予算委員会 第14号(平成23年2月18日(金曜日)) 抜粋

案件:

 平成二十三年度一般会計予算

 平成二十三年度特別会計予算

 平成二十三年度政府関係機関予算

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〔前略〕

中井委員長 これにて富田君の質疑は終了いたしました。
 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 まず、きょうの四人の参考人の皆さんの貴重な御意見、ありがとうございます。順次お一方ずつ、お伺いさせていただきたいと思います。
 まず、倉田池田市長にお伺いいたします。
 平成の二十二年並びに二十三年度の子ども手当をめぐって、国と地方のさまざまな協議の現状もお教えいただきました。そして、本来は国庫負担であるべき部分に相変わらず地方の負担が残っているというのも、これも私も同様に問題であると思います。
 たしか去年の協議の場では、子ども手当のこれ以降の増額は現物給付ということに重きを置いて行っていくというお約束もあったかと思うんです。これも、実は今回の給付では、現物給付の拡充のための五百億というのは取り分けられておりますが、子ども手当全体三兆の膨大な中のほんのちょっとということで、私ども社民党では、むしろここの五百億を、現金給付の上乗せをするのではなくて、せめて去年の約束のように地方の現物給付に使えるお金にしてはどうか。
 実は、五百億のうち、新たなサービスができる額は八十億にしかすぎませんで、いろいろこれまでやっていたものをそこに入れ込んで五百億としているだけで、非常に見ばえは、五百億あるよというけれども中身は八十億という、膨らまし粉のような現物給付になっておるわけです。
 私どもの考えとして、ここを大幅にふやすことによって、例えば、今子供の貧困問題が大変問題になっておりますし、自治体で独自に給食費の支援に充てたり、もろもろの対策ができることと私どもは考えるわけです。保育園関連の充実もまたいいと思います。
 この点に関して、去年の約束どおり、さらにもし続けるのであれば、現物給付の充実に力点を置くべしというふうに私どもは考えますが、倉田市長はどうでしょうか。

倉田参考人 おっしゃるとおりでございまして、この制度を継続される場合は、やはり現金と現物ということを明確に分けながら財源の手当てをしていただくことが必要だと思っております。
 ただ、民主党さんの基本的な考え方で私も間違っていないと思っているのは、すべての子供たちを社会全体で支えるという、新しい子ども・子育ての新システムを構築されようとしているところについては理解をしております。
 そして、その作業に加わらせていただいておりますが、これは平成二十五年をスタートとして、実はこの段階で子ども・子育て新システムの法案が提案をされているはずでありました。民主党の皆さん方は会議が好きなもので、約十回、十回以上ですね、会議が行われておりますが、まとまらないんですよ。
 非常にまじめに意見を聞いていただくのはありがたいんですが、これはさっきの国と地方の協議の場と逆ですね、意見を聞き過ぎてしまうとなかなかまとまらない、この辺に問題が恐らく内在しているのではないかなと。早く子ども・子育ての新システムができますと、まさにその場面で現金と現物の方向性というのが示されてくるのではないかな、このように思っております。

阿部委員 私どもも、子ども手当を当初スタートさせた当時、与党におりましたし、きょうの井手先生のお話のように、所得制限なく子供の育ちを支援するものとして賛成もし、やってまいったわけであります。でも、問題は大きく残されていて、そこをどう改善するかという今の倉田市長のお話にも賛同いたします。
 その上で、しかし、子ども・子育て新システムの中の極めてグレーな部分は、実は、市町村が現金給付と現物給付を決められる、あるパイの中で、こっちの現金給付、こっちの現物給付を市町村が決められるとしてしまいますと、国が国庫負担でこれだけの給付をやるんですよと約束していたことも霧散しかねない。
 逆に、会議は踊る、されど結論は出ずということで、私は、子ども・子育て新システムをまずやるのであれば、少なくとも国は子供たちに一律に給付する額の責任を明確にした上で次に進まないと、こんなことを首長に投げられたらたまったものではないと思います。各御家庭の事情があって、うちは現金がいい、いや、うちは現物がいいとなって、中間で引き裂かれるのが首長というのは、余りにも私は混乱の要因だと思います。
 倉田市長として、やはり国による現金給付のきちんとした額の設定は必要であるとお考えでしょうか。(発言する者あり)私は、今こっちでそれが地域主権と言ったが、違うと思います。いろいろなことを、国のやるべき責任を明確にしないで地域にぶん投げたら、混乱のもとであると思います。御意見を伺います。

