予算委員会 第24号(平成23年7月6日(水曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
予算の実施状況に関する件(延長国会における諸課題)
〔前略〕
○中井委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
三月十一日の発災以降本日まで、約四カ月近くが経過いたしました。おくれている復旧や復興に対して、やっと復興担当大臣が任命されて、わずか八日間で辞任されるという事態を前に、もちろん総理の任命責任も重大でしょうし、また国会に身を置く私ども一人一人、議員にも、国民に対して真摯に向き合って一日も早い復旧復興を達成せねばならない、大きな義務が私はあると思います。そうした観点から御質問を申し上げます。
一点目は、瓦れきの処理の問題であります。
このたび、松本環境大臣であられたものが復興担当大臣になられたということで、環境担当は江田法務大臣が兼任をされるところとなりました。瓦れきの処理の問題は、この委員会でももうたびたび、いろいろな各党の方がお取り上げでございますが、一点目、まず、江田大臣も現地に出向かれて、現状をどう認識しておられるのか、瓦れきの現状、これについてお願いいたします。
○江田国務大臣 私は、環境大臣ということになりました後に現地に行ったことはまだございませんが、法務大臣の当時に気仙沼、それから一関に伺いました。気仙沼は、御承知のとおり、津波に襲われたところでございまして、これはもう瓦れきの状況というのをまさに目の当たりにいたしまして、四月の初めでございまして、その後かなり日はたっておりますが、その後の状況をテレビなどで見て、ああ、あの状況がまだここまでしか進んでいない、そのことには胸を痛めております。
○阿部委員 御指摘のように、今一次仮置き場にとりあえず、例えば道路の上の瓦れきとか、あるいは船などで大変に交通の邪魔になるものはよけられておりますが、一次仮置き場に移されたごみとて全体の三割であり、まだ手つかずの状態が逆に七割だ、平均値でございます。そして、実は今、江田大臣がおっしゃいましたが、四月の八日には環境省の方から全国各地に、今回のこの瓦れきの量は通年の二十倍くらいはあるだろう、とても一つの自治体では処理できない、県でも処理できまいということで、日本全国、日本は一つということで、各自治体にどうかこの処理をお手伝いいただけまいかということを投げかけました。
各自治体はその呼びかけにこたえて、四月の十八日時点では二百九十一自治体、総計で二百八十一トンの瓦れき処理をいろいろな形で手を挙げてくださいました。そして、ここにございますように、今では五百七十二自治体になりまして、おのおの焼却、破砕、埋め立てなどの三つのやり方で四百八十八万トンの処理が可能であるというお答えが出ています。
だがしかし、四月からもう三カ月経ておりますが、一切、どの自治体にもこのごみは行っておりません。この三カ月、なぜ浪費されたのか。そして、もうこれは江田大臣になったら許されないと思います。
各自治体には、国が、例えば港、港に運んでここでお願いをする、コンテナに載せてここでお願いをする、そうしたコーディネート力が問われます。また、一次仮置きはよくても、二次仮置きに移すときはいろいろな自治体のごみを一緒にしますから、県とて調整に大変苦慮しておられます。このたびの松本大臣とのやりとりのあった村井知事などは、二次仮置きから国がちゃんとやってくれと。二次仮置きを、もちろん自治体と相談の上、国がどこに置くか考え、そして、早急に搬出できるものは搬出、もちろん自区内処理は自区内処理と、ここをうまくコーディネート、調整していただかないと、夏になっても秋になっても冬になっても私は動かないと思います。
この点、いかがでしょうか。
〔委員長退席、城井委員長代理着席〕
○江田国務大臣 御承知のとおり、こうした廃棄物の処理についての第一次的な責任は市町村というのが今の法律の立て方でございまして、市町村の皆さんには本当に一生懸命にやっていただいておると思っております。委員は今、三分の一という数字を挙げられましたが、現在私どもが承知しているところでは、相当進んできて、やっと進んできて、既に三分の一以上の瓦れきは撤去をされ、さらに、各自治体のこれからの見通しを聞きますと、住民の皆さんが生活している場所の近く、近傍の瓦れき、これを八月末までをめどに仮置き場におおむね移動するという目標は、まあそこは達成できるんじゃないか。
ただ、その後がまた大変でございまして、しかも、その廃棄物にいろいろなものが入っているわけですから、中には、放射性物質によって汚染されたおそれのある、そういうものもございますので、その辺の仕分けを十分にやっていかなきゃならぬということで、今御指摘のように、各広域で自治体同士の協力、これは環境省が間をとって都道府県レベルで調整をしておりまして、この調整も急がせなければいけないと思っております。
