第177回国会 厚生労働委員会 第4号(平成23年3月9日(水曜日)) 抜粋

案件:

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出第九号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件

議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ(衆議院のサイト)


〔前略〕

牧委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、四十分のお時間をいただきまして、ありがとうございます。そして、去る二月の二十四日の予算委員会で鴨下衆議院議員から御提起のありました年金の運用三号問題について、少し時間をかけて聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、一枚目、私のつくりました、時系列をもって、年金局と記録回復委員会と政務三役の動きを追ったものをお手元にお配りいたしました。これは、この間の審議を聞きながら私なりに整理したものですので、もしかして勘違いや思いの至らぬところもあるかと思いますが、これをもとにお話をさせていただきます。
 きのうの参議院の予算委員会で、菅総理が、運用三号の廃止、そして、処分として、橋本課長でございましょうか、現場の課長の更迭ということを発表されましたが、いかにもトカゲのしっぽ切りですし、物事が本質的に解決されてない。本質的な解決とは何かというと、やはり、本来民主党政権が政権交代したときの大きな看板であった政治主導、本当にこの間の出来事は政治主導であったかどうかということを私は確認をしたいと思うんです。
 先ほど高橋委員もおっしゃいましたが、例えば、年金の救済のための法案の改正がテレビで一方的に報道されて、こうした委員会で問題を重ねて、迅速に、かつ、きちんと信頼性を持って改正されることもなく、一方的に言われるということもおかしいと思います。その内容いかんではなくて、そういうやり方自身も本当に国会軽視だし、それはすなわち政治主導ではないんだと思います。
 おのおのの責任について考えてみたいと思います。
 まず、年金問題が発覚したのは、おととしの暮れの長妻厚生労働大臣当時のアンケートだということでございますので、そこから発覚し、おのおの年金の部局内ではこれをどうするかというのを省内で検討というか原案をつくられて、年金の記録回復委員会に原案の提示をされたのが三月二十九日で、それに回復委員会も賛意を表明されて、長妻厚生労働大臣が決定されたということであります。
 しかし、その後、実際に課長通達が出されるまでの間も、年金局は独自の動きをしております。
 どういうことかというと、一応原案で了解されたということで、課長通達に至るまでの間、今度、具体案が検討されるのですが、具体案が実際には年金回復委員会に出される前に、実は年金局は、年金局と機構で現場にこういうふうにしたいからと説明をなさっています。課長通達はまだ出されていない。だけれども、何もオーソライズされていないけれども、年金局や社会保険事務所の現場には、これでいくからねと説明があるんですよね。このこと自体、私は手順が違うと思うんですね。説明を受けた現場は、これは今までやってきたことと随分、いろいろな意味でそごを来すからということで、多様な御意見があったようです。
 まず、年金局長に伺いますが、年金局長は十月に、その原案になる、十二月のものを口頭で了解されたと。すなわち、こういうふうに社会保険事務所の窓口に説明したいんだけれども、これでいいですかと口頭で御連絡があったといいますが、そういうことでやっていらしたんですか。事実だけお願いします。

榮畑政府参考人 先ほどの高橋先生の答弁の際にもお答えいたしましたが、運用三号につきましては、昨年の三月に基本的な方針が決まったところでございまして、その後、私どもが事務的に実務的な準備作業を進めておったところでございまして、その過程では、年金局内で実務的な準備作業を進める中で、局内で局長のところでいろいろな検討はしたことはございますから、この十月の口頭了解というのは何を指しておられるのかよくわかりませんが、その準備作業の中でいろいろな打ち合わせをしていたということはございます。

