180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第7号(平成24年6月19曜日)) 抜粋 案件:
理事の補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案(参議院提出、参法第二二号)
議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ (衆議院のサイト)(お使いのブラウザー環境によっては、再生できない場合があります)
〔前略〕
○古賀委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
昨年の東日本大震災の中で生じた東京電力の福島第一原発事故から、もう一年以上が過ぎました。そして、今回、参議院の皆様の御尽力で、不安を抱える子供を初めとする被災者の皆さんへこうした支援のための立法がつくられたことを、私も心から感謝するものであります。
そして同時に、実は、一年以上たちましたと申し上げたことの中で、未曽有の東京電力の事故がもたらした放射能の飛散というもの、飛び散った放射能というのは、私たちがこれまでの中で想像だにし得なかった広がりを持っていると思います。
一点目、お伺いいたしますが、支援対象区域については、いろいろな委員からの御指摘、御質問もありましたけれども、単に空間線量等々だけで必ずしも把握されない、いわゆるホットスポット問題、あるいは、今は川や沼、湖の汚染状況も、全国に広がっていると言っても過言ではないと思います。
提案者に伺いますが、一定線量といった場合には、そうした事故が実は非常に大きな広がりを持ったものであり、綿密な計測、空間線量にとどまらない計測が必要であるという御認識でありましょうか、お願いします。
○谷岡参議院議員 阿部委員にお答えいたします。
そのとおりであります。私どもは、ガンマ線を中心といたします空間線量ということはもちろん重要だとは思っておりますが、とりわけ、子供を含めて、成長期にある子たちの骨に入りますストロンチウムでありますとか、また肺に入りますと本当に大きな肺がん等の影響を及ぼすことになりますプルトニウムとか、そういうものも含めてもっと細かいメッシュで切っていく必要があると思っております。
また、おっしゃいますように、特に河川また海を中心といたしまして、今、底魚と言われているようなもののレベルも上がってきております。これは、底土の土壌の汚染が大変厳しい状況にあるからだと思っておりまして、ここについてはより一層しっかりとしたモニタリングをやるとともに、それを国民に提供する義務があろうかというふうに思っております。
○阿部委員 今のような立法者の趣旨を踏まえて、平野文部科学担当大臣にお伺いいたします。
この法案では第六条に、放射性物質の種類ごとのきめ細やかなモニタリングということも規定してございます。これまで文科省が中心になりまして、さまざまなモニタリングの調整をなさってこられました。今度新たに規制庁が発足するに当たって、こうした体制のさらなる充実ということも含めて、お伝えになるべきこともおありになろうかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 阿部先生にはもうずっとこのモニタリングの問題について指摘を予算委員会等々でいただいております。
今、現実に、モニタリングの実施状況ということで少し触れたいと思いますが、福島第一原発の事故に伴う放射線モニタリングということで、関係府省、福島県が連携して総合モニタリング計画を打ち出しておりまして、これに沿いまして、陸域、海域、食品、水環境など、抜け落ちのないよう、いろいろなモニタリングについて着実に進めてきたところでございます。
具体的には、先ほどの議論もございました、モニタリングポスト、いわゆる空間線量の測定、土壌に含まれる核種ごとの放射性物質の分析、河川や海などの水、土に含まれる放射性物質の分析、食品、水道水に含まれる放射性物質のモニタリング等々については、関係府省や福島県と分担をして進めてまいりました。
さらに、放射性物質の拡散、沈着、移行の状況を把握するための調査研究については、昨年六月から第一次調査を実施いたしております。梅雨前後の時期における森林、河川等の自然環境中の放射性物質の沈着状況等々を含めて、ことしの三月に報告書をまとめております。現在、冬季における自然環境中における第二次調査を取りまとめ中でございます。
今後とも、関係府省、福島県等々を含めて、必要な放射線モニタリングを実施する、こういうことでございまして、今、規制庁に、法案を通していただきましたならば、支障のないようにしっかりと引き継ぎをする、このことによってモニタリングの充実強化に努めてまいりたい、かように思います。
○阿部委員 ぜひ、そうお願いしたいと思います。 実は、放射能はある県でとまるものでもありません。そして、三百キロ圏に飛散したと言われて、静岡のお茶でも問題になりましたけれども、それをも超えて、今度は水の流れでさまざまに拡散しておりますので、十分なモニタリング体制というのは今後こうした支援対象区域を決めていく際にも不可欠と思います。
引き続いて、経済産業省の北神政務官に伺いますが、きょう、お手元の三枚のとじの中の、三ページ目にはチェルノブイリ法、そして一枚目にはこの間の推定年間被曝線量の推移ということで、今回、さまざまな指定におけます避難指示解除準備区域の策定に当たって、五十ミリ、二十ミリ、十ミリ、五ミリという
しかしながら、三枚目のチェルノブイリ法で見ていただければわかりますように、チェルノブイリでは、五年たった時点ですが、五ミリシーベルト・パー・年間以上のところは移住の義務が課せられたところになっております。私は、今の二十ミリで解除をしていくという方針は、この減衰曲線に従いましてもまだまだ五ミリになるには年月がある、どんなに除染をされてもこれはなかなか厳しいと思われます。