○阿部委員 ぜひ、そうお願いしたいと思います。
実は、今大臣のおっしゃった御答弁は、三カ月前の御答弁と全く一緒であります。瓦れきに放射線の汚染の影響があることももちろんチェックせねば、受け入れ側自治体も安心はしていただけません。ただ、三カ月同じ答弁ではやはり国民は納得できないし、これがおくれとして政府への信頼を欠如させる大きな根幹になっていると私は思いますので、ぜひ江田大臣には心してこの分野をお願いしたいと思います。
次に、皆さんがお取り上げである福島県の原発事故についてお尋ねを申し上げます。
私は、これは、第二次大戦のときの広島の原爆事故に次ぐ、それをもある意味では上回る大きな災害であったと思っております。そして、このことを考えるときに、国民と国は何を合意していくのかという最も基本のところがしっかりしていないと、個別にいろいろな対策だけが乱立して、時がたてば忘れられ、そして一番弱い人だけが被害を抱えていくということになると思います。
私は、きょうの質問に当たって、この事故に対する国の責任をめぐる三つの考え方というのを「三つのほしょう」という言葉を使ってまとめさせていただきました。
一点目の補償は、もちろん加害者である東電は、起きました住民への避難指示が間違ったことによる被曝や、あるいは農地が汚染されて出ていかねばならなくなったこと、事業ができなくなったことなどをいわば賠償せねばなりません。しかし、その賠償だけでは、当然、その方の失ったものへの補てんはできません。
そこで、国は、一にやはり補償、補っていくという意味での補償が必要でしょう。当然それには、不適切な避難情報で、特に飯舘や浪江の皆さんの、あのあたりの高い線量を被曝された方の問題があると思います。また住居も、先ほど来の会社の問題も、東電にも責任がありますが、国策としての原子力ですから、国にも応分の責任がございましょう。
そして、何よりも今国がやらねばならないのは、二つ目の保障。これは、例えば一番大きな問題は健康への保障。抱えた健康不安、特に、先ほど高木委員がお取り上げでございますが、お子さんをお持ちのお母様方は、本当に夜も寝もやらぬ不安の中に過ごしておられます。そして、時々ホットスポットなるものが報道されて、ええっ、ここまで、こんなところまでという報道が続いております。汚染地域は広く、なおかつこれからも続くことを覚悟せねばなりません。しかし、その中でも、あきらめない、やるべきことをやるというのが国の保障の成り立ちです。一つは健康の保障、もう一つは暮らしの保障であります。暮らしは、当然、失ったものが賠償されるだけでなくて、今後の生活設計、あるいはどこに住まうかの選択のことまで含めなければなりません。
そしてさらに、過去、現在、未来までもやはり国はきちんと保証をすべきだ。この保証の第一は、やはり原子力の安全性であったり、脱原発であったり、再生可能エネルギーの促進などのエネルギー政策の国民との対話だと私は思います。
細野大臣に伺います。
これ、全体を見て、私はこのように考えるべきではないかというふうに思いました。今度、原子力災害担当大臣になられて、そして、こうした私の考え方でありますが、それについてどう思われるかを一点。
それから、今、この間ずっとお願いしていますが、汚染マップというものは、まだきちんとしたスタンダードもないし、実は、どのくらい汚染したのか、国際基準に照らしても、汚染地域の広がりはどこまであるのかも国民には伝えられておりません。この点についてどうなさるのか、お願いいたします。
○細野国務大臣 阿部委員の方から、「ほしょう」について三点の角度から御提案をいただきました。
今回の原子力の事故というのを考えたときに、もちろん東京電力には大きな責任があるわけでございますけれども、一方で、国策として原子力政策を進めてきた政府に大きな責任があり、そうした観点から、被災者の生活支援などに全力を挙げる、そういう責任が私どもにある、そのように考えております。したがいまして、一つ目の補償については、賠償法の方で今鋭意、東京電力そして政府がそれぞれ責任を果たしているところでございますが、しっかり全うしていかなければなりません。
二点目の保障でございますけれども、これにも当然大きな責任が国にあるというふうに思っております。私本人については、今最も大きな責任としましては、この原子力事故そのものの収束に向かってとにかく努力をしていかなければならないというふうに考えておりまして、具体的に阿部委員の方から御指摘をいただいた「健康の保障」の中で言うと、一番私が深くかかわっていかなければならないと思っておりますのは、「4原発作業員の健康対策」について、まだまだ十分ではない部分がございますので、国が当事者意識を持ってやっていく必要があるというふうに思っております。
