第177回国会 厚生労働委員会 第6号(平成23年3月29日(火曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
国民生活等の混乱を回避するための平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律の
一部を改正する法律案(城島光力君外六名提出、衆法第三号)
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〔前略〕
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
私も五分ですので、よろしくお願いいたします。
昨年、平成二十二年度の子ども手当法案が審議され、一年の、本当に時限の立法でしたが、誕生しましたときには、初めてこの政治の世界の中で子供自身が対象となる仕組みができたということで、私は大変うれしく思ったことを覚えております。しかしまた、平成二十三年度も単年度法で出されて、子供が一年で育つわけではないのにと不安な思いを抱いたら、今度は六カ月というつなぎで、どんどんどんどん子供の先行きがちょん切られていくという中での審議です。
しかしまた、政治の場は、同時に、あらゆる知恵を集めて、最も必要な子供支援をやる可能性も持っていると思います。私は、その観点から、先ほども取り上げられました児童養護施設についてお伺いをいたします。
平成二十二年度から二十三年度の政府案の改正の主な点は、二十二年度では除外されざるを得ず、安心こども基金にゆだねた形の児童養護施設の子供たちへの給付が直接子供たちになされるということでありました。果たして、この安心こども基金では、一体、現実にどのくらいの子供たちに給付が行ったのでしょうか。測定値というか予測値しかここには挙げられていません。四万人こうしたお子さんがいる中で、一万人がこども基金の見込み値ということでありました。見込み値と実測値、現実はどうであるのかというのを、細川厚生労働大臣に一つお伺いいたします。
また、残念なことに、つなぎ法案では、この点は相変わらず、先ほど柚木さんの御答弁に、安心こども基金でつなぐからとおっしゃいましたが、やはりつながれないんじゃないかと思います。私は、つなぐにしても、もう一つ、タイガーマスク法案と勝手に言っていますが、いろいろなタイガーマスクがランドセルを八百個以上子供たちに寄せたということは、国民の総意ですね。私は、一番困った子供を何とかしようと思う社会の気持ちをとうといと思いますから、今度のつなぎ法案で、たとえ六カ月であれ、六カ月だって一年の半分ですからね、ここが抜け落ちてしまうことに、提案者はどんなふうに考えておられるのか。大臣と提案者にお願いいたします。
○小宮山副大臣 私もおっしゃることにかなり同感をする部分がございますが、先ほど申し上げているように、今回はなるべく実務的につなぐということだったので、残念ながら、政府案に盛り込んだことが盛り込めていない。そういう意味では、実質的に同額が行くつなぎ、安心こども基金の対応をせざるを得なかったということで、その後各党で御論議いただくときには必ず児童養護施設の子供たちのことも盛り込んでいただけるように御審議をいただきたいと思います。
今おっしゃったタイガーマスクのことを契機に、今、厚生労働省の方でも、児童養護施設を改善するために、現場の方を集めて、もう四月からできるところはやるというような形で取り組みも進めておりますので、あわせて御理解をいただきたいと思います。
○柚木議員 阿部委員よりの御提案もしっかりと踏まえて、このつなぎ後のことまで含めた制度の設計というものを、先ほどの高橋委員からの御提案もありましたと思いますので、各党の皆さんのお考えも伺いながら、しっかりとした制度にしていきたいと思います。
○阿部委員 お二方とも、申しわけないが、質問の趣旨に真正面で答えていただきたいんですね。私は、つなぎの間も問題でしょうと申しています。なぜそこまで、つなぎであったって組み込んでいただくことはできなかったのかと。
だって、先ほどの古屋さんの御質問でも、今度、震災の中でもうたくさんの親御さんのない子が出ているんですよ。もう涙が出るような光景ですね。その子たちに何もできない国会ですか。四万人いるうち一万人しか安心こども基金に行かないんですよ。それも予測値です。私は、現実に聞いた限り、もっと少ないと思います。とても使い勝手が悪い。やはり政治は、一番困ったところに、それも親もない、頼るものもない子供に私たちが何をできるかだと私は思います。
限られた時間ですので、もう御答弁の時間がないと思います。そして、両法案とも、本来の二十三年度法案の中でということでしたが、ぜひつなぎの皆さんにはもう一度この点を考えていただきたいと思います。終わらせていただきます。
-----------------------<中略>----------------------------
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
私は、社会民主党・市民連合を代表して、国民生活等の混乱を回避するための平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案について、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。
賛成の理由は、平成二十二年度子ども手当支給法が失効し児童手当法が復活することにより発生する市町村事務の混乱を回避し、あわせて支給水準を維持するためには、とりあえず本法案の成立が必要と考えるからです。
本来なら恒久法としての子ども手当法の成立を期すべきですが、東日本大震災や福島第一原発事故がもたらした社会不安のただ中にあって、子ども手当の本格実施に向けた展望、その姿を示すことは困難な状況であり、給付の制度設計や保育等現物給付とのバランス、財源の確保などについて、国民の理解と合意形成に向けて十分な議論をする時間的ゆとりがありません。できるだけ早い時期に、連動する税制、社会保障制度における負担と給付の関係を整理し、国民に明らかにして、改めて判断を仰がなければならないと考えます。
OECDの調査によれば、日本は、先進諸国の中で唯一、再分配後の貧困率が再分配前より上昇している国であり、直近の子供の相対的貧困率は一四・二%、七人に一人の子供が貧困の状態にある中で、日本の子供に対する公的支出は他国に比べて非常に少ないのが現状です。また、一人親世帯の貧困率は五四%であり、加盟国中第一位です。さらに、近年、児童虐待などの痛ましい事案も急増しています。
孤立と貧困は、親からゆとりを、子供から笑顔を奪います。これらの課題は、社会全体の子供という観点に立って子供の育ちを支える社会基盤をつくっていく中で、抜本的な解決を図る必要があります。
まず、国がすべての子供の育ちに必要な基礎的な生活費用を補う子ども手当を全国一律に給付することは、特に所得の少ない若い子育て家庭に対して有益であると考えます。さらに、喫緊の課題である保育所待機児童の解消については、それぞれの自治体で地域の実情に合ったやり方で保育所を整備するというように、現金給付と現物給付は子ども・子育て支援において車の両輪であり、バランスを図りながら進めていくことが重要です。障害や御病気を抱えたお子さんや御家庭に対するきめ細やかなサポートも、あわせ必要となります。
そうした総合的な施策のためにも、まず、子供一人一人に台帳をつくり、その子供にかかわるあらゆる情報をここに記録した上で必要な支援を提供していく仕組みも、各自治体で早急に確立されるべきです。
以上、子供政策を政争とはせず、速やかに恒久法の制度設計に取り組むべきことを申し添え、私の討論を終わります。
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