予算委員会 第27号(平成23年7月20日(水曜日)) 抜粋 案件:
参考人出頭要求に関する件
平成二十三年度一般会計補正予算(第2号)
平成二十三年度特別会計補正予算(特第2号)
議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ ビデオ ビデオ (衆議院のサイト)
〔前略〕
○中井委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
昨日、三月十一日に生じました福島の第一原発の事故に対しての工程表で、一応ステップ1が終了して次のステップに臨むのだというふうな御発表がありました。一方、その同じ時刻に福島県の牛は全頭出荷停止、非常に明暗を分けた昨日の発表でありました。確かに原子炉が冷却機能を取り戻すというのは大変重要なことですし、皆さんの御尽力も、ここまでやっていただいたと思います。
しかし、一方で起こっている牛の汚染の問題、あるいは多くのお子さんを抱えたお母さんたちの不安な日々というものは、実はこの放射能汚染がどこまでどんな広がりを持って、未来にどんな影響を与えるかがわかっていない、国民に伝えられていないということだと思います。
一枚目の図は、これは東大のアイソトープ研究所の児玉教授がつくられたものですが、実は、総理もよく御存じのように、セシウム137とか134はウラン235が核分裂して出てくるものであるゆえに、一九四五年、我が国に、広島に原爆が落とされる、そのいろいろな実験の以前は私どもの身の回りにはなかったものであります。すなわち、今騒がれているセシウムは、私どもに降り注いだ広島の原爆と、その後繰り返されたビキニの核実験とチェルノブイリと、そして今回の福島原発事故で空気中にばらまかれ、土の中に沈着し、海の中に汚染を引き起こすということを繰り返してきたものであります。
実は、この最初のピーク、核実験が各国で、アメリカや中国やいろいろな諸国で行われていたときに、日本の猿橋勝子という女性科学者が、海洋中のセシウムの汚染をはかり、世界に向けて、これだけの汚染を起こす核実験を禁止しようという呼びかけをいたしました。その意味で日本という国は、みずから被爆し、そして、その後世界に対してこうした放射性物質が広がっていくことを何としてでも食いとめようとやってきた国であると思います。
細野大臣にお伺いいたします。
先回の予算委員会でもお尋ねいたしましたが、こうした実態、この三番目の福島のセシウムの濃度は、点々点々とかいてございますのは、まだわかっていない部分が多いからであります。
二点お尋ねいたします。
この間いろいろな発表がございましたが、例えば保安院が発表した放出した放射能の量と、あるいは安全委員会が発表した量とございますが、東電そのものからは、一体どれくらいばらまかれたか、発表がございません。これは細野さん、御存じですか。あるいは、もっと早くこの実態を国民に知らせるためにも、東電に催促をすべきだと思います。実は、簡単な言い方をすると、広島の原爆の二十個から三十個分と言われております。膨大な量であります。このからというのは、海に広がっている分がまだわからないからであります。
一問目は、東電にはお聞きになっているか、そして催促をしておられるかということです。お願いします。
○細野国務大臣 阿部委員冒頭指摘をされましたとおり、昨日、ステップ1の達成ということで、原発の事故自体は収束に向けて一歩前進をいたしましたが、一方で、特に三月の時点で東京電力の原発の方から出た放射能の状況というのは大変大きな影響を及ぼしておりまして、それについてはしっかりとした情報公開に努めていく必要があると思っております。
御指摘をいただいた、どれぐらいの放射性物質が出たのかということでございますけれども、原子力安全委員会そして保安院の方では、総量についての数字を既に公表しております。一方で、確かに東京電力は総量の計算はしておらないんですが、この間、私の方からも、また菅総理の方からも、再三要請をいたしまして、現段階においてどれぐらいの放射能が出ているのかという、一日分でどれぐらい出ているのか、限界的な変化と申しましょうか、そういったものについては公表するようにということで強い要請をしてまいりました。