そのほかの放射能の測定の問題、さらには除染の問題、さらには今福島県がやっております健康の調査の問題など、いずれも各省さまざまにわたって連携をしてやっていかなければならないテーマでございますので、私も担当大臣として、そうした問題についてしっかりとかかわってまいりたいというふうに思っております。
また、保障の中でも「暮らしの保障」の部分は、生活支援チームの方で、海江田大臣とともに、私がまたこれも当たっていかなければならないというふうに思います。
最後の保証でございますけれども、菅総理の方からも、再生可能エネルギーについて、国として基幹エネルギーにしっかり後押しをしていくという大きな方針が示されておりまして、これも政府として大変大きな責任を担っているというふうに考えます。
脱原発という考え方、国民の間にこういう考え方が広がってきていることは私も承知をしておりますが、そこはエネルギー政策の根幹にかかわるところでございますので、国民的な議論が必要なのではないか、そのように感じております。
もう一点、汚染マップについて御指摘をいただきました。
確かに、この放射線のモニタリングにつきましては、当初は責任体制が非常にあいまいであったり、また近傍のモニタリングポストが故障しましたりして十分なモニタリングができなかった時期があったことは、政府としては、これはもう非常に反省をしなければならないところであると思っております。
それから時間が経過をする中で、少しずつではありますけれども、航空モニタリングなどを通じて全体の汚染マップが出てきましたり、また地上のモニタリングも二キロメッシュで、ある程度面の調査はできるようになりまして、かなり汚染マップと言えるものはもう出すことができているというふうに思っております。ただし、例えばその地域においてどうなのかということになってくると、二キロメッシュではこれは十分ではありません。
したがいまして、今、警戒区域などでは百メートルメッシュでやっていこうではないかということでスタートしておりまして、できる限り具体的に、生活に密着をした情報として皆さんに見ていただけるように、また国際的にもしっかり通用するようなモニタリング、これは文部科学省が中心的にやっておりますけれども、私も当事者意識を持って会議を主宰し、そして結果として出していきたいというふうに思っております。
〔城井委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部委員 実は、今、細野大臣は細かに御答弁いただきましたが、例えば、五ミリシーベルト・年間外部被曝線量以上のところは放射線管理区域と申しますが、そこに当たる人口がどのくらいであるか、人の数がどのくらいであるか、恐らく細野大臣は御存じないと思います。これは、放射線の防護の原子力安全研究所の試算では、五ミリシーベルト・年間以上のところに二十九万二千人。これはどこが算定しても大体このくらいになると思います。確実なデータを把握して対策をしないと、健康も環境も守ることができません。 私は、ぜひ、例えば福島事故による健康並びに環境保護法のような特別立法をつくってでも、この分野を、除染も含めて、健康調査も含めてきちんとしないと、実は、もうちまたでは三百キロ圏より外にいろいろなスポットが報道されております。私のおります神奈川の足柄茶もそうでございます。やはり、後々ぽつぽつ出れば、これが実際何であったかを国民は不安に思うだけであります。
そのすべて、既にもう放射線で汚染はしてしまいました。だけれども、実態を把握して対処するという強い国の意思がなければ、不安は混乱を招き、今、学校給食まで不安が広がっております。極論ですが、福島県産のは使わないでくれと言うお母さんが出たりすれば、私は、それは非常に申しわけない。なぜなら、はかってみて安心をお伝えすればそれで軽減することが、もうそこまでいってしまっています。よくよく大臣にはそこをわきまえてやっていただきたいと思います。
さて、皆さん御議論の玄海原発の再開のことについて最後にお伺いしたいと思います。
先ほど来、海江田大臣は、結局、私聞いていてよくわからなかったんですけれども、班目委員長にも菅総理にも余り御相談のないまま、安全で再稼働を玄海原発におっしゃったのかなと思わせるような、総論を聞くとそんなふうに思います。しかし、よもやそんなことはないだろうと。これは非常に重要なことでありますから。
もう一つ続けてお願いします。
そして、そうしたもろもろの答弁を差しおいても、実は、一番このたびの再稼働のお願いについて欠けているのは、住民の例えば避難の距離。今回、事故でこれまで備えていた防災対策重点区域は十キロでした。でも事故は、二十キロ、三十キロ、五十キロ、七十キロ。飯舘は五十キロ圏だと思います。そこまで拡大しています。では、電力会社が説明を要する自治体は本当に十キロ圏でいいんでしょうか。住民にどう説明しますか。先ほどの笠井委員がお取り上げのことは論外であります。でも、あり得ることでしょう。
