第177回国会 厚生労働委員会 第8号(平成23年4月15日(金曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
厚生労働関係の基本施策に関する件
〔前略〕
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
私にいただきましたお時間、十分でございますので、本日議題の法案については、いろいろな点でさらに充実をするということの必要性を含んだ上で賛成といたしたいと思います。
そして私は、本日は、議題といたしましては、まだ、第二次大戦によってお亡くなりになった、あるいは行方不明になられて、御帰国、御帰還のかなわない御遺骨あるいは行方不明者のことについてお伺いをいたします。
ちょうどこの問題は、震災が、敗戦、第二次大戦にも匹敵するような悲惨な状況であると言われていることと私にとっては重なってまいります。 まず冒頭、菅政権にあっては、平成二十二年の八月でございましたか、硫黄島における遺骨収集の特命チームをおつくりになりました。そして、その中で、硫黄島ではまだ、お亡くなりになった二万一千九百人の方のうち一万三千人以上の方が御帰還ではないということで、鋭意御帰還を進められたことと思います。
現在は、ちょうど東北の大震災にあって、自衛隊の皆さんが東北地方に行かれているということで、万全な体制というわけにもいかないようでございますが、ここまでのところ、どのくらいの実績があり、そして今後、震災もございますが、このスピードがとどまることのないようにやっていただきたいですが、いかがでしょうか。
○森岡政府参考人 お答え申し上げます。
硫黄島におきます遺骨帰還につきましては、先生御指摘のとおり、総理の指示のもと、硫黄島からの遺骨帰還のための特命チームが設置されまして、米国の資料調査の結果を踏まえ、渡島手段を含めた自衛隊の協力のもと、御遺族、ボランティアの参加を得て、政府一体で取り組んでいるところでございます。昨年におきましては、八百二十二柱という近年例にない御遺骨の収容ができたところでございます。
一方、今般の東日本大震災を受けまして、自衛隊の災害派遣に伴いまして、渡島手段の確保等が困難になっているということでございます。今年度の事業の進め方につきましては、防衛省の方と今協議を進めているところでございます。
いずれにいたしましても、今後とも、政府一体となって硫黄島からの遺骨帰還に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○阿部委員 今回の特命チームは内閣官房に置かれて、阿久津補佐官が担当になって、外務省、防衛省、厚労省、総力を挙げて取り組んだという、ある意味で戦後初めての私は腰を入れた対応である、もちろん、これまでもやってこられたけれども、やはりもう年月がたって、なかなか判明しない御遺骨の帰還を願うためには、これくらい力を入れて取り組まねばならないと思いますので、ぜひ、震災の問題もございますが、これが、先ほど申しましたスピードが鈍ることのないようにお願いをしたいと思います。
そして、今回これだけ、八百名以上の方が御帰還になられたことの背景には、アメリカ側の資料を十分活用されて、どこにどのような形で戦闘があり、また埋葬地があるかなどの情報を得られたとも伺っております。
米国資料調査経費というものの予算計上も、二〇一一年度では八億一千九十万円と、昨年度に比べて六千八百万円も増加させたということでありますが、今後、やはり海外資料をさらに有効に活用する、特に、海兵隊等の資料館にも資料があると思いますが、その点の活用も含めて、今、公文書館から資料をいただいているのだと思いますが、海兵隊の資料館等々にも調査が及べば、また新たな情報、特に太平洋地域、みんな海兵隊との戦闘がありましたので、新たな情報を得られるやと思いますが、いかがでしょう。
○森岡政府参考人 お答え申し上げます。 硫黄島につきましては、菅内閣総理大臣の指示のもと、昨年夏以降、特命チーム及び岡本政務官を初めとしました厚生労働省職員におきましても、米国国立公文書館等に保管されています米国部隊の行動記録等の資料を米国国防総省の協力を得て調査した結果、集団埋葬地に関する有力な情報を得ることができ、昨年度は八百二十二柱と近年例のない多くの御遺骨の収容を達成したところでございます。
今年度におきましては約八千万円の予算を計上しているところでございますが、今後とも、米国の保有する部隊行動記録等につきまして、米国国防総省の協力も得ながら、より一層調査を行いまして、遺骨帰還の推進に活用してまいりたい、このように考えているところでございます。
○阿部委員 私、今、質問の中で数値を間違えまして、今おっしゃったように八千万で、前年度比六千八百万増であります。
今、私の伺いましたのは、国防総省等々にもお声をかけていただくということでいいと思いますし、特に、海兵隊の資料館というものもございますので、その情報もぜひ得ていただきたいと思います。
今回の教訓は、アメリカ、主な戦闘相手がアメリカであった場合、向こう側に情報が残されているというケースが多くて、これからいろいろなところで私はこれは活用できると思いますし、お一人でも早く、いわば行方不明者であります、そして、それが長い年月、六十五年もたてば、生きてお帰りになることがない、御遺骨になり帰還されるという状況ですので、ぜひ御尽力をいただきたいという意味です。
○岡本大臣政務官 先ほど審議官の方から御答弁させていただきましたけれども、昨年の十二月、既に、アメリカの海兵隊資料館に私行ってまいりまして、太平洋地域における戦闘の海兵隊側の資料について調査をし、情報を得てきておりまして、太平洋地域、他の島々における旧日本兵の皆さんの御遺骨の収容にそういった情報を活用していきたいというふうに考えております。
○阿部委員 ありがとうございます。
今のように具体的にお答えいただければ今後の進展が望まれますので、ぜひ岡本政務官にもよろしくお取り組みをいただきたい。
そして、最後にDNA鑑定のことをお話ししたいと思いますが、このDNA鑑定については、皆様のお手元に資料を配らせていただきましたが、多い年で四百件余りが鑑定され、判明する、しないもございますが、これは、拾われた御遺骨に対して、御遺族の側が自分の資料を持っていかれてマッチングをするという形でございます。
一枚めくっていただきますと、大体、例えば御遺骨が七千二百八十件あって、御遺族の側が二千八百七十二。なかなか、六十五年もたつと、情報が得られて、御遺族が名乗りを上げてくれないのでおくれておりますが、ぜひこのDNA鑑定という手法は今後も充実させていただきたいと思います。
あわせて、さきの東北地方の大震災、津波においても、まだ行方不明者が一万人以上おられます。今後、時間との経緯もございますが、DNA鑑定というのは、今の東北地方の震災においても、例えば、どなたか判明せず、しかし御遺族、御家族は必死に求められておりますから、充実させていくべき分野と思います。
細川大臣、この件について、さらに今九機関がDNA鑑定を大学でやっております。予算を充実させるなりなんなり、そして人を育てないとこの部分はスピードアップされませんが、ぜひ、今回不幸な出来事ですが、本当に愛する者をその胸元に帰してあげるためにお取り組みを、ここを強化していただきたいですが、いかがでしょう。
○細川国務大臣 DNA鑑定につきましては、私はこれから強化していくべきだというふうに考えております。
今回の震災の件でも、多数の方が亡くなられました。したがって、この人たちの身元を判明するための資料を、死体検案をするときに資料をきちっと残しておくということで、DNA鑑定ができるような資料もそれぞれの御遺体のお一人お一人について残している、そういうこともきちっとやっております。
そういうことも含めまして、今委員が言われました戦没者の御遺骨のDNA鑑定の件、それから、さらに私は死因究明ということでもいろいろとそういうことが大事だというふうに思いますので、これから先、DNA鑑定についてのしっかりした体制をつくってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○阿部委員 ぜひその覚悟でお取り組みいただきたいと思います。
終わります。
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