そして、昨日、同時に東京電力が発表いたしましたのは、現段階で出ている放射能の量が一年間継続をした場合には、最大値で、最大限見積もって約一・七ミリシーベルト・パー・年となるという数字を東京電力が公表しております。
○阿部委員 そういう形で、国民にとってはよくわかりにくい。さっき私が申しました、原爆が二十個分だよとか言われれば、国民はそれなりの覚悟をするわけです、セシウムの汚染問題を避けては通れないから真正面に向き合っていかなければいけないと。一年間で一・七ミリシーベルトとかいう言い方は、実は本当に根拠が薄いものであります。三月十五日に出た分の二百万分の一になったよ、これは何の安心も伝えません。だって、三月十五日に出た量は二千兆ベクレルとか非常に大きなもので、しかし、それでまだ全部じゃないんですね。ぜひやはり、製造者責任ではありませんが、東電が起こした事故です、いろいろな数値を寄せ集めて、どれくらい放出したのかをみずから出すことくらいは責任であります。
と同時に、それがどこまでどう広がったかも、実は国民には私はきちんと知らされていないと思います。これも前回の予算委員会で細野原発担当大臣にお伺いいたしましたが、チェルノブイリでは三万七千ベクレル・パー・平方メートルを汚染と定義いたしました。一体、日本ではどこまで汚染は広がっているでしょうか。二百キロですか、三百キロですか。私は、これも伝えていないから、この次に伺います牛のセシウムの汚染の問題も、こうやって後手に回るんだと思います。
細野さんに伺います。先回も伺いました、三万七千ベクレル・パー・平方メートル以上の、国際的な基準で言うところの汚染はどこまで拡大しておるか。
と同時に、もう一つ。これは火山・地震学の早川先生がつくられた汚染のマップでございます。汚染は三方向に伸びております。三月十二日には、上の一関市、岩手に向かいました。同時期、同じく南に向かい、そして三月十五日、一番ひどい被害を浴びた飯舘の方にも向かっております。北と南と北西に三回、そして火山灰と同じように風に乗り、いろいろな方向に放射性プルームをまき散らして、時には雨に乗り、現在の汚染マップがあるわけです。
これは、民間の一人一人が集めたデータを集積して、民間でもここまでできました。なぜ政府は、この汚染の全体像、円形になんか広がっていないんですね、これを明確に国民に示されないでしょうか。千葉の柏、流山などではホットスポットがあって、子供を抱えたお母さんは、そこに住んでいいのかどうか悩んでおられます。前回も紹介しました私の神奈川の足柄、静岡のお茶にも影響が出ています。
細野さんに明確に答えていただきたい。三万七千ベクレル・パー・平方の汚染地図は、いつできますか。
○細野国務大臣 私も、事故が起こった直後から、放射能の飛散の状況の全体像を示すことは政府の責任であるというふうに考えてまいりましたので、何度も関係省庁に要請をいたしまして、モニタリングの実施に努めてまいりました。
現在は、モニタリング調整会議というのをやっておりまして、この中心は文部科学省がやっております。再三、事務方の会議、さらには三役を含めた会議を開催しておりまして、すべて完璧にできているとはとても申しません、確かにまださまざまな穴もあるし、十分でない部分もありますけれども、かなりモニタリングは実施できるようになったと考えております。
そういった中で、特に広域のモニタリングについての御質問だと思いますけれども、これまで四月から七月にかけまして、アメリカのエネルギー省、さらには防衛省などの協力も得ながら、文部科学省を中心に、三度、広域のモニタリングをしております。八十キロでやっておったり百二十キロでやっておったり、福島の近辺にまだ限定をされておりますので、これをさらに今回の補正予算で東日本全体に拡大をして、しっかりとこれを、当面は宮城、さらには栃木という形で拡大をしてまいりたいと思います。
やじが飛んでおりますが、航空のモニタリングには機器が必要なんです。この機器をとにかく諸外国からも借りてきてやっておりまして、全力を尽くしてやっております。この点については最大限の努力をいたします。