しかし、私は、もっと根本的なのは、保安院として、どこまでのエリアの住民に電力会社が責任を持って避難指示を行ったり、あるいは協定を結んだりするのかが一切明確でない中で、何か安全宣言的なものが出されて事が進むことであります。住民不在、主権在民ではない、エネルギーもこれから国民が決めます、それから考えたら、だって、命とどっちをとるかまで聞かれているんですから。このエリアの見直しについてはどうですか。
○海江田国務大臣 まず第一の点でございます。
私が独走したかのような御指摘がございますが、一つは、先ほどもお話をしました、六月十日、閣議後の閣僚懇談会で、一つ一つはっきりお話をしている時間はございませんが、再起動に政府一体となって取り組むべく、関係閣僚のさらなる御理解と御協力をお願い申し上げますと正式に発言をしてございます。それから、先ほどもお話をしました、六月の十五日、経済情勢に関する検討会合、総理も御出席でございますが、ここで私から発言もしてございました。それから、出発の前に、これはもう時間もはっきりしておりますが、両院議員総会があります前でございましたけれども、総理に電話をして、これから行ってまいりますということを申し上げました。それから、帰りましても御報告を申し上げました。
それから、班目委員長に対してでございますが、これは先ほどもお話をしましたけれども、三月三十日の時点で、こういう内容でやります、それから六月の七日で、こういう内容でやりますということはそれぞれ御報告をしてございます。
それから、避難の地域につきましてでございますが、これはまさに、玄海に行きましたときも、そこの玄海町の町長とは別に唐津の市長がいらっしゃいまして、唐津の市長は立地の町長ではないけれども、自分たちのところが、もし事故が起きたときは一番大きな被害が出るんだから、そこのところをよく考えてくれということでございますので、例えばこれから訓練もございます。そうしたときに、従来型の同心円ということではなしに、まさに今回の大変大きな教訓でございますSPEEDIを入れていく。何月何日の何時ごろにどういう風向きになる、こういうことを利用して、同心円の距離でなしに、そういう今回の知見をしっかりとそうした訓練に生かしていきたい、そう考えております。
○阿部委員 今回の教訓は、もちろんSPEEDIがスピーディーでなかったこともそうですが、事故の情報が十キロより外には全く伝えられずに右往左往せざるを得なかったということです。南相馬市でも浪江町でも、飯舘なんかは全く、全くですよ、寝耳に水です。そうやって余計な被曝をしたんです。私は、このことを国は一番総括しなきゃおかしいと思います。今の海江田大臣の御答弁では到底納得できない。
そして、そうした体制、事故を起こした体制そのままに、保安院から上がってきたものをIAEAに報告し、班目委員長はわずか一時間しか目を通す時間がなかったと聞いております。それから、今回の運転再開でも、班目委員長は、聞き及ぶところによると、これでは安全対策は不十分だと言っておられます。
時間がないので私がここで言い立てますが、最後に総理にも伺いたいと思いますが、こんな体制で原子力を進めていったら、また同じことになります。安全委員会って何のためですか。そして、保安院が、同じように保安院だけでいいよと言ってIAEAにも報告し、そして今回の再開も、海江田さんは、そこを受けて総理にも言った、全部言ったって。これでは私は、例えば、私は脱原発の立場ですけれども、そうでなく、原子力をもっと安全に使いたいという立場の方だって、到底、事故前と同じ体制が今もあるということではないでしょうか。
さっき明言を避けられましたが、あの玄海町に対しての運転再開の依頼は取り消されるんでしょうか。一言で結構です。明快にお願いいたします。総理。
○菅内閣総理大臣 原発事故発生以来、私もいろいろな場面を経験しまして、これまでの原子力行政のあり方、あるいはこういう事故に対する対応のこれまでの制度や法律というものが極めて不備であるということを痛感いたしております。
それもありまして、今回、原子力事故担当大臣を細野さんにお願いをして、法律が、現行の法律をそのままで進めるのではなくて、将来はそれを変えることも視野に入れながら原子力行政のあり方も検討してほしい、これは海江田大臣とともにお願いをいたしております。
先ほど来、海江田大臣からも説明がありますけれども、従来の仕組みの中で海江田大臣が進められたことについて、私は、それはそれで従来のやり方であったと思います。しかし、その中では原子力安全委員会も十分には意見を事前には表明をされておりませんし、そういうことも考えて、先ほども申し上げましたように、改めてきちんとした国民が納得できるルールのもとで検証していくことが必要だろう、このように考え、指示をいたしております。
○阿部委員 では、取り消しと伺いました。
終わらせていただきます。
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