予算委員会公聴会 第1号(平成23年2月22日(火曜日)) 抜粋

案件:

 平成二十三年度一般会計予算

 平成二十三年度特別会計予算

 平成二十三年度政府関係機関予算

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〔前略〕

中井委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日の四人の公述人の皆様のお話、大変参考になり、勉強もさせていただきました。順次お伺いいたします。
 まず、犬飼公述人にお願い申し上げます。
 きょうのお話の中で、現政権の新成長戦略の中での金融政策ということを大変評価されてのお話でありました。と同時に、前政権の時代も、アジアにおける金融というのは、日本にとって大変重要なものである、持続するテーマであるという御指摘もございました。
 思えば、宮沢大蔵大臣の時代にアジアの金融危機がございまして、当時の総理も、何とかアジアの金融市場を、それこそ欧米を介さないで自分たちの本当の発展のために潤滑油効果を出したいと願われたテーマだと思います。その意味で、御指摘は私は大変参考になりました。
 今、金融と申しますと、アメリカのサブプライムローン問題もそうですが、いろいろなリスクがそこに発生する。G20でも、食料などの高騰は、余ったお金がそこに入り込んでいるのではないかという指摘もあったと思います。
 アジアの金融ということをこれから前向きに考える場合に、リスク要因というか、逆にどういうことにきちんと対応しておくことが重要なのか。先ほどの御指摘だと、中国の政治経済体制の問題を一つ言われておりましたけれども、中国は、ここにおいて非常に大きなシェアを持っております。あと、日本の貯蓄の部分がこれから活用されるであろうという御指摘でもあったと思いますが、本当にアジアの足腰を強くしていくためには、一方のリスクも見ながら進めることが肝要と思いますが、その点については何を注意しておけばよいでしょうか。

犬飼公述人 大変に重要な御質問を大変ありがとうございます。
 アジアにおける金融の面におけるリスク要因というお話であるわけですけれども、一九九七年のアジア金融危機、このときに起こったこと、その経験を踏まえて、アジアの各国というのは、為替変動に対する、あるいは金利変動に対するリスク、これの対処方法をかなり厳密に打ち立てております。そのおかげといいますか、それによって、このたびのリーマン・ショック以降の世界金融危機において、アジア諸国が比較的落ちついていられるということが言えるというふうに私は理解しております。
 そういう意味では、アジアの中の金融の状態は世界の中でかなりいい。金融がいいという意味は、金融のリスク管理能力がアジア全体にかなりふえてきているというふうに私は理解をいたしております。
 例えば、九七年の金融危機のときに起こった問題が、実は、めぐりめぐってといいましょうか、ヨーロッパのEUの諸国の中で、アイルランドであるとか、ギリシャであるとか、東欧の諸国であるとか、ユーロという通貨を採用している国々で、同じロジックで同じリスクが起こっています。それによって、EUの諸国が大変に困った状態になっている。そういうことから考えますと、九七年のアジア通貨危機の経験は、代償も大きかったんですけれども、大変に貴重であったというふうに思っております。
 もう一つは、グリーディー資本主義とか、アメリカ、イギリスのアングロサクソン型の金融というものと比べますと、アジアの金融は全く別物である。別物という言い方は変かもしれませんけれども、お金をもうけるための金融というものは、全世界に広がっているようで、アジアでは必ずしもそうではないというふうに私は考えております。
 日本もそうですけれども、お金もうけのためではなくて、足るを知るということが前提になった上で、それぞれ金融機能を強化していこうということをアジアの官民が一斉に感じて動き出しているということは、非常にすばらしい動きではないかというふうに私は思っております。
 もちろん、アジアにおいてはいろいろなリスクはあるんですけれども、それを乗り越えるだけのアジアの潜在の成長性、その潜在的な成長性がここ近年では現実化しておるわけですけれども、世界的な金融リスクを乗り越えるだけのものがアジアにだんだん備わっているというふうに思います。
 問題は、欧米の観念からいうと、例えば格付問題にしても、今、例えばマレーシアであるとかインドネシアが随分よくなっているということがあるんですが、その割に、欧米からの評価がそれほど高くないというような問題もまたこれあります。
 したがいまして、日本を含めて、アジア諸国がみずからのよくなっている部分をこれからどんどん前向きに情報を発信していくということが重要ではないかと思います。
 以上です。