倉田参考人 お答え申し上げます。
 あくまで、現金給付は国、そして現物、サービス給付は地方がやるというのが基本原則で、新システムの会議の中でもそのような方向で進められていると思っておりますし、私はこの会議で地方が拒否権を発動させていただこうと思っております。地方の声を十分にお聞き願えないのなら、新しいシステムができても地方は協力できない、それぐらいの覚悟で臨ませていただいております。

阿部委員 明確な御意見をありがとうございます。
 次に、露木開成町長に伺います。
 開成町は、アジサイなどの観光でも露木さんが町長になられてから大変に頑張っておられて、先ほど来のお話でも、自治体がアイデアを持って臨めばいろいろなものが打開されると力強く伺いました。
 そこで、お伺いしたい点ですが、システム改修等々が大変に自治体に負担を及ぼしているということのお話もございました。先ほど私が倉田市長にもお尋ね申し上げましたが、社民党としては、実は、子ども手当の今年度の支給は、三歳前を上乗せするのではなくて、一万三千円で固定するというふうに考えております。伺いますと、もう自治体が三歳前二万円ということを準備しているから大変混乱が多いと。でも、十八歳まで見れば、新政権が発足したときに、子供に対してこれまで薄かったいろいろな給付を高校の無償化も含めて充実させて、トータルで見れば私は今までよりも子供に対する施策は前に進んだと思っておりますので、この二万円に上げないで一万三千円というところのシステムは大きに負担なものであるかどうか、私が現場がわかりませんので、露木町長にお伺いいたします。

露木参考人 まず最初に、私の町がアジサイの町だということを言っていただきまして、ありがとうございます。今、あじさい祭の前に、古民家でひな祭りをやっておりますので、どうぞおいでいただければと思います。
 今のお話なんですけれども、私、コンピューターメーカーじゃないので、具体的なことはわかりませんけれども、それほど金額はかからないと見ています、抜本的に見直すわけではないんですから。それでも数百万のオーダーはかかると思いますが。
 今、阿部先生の御提言のような趣旨を、私は冒頭の問題提起でさせていただいたんですよね。要するに、支給金額を下げて、すべて全額国庫負担にして、地方に財源を一回与えてみてくださいよと。それで、どういう施策を打つかというのをやはり信用して見ていただきたいということがありますので、二万円ではなくて一万三千円というのも有力な一案だというふうに思っています。

阿部委員 ありがとうございます。
 次に、井手参考人にお伺いいたします。
 地方消費税の重要性を御指摘いただきまして、実は社民党は、かつての社会党の自社さ政権時代に、三から五%の消費税の引き上げのときに、批判も多かったことでもありましたが、しかし、地方消費税を一%というところを、五のうち一を当初に確定した、いわゆる地方財源としての確立をしたという意味で、私は改革というのは前向きであったと思うわけです。
 それで、これから、各自治体間のさまざまなばらつきがある中で、先生のおっしゃるように、地方交付税に重きを置いたとしても、自治体間のばらつきを平準化していくための地方交付税交付金の役割というのは、私は今の日本の国土を見ていると依然として重要であると思いますが、そこについての先生の御意見をお願いいたします。

井手参考人 御指摘のとおりでありまして、私も交付税の役割は極めて重要だと考えております。
 ただ、一点だけ申し上げたいと思いますのは、地方消費税というのは、先ほど来申し上げておりますように、税収のばらつきが大変少のうございます。基本的には、税収をかさ上げするというイメージではないかと思います。これに対して交付税が加わり、既存の住民税、市町村であれば固定資産税が加わってくる。最後に、より豊かなサービスを出したいと思う自治体は住民税をさらにマージナルにいじっていけばいいわけでありますから、交付税と地方消費税による底上げというのがセットになるということが重要ではないかと私は思っております。

