予算委員会 第11号(平成23年2月15日(火曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
平成二十三年度一般会計予算
平成二十三年度特別会計予算
平成二十三年度政府関係機関予算
派遣委員からの報告聴取
〔前略〕
○中川座長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
きょうは、理事の皆様の御尽力、そして四名の皆様の貴重な御意見を承ることができて、本当に福井県に来てよかったなと思います。実は、恥ずかしながら私は、日本四十七都道府県あるうち唯一来たことがないのが福井県でありまして、さっきの、ああそうか、東京から県都までの距離の遠さと言われたことをずきんとして拝聴いたしました。
今、テレビではちょうど、お市の方と柴田城主、福井県のお城の城主のお話なども出てくるので、これからもっと観光の皆さんも来てくださるといいなと思いながら、そしてまた、雪にもめげず、皆さんがこの福井を本当に愛してもっと発展させようと思っておられる熱意を、私もきょうのこの公聴会で聞かせていただきました。
これまでの皆さんがお取り上げでなかった部分で私はちょっと聞かせていただきたいのですが、この間、特にきょうは医療の分野で齊藤先生もおいでですが、地方自治体にとって社会保障費のもろもろの負担増が、例えば生活保護に対する扶助費などもありますが、やはり医療保険の国民健康保険の負担増というものが、国民の生活の実感からも、また首長である皆さんにとっても極めて重いものではないかなと私も考え、せんだっても予算委員会で質疑の中で取り上げさせていただきました。
まず、奈良市長にお伺いいたしますが、いろいろな製造業の発展も含めて、あるいは阪神への活路を求めてと、いろいろなお取り組みをしておられますが、その一方で、日々の市民の健康を守る国民健康保険、ここについては今どのような問題を一番抱えておられるか、これについてお伺いいたします。
○奈良俊幸君 実は、昨年の五月まで、私は福井県の国民健康保険団体連合会の理事長を務めていました。杉本町長が副理事長ということで、コンビで担当していたわけでございます。
国保財政は、今、市町村財政の中でも大変重荷といいましょうか、厳しい状況に置かれておりまして、ましてリーマン・ショック以降、非常に厳しい環境に置かれた方の加入がまたふえていくんですね。ですから、加入者はふえるけれども、当然、納付率といいましょうか、下がる一方で、これをどう継続的に安定的に維持できるかというのは実に大きな課題でございます。
今、国の方では、都道府県を保険者にというような話も出てございまして、私どもは率直に、都道府県単位で再編していただかないことには、今後立ち行かなくなる市や町や村がどんどん出てくるというふうに大変危機感を募らせているというのが現状認識であります。
○阿部委員 今御指摘のように、いろいろな繰り出し金も含めて社会保障分野が多く、生活保護が一つ、あとは国民健康保険の分野が多いと思います。日本全体で見ても、三千六百億余りをいわゆる法定外で市町村が一般会計からお出しになっているということで、この額の大きさも本当に御負担なことと思います。
そこで、杉本町長にお伺いいたしますが、都道府県単位というのは、原則的にはこれから保険者機能をもう少し大きくして安定させるという意味では前向きにとらえられる部分もあると私も思うのですが、その一方で、例えば池田町などでは、恐らくさまざまな工夫によって町の医療費の抑制のために御尽力されている。きょういただきました資料からもそれをうかがい知ることができるわけです。
そうすると、非常に努力する市町村と、そうではなくて、放漫でとは申しませんけれども、医療費のある種の無駄遣いになってしまうようなところとの不公平感がそこで生じてきはしまいか、あるいは、小さな自治体にとっては、標準化することで保険料が上がったりする負担はどうかということですが、会長と副会長であられたという点で、そうした自治体間格差が、あるいは努力がどのように反映される方策が例えば県単位にした場合あるのか。
私は、それは保険者機能というのを市町村が持っている、特に小さな町や村は一生懸命いろいろな活動をして、元気にお年寄りに過ごしてほしいという思いが伝わった中でやっておられるんだと思いますね。そこの部分はどうなるのかということについて、もしお考えがあればお願いいたします。
○杉本博文君 我が町、三千人ほどしかおりませんけれども、国保も、ここも診療所も持っております、いずれも黒字で経営ができておりますし、基金も積めております。
ただ、先ほどの御質問の中にあったように、小さい人口で回しておりますから、例えば心臓病だとか糖尿の病気だとか、治療費がかかる患者さんが出た途端に会計というのは大変厳しくなってきます。ですから、国も今推進をされていらっしゃいますけれども、健康診断、こういったものをきちんとやっていって、早期発見して早期に治療させるという心構えでやらないと、あれよあれよといってしまうことがありますので、そういう健診活動を充実させる。そのおかげで交付金みたいなお金がいただけるのでなお一層よく回る、こういうふうに今なっておりまして、大変目が離せない、緊張感のある事業内容となっております。