阿部委員 これは伺いましたところ、課長通知の中身を口頭了解だそうです。課長通知のことを年金の南関東の社会保険事務所に先に説明するために、局長に了解を得たということでありました。
 まだ通達もないんです。でも、現場を集めて、これでいくからねと。全部事実先行じゃないですか。通達も問題なんですよ。でも、通達すらないんですよ。それを全部口頭で内々でやって、そして今回、課長が処分されましたけれども、課長が独自で課長通達を出したわけではないですよね。本当に、こういうのをトカゲのしっぽ切りといいますよ。局長まで上げるか、大臣まで上げるか、そういう省内のプロセスってあったと思うんですね。そこが全くグレーゾーン、やぶの中で、でも、それが無責任体制に、とにかく、やぶからやぶ、隠していく、あるいは勝手にお手盛りしていく、この素地を私はここに強く見ます。
 大塚副大臣、こういうふうに、課長通達を出す前に、現場に同じ内容を説明して、これでいくんだからと。これはどこにもオーソライズされていないんですよ。年金記録回復委員会にも諮っていないんです。そういうやり方でこれからの年金行政はいいんでしょうか。お願いします。

大塚副大臣 よろしくないと思います。

阿部委員 そうしたら、よろしくないことをほっておかないで、そこから手をつけないと、日々年金を扱う業務の実務がこんなじゃ困るんですよ。裁量権の中、いいかげんな中、だれもチェックできない。政務三役なんか、まるで知らないですよ。チェックしていないですよ。それでも長妻さんは、僕が決めましたとか言いますが、私は、それでは本当の年金の管理はできないと思いますよ。
 続いて、年金の記録回復委員会の方へ行きますね。
 年金の記録回復委員会は、さっき高橋さんが資料でつけていただきましたが、これまでの運用はあたかもやむを得ないかのようなことをおっしゃって、これまでの、すなわち、やむを得ない対応であったところだがと、運用三号についてそうしたコメントをきのう出されていますね。
 ところが、ここに、年金記録回復委員会で法律改正の可能性エトセトラを、最初、そういう事態が発生して、原案が厚労省の年金局から示される前に検討したか否かなんですね。
 これは、テレビ報道では、磯村さんという年金記録回復委員会の委員長が、記録回復の委員会としては法改正も考えたけれども、ねじれ国会じゃできないと思ったとか発言しているんですね。私は、本当にこの政府のあり方は、テレビでみんなが勝手に勝手なことを言って、国民は何を信じていいのか。
 まず、事実確認ですよ。ここの三月二十九日までの間に、年金記録回復委員会では、法改正も必要かもしれない、必要なんだけれども、でも、ねじれとか政治側の事情でできないとかいうお話はあったのか。それとも、それは、磯村さんが時間系列を間違えられて、何か、ずっとの長い中では思ったかもしれない、言ったかもしれない、でも、かなり明確に言っておられましたよ。
 これについて、大塚副大臣、どうでしょう。

大塚副大臣 今先生御指摘のそのニュースの映像を私は見ておりませんので何とも申し上げられませんが、磯村委員長とはこの間何度もお話をしました。きのうもお会いしていますので。
 その何度もお会いしている中で、やはり磯村委員長も、こういう展開になったことについて、もちろん回復委員会の委員長として随分責任を感じていらっしゃる御様子の中で、どうしてこういうことになったのかなということをいろいろ考えると、いろいろなことが影響していたかもしれないという、回想の中でそういうようなニュアンスのことをおっしゃったような気もします。

阿部委員 そういうあいまい、ファジーじゃ困るんですよね、国民の年金にかかわる問題ですから。
 私は、委員長、お願いがあります。年金は集中審議が必要です。年金記録回復委員会の委員長にも来ていただいて。
 だって、これはこれからも続くんですよ。記録を回復すべきところで回復しなくてよくて、運用でやっていいと判断するようでは困るんですね。そして、テレビでは一方でそういう発言を、どこかで思われたんだと思いますけれども。
 私は、それが政治の側の責任なら政治がちゃんとしなきゃいけないし、実は、事実は、年金局は先行して走っていると思うんです。先ほど申しました、現場を集めて、これでいくぞと説明までしている。そして、記録回復委員会に出して一応賛意を得たというけれども、議事録を見ましたけれども、おととしの暮れから三月まで、年金記録回復委員会では法改正も含めた審議なんかまるで書かれていませんよ。そうしたら、やみ、どこでどういうことが話されて、どこで政治の意思が決定されているのか、大事な年金問題が話されているのか、国民は本当に蚊帳の外に置かれます。
 これは、委員長、お願いです。諮っていただきたいと思います。