阿部委員 私は、民主党が政権交代当初掲げられた東アジア共同体という考え方も、そうした金融に裏打ちされて、特にこれからのアジアの発展を取り込んでいくためには大変重要な考え方であったと思っております。
 この点は私の見解として申し添えて、次に岡本公述人にお伺いをいたします。
 岡本公述人が、ちょうど鳩山総理に呼ばれて、官邸でいろいろ抑止力についてのお話をされているころ、私は社民党の政策審議会長として、一たんは年末に普天間にという結論づけがされそうになったところを、もう一度考え直してみようということで、国民新党の皆さん、民主党の皆さん、政府とあわせて、社民党案を出すという役割を担っておりました。私は、そのとき、いみじくも、きょう岡本さんがおっしゃったことと内容的には大変近いことを提案させていただいたのです。
 実は、一九七二年に沖縄返還が行われて以降も、沖縄の基地負担というのは軽減されるどころか、それまで山梨とか岐阜にいた海兵隊が逆に沖縄に置かれるということになって、結果的に見れば、基地負担が本土よりも増強されてまいりました。
 これは、学べば学ぶほど、もう耐えられないというそのお声も当然と思いましたので、もしも本当に日本に海兵隊も含めた抑止力が必要であるならば、本土も含めてもう一度考え直すべきだと私は思いました。もちろん、社民党としてはグアム移転ということを第一に掲げましたが、それの時間段取りと、その間にも、もしも必要性があるならば、全国民の論議の中で沖縄の負担を分け合うのも私は政治の姿だと思いました。
 きょう、岡本さんは、八条委員会でも設けて、国会の中で、沖縄に対しての本土側、沖縄ももちろん政治の一環ですが、長年の本土の持ってきた構造的問題をきちんと解決する姿勢を示すべきだとおっしゃいました。本当に私はそのとおりだと思います。先般、ジョセフ・ナイがインタビューに答えて、何も沖縄じゃなくたっていいんだよというふうに、本当に平易な言葉で言っていたのも私は印象に残ります。
 この点も含めて、もう一度、今この問題は非常に膠着しております。少なくとも、何を政治の誠意として示すべきか。そしてもう一点、グアム移転もさまざまな環境問題を抱えておりますから、これは日本とアジアの諸国との連携ということで、もっと本当に真剣に考え、負担の軽減等も含めて考え、やがては私はグアムに行ってほしいと思っておりますが、この点についてのお考えもお願いいたします。

岡本公述人 もし阿部先生がおっしゃっていることが次のような意味であれば、私も賛成でございます。すなわち、何年かかっても、たとえ二十年かかっても、沖縄の海兵隊を可能な形にして本土に移設するための道筋をつけるということであります。
 しかし、往々にして、本土移設というときには、普天間の基地だけを沖縄にいる海兵隊から切り離して、これを本土へ持ってくる。社民党さんも、普天間の飛行場だけを硫黄島に移設しろというような御主張をおっしゃいました。私は、これにはくみしません。
 ただ、阿部先生が今おっしゃられるような、長期的な海兵隊全体としての取り扱いということであれば、私は、これは国家として本当に真剣に取り組むべき課題だと思っております。
 その際に、アメリカとの信頼関係を崩してはならない。したがって、日本が何のためにそれをするか、そして、あくまでもアメリカが今持っております能力というものを減じない形での移転ということが私は必要になると思います。
 グアム移転の議論などがよくなされます。私は、これを主張する方々が基本的に間違っていると思いますのは、我々は米軍を沖縄にいさせてやっているんだという、この発想なんでございますね。
 沖縄におります米海兵隊、米軍は、総体として、先ほど来議論してきておりますように、日本のための抑止力であります。むしろ、アメリカは、いてやっているという意識でございましょう。出ていけと言えば、彼らは案外あっさりと出ていってしまう。そのときに、私は、国家の安全に大きな危険を持ち込むことになると思いますので、グアム移転、海兵隊を今の時点で国外に移設させるということには反対であります。