そして、もう一つ、今御質問がございました三万七千ベクレルという数字なんですが、チェルノブイリの当時に共産圏で使われていたのが一キュリーという単位になっておりまして、これが三万七千なんです。日本で今、主に使われておりますのはベクレルという数字でございますので、その数字で、現在、十万ベクレル・パー・平方メートルという形でやっております。これは、福島の近傍ですと、その水準である程度の濃淡がわかるわけですが、さらに広域でやるとなると、もう少し単位を下げた方が本当の意味での濃淡がわかるというふうに考えておりますので、広域化する際には、できるだけ単位を下げて、それぞれの地域での濃淡がわかるようなモニタリングをしっかりとやってまいりたいと思っております。
○阿部委員 もっとそれを早くやっていれば、今回、この地図でもわかるように、登米とか大崎とかのわらが汚染されているんですよね。大臣が、やっている、やっていると言うけれども、四カ月も過ぎて、機材がないと言うけれども、大臣は最もアメリカとコンタクトがとれるわけですから、アメリカの軍にお願いして、上からのモニターと下から一メートルと合わせれば、できますよ。
それから、ちなみに、キエフ、ソビエトの時代のキエフでは、五万ベクレル・パー・平方メートルの地域の子供は疎開をさせているんです。それくらい子供たちを守ろうという危機感が違うんですよ。単位がどうこうはあるでしょう。でも、そのとき、そこに起こること、人間やあるいは食物や環境やすべてに起こることをどう防ごうかという覚悟がなければ、今回の事態は乗り越えられないんだと思います。
続いて起きてしまった不幸な出来事で、私は、今回の牛の稲わらから高濃度のセシウムが出て、それを農家の個別の飼料のやり方のせいにするのは納得がいきません。だって、三月十九日に福島県の各農家に通達が出されたといいますが、三月十九とはどんな日だったでしょうか。まだ……(発言する者あり)そうです。そして、周りからも、避難していいのか、何していいのか、情報もないし、食べ物だってどうかわからなかった時期であります。しかし、そうしたことが、結果的には、今、福島県の畜産のみならず、もしかして広く東日本の畜産を壊滅的に追いやるかもしれないことを来しているわけです。
この図は、これまでの食品の衛生安全管理でも、上が農水省、下が厚労省と分かれております。きのうも武部先生が大変いい御質問をしていただきましたけれども、あのBSEの発生当時、こうした省庁ごとの縦割りと、そして、逆に、消費者の、私たち国民の本当の安全のためには、やはり個別にモニターして、きちんとはかって安全性を獲得するしかないということを私どもは学んだわけです。
しかし、今回の対応は、上の農水省については、これは、稲わらをチェックしたり、あるいはこの前までは牛の体表をチェックしたりして、そしてその状況を個別の農家に聞いて、今度解除するときには、その農家全体の中から一頭をとってきて、それでオーケーだったらいいとしましょうというお話もきのう発表されていました。私は、その方法では、恐らくまた悲劇を繰り返すと思います。
何を言いたいのかというと、上のチェックの一番最後に飲み水というものが書いてございます。これを、与えられたチェック用紙を見ますと、水道の水か、井戸水か、わき水かをチェックしなさいとあります。果たして、今の分布状況、セシウム汚染の状況もわからない中で、牧草の汚染は八都道府県から既に判明しております、そこで地下水が汚染されない保証はどこにありましょうか。
牛の飲む水は農水省だそうです、人間の飲む水は厚労省で。では、個別に全部の井戸をはかりますか、これから先。農水省に伺います。個別の井戸の水の管理をなさいますか。大臣、どうでしょう。
○鹿野国務大臣 個別ということになってまいりますとなかなか困難な点もありますけれども、今日のこの問題が提起されておるそういう地域におきましては今後取り組みをしていかなきゃならない、こういうふうに考えております。
○阿部委員 やはりこれは、今大臣も正直におっしゃったように、個別というのはなかなかできないんですよ、井戸を全部農水省がはかりまくって。あるいは、わき水だって飲むかもしれません。それをまた農家に、稲わらと一緒で、上げましたか、上げませんか、何の水を飲みましたかとチェックしていって、漏れたものがまた出た場合に、またそこが壊滅的な打撃になるということを私は危惧します。