阿部委員 大変明確な御答弁をありがとうございます。
 最後に、野田市長に伺います。
 きょうは、保育所の運営交付金のことをお取り上げいただいて、大変心強く思いました。
 と申しますのは、私は小児科医なんですけれども、子供の施設をつくるところにかかるお金じゃなくて、運営していくためにかかるお金の方が、例えば一つの園で三千万円とおっしゃいましたが、大変に地方にとっては負担が大きいと思います。
 子供は、三つ子の魂百までとも申しますけれども、本当に手間暇かけて温かく育てられれば、この国の未来を担える子たちになると思いますが、この運営に関する、交付税交付金の中で一般財源化されましたけれども、これからの国の役割についてはどのようにお考えでしょうか。

根本参考人 私、先ほど子ども手当の施策のイメージ図の話でさせていただきましたが、実は一つには、先ほども申し上げたんですけれども、私自身は児童手当の拡充というのは絶対必要だと思っておるんです。なぜかといいますと、今の所得制限の話の中で言ったら、非常に高い金額の中で決まってきておるわけですけれども、金額的には一万円とかそういう数字になるわけです。
 今実際に働いている人の現場の中でいきますと、私どもは公契約条例というのをつくりましたけれども、その中でも時間八百三十円という単価を設定しています。時間八百三十円というのは、年収にすると二百万円以下になってしまうわけです。そういう人たちに対しては、もっとここの点は充実しなくちゃいかぬということで私は申し上げました。
 ですから、子ども手当のところを児童手当の拡充に持ってきてもらいたいということを申し上げながら、さらに私たちといたしましては子育て支援のために、先ほど、済みません、私はもしかしたら間違えて言っているかもしれません。平均的に言いますと、一園当たり年間三千五百万かかります。六十人規模です。ですから、そこのところにこの経費を当て込んでいく、この子ども手当分を当て込んでいただければ、私は十分そこら辺ができていくんじゃないかと。
 私、先ほどの質問に対して明確に申し上げませんでしたけれども、そういうところの修正がしっかりなされてくるということが必要なんじゃないかな、私はそんなふうに思っておるところでございまして、我々としては、何としても、ここら辺の我々が持ち出している分、これは一般財源化して交付税上は入っていますよというんですが、これだけ持ち出しているんだよというところをしっかり御理解いただきたいと思っております。

阿部委員 明確なデータでの御説明、そして公契約条例などの先進的なお取り組み、きょうの御提言、ぜひ生かしていきたいと思います。
 終わります。


-----------------------<中略>----------------------------


中井委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 このたびは、このTPP問題に関しまして、委員長初め与野党の理事が集中審議というか参考人のお時間を設けていただいて、大変ありがとうございます。また、皆さんのお話も本当に参考になりました。
 と申しますのも、菅総理、唐突という言い方を皆さん指摘されますが、これは選挙戦の中でも余り触れられずというか、余りというかほとんど、全く触れられない中で、今、せんだっての所信表明でも一番目に出てまいりまして、国民から見えづらい、何を言っているんだろう、何がどうなるんだろうということを多くの国民が不安に思っているテーマだと私は思いますし、また国会議員の中でも理解の温度差等々もあると思いますから、こうしたチャンスを得て、もっと深く掘り下げて論議するということがまず第一かと思います。
 そこで、きょうお話を伺いました中で、お一方ずつ順次伺わせていただきますが、まず久保田参考人にお願いいたします。
 APECで、FTAAP、WTOやEPAを基軸に置いて、アジア太平洋州での広い自由貿易に向けた連携をつくっていこうということがおおむね合意されて、そこに至る道の中で、TPPやあるいは日中韓FTAやASEANプラス6、ASEANプラス3、一つの山に登るのにいろいろな道があるのではないかという御指摘をあの場でいただいたんだと思うんですね。
 ところが、これは、例えばTPPでもそうですが、あらゆる分野の制度改正を伴いますために、一つの政権として、あるいは政治として、一つ一つやっていくにも物すごくエネルギーが要りますし、全部一挙にと言われてもなかなか現実にはできないと思うんですね。そうなった場合には、何が一番効率的で、社会の安定や経済の発展や、もっと言えば、私どもの文化や歴史、風土となじむのかというものの優先順位をつけていかなければならないと思うんです。
 一方、経済界にあっては、では、TPPと、日中韓FTAと、ASEANプラス3、ASEANプラス6、この三つくらいでいいかと思うんですが、経済効果の試算をされたことがおありなのか。もちろん、いろいろな起こり得る制度変更の方の評価も必要ですが、まず、産業界、経済界としては、自分たちがこの国をリードして発展させていくということになれば、経済効果のほどをこの三つで比べてみたりされたことはおありなのかどうかをお願いいたします。

