予算委員会 第19号(平成23年4月26日(火曜日)) 抜粋 案件:
理事の補欠選任
国政調査承認要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
予算の実施状況に関する件(東日本大震災関連)
〔前略〕
○中井委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私にいただきましたお時間は二十分ですので、なるべく簡潔に御答弁をお願い申し上げます。 三月十一日の東日本大震災から一カ月半がたちました。私も社民党の代表として各党合同実務者会議に出ておりますが、その会議でも、どの委員もが口をそろえて懸念され、また指摘されておるのが瓦れきの処理の問題でございます。この瓦れきがいつまでもそこにあることによって、下水道等の復旧もおくれておりますし、まして復興ということが、幾ら会議で、復興会議等々行われましても、現実は瓦れきがそこにあるままに置かれているのが、私は今日の政府の姿ではないかと思います。
そこで、松本防災担当大臣並びに環境大臣ですので、ぜひここでお力を発揮していただきたいことがあるので、お聞きを申し上げます。 きょうは冒頭の質疑で、安住委員が宮城県の瓦れきの総量を一千八百万トンとおっしゃいましたが、大臣の方で把握しておられる、この震災による瓦れき総量がおわかりでしたらお答えいただきたい。
そして、後ろから、もし、お答えが来るまでの間、もう一つ御質問を重ねさせていただきますが、今この瓦れきの処理ということに関して、私、幾つかの懸念点がございます。はっきり言うと、建物のアスベストでございます。これは船にもありますし、また東北地方等々ですと、結露を防ぎますために吹きつけアスベストを一般家屋にも使っております。並びに、ビルなどは、倒壊した現場に行きますとわかりますが、むき出しに、屋根などのアスベストが壊れて出てきている状況であります。
このアスベスト問題について環境大臣のお考え、そして瓦れきの総量がわかりましたらお願いいたします。
○松本(龍)国務大臣 総量ということでいえば、想定ですけれども、たしか二千四百九十万トンだったというふうに覚えております。
また、先ほど申されたアスベストの問題、大変重要な御指摘で、瓦れきなどの災害廃棄物の中にはたくさんのアスベストなど有害な廃棄物が混入をしているということで、適切な処理が必要であります。
そういう意味では、一点目ですけれども、三月の十九日に、震災で発生した災害廃棄物の中のアスベストの取り扱い等に関する留意事項を、また四月五日には、被災地におけるアスベストに関する正しい知識の普及啓発について取りまとめ、それぞれ関係県へ周知徹底を図ったところでございます。
なお、アスベストを含む粉じんの暴露防止等の観点から、社団法人であります日本保安用品協会からの提供を受けた防じんマスク等を、被災地の住民等へ無償配布を実施しております。廃棄物の処理技術に係る相談窓口の開設や、専門家を現地に派遣したりしております。 いずれにしましても、御指摘の瓦れきの処理というのは今回の非常に重要な課題で、十日ほど前に宮古市、大船渡市、陸前高田市へ行ってまいりましたけれども、まだまだ厳しい状況であります。まだ、がっと重機で押し出せるような状況ではありませんし、おくれているという御指摘、しっかり私どもも踏まえて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○阿部委員 私は、おくれているという指摘だけじゃなくて、具体的にどうすればいいかを一緒に考えないと政治の役割は果たせないと思っております。
特に瓦れきの問題につきまして、今アスベストをお伺いいたしましたが、実は、環境省から各県に環境汚染関係でどのくらいの人数が派遣されておりますかときのう聞きましたら、県庁に各県一名程度ということでありました。
といたしますと、たくさんの被災地で、どれがアスベストで危険で、結局、これは危険ですよと住民に知ってもらうにもボランティアに知ってもらうにも、そして、まして、私も四回行きましたけれども、だんだん乾燥してきていがらっぽくなってきて、せんだって、石巻では粉じんを吸い込んだ御高齢な患者さんの肺炎がふえておるという話を聞いてまいりました。既に飛散が始まり、飛べば必ず呼吸器に入る。ではどうすればいいかというと、やはりこれが危ないよということを、当面、除去するまでの間にも、周知徹底させるための陣容がまず必要となると思います。
私は、きょうの日経新聞に、瓦れきをもいろいろ処理してチップにするとか、あるいは燃やせるものは燃やすとか、いろいろな前向きな取り組みが出ていましたが、その前提にも、今水銀とかアスベストとか有害物質があれば、それは次のステップに踏み込めません。ぜひ、環境省として、省から県に送る陣容、県の中の各地のアスベスト対策の、本当に市民にわかりやすい広報を、通達一枚じゃなくて、市民を守るためにもっとやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○松本(龍)国務大臣 今おっしゃいました、散水等によるアスベストの飛散防止、あるいは被災した住民等への暴露の防止というのは大変重要な御指摘で、水銀やPCB等々もあります。そういう意味では、発災から十日ほどしてそういう指示をしまして、各地の専門家をいろいろ集めていきながら、この対策に万全を期すようにという指示はしておりますけれども、今御指摘のとおり、マンパワーという点で、環境省、なかなかスピード感が上がらないという御指摘、これからもまた督励をしてまいりたいと思いますし、瓦れきの処理につきましても、これは長く置いておくと危険な状況が続きます。あるいは火災を起こしたりしますから、全国で処理施設、あるいは中間処理、最終処理、あるいは埋め立てるところがあったら全国調べろよという話も、十日ほどしてから言っております。