牧委員長 理事会において協議いたしたいと思います。

阿部委員 最後に、最も大きな政治の責任であります。
 長妻前大臣は、私が運用三号を決定したとおっしゃいますが、長妻前大臣は運用三号の決定の前に現場の年金局が現場説明会をしていることなど御存じであったか。私は、その点も含めて、長妻前大臣にはぜひこの場で、集中審議でお答えをいただかなきゃいけないと思います。おまけに、きのうも出ましたけれども、次の細川厚生労働大臣には引き継ぎはないわけですね。政治が全然関与しないところで物事が動いて、どこが政治主導でしょうか。何が政治主導でしょうか。
 そして、今日に至るまで、私は、二月の十七日に質問主意書を出して、こういう運用でやるんじゃなくて法改正をするべきだし、必要性は考えなかったのかと聞いたら、二月の二十五日の答弁書においてすら、運用問題だから法改正は必要なし。また、細川大臣は、内閣法制局にも聞いたが、法改正は法的には必要ないという返事をいただいておると言われたんですね。大臣、覚えていないですか、予算委員会でのお答えですよ、内閣法制局を引き合いに出されて。では、議事録を御確認ください。
 そして、せっかく大臣がお手を挙げられましたから、実は、大臣には長妻さんからは引き継ぎがない、そして、一月の下旬になって大臣はこのことを初めて知って、きのうおっしゃいましたよね、事務方に、なぜ説明しなかったんだ、これはとんでもないぞ、自分は知っていればとめたと。そうすると、長妻大臣から細川大臣までに至る間、政治の意思は百八十度ねじれているんですよ。必要がないという長妻さんと、実際が走る、細川大臣は聞いたときにおかしいと思った。この御意見は今もそうですか。一月段階からおかしいと思った。そして、最初にこのことはどなたから聞かれましたか。

細川国務大臣 先ほどの阿部委員からの質問主意書の件につきましては、それは、運用三号の内容が法律に違反するかどうかということで、これは、阿部先生の方から質問主意書が来たときに、法制局の方に問い合わせをさせまして、そこで、法制局の方からは、そういう意味で法律に違反するものではない、こういう回答を得た、こういうことでございますから、ひとつ御了承いただきたいというふうに思います。
 それから、私が知ったのは一月の下旬ごろでございまして、これは、そのときに事務方の方から、ちょうど内山政務官が私のところに見える、こういうことで、それは年金の問題だということでありましたから、事前に事務方の方から説明を受けた、そのときにこの全貌を知ったところでございます。