そして、今ほどのお尋ねは、国保の広域化についてということだと思います。
今申しましたように、我々はこうやって努力をいたしておりまして、基金もある程度できましたものですから、保険料率、保険料を下げろという国保運営委員さんなどの御指導もありまして、それなら、順調に移行しているようだから少し下げてみよう、こういうことにいたしました。余り例を出しては失礼ですが、国保の料金、年当たり、福井市の料金から二万七千円ぐらい池田町の方が安うございます。
それを今、国保の財政的なもので広域化しようと言っておりますけれども、全国の自治体の中で七割が赤字というか厳しい経営をされていらっしゃって、三割はまずまずよき経営をされている、こういうふうに聞いております。私どもは三割の方に入っているんだと思いますけれども、これを一律一本化されることで、今先生のおっしゃるように、保険料率はどうなるのか。
何か段階をつくってとか言っておりますけれども、我々の保険料を納めるというのは、医療に携わる機会が均等にあるのか、そういったこともよく勘案していただかなければ、こういう都市に住んでいる方は、はしご受診もできれば、いろいろな受診機会が高いわけでございます。それを受診機会のないところのものと標準化するということになれば、我々のところは、機会が均等に与えられないのに保険料だけが上がるというようなことになりかねない状況でございますので、私としては、国保の財政は大変厳しゅうございますけれども、一まとめに広域化という足取りというのはいかがなものかな、少し注意をしていただきたいなと思っております。
○阿部委員 私も、今御指摘の点は全くそのとおりだと思います。
恐らく大変な運営の中でも国保診療所を維持してこられて、そのことが健康を増進して医療費を下げていると。各地でそういう取り組みが真剣にできるのであれば、それはイコールフッティングでもいいと思いますけれども、医療提供体制が余りに瓦解して、何も受けられない中で保険料だけが高くなるというようなことは絶対にあってはならないし、今、国の方では、社会保障制度の一体改革ということをやっておられますが、なかなか私は、今町長がおっしゃってくださったような具体的、リアルな像がない中で論議だけが進められているということは大変懸念をしておりますので、きょうのお話は、また私も伺ったことを生かしてやっていきたいと思います。
齊藤さんにお願いをいたします。
同じような論点ですが、先ほど、子供たちの医療費を、窓口をゼロに。私は小児科医ですし、これは大変に大事なこと。特に、一方で国民健康保険においても、保険証を持たない子供たちが中学生以下で三万人強、そして高校生でも一万人あったと。子供は自分で働いていませんから保険料を納めていないわけですが、御家庭が納められないゆえに子供にとばっちりが行くということなどを考えると、今、子供の貧困ということも大きな問題ですので、この窓口負担ゼロというのは、一つの考え得る大事な政策と思って私は伺いました。
また、資料でいただきましたいろいろを見ますと、例えば医療費の財源構成の変化というのを齊藤先生がお出しいただいていますが、ここで見ても、お二方の市長、町長がおっしゃったように、地方分の負担が大変強くなっております。患者さんの窓口負担も高くなっているし、地方の負担も高いという中で、さて、本来、この医療という日本の宝、国民皆保険を守っていくために国として何をすべきか、このことをお願いいたします。
○齊藤愛夫君 まず最初に、国民の安心、安全を守るんだというそこの信念と申しますか、国の施策方針、これが揺るぎないものであることがまずは必要だろうと思います。
我々、医療の中でも歯科医師会は、国民の生きる力を支える生活の医療というぐあいに銘打ちまして、現在歯科医療施策をやっているところなんですね。こういう中で、従来の医療のやり方と違った、先ほど杉本町長もおっしゃっておりましたが、早期発見、早期治療というのは、従来から言われている、これは当たり前のことでございますが、最近のEBMを中心とした医療の中でよくわかってきましたのは、先日のNHKでも、「ためしてガッテン」という番組があるんですね。それは先生方はお忙しいでしょうからごらんになったことはないと思いますが、食べ物をよくかんで栄養とする、食べるということが、単に我々の歯だけ丈夫にするとか、そういうことでなしに、もちろん栄養としても十分行き渡るんですが、あのときもございましたが、これから高齢社会の中で非常にお金のかかる後期高齢者の方を中心としたいわゆる老人病と申しますか、アルツハイマーの問題もございます、そういうようなものが、データ的に見ていきますと、八〇二〇運動を推進していきますと、三分の一以上そういう医療費が下がるというデータが出ておるわけです。我々もいろいろな場で、こういうEBMに基づいた医療ということをお願い申し上げているところでございます。