阿部委員 アメリカ国内でも、海兵隊の役割やそこへの予算づけについては、本当に速いスピードでいろいろな変化がございますから、お互いが意思疎通をよくしながら、しかし、私はやはり縮小の方向でやれると思いますし、ただ、信頼は損ねてはいけない。
 それから、沖縄の皆さんにとりましては、これは返還直後も、抑止力とは何かという論議があったときに、沖縄そのものを守るものではないというふうにまとめられた外務省の文書などもあって、であれば沖縄は何に耐えているのかということがずっと疑問であったと思います。ここは、私は本当に重要な政治家としてのテーマと思います。
 なお、先ほど、私が、年末に普天間に決まりかけたと申しましたが、これは辺野古の誤りでございました。申しわけございません。
 もう一問お願いいたします。佐々木公述人にお願いいたします。
 私は、きょうお示しいただいたデータ、大変に興味深く拝見をいたしました。普通、企業行動からいえば、内部留保を持たないで次の資金に回していくという方が企業の普通の行動であると思いますが、それがこうした形で内部に貯蓄されている現状の中で、このときすぐに財政再建ということを言えば、それはできないだろうという御指摘も、本当にそうだと思います。
 私がもう一点伺いたいのは、では、金融緩和等々でこの国に回る資金をもっともっと多くすることは、果たしてこの段階でどうであろうかということをお願いいたします。

佐々木公述人 金融政策について御質問いただきましたけれども、既にもう短期金利がゼロという状態が十数年続いていますし、長期金利も一%半ばという段階で、基本的に、金融政策を通じて民間の資金需要が喚起されるという状況ではないというふうに思っております。
 金融政策の議論につきましては、インフレターゲットや量的緩和がきくのではないかというふうなことも言われております。先ほど申し上げた民間の資金需要、銀行を介した金融取引というのは間接金融ですけれども、直接金融を介して、金融市場を通じてきくのではないかという意見もありますが、最終的に株価あるいは為替レートが円安あるいは株高の方向に行ったとしても、実体経済がそれに伴った形で利益を上げるというふうになっていなければ、金融緩和をやめた時点で株価が暴落してしまうというリスクが出てきてしまいますので、今は、金融政策を主導して景気回復を図るというよりも、むしろ財政政策を使って実体経済をよくしていくという方が先決ではないかというふうに思っております。

阿部委員 御意見を参考にして、これからの審議に役立てます。ありがとうございました。


-----------------------<中略>----------------------------


中井委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、四人の公述人の皆さんの貴重な御意見、ありがとうございます。順次御質問をいたします。
 まず、逢見公述人にお願いいたします。
 たしか去年も公述人としてお越しいただきまして、ことしは、働くことを軸とする安心社会で、去年のお話のときには労働という言葉を使われておりましたけれども、よりやわらかに、わかりやすく、働くことを軸とするというのは大変に受けとめやすい言葉であると思うんですね。
 さはさりながら、私はこの間の連合の皆さんの発表するものを見ていてもう一つ懸念の点がございまして、働くことに最も重要な価値を置き、だれもが公正な労働条件のもと多様な働き方を通じて社会に参加でき、社会的、経済的に自立することを軸とすると。これだけさらさらっと読めば当然なのですけれども、果たして、働くということは経済的、社会的自立ということと本当にぴったり一緒なのか。
 世で言うシャドーワークですね、介護とか育児とか、家庭の中でも、外に向いて働いていなくてもしっかり働いている現状があります。これについて、今まではワーク・ライフ・バランスという言い方で言ってきたのですけれども、働くことと家庭生活のバランスですが、今現在の日本において一番問題になっているのは、御高齢期の方々を介護として支える部分が、自分が暮らすということ以上に物すごく大きなウエートを占めたり、あるいは、少子化に典型的ですが、子供を持つということが大変に負担感をもたらしていて一歩踏み出せない状況、こういう状況を見たときに、もし来年また公述人としていらしたら、ワーク・ライフ・ケア、いわゆるケアという新たな分野に光を当てた全体の働くイメージを、働くというか、生きて暮らすイメージをもう少し出していただきたいと私は思うんですね。
 なぜこんなことを言うかというと、例えば、民主党の皆さんが、子ども手当の財源に、ことしはなさらなかったけれども、配偶者の扶養控除を外されようとマニフェストではしておられましたけれども、私は小児科医で、家庭がどう子供たちを守っているかということを考えたとき、必ずしも外の労働でなくて、本当に重要なものがいっぱいあると思うんです。その価値、家族の価値、家庭の価値をもう一度取り戻さないと、同じ同居でも、白骨化した御老人がいるとか、子供の世話が大変で、結局は貧困の中で虐待しちゃうとか、尋常ならざる世界が広がっていると思います。
 さて、連合の皆さんの御認識はいかがでしょう。