久保田参考人 今御質問いただいた点と、それから皆さんから御質問いただいた点で共通しているところが一つありまして、唐突感という話ですけれども、それは私も非常に理解できるところなんです。
 それで、一つは、時間が非常に限られている。これは、アメリカはことしの十一月にAPECを主催してそこで決着したい、こういうことをやっている。それから、情報が限られている。これは、いろいろ政府が関係国に情報収集に当たっていますけれども、やはり交渉に入らないとその中身がわからない。そこからくる不安感というか唐突感、これは国民一般が持っているところではないかなというふうに思って、そこは私どもも一部共有するところがございます。
 ただ、その背景は、要するに、日本以外の国はそれだけ速くスピードを持って動いているということだと思うんですね。そのスピードに日本がついていけるのかどうか。この世界の速いスピードについていけなければ、日本経済あるいは日本自体がますます孤立化していくんじゃないかというのが、私どもの一番の懸念なんです。
 そういう意味で、先生の御質問のプライオリティーというのもわかりますけれども、私どもとしては、まさにWTO、ASEANプラス3、6、日中韓も今共同研究が進んでいますけれども、そこから先に進んでいないという面があります。TPPの方はある意味、現実的に動いている交渉という意味ではTPPということで、私どもとしては、そこは優劣つけがたいということで、全部並行的にやっていくべきだと。
 それから、何かモデルを回して試算というのは、特に、今のところ私どもはしておりません。

阿部委員 今、久保田さんのお話でありましたが、実は、TPPの方は、入っていないし、情報もないし、動いているといっても本当に動いているのかどうかもわからないということで、これは日本にとっては大変難しい選択なんだと思います。
 そして、私は、特に業界、企業が進めて農業界が反対とか、そういうことではなくて、やはり国全体として考えるといった場合に、日本の経済界にとっても、我が国の経済発展を今制約しているいろいろな要因があると思います。関税もその一つであろう。あるいは、いわゆる為替レートの円高の問題。もう一つは、では、日本がどんな産業分野でどんな技術革新をもって伸びていくのか、ここが実は、一番本気で経済界に明確にしていただきたい部分です。
 政権交代、自公政権から民主党にありましたが、成長戦略と新成長戦略、この間で何か違うのか、新しいものが今生まれようとしているのか、そこについてはどうでしょうか。

久保田参考人 はい、ありがとうございます。
 私どもも、まさにそこに一番重点を置いて考えているところでございまして、基本的には、成長戦略それから新成長戦略をできる限り早期に完全に実施してもらいたい、こういうことだと思います。
 それから、今回改めてまたTPP、きょうこういう形で説明させていただくので、いろいろ調べますと、これから日本は、より技術の高い、あるいは資本集約的な産業を中心として日本経済を牽引していかなきゃいかぬ。そういう意味では、自動車でいけばハイブリッドだとか、あるいは電機・電子でいけば液晶テレビの重要な部品、これは今、日本でまさに製造されて輸出したり、部品は途中で輸出して、アジアでまた加工して、さらに最終消費地に持っていく、こういうことをやっております。
 やはり、貿易・投資、それから知的財産権、そういったもののルールの自由化、あるいは日本企業にとってより有利な形でのルールづくり、これが日本経済全体を引っ張っていく。そういう中で、産業対農業という対立じゃなくて、まさに産業も農業も一緒に一体となって日本経済全体の力をつけていく、競争力をつけていく。それに日本全体が取り組まなければ、本当に日本は世界からずれ落ちていく、そういう感覚あるいは危機感を我々は持っているところでございます。