そういう意味では、これからもスピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。
○阿部委員 時間があれば、野田財務大臣に、もっと環境省のここにかかわる予算をふやしてくださいと申し上げたいですが、ちょっとお時間がないので、それは飛ばします。
この瓦れき対策、国によるものが圧倒的におくれているということを、本当に同じ自治体として、これは見るに見かねてということもおありでしょうが、全国の自治体が、被災した自治体を救援するために、みずからのところに、みずからの市にこの瓦れきを持ち込んでさまざまな処理をして、少しでも軽減させようという、お互いさま、支え合いの自治体間の動きがございます。
ここにあるパネルは、例えば、この間、全国三十都道府県、二百九十一市町村が支援体制を環境省に尋ねられて、うちはこうできますよというのを合わせると、焼却百八十万トン、破砕六十五万トン、埋め立て三十六万トン、計二百八十一万トン、これは年間ですね。
もちろん、先ほど松本環境大臣がお答えになりましたが、二千四百万トン分の一割でしかないけれども、でも、私は、やれるところからやっていくべきだと。自治体も手を挙げてくださっています。もちろん、先ほどのアスベストや有害物質対策は十分に計らいながら、せっかく自治体が手を挙げてくれたわけです。
例えば、中越地震のときは、私は神奈川ですが、中越の地震の瓦れきを川崎市に運んで、それはJRの貨物列車を用いて運んでまいりました。今回ですと、船も使えると思います。海上保安庁の船でもいいし、いろいろな全国の船を使って、港、港におろしていく、自治体、自治体におろしていく。そうやって、このネットワークをさらに国主導で強化、お呼びかけをする。
自治体ももちろんやりたいと思っているが、その順番のコーディネートはやはり国がやっていただくしかありません。被災自治体は傷んでいます。県も、たくさんの被災自治体を抱えて、なかなか広域のコーディネートができません。それで、手を挙げている自治体がたくさんあります。であれば、あとは国がそのコーディネートをきちんとなすべきだと思いますが、いかがですか。
○松本(龍)国務大臣 今御指摘の、二百九十一の団体から受け入れを表明していただいております。
この震災、さまざまな横横といいますか、広域のいろいろなところの団体からそういう支援をいただいていることは事実でありますし、今、環境省がコーディネートをしろよと。私もすぐ指示をしたのは、さまざま広域で処理できるところがあるということはずっと言い続けておりますし、今御指摘の海上保安庁の船でありますとか民間の船でありますとか、そういうものも含めて、鉄道の貨物も含めて、これからコーディネートをしていかなければならない。
そこに至るまで、まだ仮置き場というところの状況であります。仕分けをして運搬していく、そういう、そのまま運搬するのか、さまざまな自治体でさまざまな状況が違いますから、そこのところのマッチングもしていきながら、これから取り組んでいかなければというふうに思っております。
○阿部委員 では、菅総理に伺いますが、このための陣容をもっと強化していただきたいです。とにかく遅いです。みんな、この瓦れきの中に心も埋もれてしまいます。復興なんて夢のまた夢になってしまう。
今、松本大臣が一生懸命答弁してくださいました。ぜひ、いろいろな仕分けをしてネットワークをつくって運び出せる、自治体は本当に協力的です。あとは政権の、首相の、きちんとした陣容の人員保持、お金も当然要りますでしょう、そこがネックです。いかがですか。
○菅内閣総理大臣 瓦れきの処理が復旧復興のまず第一歩といいましょうか、大変重要なところだという認識は、内閣挙げて持っているところであります。
そういった意味で、今御指摘のように、全国の自治体からの協力もさらにお願いをする、あるいは政府としてもそうした必要な人材をできるだけ送る、そういうことを含めて、財政的にも、今回お願いを近くする第一次補正でそのための予算も組むことにしておりますので、ぜひそうした形で政府としても全力を挙げていきたいと思いますので、御支援をよろしくお願いします。
○阿部委員 必ずお取り組みいただきますようにお願いいたします。
続いて、原子力発電所の事故について、予定いたしました三問のうち、もしかして二問になるかもしれません、お伺いをいたします。