そこで、厚生労働省に伺います。牛は、解体した後、各屠畜場で放射線をはかるということも行われておりますが、サンプリング調査で全体ではありません。きのう武部先生も全頭検査をしなさいとおっしゃったと思いますが、確かに、今、測定機器は足りておらない、人材も足りておらないというのはあるでしょう。しかし、せめて、稲わらの汚染と同時に牧草の汚染が判明している八都道府県では、ここでの牛については、当然これからは水の汚染になるのです。
全部セシウムは土に沈着しているから、それを吸って牧草が高いセシウムを示します。下に行けば、水は、あるときは地下水になりますし、井戸の汚染にもなりますでしょう。それを個別にチェックできないのであれば、消費者の口に届く前の出すところで八都道府県についてはきちんとまずチェックすべきと考えますが、細川大臣、いかがですか。
○細川国務大臣 まず、今回の稲わらでの、放射性セシウムが肉牛から出たということでの対応でありますけれども、これは、昨日、災害対策本部の方から福島県全体に出荷制限をかけたところでございます。したがって、これから、緊急時避難準備区域等につきましては全頭検査をいたします。それ以外につきましては全戸検査、こういう形でやってまいります。そして、その後も定期的に検査をする、こういうことを決めておるところでございます。
また、それでは福島県以外についてどうするか、こういうことでもありますけれども、これは今調査も進めているところでありまして、私としては、福島県と同様の措置をとるというような形で進めてまいりたい、このように考えているところでございます。(発言する者あり)
○阿部委員 私もあいまいだと思いますね。
それで本当に東日本全体の畜産業が守られるかどうかです。水の汚染は残念ながら必ず起こります。だって、土が汚染されたのですから。また、木が落ちて葉っぱが土に吸収されれば、来年も繰り返します。そうしたら、この地域は、東日本は、これから畜産やっていけないことになりかねないんです。
細川大臣も鹿野農水大臣も、我が国の将来の畜産業が本当に成り立つかどうかの大きな岐路であります。今のような遅いアクションではなくて、どっちかなんです、全部井戸水をはかるか、あるいはこの出口の肉で、口に行くまでの、消費者に行くまでではかるかしかないんです、私たちに与えられた手は。いろいろ聞いても、その牛なりの生活歴といいますか、全部をチェックすることはなかなかできない。
それと、注意が向いているところはいいんです。今のように、警戒区域とかそういったところはかえってこれから注意が向くでしょう。でも、登米から出た稲わらは新潟と山形で汚染を起こした。こうやって背後から不意打ちのようになることが国民の大きな不安になるのです。起こることは、もう予測がつきます、十分に予測がつきます。先手先手で対処していただかねば、国民の食の安全も日本の畜産業の未来もないということであります。
災害対策本部の本部長であられる菅総理に一言、御決意を伺います。総理、どうですか。
○菅内閣総理大臣 今回の牛肉からのセシウムが基準値以上のものが出たということは、こうしたことを防げなかったという意味で大変大きな責任を感じております。
そういう意味で、昨日武部先生からの御指摘、あるいは今、阿部委員からの御指摘も含めて、市場に出回っているものについては安心だときちんと言えるような体制をつくるようにと指示をいたしております。
昨日、福島で飼育された牛については出荷制限をかけましたけれども、今後そうしたことが、今申し上げましたように、市場に出回っている肉については確実に安全なものしか出回っていない、そう言えるような体制、いろいろ努力をしていただいておりますが、完璧にそう言えるような体制になるよう強く指示をしてまいりたいと思っております。
○阿部委員 私が申し上げたいのは、ことしだけのことじゃないということなんです。セシウムは、残念ながら、半減期でも十七年間、あるいは三十年間土壌にあるわけです。それを知った上で対策をするか否かが本当の意味での対策なんだと思います。
次に、子供たちの問題をお話しさせていただきます。
これは、南相馬市で、先ほど御紹介した東大のアイソトープ研究所の児玉教授たちが、ボランティアで、みずから労苦をしながら、幼稚園での放射線の高さをはかり、除染をずっとやっておられる方々からデータをいただいたものです。