逢見公述人 御指摘ありがとうございます。
 働くことを軸とする安心社会というのは、我々、約一年かけて、ですから、去年この公聴会に出席したころにはまだこの概念は固まっていなかったわけですけれども、その後の議論の中で、目指すべき社会のあり方を一つのフレーズとしてまとめたものであります。
 この働くの中には無償労働というものも含まれております。もちろん、雇用された有償の賃金というのは非常に重要なんですが、しかし、私たちは、無償労働についての意義というのは、先生御指摘のとおり、家庭にとっても地域にとっても非常に重要なものであるというふうに理解しておりまして、このことを決して軽視するというものではありません。
 ケアということについては、私たちは、地域社会における見守り、子供を見守る、お年寄りを見守る、障害のある方を見守るというのは非常に大事なことであって、こうした全体の見守りを社会保障の中の重要な位置づけとして入れていくべきだと。特に、ケアという部分については、地域介護支援センターというのがありますが、この機能をより強化して、その範囲も広げていくべきだろうというふうに思っております。
 そうしたことと、それから介護の担い手ということが非常に重要であります。今、介護労働のニーズはあるんですけれども、残念ながら、新たにその世界に入ろうとする人が少ない、せっかく入っても短期でやめてしまうということがありまして、こうした介護を初めとするケアという労働についての専門職としての価値をもっと国民の間に共有するものにして、非常に大事な仕事で、専門性のある仕事であるということを理解していただく必要があると思っております。

阿部委員 私は、介護保険ができ、そして今回、子ども手当ができてもなお、それ以上のもっと大きな価値が家庭や家族というところでしっかり担保されないと、本当に人間が孤独でばらばらで、結局弱い者が消えていくということになると思いますので、ぜひ、連合の皆さんに、そうしたことにも目配りをいただきたいと思います。
 引き続いて、きょう、冨士公述人にお伺いしたいのですが、実は、皆さんがおつくりになった「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る緊急全国集会情勢報告」というのを読んでおりまして、非常にいい表現がございました。ちょっと読ませていただきます。
  国を開くとか開かないとか、鎖国とかいった言い方は、国民・消費者を誤った情報でTPP参加に誘導するものです。
  そもそも関税を設定することは「悪」で、関税をゼロにすることが「良いこと」のように言いますが、それは誤りです。
  世界の国々は大きな国もあれば小さな国もあり、北に位置したり南に位置したり、平地だったり山国だったりするわけで、その変えることが不可能な各国の国土条件などを平等にするため、同じ土俵にして公平なものにするために、関税の設定が認められています。
 これは当たり前過ぎるほど当たり前なんですけれども、どうも、年明けてからの菅総理は開国という言葉がお好きで、メディアもみんな開国、開国と言って、これは一体何なんだと。私は、本当に国民を誤った方向に導き、結果的には食料自給もままならないということになって、国を滅ぼす大きなもとになるというくらいに思っている者の一人です。
 一方で、EPA、FTAあるいはWTOのような世界のルールというのはそれなりに歴史があり、特にWTOなどは、第二次大戦前はブロック経済になって、それがお互いの利害のぶつかり合いで戦争にまでなっていくという中で、そうではなくて、本当に世界のルールを築こうということでやってきたわけで、そしてまた、ここにも文章がありますが、「WTOドーハ・ラウンドで、各国の多様な農業の共存を基本にし、」というすごくいい表現。それで、日本も十年にわたり粘り強く交渉してきたわけで、今TPPに入るとこれを壊しちゃうということ、そのことが、スイスやノルウェーや、ともに闘ってきたフランス、イタリアなどヨーロッパ諸国に対しても大きな弊害になるということが書いてありました。
 もう少し詳しくお願いします。