阿部委員 今のお話はルールのスタンダード化でしたが、果たして、TPPの場合、アメリカンスタンダードでありますから、このことが我が国の社会に与える影響等々で、恐らく、萩原先生が第三の構造改革ではないかとおっしゃったことかと思います。私は、これは単に対立という構図をとるんじゃなくて、本当に真剣に論じてみないと、後悔先に立たずということになる懸念を抱いております。
 次に、堀口先生に伺います。
 堀口先生のお話を伺っておりますと、先ほど私がつけた優先順位の中で、特に、例えば、ASEANプラス3、6、あるいは日中韓FTAなどの我が国の置かれた地理的要件等々も加味して、そして歴史的要件も加味したものから、WTOとFTAを補助的に使いながらの、ある意味では自由な物の移動がいいのではないかというお話でした。
 そこの根拠をもう一度。さっき、いろいろな道があるけれども、こっちの道がいいよ、全部やれたら、もしかしていいのかもしれないけれども、恐らく破産しちゃう、ばらけてやっていけなくなると思いますから、やっぱり一つ一つ慎重にいかなきゃいけないと思いますが、堀口先生のおまとめの、東アジア共同体ということの具現としての日中韓FTAあるいはASEANプラス3を選ばれる理由をお願いいたします。

堀口参考人 TPPは、御承知のように、アメリカが後から加わって、それをアメリカ流に使おうという性格が非常に強くて、ここに加わるということは、オバマ政権が、共和党は金融の方が強いと思うんですけれども、何とか貿易で伸ばし、アメリカ経済を回復しながら次の選挙に備える、こういう戦略的な中でTPPが主張されている。そういう意味では、これに乗るということは、やはり中国との関係とかアジアとの関係でむしろ僕はマイナスになるというふうに思っております。
 これを、TPPに乗っかるのはアメリカ派で、東アジア共同体は中国派ですねなんていうふうに分ける方がおられるんですけれども、そうではなくて、まさにそこで日本が、ASEAN3なり6も、当然、アメリカあるいはオーストラリアをにらみながらその関係をつくるという、日本の主体的な努力が反映する、そういう分野だというふうに思いまして、ここは従来以上に増してその方向を強めるべきではないか、その結果がWTOにもつながるというふうには思っております。

阿部委員 私が先生のお話をほかでも読みながら理解しましたところは、やはり農地の面積を幾ら大規模化しても、日本の場合、限られている、制約がある。あるいは土地の制約もございますし、また兼業農家も多うございます。そうすると、自給率と、さっき自給力という話も出ましたが、そうした自給率といろいろな物の取引を本当に共存させていくために、アジアの国々との当初の道が開かれた方がよいのではないかと、私は先生のものを拝見して思いました。お時間がないので、私の勝手な理解を伝えさせていただきます。
 山下参考人には、私は特に、生協関係の皆さんは安全性ということが九割、十割大事なことだと思うのです。トレーサビリティーもそのような中で重要なテーマなのですが、実は、このTPPでアメリカと二十四項目のいろいろな情報収集をやっている中で、私が大変懸念したのは、遺伝子操作食品などの取り扱い。種の問題もありますし、こういうものがどこでチェックされるのかということをせんだって外務省に伺いましたら、これはSPSとおっしゃっていましたでしょうか、SPS、衛生植物検疫のところでかかるのだろうが、まだ一切そういうことは聞こえてこないと。
 遺伝子操作食品であるかどうかは、これは非常に代々にわたり後世に影響をすると思うのですね。安全性の観点から、そのあたりはどのように生協としてお考えであるのか。ヨーロッパなどは非常に厳密に厳しくしておりますし、はっきり申しまして、アメリカは多くの遺伝子操作食品の上に成り立つ国であります。ここについての御意見をお願いいたします。

山下参考人 SPSの枠組みでチェックされるのか、さらに今後の交渉事であるのかについて、私ども情報を持っておりません。
 ここまででいただいている情報の中で私が考えますのは、GMOあるいはノンGMOについて、少なくともリスクアセスメントということでは、最先端の科学的な知見に基づいて評価をされ、公表されるべきだろう、これが一つであります。それから、そのことに基づいてリスクコミュニケーション、つまり消費者に対しては情報を公開されるべきであり、三つ目に、私どもは、事業者としては、ノンGMOかGMOかということについては、任意の表示も含めて消費者に情報を開示しながら、消費者に選択をいただけるようにしてまいりたい。そのためにも、最先端の科学的な知見とリスクアセスメントを重視したい、このように考えております。

阿部委員 よいものや、そういう遺伝子操作しないものが大変高くなれば、手に入れられない層が出てまいります。そうした社会経済影響もあると思います。
 最後に、萩原先生には対米開国のお話をいただきまして、アメリカに対しての開国だという御指摘は、大変に身にしみてよく理解できました。ありがとうございます。


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