阿部委員 唯一この件で政治的にチェックをかけたのは内山委員だけなんですね、年金の総務省の方の監視委員会におられたから。
 すなわち、厚生労働省内では何のチェックも歯どめもかかっていないんですね。私は、国民の年金を預かる部局として、これは非常に問題だと思いますよ。総務省は確かに年金業務の監視委員会をつくっている。しかし、自浄作用があってこそ初めて、そして足らざる部分を外から指摘されるということはあったとしても、これでは年金局も記録回復委員会も政務三役も全く何もしていないというか、なるに任せて、なすに任せて、本当にこんなことで年金の運営が、行政がうまくいくのか、私はあきれるばかりですよ。
 そして、具体的な事案に移りたいと思います。どうすればよかったかです。
 こんなに現状で運用三号もどきの、まがいのことが行われているから、それを追認して、みんなだれもほっかむりして、口つぐんで知らなくてなどということをしなくてもいいチャンスはあったんだと思いますよ。
 これは実は、年金運用三号を決めたのは、ことし一月一日から実施ということになっていますが、実は昨年以前にも先ほどから御答弁の事実上の年金運用三号が行われていたわけですね、現場の裁量で、通達にものっとらず。
 そこで、一昨年八月のデータを使って、一昨年の十二月から昨年一月までに年金機構が実地の調査をいたしました。夫が一号、妻三号という人が約百三万人いたわけですが、長妻大臣だったせいかサンプル調査ですね、そのうち百人を抽出されました。百三万人のうち百人を抽出して、夫一妻三というのを抽出して調べたところ、百人のうち四十四人は二カ月たっても三号のまま、二カ月置いて調査したんですね。でも逆に、五十六人の方は年金の記録を正しく回復して一号に行ったんですけれども、百人のうち四十四人は二カ月たっても三号のまま、そして、さらにそのうち十三人は、既に第三号被保険者として年金を受け取っておられたんですね。
 これは、現場の裁量ですよ。ある人は一号に変え、半分以上は変え、でも、変えないで、年金まで偽りの記録のままに出していた。果たして年金局は、裁定のときに、だれが裁定したのか。その現場と、そして、その上の課長かもしれない、それから所長かもしれない、こうした仕組みをとっていますよね。
 今、細川大臣の責任において、この百人のサンプル調査の十三人の裁定の方、まずどういう経過で裁定されたか、具体的にお調べになるべきですよ。それから、各年金事務所ごとに、百人のサンプルでもいいですよ、とってきて、一つの事務所に非常にそういう恣意的裁定が多ければ、実はこの事務所ぐるみなんですよ。日々国民の年金を預かる社会保険庁の事務所のその業務の内容まできちんとチェックしていかねば、あれだけ長い時間をかけて年金で論議した意味がなくなると思います。
 大臣でも副大臣でも結構です。実際のこの百人サンプル調査の十三人、既裁定、これについて事実経過を明らかにすること。そして、年金事務所ごとに偏りがないか。幾つかのサンプルでも構いません。全部やれとは言いません。時間も金もかかるでしょう。でも、これらすべてをやみの中に葬って、臭い物にはふたをして、勝手に運用三号などをつくり上げるから、これだけの混乱が生じているんです。副大臣、どうですか。

大塚副大臣 根っこにある原因の御指摘については、全くごもっともだと思いますし、私も同感だと思います。先生が御指摘のような点を、これからまさしくどういうふうに改善していくかということだと思います。
 きのうも回復委員会でも申し上げたんですけれども、それから当委員会でもきのう申し上げたかもしれませんが、例えば、窓口でダブルチェック、トリプルチェックという事務をきちっとやれば、三人が別々に同じ事務をやれば、三人が同じ間違いをするということはまず起こり得ないんですね。ところが、現場でそういう体制になっていなかったということなので、そういうことを含めて、先生御指摘の問題意識に沿うような改革はやっていきます。
 済みません、直接の御質問のところですが、その十三人について、この人たちの経緯を調べて対処すべきだというのは、これはまたなかなか難しい問題だと思います。百三万件の中から百件をサンプル調査して、まずどういう傾向になっているかを知るためにたまたまサンプリングしたその十三人の方に追跡調査をかけるということの今度は公平性の問題も出てきます。だから、一定の対応の原則やルールを固めた上でこの不整合問題にやはり対処する必要がある、現時点では私はそのように思っております。

阿部委員 そういうのを総論賛成、各論反対というんですよ。現場は、それではよくなりません。
 副大臣、御存じですか。年金を一号に変えるとき、国民健康保険も一号になるんですね。今でも現場では、国民健康保険の方は皆さんすぐ変えるんですよ、あしたから必要だから。年金は、当座のお金がないとか、このまま何となくと言われても、そういう実態もあるんです。
 だから、なぜこういうことが起こっているか。みんな想像の上に、実態を調査しないで、想像の上に論じているんですよ。十三人について、その人たち個別に聞けと言っていないです。裁定をした人に聞けばわかるじゃないですか。担当者がいるはずですよ。その上に課長もいて、所長もいますよ。自分の所だけそういう人が多かったら、その所の業務の内容なんですよ。そこまでやらないと年金の信頼なんて回復できないんです。いつも表ばかりいいことを言って、現場を正さないと、年金問題はいつまでも解決しませんよ。どうですか。