    〔委員長退席、泉委員長代理着席〕

冨士公述人 ありがとうございます。
 WTOとの関係でありますけれども、日本は、日本の貿易政策の基本をWTOに置いてきたというふうに思っております。それは先生おっしゃるように世界共通のルールでありますし、関税の単なる率だけではなくて、輸出補助金でありますとか国内の補助金でありますとか、そういう貿易を歪曲しているものすべてを土俵に上げて、公平公正な観点から議論をしているという意味で、WTOを貿易政策の基本に置いてきたわけであります。
 それで、補完するものとしてFTA、EPAを持ってきたという関係にあるというふうに理解しておりますけれども、今回のTPPは、こうしたこれまでWTOを基本に据えて我が国が経済外交を展開してきた主張や考え方と根底から違うもの、覆すものというふうに思っております。
 我が国は、WTOの中でも認められた非貿易的関心事項、これに基づいて、多面的機能と言われていますけれども、各国の農業の多様な共存ということを共通項として主張してきたわけです。その一環として、上限関税の設定には反対するとか、重要品目の数の十分な確保でありますとか、各国の多様な農業が共存できる、そういう枠組みとして、WTOでのさまざまな交渉をしてきたわけです。そういうことに対して、特にEU諸国などのいわゆる新大陸ではない国々は、自給を基本にした農業でありますので、非常に日本に対して理解があります。そういう意味で共闘を組んできましたし、スイス、ノルウェーとは、食料輸入国として、まさにG10のグループを形成してきたわけです。
 そういうことからすると、今度のTPP交渉で日本が交渉に参加するということになれば、まさに関税撤廃を世界に対して宣言するようなものでありまして、そういう意味で、これまで日本がWTOを基本に通してきた主張と、今TPPに臨もうとしている主張、そこに物すごく違和感があるというのが実態ではないかと思います。WTOとの整合性も十分図れないのではないかというふうに認識しております。

阿部委員 各国にとっての食料主権は命を守る根本ですから、私も、今の公述人の御答弁のような方向で日本は進むべきと考えています。
 次に、駒村公述人にお願いいたします。
 いつも年金問題を初めいろいろな御助言をありがとうございます。
 きょうは、できれば二点、足早にお伺いいたしたいと思いますが、一点は、年金問題全体として見た場合に、生活保護との整合性というか、はっきり言うと、保険料を全然納めていなくても、生活保護の方が給付が多いじゃないかとよく言われるところのものです。この問題について今何をなすべきかということと、もう一つは、ことしも就職内定率が非常に悪く、これは連合の言葉をかりれば、教育から働くことにかける橋の問題だというふうになって、駒村公述人は「世界」にも書いておられますが、この二点、忙しくて済みません、お願いします。

駒村公述人 年金の方でございますけれども、今、生活保護受給者は大変ふえていて、その半分近くが高齢者という状態であります。高齢者が生活保護を受ける割合というのは、かつては高かったんですけれども、だんだん落ちてきてはいたんですけれども、九〇年代の半ばから反転上昇をしてきて、これからは、高齢化が進めば不安定な年金の方と高齢者の数がふえますので、生活保護にどんどん入っていくということはあるかと思います。
 一方、先ほど申し上げましたように、基礎年金がかなり下がっていきますので、こういった中で、生活保護と基礎年金の関係はやはり高齢期の所得保障政策として一体として見ていかなければいけない、ばらばらに議論をしてはいけない、こういうふうに考えております。
 内定の問題でありますけれども、まさにかけ橋が壊れておるところが問題でございまして、そこについては、教育システムとの連携した見直しと、所得保障政策、求職者支援制度のような、生活保護と雇用保険の間のような、スプリングボードを持ったような仕組みを別途考えなきゃいけない。
 ただ、これは、労働市場をどう整備するかということと、非正規やキャリアラダーのある労働市場をどう整備するかということと、同時にそれも準備しなければ効果がないと思います。
 以上です。

阿部委員 急がせて済みません。
 小田川公述人には伺えなくて申しわけありません。
 ありがとうございました。


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