ある幼稚園で、実は、いろいろなところを測定いたしますと、当然ながら、地表一メートル、あるいは一番地表、地面に近いところでは、随分放射線の値が違います。そして、室内は外よりは低いわけですが、室内で計測器を上に向けたのと下に向けたので、計測の幅が出ました。例えば室内中央、上向きで〇・六マイクロ、下向きで〇・四。幾つかの部屋で、どこでやっても、上が高い、下は低いというデータが出ました。
これがなぜであるのかというと、実は、屋上のところに「最悪!」と書いてございますが、この隅に何と三十三マイクロシーベルトの吹きだまりのようになった場所がございました。名づけてミニホットスポットと言います。しかし、これを今の文科省のように校庭の四隅の真ん中の一つではかっていたのでは、こういうスポットは出てまいりません。
そして、細野大臣に伺いますが、今度、もしこの地域に子供たちが帰るとなって、こういうことがあったら、もし大臣だったら自分のお子さんをここに帰すことに安心できますか。今やっている政府の対策というのは、生活者の目じゃない、子供を持っているお母さんたちの目じゃない。幾ら工程表一ステップが終わったって、どうやって暮らすかが一番大事なんです、環境も人間も。
そこで、この三十三マイクロシーベルト、どうしてこうなるかというと、吹きだまって、枯れ葉のようなものがたまって、ここに水がたまって乾くからであります。これの除染をどうするのか。ここから三十三マイクロシーベルトのものを取り除いたら、一体どこに捨て場があるのか。そして、すべての保育園とか幼稚園をやるには人件費も要るでしょう。これについて今度の補正は十分手当てされているのか。
そして、実は、これは三十キロ圏内ですが、先ほど申しました全国のホットスポットで同じようなことが起きております。程度の差はあるでしょう。でも、全国の測定も、ミニホットスポットをちゃんと見つけないと子供は守れないと私は思っています。
大臣に伺います。予算措置は十分であるのか、だれがこれをやるのか、お願いします。
○細野国務大臣 これから取り組まなければならない除染作業で最も政府が意識しなければならないのは、子供たちの安全の問題であると思っております。
私の子供はもう小学校でございますけれども、福島に毎週行くたびに、自分ならばどうするかということを考えています。そこでしっかりと私自身が安心だというふうに思えるようでなければ、帰ってくださいということは言えないということも意識をしております。
今御質問がございました緊急時避難準備区域でございますけれども、これから原子炉の状態の安全性をしっかりと客観的に確認した上で、その後、特にこうした幼稚園であるとか小学校であるとか、今やっていないところのモニタリングを、今やっておるんですが、それをしっかりと確認した上で除染作業に入ります。
その除染作業というのは、今、阿部委員が御指摘をされたような、こういう本当に濃いところがどこにあって、そこをどう取り除くかということに焦点を当てた除染作業という形になってまいります。実際に、こうした除染の方法については、これまでさまざまな実験をやってきておりまして、その基本的なやり方についても、既に国としてもやり方を提示しておりますので、そこはしっかりと対応してまいりたいと思います。
最後に、予算でございますけれども、学校や通学路などのモニタリング、さらには除染につきましては、県の方からも要望をいただきまして、それぞれ百二十五億、百八十億というかなりの予算がつけられております。私も、初め出てきた予算が少し少ないのではないかということを申し上げまして、そこは現段階では十分な予算が確保できていると考えております。
もちろん、国が責任を持ってやらなければなりませんし、地域の皆さんにも御協力をいただきたいと思っておりますが、万々が一これで予算が足りないという場合には、それこそそのときは、若干個人的な意見ということになりますが、予備費の出番ではないかと私は思っておりまして、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○阿部委員 決意はいいでしょう。しかし、遅いのですね。
これは、さっき申しました、民間のというか一人の医学者が、いても立ってもいたたまれず、はかり、教育委員会が協力して判明している実態です。幾つも同じようなケースがあります。だって、もう四カ月もたっているんですから。