大塚副大臣 先生の御趣旨がわかりました。その個人に当たれということではなくて、事務処理をした旧社保庁のその担当者に当たって、どういう経緯でこうなったのかを調べるということであれば、それはごもっともな御指摘だと思いますので、早速調べてみたいと思います。

阿部委員 もう一つ。いろいろな事務所ごとにやってみてください。絶対違いが出ると思います。
 そして、そういう裁量行政で勝手なことをやって不平等をつくっちゃいけないんですよ。まず、実態を調査することです。これも重ねて、うなずいていただきましたので、お願いを申し上げます。
 さて、きょう、報道でも既に出されていますが、ではこれからどうすればいいのか。もちろん、今後のことを話さないで、ただ責任だけを追及していたって国会の役割は果たせないと思いますから、今後については、きょう、テレビで言っていられましたけれども、私も提案として三つあります。
 過去の年金の未納を納められる体制、それは十年と言わず、さっきの高橋さんがおっしゃった全期間でも構いません。納められることを可能にする。
 そして、もし納められない期間は空期間、加入はしているけれども保険料納付はなく、保険料のその二十五年には算定されるが給付には反映されない。一番公平だと思います。
 プラス、もしもその間非常に低所得であったというような証明ができる方は、これは低所得の方には免除というのがありましたから、免除期間として、すなわち国から入っている三分の一分の給付は入れてさしあげる。
 世に心配されている低年金、無年金問題も含めて、以上三つ、さかのぼって払える、そして、払っていないところは空期間扱いをする、低所得者については三分の一の免除期間として扱う。どうお考えですか。

細川国務大臣 今、阿部委員が御提案いただきました内容については、それは私どもの方でもそういう方針で検討をする、こういうことにはいたしております。
 今の御提案は、被保険者ということでの御提案でございますね。はい。では、そういうことでございます。
 低所得者だった場合のことも、それも念頭に入れて検討させていただきたいと思っています。

阿部委員 あともう一つは、やはり三号から一号への切りかえは、これはもう権能を持ってやるしかないと思います。
 ここについても、平成十七年からは大分変わっておりますが、実は、日々、今もです、これは社会保険事務所の窓口に聞いてみていただきたい、あるいは自治体の窓口に。さっき申しましたように、国民健康保険の方は皆さん切りかえるけれども、年金の方は三人に一人だと。こういうのは現場の人に聞いて声を集めればわかりますから。
 そうであれば、これは制度上これからも発生してしまうので、ここは権能を持って切りかえるということも御検討いただきたいですが、大塚副大臣、どうぞ。

大塚副大臣 それは重要な御指摘なんですね。私も経験者だからわかるんですけれども、私も銀行を退職したときに、健康保険を切りかえなきゃいけない。そうすると、市町村の健康保険課に行きますね。行くと、市町村によっては、国民年金も切りかえてくださいねと言ってあとの手続をサジェストしてくれるところもあれば、そうじゃないところもあって、そうじゃないところでは、制度を知らない人は気がつかないんですね。
 だから、そういう市町村窓口の協力も得ないと、そういうことを知り得なかったり、あるいは情報が日本年金機構に上がってこないということもありますので、そこの対応についてはこれからしっかり考えたいと思います。

阿部委員 いずれにしろ、そういうことを国会で論議していただきたいです、テレビで言うんじゃなくて。もう原則ですから。
 大臣、いいですか。集中審議も含めて、まあ、大臣が決めるわけではないですが、やはりそこをきちんとされてこそ大臣の責任なんだと私は思います。
 これは、さっき言った、長妻大臣と細川大臣の主張が百八十度、結果的には違っていたんです。でも、是正することはできるし、それは法改正が必要だという点でやることです。
 委員長にはお願いいたしますが、長妻大臣の参考人としての御出席と、そして、法改正に向けた前向きな論議ができるよう、ぜひ今後の運営をお取り計らいください。

