第177回国会 厚生労働委員会 第7号(平成23年4月13日(水曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
厚生労働関係の基本施策に関する件
〔前略〕
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
三月十一日の被災以来、既に一カ月以上が経過しておりますが、被災された皆様の生活支援並びにさまざまな生活関連インフラの復旧は大変おくれている中でございます。
その中にあって、とりわけそうした被災者の皆さんの生活再建に最もかかわりの深いこの厚生労働委員会にきょうお時間をいただきまして、また、質問の順番も変えていただきまして、ありがとうございます。
私は、冒頭、まず細川大臣にお伺いしたいと思いますが、被災から二週間ほどたちましたときに、被災者生活支援特別対策本部というものができておると思います。この対策本部には、厚生労働省としてはどんな陣容で臨んでおられるのか、お伺いをいたします。被災者生活支援特別対策本部に対する厚生労働省からの陣容でございます。一点目、お願いします。
○大塚副大臣 御下問の本部は、事務局長として平野内閣府副大臣が所管をしながら対応しておりますが、各省庁からリエゾンとして職員が派遣をされております。今、手元に詳細な数字がなくて恐縮でございますが、何名かの担当職員が本部入りをして、厚生労働省との連絡調整に当たらせていただいております。
○阿部委員 私が予告外の質問を冒頭いたしまして申しわけございませんが、実は、昨日、各党の政策実務者合同会議というのが連日のように開かれておりまして、私も社民党のメンバーとして毎回出席しておりますが、その中で配られましたこの対策本部からの文書、被災者生活支援特別対策本部事務局の名による文書に、この間のいわゆるインフラ等の被害・復旧状況についてという一枚がございました。
瓦れきの処理に始まって、交通機関の整備、そしてライフラインのことが述べられておりました。食料、燃料、電気、ガス、水道、下水道、銀行、郵便、電話、テレビ。そして、その他の、河川、海岸、漁港、農地等の、どのくらい復旧したかという取りまとめでございます。
ところが、この取りまとめの中に、厚生労働省から発表されたものは水道だけでございました。もちろん、電気、水道、ガスもそうでしょう、大変重要な基本インフラでございますが、前段であべ俊子さんが御質疑なさいましたように、医療機関、病院はどうであるのかということがなぜこんなに見事にすっぽり抜け落ちておるのか、私はこの会議でいただいた資料を見て愕然としましたし、一体、この生活支援のための特別対策本部は、医療というものをどういうふうにみなしておられるのか大きく私は疑問に思いましたし、ぜひ細川大臣に頑張っていただきたいと思いました。
そして、では、一体どのくらいの医療機関が被災されて、そして逆に、どれくらいが残っていて、残っているものの中でも機能をどのくらい持っておるかなどは、これだけ被災生活が長期化してまいりますと、極めて重要な生活支援ファクターになってまいります。今、避難所では、どなたも御指摘のように、長期の慢性疾患、高血圧、心筋梗塞などで倒れる方もたくさん出ておられます。
ぜひ、厚生労働大臣にお願いですが、今どなたを陣容として送っておられるのか、そこに医療インフラがどんなふうに復旧してきて共有化されているのかについて、十分な人材の配置をこの特別対策本部にお願いしたいですが、お調べの上で結構ですが、冒頭一問、お願いいたします。
○大塚副大臣 実務的にまず私から御報告をさせていただきますが、今委員から御指摘のあった資料、確かにライフラインのところに厚労省は水道というものだけで、病院が入っておりません。これはなぜ病院が入っていないかということについては、確認の上、また御報告をさせていただきます。
ちなみに、きょう委員から御提出をいただいておりますこの配付資料には病院の被害状況が書いてありますが、これはタイトルのところに「道県からの報告」というものがございます。厚生労働省といたしましては、道県、宮城、岩手、福島の三県から正式に報告があったものについてはそのようなものとして認識をしておりますが、その三県は、今被害状況について各県庁で確認中ということであります。
その一方、厚生労働省といたしましても、どのような状況にあるかということは、厚生労働省として確認をしております。例えば、岩手県は全九十四病院中四病院、宮城県は全百四十七病院中九十八病院、福島県は百四十病院中三十五病院で何らかの被害を受けているという情報も入手しておりますので、当然、医療全般にわたっては厚生労働省が責任を持つ立場でありますので、しっかりサポートしていきたいと思っておりますし、現在もそうしておりますが、この御指摘のありました被災者生活支援対策本部においてもその情報が共有されるように、職員に対してしっかりと徹底をさせていただきたいと思います。
〔委員長退席、郡委員長代理着席〕
○阿部委員 確かに、きのういただきましたのは、これは「道県からの報告」となっております。私もこれではあんまりだと思いましたので、だって一カ月もたって、未提出、未提出、未提出と。都道府県も大変に厳しい状況にあり報告できない、そうした状況はわからないではありません。しかし、もう一カ月もたっております。
そして、先ほど大塚副大臣がお答えのように、厚生労働省調べでは幾つかの数を申されましたけれども、私は、それとても中身をきちんと点検されていない、大変アバウトな見方だと思います。
