかなか難しいのはありますが、前回もお答えさせていただいたんですけれども、厚生労働省も、職員を例えば宮城県に派遣して現地調査を行ったりとか、また、特にコミュニケーション面で支援が必要な視覚障害者に対して、身体障害者手帳等の名簿を管理する県が、その責任のもとで、視覚障害者への対応に詳しい関係団体や市町村職員と連携して安否確認を行う取り組みを整備するようお願いしてみたり、こういうことをやってきているところなんです。
本当に、なかなか、委員がお示しされたデータ、あれはJDFの方が確認をされた数です。いろいろな団体そして自治体それぞれが確認をしておりますから、あの数より、お示しされたデータより若干多いんじゃないかという印象は持ちますが、しかしながら、そういったニーズがあるということも十分踏まえて、これから我々も考えていかなければいけない課題であるというふうに考えております。
○阿部委員 ありがとうございます。大変おくれていますから、ぜひお取り組みを早めていただきたいと思います。
終わります。
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