牧委員長 理事会において協議いたしたいと思います。

阿部委員 続いて、予防接種問題についてお伺いをいたします。
 実は、きのうは、年金記録回復委員会と同時刻、先般五例報告されておりますHib並びにプレベナー並びに三種混合あるいはBCGなどの混合接種による死亡例五例を検証する委員会も開かれてございました。
 お手元の二枚目の資料をごらんいただきますと、ここに、これまで挙げられた五例が一覧になっております。
 去年の補正予算で補正がつけられて、そして、ことしに入って、各自治体、自治体も半分負担、でも国も半分負担ということで、破格にHib、プレベナー等々の予防接種はふえておるわけですが、始めた途端に相次ぐ死亡例の報告で、今、お母さんたちは不安だし、現場は混乱という中でございます。
 さて、この表を見ていただきますと、一、二、四という事案は、実は、接種日と報告日の間には、接種して亡くなられて報告されるまで二、三日しかありません。ところが、症例の三並びに五は、接種を受けられてから、今回このことが大変話題になってから初めて事例として上がってまいりました。
 これは、今、推奨、予防接種でいろいろ勧めておられますから、お医者さんからダイレクトエントリーでダイレクトに予防接種の、因果関係は別に、情報が上がるシステムはあると思うんですが、実は、この二例は、親御さんは一体何が起きたんだろうと思っていたんですね。だけれども、お医者様の側に、予防接種した人とお亡くなりになった赤ちゃんを診た人が違ったり、あるいは直に結びつけられなかった、わからなかった、もちろん因果はわからないのですけれども、そういう状況があります。
 今後、予防接種も早い再開が望まれますが、親御さんが不安に思ったり死亡事案が出たりしたときに、厚生労働省の窓口、親御さんからも事例報告を上げられるような仕組みもあわせて検討されるべきと思いますが、いかがですか。これは一刻も早いアラームが次の行動を決めますので、御答弁をお願いします。

大塚副大臣 先生の問題意識はよくわかります。
 今、医療機関からしか報告を受ける体制になっておりませんので、今後どのようにするか、しっかり考えさせていただきたいと思います。

阿部委員 再開時にはぜひそうしていただきたい。今、慶応大学でそういうダイレクトで受けるというのをモデルケースでやっておられます。
 とにかく、予防接種は、健康なというか、そのときは元気な子に打って、結果は死亡。因果はわからなくても、そうなってしまった場合には、非常に混乱と不安と、そして親御さんはもう負い切れない不幸を負っていくわけです。
 次のページをおめくりください。
 ここには、今話題になっておりますプレベナーとかHib以外に、三種混合、今、組み合わせた相手の三種混合の方です、百日ぜき、破傷風、ジフテリア。もうずっと使われてきて、非常に安全性が高いと言われていますが、それでも、実は、毎年ぽつぽつと一例、平成六年から二十二年まで八例の死亡事案の報告がございます。ただし、ことしは、二十三年はもう既に三種混合と一緒にしたのは三例死亡事案になっておりますので、さらに非常に頻度は高いのです。
 この八例のうち、これは副反応かもしれないと報告されたものです、では、副作用の被害救済によって救済された数はどれくらいかというと、約半分でしかありません。四例。一対一にどれが救済されたということは、これは原局もおわかりじゃないということでしたが、他の救済機構でやっている数とこちらを並べますと、半分なんですね。
 今度のケースを考えますと、今、きのうも委員会がありましたけれども、確かに因果関係は肯定も否定もできないといった場合に、厚生労働省として積極的に救済に動くのか。因果関係というのは本当に難しいんです。確実に間違って接種したりすれば別ですけれども、疑わしきは救済するのか。それとも、この八例のうち四例しか救済されていないということは、これは国民が知ったら、予防接種をやって、救済制度はあるけれども実際は半分なんだと思ったときには、またすごく不安とそして混乱が広がります。本当に難しいと思いますが、ぜひ、疑わしい、否定できないというものは救済していくという、特に今回、五例は自治体も深く憂慮しておられますから、この点についていかがでしょう。