私は、きょう、実は岩手県から陳情を受けましたので、岩手県の方にも確認して、もう少し詳しい実態は既に県は持っておりました。ただ、厚生省からの尋ね方と県の調べ方が違ったり、微妙なところもあるかと思いますが、大切なことは、どのくらいのものが残り、どんな機能がそこで提供、サービスできるのかということを早期に把握していただかないと、二次被災、すなわち避難所におられても緊急なことで救えない命がどんどんふえてまいります。ぜひ、今の大塚副大臣の御答弁を実際の厚生労働省対応に生かしていただきたいと思います。
二点目、大谷医政局長にお残りいただいて申しわけございませんが、お尋ねがございます。さっき、私が途中で入ってまいりましたので聞き漏らしやもしれませんが、これもあべ俊子委員への御答弁の中で、余り大きく被災を受けた病院がないやの御発言であったのかなと思います。実は私は、先週末、仙台に行ってまいりまして、おのおの病棟の三分の一ほどを、実際は震災による壁の亀裂や段差が著しくてもう病棟としては使えない、一つの病院が三分の一を使えないというのは著しいことでございます。そうした状況を全く御存じないのかなと思って、私はちょっと大谷局長の御答弁に首をかしげました。
各病院の被災状況、特に地震による、外側だけですね、インフラの傷み方についてはどんな把握をしておられますでしょうか。
○大谷政府参考人 先ほどのあべ議員からの質問に対するお答えは、災害拠点病院についてのお尋ねでありまして、その災害拠点病院の中では、私どもが掌握しているうちでは、二カ所傷んだところがあった。ただ、それについても、基本的な医療機能は維持しながら、いわば倒壊とか流出がない形で医療機能を維持したということで申し上げましたが、二カ所傷んでいることは申し上げたとおりであります。
○阿部委員 傷んでいるどころじゃないんですね。局長もぜひ、私は、批判したいためじゃなくて、知っていただきたいんです。厚生労働省のその姿勢が、実は病院側の本当の復旧を妨げますから。
二枚目の紙は災害拠点病院です、今、医政局長がお答えの。この中で、例えば私が行ってまいりましたのは東北厚生年金病院です。東北厚生年金病院、この間、残念なことに、地域医療機能推進機構の法案が成立しませんで、今RFO、売り払い機関に投入されている病院でございますが、心臓の手術を初めとして、リハビリを行う、まさしく災害拠点病院でもございます。
一枚おめくりいただきたいと思います。この東北厚生年金病院の被災状況でございますが、入院患者が三百五十人おられましたが、震災の直後、いわゆる電気等の最も病院にとっては重要なインフラが途絶いたしました。あわせて、津波が押し寄せるために周辺住民が千人以上、この病院は拠点病院ですから、避難してこられました。そして、地震によって、A、B、C、三棟あるうちのC棟は亀裂がひどく、患者さんをシーツで運び出して全部外に移さざるを得なかった。
相次ぐ余震によって次々、私が行った前日も余震がひどく、仙台は震度七でした。また壁が落ちてきました。事務棟としても使えなくなりました。三棟あるうちの一棟というのは、例えば三百五十人の入院であれば百人以上の患者さんが受け入れられない災害拠点病院になってしまったわけです。
先ほどのあべ俊子さんの御質疑にもございましたが、災害拠点病院の耐震化率もまだまだ低うございます。それだけではなくて、とりわけ電気、これは呼吸器も透析器もございますから、これが途絶すれば、災害拠点病院どころか病院機能は全く果たせなくなります。
この東北厚生年金病院の被災の実情について、大谷医政局長は御存じであったでしょうか、お伺いいたします。
○大谷政府参考人 先ほどは二カ所ということで、概括で申し上げましたが、私ども事務方でも、C棟の状態であるとか、その間の電気の状態等々については、一定の把握はしておったところでございます。
○阿部委員 その一定の把握というのとか、完全に使えなくならなければ、全倒壊でなければ倒壊と言わないとか、そういう対処の仕方で病院という拠点を見ること自身が安易だと思います。
例えば、今は、東北厚生年金病院のホームページを見ても、被災状況等は既に述べられております。災害拠点病院に指定されていたにもかかわらず、災害直後から病院のライフラインが途絶し、災害直後の診療ができない状態に陥ったと。しかし、皆さん、御自分が被災されながら必死に復旧を頑張っておられます。
私は、医政局長の役割というのは、本当に医療行政が、その提供体制の病院がどのように運営されているか、ハードもソフトも、あるいは電源も含めてです、きちんと機能するようにしていただくことだと思っております。ぜひ、先ほどの、簡単に二カ所とおっしゃらないで、現地を見ていただきたいと思います。余震が続く中、次は三分の一倒壊するかもしれません。別に私はこれをオーバーに言っているのではないのです。見てくればそれだけの被災状況であるということがわかります。
そして、岡本政務官には、この耐震ということですね、災害拠点病院でも耐震にもたえられなければ、そばの変電所がやられたら電気も来ないというような状況について、ぜひ、いわゆる命のとりでですから、見直しを全般、全国していただきたいですが、いかがでしょう。