そこで、二十ミリで帰還がかなうというようなメッセージとして受け取られないような、ここはさらにもっと、実はチェルノブイリに学んで五ミリという線もこれからもっと一に近づけるわけですが、そうした安全の側に配慮した考え方をとっていただけるものと思いますが、いかがでしょう。
○北神大臣政務官 先生がおっしゃっていることは、昨年の十二月二十六日に原子力災害対策本部で、年間の二十ミリシーベルトというものを基準にして、それで住民に帰還をしていただく準備地域とするということだと思います。
チェルノブイリの話も御指摘がありましたが、一応この二十ミリシーベルトの考えというのは、決して素人議論で決めたことではなくて、国際放射線防護委員会、ICRPとか、国際原子力委員会、IAEAとか、こういった議論も踏まえておりますし、内閣官房の中に低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループというものを設けまして、これは国内外の有識者から成るものでありまして、この中の議論で、ほかの発がん要因によるリスクと比較して二十ミリシーベルトというのは十分低いものである、こういう評価もいただいております。こういう考え方でやらせていただいているということでございます。
○阿部委員 それはもうのけぞってしまいますね。例えば二十ミリシーベルトで五年おられたら、実効線量はわかりませんけれども、概念的には百ミリシーベルトに五年でなってしまう、生涯を通じて百ミリシーベルトと一方で決めて、二十ミリシーベルトで帰れるよというのは、やはり何を大事にしているかというところが違ってくると私は思います。
一ミリシーベルトに近づけていくというところ、それから除染の進捗状況もこれから見なければいけませんが、今の北神さんの御答弁では到底住民は納得し得ない、子供さんなんか抱えていたら帰れませんよ。本当に帰れる体制をどうつくるかであります。後ろからお手が挙がっていますが、時間の関係で指摘にとどめさせていただきたいと思います。
引き続いて、提案者に伺いたいと思います。加藤議員にお伺いいたしますが、我が国は広島、長崎での被爆を経験し、このことについては国が率先して被爆者のための援護法をつくったりしてまいりました。今回の福島の東京電力第一原発事故にあっては、福島県に委ね、福島県民の範囲で行われてきたという施策が多かったと思います。
これは、国の責任で推進してきた原子力のさまざまな政策に対して、国として明確に責任が示されていない。健康に与える影響も含めて、今回、参議院においての皆さんの立法趣旨の中ではここをどうお考えになったか。この法律が必要とされる、今回の法が必要とされる根拠でもあると思いますし、また、福島県外の皆さんが健康に不安を抱えられた場合にどう応援していけるかということ。県外とは、避難している方も、あるいは、宮城県の丸森地区もそうでありましょう、千葉の流山もそうでありましょう、いろいろな地域がございます。起こしたことに対して国の責任と健康管理ということで加藤提出者のお考えを伺います。
○加藤(修)参議院議員 お答えいたします。
第九条の支援対象地域以外の地域に移動して生活する子供及び妊婦の健康診断につきましては、身近に必要な医療を受けることができるようにするために、政府において必要な体制整備を図るとともに、医療機関に対する情報提供を行うことなど適切な施策を講ずることが重要である、このように考えております。
また、福島県以外で支援対象地域に設定された地域に居住する子供及び妊婦に係る健康診断につきましては、現に行われております福島県の健康管理調査と福島県以外に実施される健康調査の内容が不統一という事態が生じることは好ましいものではないと考えておりますので、そこで、第十三条第二項に基づいて国が適切に必要な施策を講ずることによって、福島県の内外を問わず、被災者は同じ内容の健康調査を受けることができるようになるものと考えている次第であります。
さらに申し上げますと、第十三条の第二項に基づいて行う施策の内容につきましては、野党としては、これらの健康診断について、福島県の自治事務という現在の健康管理調査の位置づけの見直しを含めて検討されるべきである、このように考えている次第でございます。
○阿部委員 吉野委員の冒頭の御質疑でもありましたが、福島という言葉ではなくて、東京電力の第一原発事故が及ぼしたものについて国がどう対策するかというところがみそであると私も思います。それは福島の皆さんのためにもそうであろうし、これは国策として進めた原子力政策の結果を受けたものでありますから、ぜひ、今の加藤議員の御提案の趣旨を踏まえて、今後の施策を望みます。
最後になりますが、福島第一原発事故の被災者への医療提供体制というもので、これまで行われてきた医療提供体制をさらったものが、私の資料の二ページにございます。実にさまざまな省庁が縦割りで、おのおの連携がとられておらない。例えば、厚生労働省は被曝に関する医療はうちではないとおっしゃいますし、文部科学省は賠償や緊急時被曝医療体制についてだけ、復興庁はワンストップサービス、内閣府は原子力災害対策本部云々、経産省は先ほどの北神さんの御答弁のとおり、環境省がこれから中心になると言いますが、本当に必要なことは、一人の人間の健康を守っていく総合施策であります。
その意味で、平野復興担当大臣には、もう御答弁をいただく時間がございませんので、先ほど来、もし規制庁にそうした健康の管理を含めてのさまざまな被災のケアが委ねられたとしても、復興の中心は命であります。命と暮らしであります。しっかりと復興の中心としてフォローしていただける主務官庁であることをお願いして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございます。
第177回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る