大塚副大臣 これは大切な点でありますので、基本的な今の考え方を御説明させていただきます。
 まずは、今回の接種もそうでありますが、ワクチン接種の緊急促進事業として行ったものについては、その実施主体である市町村に、もし万が一にも何か被害が出てきた場合に救済をし得るように、民間保険に加入していただくことを義務づけているということが一つ事実としてございます。原則としてはその中で対応していただくということでございます。
 しかし、万が一、医薬品が適正に使用されたにもかかわらず発生した副作用によって何らかの問題が起きた方々を救済する必要がある場合には、PMDA、医薬品医療機器総合機構による救済制度が整備をされております。

阿部委員 そういうのを官僚答弁というんですよ、申しわけないけれども。私が言ったことをよく聞いてください。グレーゾーンが多いんですよ。そして、医薬品副作用の方で救済されなかった場合に、自治体だけで救済なんかできないですよ、因果はないというふうになっているんですから。そんな冷たい行政をやっていたら、予防接種なんか進められないですよ。
 そして、今おっしゃった、救済額も違いますし、だけれども今度は絶対忘れていただきたくない、国が積極的に期限を区切ってやっていることなんですね。私が明確にしていただきたいのは、大半がグレーゾーンなんですよ、因果なんか特定できない、だけれども否定できないんですよ。そういうものへの基本的姿勢を、副大臣、それは政治の言葉で言ってください。

阿部委員 そんなことはだれも言っていません。ただ、接種後二日で明らかに死亡事案が多いんですから、その現実を踏まえないと、そういうことじゃ予防接種は再開できないですよ。
 次に、再開に際して、ぜひ留意点でお願いいたします。
 資料の最後には、プレベナーという肺炎球菌ワクチンの、この間イレッサで問題になりました添付書がつけてございます。このプレベナーの方はまだ日本で発売承認されて一年ほどのものでありますが、私は、今回の予防接種のやり方は、三種混合プラスプレベナープラスHibプラスBCGプラス、もうカクテル、ミックス、何でもありよ、さあとやったことが、ちょっと前のめり、つんのめりであったと思いますね。
 このプレベナーの添付書を読んでいただくと、例えば二枚目の右半分の中ほどに注の五というところがあります。これは実は、例数は少ないのですけれども、国内で治験をいたしますね。そうしたときの副作用でいろいろ挙がってくる、何か百とか二百の治験例なんですよ。でも、注意していただきたいのは、注の五、無呼吸を発症した症例では、ほとんどの場合、他のワクチンと併用接種されており、また、無呼吸、感染症、けいれん等の既往歴があり、早期産児、未熟児ですね、早く生まれた赤ちゃんであったとされていると。
 これは一言の注意書きなんですけれども、私たちがこれを医者として読むとどう思うかというと、ああ、やはり、とりあえず、もしやるとしても、障害のあるお子さんとかはすぐ一緒くたにほかのものとあわせてやるんじゃなくて、慎重に場数を踏んで急がば回れ、だって同時接種の利便性は、いいのは利便性だけなんです。それから、医者も何回も来て打ちたくないけれども、でも何カ所か打たなきゃいけないんだから。
 私は、たったこれだけの小さなノーティスだけれども、でも、やはりすごく重要なことを言っていると思うんです。再開時にぜひ検討していただきたい。やはり単独で一つずつ再開をまず考えていただきたい。乱暴だったと思います。例数が積み重なってないからですよ。
 それと、特に障害のあるお子さんについては、障害があるから肺炎になったり髄膜炎になったりしやすいから注意は必要なんです。でも、丁寧に接種するという気持ちが予防接種行政にないと、五例のうち、実は二例ないし三例が障害の原疾患をお持ちのお子さんなんですね、今回。
 そういうことをかんがみたときに、ぜひ本当に安全性第一、だけれども、子供を守る予防接種行政は進めるというその細いはざまを行くわけですから、副大臣、これからまだ何回か再開まで会議があるそうですが、ぜひ一つ一つ例数を重ねていただきたいが、どうでありましょう。

大塚副大臣 先生の御指摘をしっかり踏まえて、慎重に検討させていただきます。

阿部委員 済みません。ジョブカードも予告しましたが、時間が足りません。申しわけありませんでした。
 ありがとうございました。


第177回国会 国会活動コーナーに戻る   阿部知子のホームページに戻る