そして、大臣はせんだって伊達市にも行かれましたでしょう、伊達の市長さんからも言われたと思いますよ。本当に予算、例えば除染のための人工代、出ますか。徹底して調査すればするほど、汚染の広がりは膨大ですよ。それを本気で除染するとして、一体、今の予算、どんな算定をしたのか、それも不安ですね。遅い、額も作成根拠が定かでない。
ただ、だがしかし、足りなければ万全を挙げて予備費を使うとおっしゃった分は、そこは前向きに受けとめましょう。早急にしてもらわないと、帰りたくても帰れないんです。若い人たちが帰ってこなければ、その地域は活性化しません。いつまでもこうやってほっておくことの方が罪だし、本当にやれることをやらないのは私は政治の不作為だと思いますから、ぜひよろしくお取り組みいただきたい。
次に、これはせんだって福島県が提案された福島県復興ビジョンの構成案でございます。
細野大臣にも前回お尋ねもいたしましたし、代表質問でも御紹介いたしましたが、この福島県の復興ビジョンの構成は、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」ということがメーンに流れております。その中で、再生可能エネルギーを十分に地域が自立を図っていくためにも活用したいこと、あるいは子供から高齢者まで安心して暮らせることなど、福島県が多難な中で一生懸命知恵を集めて発表されたものであります。
菅総理に伺います。
きょうは福島の状況が主になりましたが、子供たちの問題、牛の問題、多難な前途を抱えております。この福島県のビジョンをどう受けとめるのか。
そして、実は、奄美や沖縄では特別措置として振興法がつくられました。それは、受けた歴史的な負担が大変大きくて、そこからジャンプしていくのに、上乗せをして、そこからでないと本当に復旧できないのではないかということです。福島に関して、そうした特別振興法などの作成の覚悟はおありか。
そして、何よりもまずこれを受けとめたら私はそう思われると思うんです、脱原発で再生可能エネルギーもやりたいんだと。いろいろな意味でお金がかかります。制度も必要です。医療の充実も、大学も要るでしょう。
菅総理、決意のほどを伺います。
○菅内閣総理大臣 おっしゃるように、今回の東電福島原発事故の影響は福島県全域のいろいろな分野に及んでおりまして、その復興再生に向けては、長期的な観点から国が継続して責任を持つべきと考えております。
特に、福島県からも、復興構想会議の場等を通じて、原子力災害に絞った協議の場の設置、地域再生等に関する特別法の制定、こういった要望もいただいております。こうした福島県の要望を踏まえ、平野復興担当大臣のもと、八月にも原子力災害から復興再生に向けた国と地方の協議の場を設けるべく、調整を開始したというふうに承知をいたしております。
福島県で検討されている復興ビジョンに含まれる各種の施策について国としてどのような支援ができるか、この協議の場を通じて伺いながら、また、現在検討中の復興特区制度の活用など、法的な対応も含めて検討してまいりたいと思っております。
今幾つか、沖縄の例とか奄美の例とかおっしゃいましたけれども、福島がここにビジョンで書かれていますように、安全、安心で持続できる発展可能な社会にしていきたいという、その強い希望を国としても責任を持ってサポートする、そういう姿勢で臨みたいと思っております。
○阿部委員 残余のエネルギー政策については、締め総で行わせていただきます。
ありがとうございます。
-----------------------<中略>----------------------------
○中井委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
総括質問では、今後の我が国のエネルギー政策についてお伺いをいたします。
まず冒頭、菅総理にお伺いいたしますが、この間、菅総理が原発依存を低めていこうというお気持ちになられた経緯は、先ほど江田委員とのやりとりでよくわかりました。
さて、我が国で今後新たな原発の新設、現在十一カ所が計画中でございますが、これについては中止をなさるのか。すなわち、五月に各国でアンケート調査をいたしましたときに、日本では、新設に反対という方が七三%を占めておりました。福島原発事故の影響もあろうかと思います。
まず、これから新設はしないのかどうか、これを一点お伺いいたします。