また、今、市町村国保の話が出ましたが、国保組合でも同じようなことなんですね。国の補助金を削減していく。むちゃくちゃしていた国保組合がございましたから、当然それは国会で論議になるのもしようがないんですが、何で国保組合がいいかといいますと、先ほど先生もおっしゃられました保険者機能、これを非常にとりやすい。
それで、患者さんも、ただ湯水のごとくいつでも使われるかというその辺の意識を、自分たちで納めた保険料なんだから無駄遣いをやめようというようなことをわからしめるのがやはり保険者機能だと思いますので、そういうような点をきっちりと施策をとっていかれますと、やはり限られた財源でございますので、有効にみんなが使って長寿世界を享受していく、こういった国にしていければ一番いいなと常々思っているところです。
○阿部委員 健康で長寿を達成するためにも、今歯科の先生方がやってくださっている八十歳で二十本という取り組みは、私も大変重要だと思いますし、日本の国がもし世界に誇るモデルをつくれるとすれば、この日本という国は、思いやりがあって、そして本当に穏やかに健康をみずからの中ではぐくんでいける国だというふうに思いますので、先生にはきょう、政権交代後の民主党政権の皆さんへの御批判も強うございましたが、受けとめまして、私ども今野党ですから受けとめなくてもいいんですけれども、でも、歯科医療に対しての配分もまだまだこれからですが、ぜひ健康政策の中に取り入れたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
最後に、山本さんにお伺いいたしますが、先ほどお話の中で、御高齢者のお宅をお訪ねして、その方の、ある種健康ですね、お訪ねしてお声をかけるだけでも、非常に孤立しがちな御高齢者の皆さんに対して、これまで郵便局の職員の皆さんのなさってきたことは、ある種の縁を結ぶような重要なお仕事であったと私も思っております。
いただきましたレジュメの中に、これからの見直しの中で、「一体的に運営できるシステムへの再編」というところで、「「民営化」を推進しながら、「利便性と効率性」を回復するのが目的。」となっておりましたが、プラス私は、これからの新たな公共性というものもこの郵便事業にはあるのではないか。本当に、人が声をかける、その一つが随分に違いますから、そこについても御意見をお願いいたします。
○山本照彦君 今ほど先生がおっしゃったとおりでございます。
現在はこういったことは全くできておりませんけれども、今後の方向といたしましては、特に山間僻地に住んでおられる方々に対して、郵便局ネットワークをうまく使って、住みよい地域にできるようにやっていける余地は十分あるかと思いますので、今後の見直し、検討の際には、そういった要素も取り入れていただいたらありがたい、こんなふうに思っております。
○阿部委員 私ども社民党でも、三党連立の当初から、郵政民営化の見直し、今の時代に本当に必要な機能をもう一度考え直そうということでやってまいりましたし、これからもやっていきますので、また御指導をお願いしたいと思います。
最後に数分残りましたので、先ほど齊藤先生がTPPに一言とおっしゃっていたので、このお時間を御利用いただきまして、どうか陳述をよろしくお願いいたします。
○齊藤愛夫君 TPPに関しましては、広くまだ情報が到達していないので、最終的なことは申し上げられませんが、私の今知り得ている中で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、医療保険というのは、日本の現在の国民皆保険制度、これは非常に、世界に冠たるものだと思います。
TPPをやりますと、一番恐れられますのが、いわゆる私的保険、民間保険でございますね。これが入ってきますと、恐らく採算性の悪い部門についての医療は保険の支払いをしないというようなことに民間保険は必ずなりますから、そうしますと、我々が今まで三十年、四十年と堅持をしてまいりました国民皆保険制度、これが崩れていく可能性が非常にある。国の方にしましても、ある一定の部分は民間で、あんたらやればいいじゃないか、基礎の部分だけしか国は税金を払わないよというようなことになりかねない状況だろうと今思います。
現に、今、医療ツーリズムという言葉すら出てまいりました。これは、全く日本の国の人ではありませんが、お金のある人はどうぞ日本へ来なさいよ、今、世界に冠たる日本の進んだ医療を、あなた方、お金を出して受けなさいというそもそもですから、これが日本国民の中でも同じ制度でいきますと、格差がはっきり出る。そういう可能性があるということと、あとはクロスライセンスの問題です。ここのところをやはりきっちりと詰めておきませんと、TPP、いいなということは言えない、そういう気持ちでございます。
○阿部委員 貴重な御意見を四名の方からいただきました。これからの審議に生かさせていただきます。
ありがとうございました。
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