○岡本大臣政務官 御質問の前に、私の方で、けさ方時点で、既に厚生労働省においてこの大きな被災のあった三県を含む病院のいわゆる被災状況の把握について聞いておりまして、それにつきまして少しだけ補足をさせていただきますと、三月中に厚生労働省において被災地域の病院を中心に個別の聞き取りを行って、岩手県内の四病院、宮城県内の四病院、福島県の一病院に大きな被害があると、それぞれの被害を聞いてはおります。
また、先ほどの東北厚生年金病院の震災被害の概要についても、C棟の柱が大きく損壊をしていて、三百五十名の入院患者を一時期二十八人まで減少させて、その後、建築会社により補強すれば使えるというような状況だということを確認しつつ、もちろんこれから余震があるとどうなるかわからないというところはありますが、現在はC棟を除く二百八十床を使用しつつ、四月十二日時点で二百六十六名まで入院患者さんがふえているという状況も聞いておりまして、ちょっと補足してお答えをさせていただいた上で、もう一点、耐震化率の問題ですね。
こちらについても、「自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指すための総合プラン」、平成二十年四月二十三日の中央防災会議決定において、平成二十二年度までに災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化率を七一・五%とする目標を定めているところでありまして、これに向けての取り組み状況を調査しています。
ちなみに、二十二年の分につきましては、二十二年の秋に調査を開始しているということでまだ数字は出ていませんが、この目標を目指すべく努力をしていかなきゃならないと思っていますので、委員御指摘の点についてもしっかりと取り組みたいと思います。
○阿部委員 細かなことを申し上げるようですが、相次ぐ余震によってそのC棟も、さっき言った事務も避難しなきゃいけない状況が来ています。これから当面落ちつかないのですから、しっかり把握していただきたい。
そして、同じく仙台には社会保険病院がもう一つございます。お手元の資料に、仙台社会保険病院というところがございます。ここも同じように三棟のうち一棟は使えない状態になって、なっていながら、そこに一日五百人の透析患者さんを受け入れてくださいました。一日五百人です。もともと透析で基幹病院ではありますが、各地がみんな被災して透析ができないから、この社会保険病院はみずから被災しながら五百人の透析を夜も寝ずにやってこられたわけです。
そうした現状についても、ここも行っていただくと、壁のぐあいから何から、本当に次来たらどうしようと怖くなります。そこで患者さんを連れ出して自分たちも逃げられるだろうか。そういう状況にあるということを今回私どもが学ばなければ、不幸は本当に再燃すると私は思います。ぜひ、この社会保険病院についても、きちんと情報、あるいは現地視察をしていただきたいです。ぜひこれは、岡本政務官にもお願い申し上げます。
私が取り上げましたこれら二つの病院。例えば社会保険病院は、先ほど言った、被災しながら各地の避難所に検診車を回してレントゲンを避難所で撮れるようなサポートまでしています。みんな、みずから被災し、しかし、なけなしの努力をしておられます。これら二つの病院は、いわゆる社会保険あるいは厚生年金関係病院として、逆に売り払いのRFOの中に入っておる。医療を本当の公共財と考えるかどうかが問われたのがこの震災だと思います。
最後に、細川大臣に、これはぜひ大臣にお願いいたします。私は、今回のことでこれだけの役割を果たしていただいたこれらの病院、やはり公共のものとして、公的病院として存続させる方向をぜひ大臣のお気持ちの中にも持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〔郡委員長代理退席、委員長着席〕
○細川国務大臣 阿部委員が今お話をされてまいりました、社会保険病院あるいは厚生年金病院が、今回の震災の中で本当に大きな、重要な役割を果たしてこられ、そして職員の皆さん方も頑張ってこられたということについては、私も本当に病院の意義というものを痛感もさせていただきました。
ただ、これらの病院につきましては、一方では、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構というところが保有をいたしておりまして、それらの設立の目的に沿ってこれは譲渡をするというようなことにもなっているわけでございます。
しかし、やはり、これらのことを進めていくに当たっても、今、阿部委員が話されたように、今回の震災などでも、いかにこういう病院が地域のお役に立っているか、あるいはまた、地域の人たちが必要としているか、こういうこともよく、さらに再認識もさせていただいたということでございまして、そういう意味では、これらの病院の受け皿をどうしていくかということについては、きょうお話のありましたようなことも含めて法案づくりにいろいろ生かさせていただけたらというふうに思っているところでございます。
○阿部委員 ぜひ、そうお願いしたいと思います。公立病院等々は、被災された後も、いわゆる阪神・淡路の大震災では三分の二の補助がおりて、建てかえがかないます。今、このまま、厚生年金病院等々は、何のいわば受け皿もないままになってしまいます。
ぜひ、今回の被災のためのさまざまな立法の中でも、強く細川大臣からいろいろな補助について推していただけますようお願い申し上げて、終わらせていただきます。
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