先ほど吉井委員とのかなり緻密なやりとりを伺っておりましたが、実は二〇〇六年の三月に、同じように吉井委員が津波や地震などに対する原子力施設の安全性について御質疑されたときに、御答弁されましたのが当時の保安院の院長の広瀬研吉さんという方でございました。この方を、総理は実は、三月二十八日に参与にお迎えであります。
私は、このたびの事故は、ある意味で過剰な安全神話、みんな、そういうことは起こり得ない、想定外、大丈夫、これの繰り返しで、ちっとも大丈夫じゃなかった。結果は、国民も本当に、被災された皆さんはもちろんのこと、日本国民全体が大きなこの事故の前にたじろいでおります。
私は、この段、総理が参与としてお迎えになるなら、もっと厳しく物事を見ていた方、保安院長は残念ながら、やはりいろいろな御答弁を見ましても、非常に楽観的でありました。その方を今どき参与に迎えて一体どうするんだろうと。私は、個人的には広瀬さんをよく存じません。だけれども、答弁の数々を見ると、本当に大丈夫、大丈夫、大丈夫なんですね。でも、残念ながら大丈夫でなかったわけです。
ぜひ総理、これからの体制のためには、これまでの原発を単に推進させるというアクセルだけじゃなくて、かなりブレーキということをきちんと意識しながらやらないと、安全性すら担保できません。
ここでもう一つ重ねて、そのためにも今、検証委員会なるものをすぐ立ち上げていただきたいです。事故直後、原子力委員会のメンバーすらも、この事故の大きさ、SPEEDIのデータ、何にも組織として得ておりません。そうすると、原子力委員会は推進だけ、アクセルだけの暴走車になってしまいます。総理、検証委員会を直ちに立ち上げていただきたい。そして、原発事故についてやはり危険も含めて予知していたたくさんの、吉井委員もそうでした、そうした声もきちんと聞く、ここからしか次のスタートはないと思いますが、いかがでしょうか。
○菅内閣総理大臣 答弁の順序が逆になりますけれども、検証委員会、つまりは今回の事故の原因をしっかりと検証する、そうした体制をそう遠くない時期に立ち上げなければならない段階に来ている、このように思っております。そのときには、もちろん、いろいろな立場で過去も含めて発言なり行動されてきた、いろいろな立場の方に参加をいただくことは当然に必要か、このように思っております。
また、広瀬研吉氏を内閣府参与にお願いをしているということについて、これは官房長官も含めて一緒に判断をする中で、この部署についての補強が必要だろうと。この方はもともと、旧科学技術庁入庁以降、こういった分野、原子力安全規制の分野で大変知見が豊富な方であるということでお願いをしたところであります。そういった意味で、現在もしっかりとした活動をしていただいていると思っております。
○阿部委員 安全規制が安全規制になっていなかったということをきちんと認識していただかないと、この事故から学ぶべきものがありません。これだけの被害者を出し、人の人生を奪い、未来をも奪っているんです。子供たちにも影響しています。総理、そこをぜひお間違いのないように。
何度も申しますが、私は、個人的にどんな方かはよく存じません。しかし、体制として規制になっていなかったんです、安全規制に。そこを総理が御認識でないと次の仕組みも、そして、遠からぬじゃなくて、すぐ検証委員会は設けていただかないと、立ち入り権限だって必要です。
直後のデータだって、だれも公表されないまま、非常に深刻な事態がもう三月十一日に予見されていたのに、発表は実は、私は後手後手だったと思います。それは国民を安心させるためだったかもしれないが、真実が伝えられないで次々とまたさらに悪いことが出てくる方が、よほど国民にとっては、やはり気持ちの上でも不信感が募ってしまいます。
最後に一問、お願いいたします。
これは、東電が原子力の回復過程をパネルにしたものでございます。これについて、先ほどの御質疑の中で、政府も関与をしておられるということですので。これは私は大変疑問なんですけれども、冷却、抑制、モニタリングという三段階に分けて、冷やして、放射性物質の排出量を抑えて、そしてモニタリングしたり除染したりするという中で、特に気になっておりますのは、一番下段、避難指示や計画的避難、緊急時避難準備区域の放射線量を十分に低減というのが、とりあえずステップ1が終わらないと始められないやになっていることであります。
いろいろな意味で、緊急避難地域にも人は暮らしています。チェルノブイリでもそうでした。もっと早くに、同時並行的に、放射線の被害を軽減させる措置と並んで走らないと、汚すだけ汚しておいて、もう汚れなくなったから掃除しようというのは間違っているんです。少しでも早く軽減させるための措置をとるべきですが、いかがでしょう。
○海江田国務大臣 委員がおっしゃることもそのとおりでありまして、もうこれ以上、本当に環境を汚さないためにも、まずしっかりと、炉から大気中に出ます放射性物質、あるいは海水などに汚染した水を放出させないということはやはり今喫緊の課題であるという、ここだけは間違いがございませんので、ただ、委員のおっしゃることもそのとおりだろうと思います。
○阿部委員 では、あわせ取り組んでいただける御答弁と承って、終わります。
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