○菅内閣総理大臣 先ほど来、他の委員の御質問にもお答えをいたしておりますけれども、まず、エネルギー基本計画の中で、従来の計画では、今、阿部委員が言われたような新設なども含めて、二〇三〇年に五三%電力を供給するということになっておりましたが、それをまずは白紙に戻して将来のあり方を検討するということで、今既に検討に入っております。
そういう中で、当然ながら、新設等のあり方についても、従来どおりということにならないことは当然であると思いますが、最終的には全体の議論の中で方向性を定めてまいりたいと思っております。
○阿部委員 もし新設をしなければ、順次古い炉から廃炉になっていきます。そこで、二〇五〇年に原発は我が国からはなくなるということでもあります。国民の多くの意識が新設は望まないということでありますので、社民党としてもそうした方針を掲げて、逆にエネルギーの不足が起こらないように、今、再生可能エネルギーをもっと促進すべきだと考えております。
そこで、海江田さんにお伺いいたしますが、海江田さんは、総理がG8で、二〇二〇年代の早い時期に再生可能エネルギーを二〇%にする、なおかつ太陽光のパネルの一千万の設置をするということを聞いて、聞いておられないというふうにお話しされたそうです。
しかし、よく見てみますと、既に福田政権のときにも、二〇二〇年には二百五十万戸、二〇三〇年に一千万戸という目標を立てておられます。閣議決定もされております。また、麻生政権でも二〇一六年から一七年で五百三十万戸と。この麻生政権の目標でいっても、二〇二〇年代の早い時期は一千万戸というのはそう唐突でもないし、福田政権の閣議決定、麻生政権の方針、そこで驚いた、びっくりしたというのは、今までの自民党政権よりも再生可能エネルギーについては後ろ向きなのでしょうか。お願いいたします。
○海江田国務大臣 阿部委員にお答えをいたします。
あのときの記者会見、これはいわゆるぶら下がりでございますが、これは、一千万戸という話を聞いていたかということについてお尋ねがありましたから、そういう数字は聞いていませんということをお答えしたわけでありまして、その前提となる太陽光発電、これは当初は二〇三〇年に二〇%ですから、計算をいたしますとおよそ五千三百万キロワットになりますが、これは私どもも十分理解をしておりまして、それについては私も賛成でありますから、そこのところを、何か今おっしゃったような、一千万戸を聞いていたかと言われたから、それでも、私はそれは若干どうしようかなと思ったんですよ、一瞬間があきましたから。ただ、私はやはりうそはつきたくない、聞いていないものは聞いていないわけですから、お答えをしたわけですから、それをもってそういう言われ方というのは、私は甚だもう遺憾でございます。
○阿部委員 だったら、実は経済産業省のお役人が問題なんじゃないですか。閣議決定で既に二〇三〇年、福田政権が一千万戸と言っているんですから、そのことを大臣には言うべきですよ。そんなにびっくりしたとかいう問題ではないんだと思いますね。
次に、菅総理、お伺いいたしますが、今回法案が審議になっております再生可能エネルギーについては、今の太陽光以外にも、小水力や洋上風力やさまざまな電源がございます。
しかし、現在のこの法案、経産省のお出しになっている法案で、果たして今申しました小水力や地熱あるいは風力が伸びていくかというと、ちょっとコストがそれ以上に、例えば風力発電では二十四円で二十年間、小水力、これは特に農業とか重要ですが、二十五円で二十年とか、地熱は二十四円で十五年とか、やはり、おのおの収益率というか、投資して収益が上がるような形で誘導しないと物は広がらないと私は思います。
こういう電源種ごとにきちんと収益性を見るという考え方について、総理はどのようにお考えですか。海江田さんにはもうこれは伺いましたので。
○菅内閣総理大臣 今回の制度では、私の理解では、太陽光発電以外について一定の範囲で価格を定める、そして、太陽光についても少しそれとは別の枠で定めるとなっているわけでありまして、そういう意味で、どういう
価格を定めるのか、この法案ができた後の作業になろうかと思います。 しかし同時に、場合によってはこの法案の議論の中で、今、阿部委員が言われたような御指摘も十分大いに議論する価値があると思いますので、議論をいただければありがたいと思っております。
○阿部委員 これは政省令にゆだねられますので、しかし、国として本気で再生可能エネルギーを取り入れていくかということが問われているのが今だと思います。
ここに、ちなみに各国の投資額を一覧にしたものがございます。二〇一〇年で十七兆円以上ですね。そこの一番目は中国であります。四兆円近くを投資する。そして、ドイツなどでは小型の太陽光パネルに投資する。いずれにしろ、我が国は全然このランキングにも出てきていない、ランキング外、十位より外。これでは、再生可能エネルギーは本当に普及していかないと私は思います。
政府として挙げての本気のお取り組みをお願いして、質問を終わらせていただきます。
-----------------------<中略>----------------------------
○中井委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の二〇一一年度補正予算案につきまして賛成、みんなの党の組み替え動議に反対の立場から討論を行います。
福島県産の牛から基準を超える放射性セシウムが検出された問題は、広がる一方です。消費者だけでなく、畜産農家の間でも困惑と不安が深まっています。しかし、まさにそのときに、政府は、福島原発事故収束のステップ1は達成されましたという発表を行いました。この乖離は一体どこから来るのでしょうか。
振り返れば、健康や食品や水の安全について不安と不信が高まる中で、政府は、直ちに健康に影響はない等々を繰り返してまいりました。ところが、一たん事態が発生すると慌ててその場しのぎの対策をとる、この四カ月間はこの繰り返しでした。きめ細やかなモニタリングを行い、正確な汚染マップをつくり、可能な限り除染を進める、チェルノブイリでのこうした教訓は全く生かされておりません。
また、放射能汚染瓦れきや汚泥の処理は、遅々として進んでいません。土壌等の除染も自治体任せです。汚染された汚泥や除染した廃棄物の置き場の確保を含め、国がリーダーシップをとって、多くの自治体の協力を得て一気に進めるべきです。しかし、そのための立法も予算措置もいまだになされておりません。
一方で、今回の第二次補正予算案には、東京電力の存続と地域独占体制の維持を図る原発賠償機構法案にかかわる予算も計上されております。こうした問題点もあり、また、被災地の切迫したニーズにおくればせの対応でもありますが、しかし、二重ローン問題などを含めて、とにかく速やかに執行する必要があると思い、第二次補正予算案には賛成いたします。
チェルノブイリを超える福島原発事故は、いまだ収束の本格的めどは明らかになっておりません。こうした中で、日本のエネルギー政策を原発依存から脱却し、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーにシフトしていくことが問われていると思います。これは日本の社会のあり方の未来の基本にかかわることで、国民も国会も真剣に論議することが必要だと思います。
そんな中、菅総理が、原発に依存しない社会を目指す、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現するという基本的な考え方を表明したのに対して、野党のみならず与党の中からも、また閣僚からも、政局絡みの反論あるいはやゆする発信があるのは、全く残念な限りです。菅総理の問題、とりわけ進退問題ばかりに関心を向けるのではなく、国民の要求するところのこの国の方向性をめぐる議論を真剣に行っていくことを私ども国会議員は改めて決意せねばならないと思います。
しかし、他方で、菅総理を初めとする現政権の行政能力の欠如が、震災と原発事故からの復旧復興をおくらせていることも事実です。壊滅的な被害を受け、自治体機能も大きく損なわれた地域もある中で、自治体支援の強化は必須です。今後、第三次補正予算も編成されるわけですが、各自治体の使い勝手のよい震災一括交付金や、あるいは県単位の復興基金などをもって、しっかりと対応することが問われていることを最後に明らかにして、私の賛成討論といたします。(拍手)
第177回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る