第180回国会 厚生労働委員会 第17号(平成24年8月1日(水曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)
厚生労働関係の基本施策に関する件
議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ1
ビデオ2
ビデオ3(衆議院のサイト)(お使いのブラウザー環境によっては、再生できない場合があります)
〔前略〕
○池田委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。よろしくお願いします。
今回の高齢者の雇用安定法改正案は、そもそもの政府原案は基本的に評価をしておりました。すなわち、就労人口が減少して、また高齢者の雇用促進は経済の活力の維持向上のためにも必要であるという観点と、一方で、厚生年金の支給開始年齢の引き上げのすき間を埋めるためには、六十五歳まで安心して働くことができるという趣旨の法改正であったと思います。
ところが、急遽出された民主党、自民党、公明党の三党による修正案には、大きな懸念どころか、ちょっとこれはいかがかと思うことがございますので、冒頭、修正案の提案者にお尋ねをいたします。
三党の修正案では、これまでですと、継続雇用制度の対象者を限定しないで、とりあえず全体をいたしましょうという法の基本理念からは逸脱していまして、心身の故障のため業務の遂行にたえない者等の継続雇用制度における取り扱いを含む指針を出そうということであります。
この心身の故障のため業務の遂行にたえない者等というものの解釈の中で、企業の中で、例えば、内部告発者とか、複数の労働組合があった場合の少数組合の役員や組合員などが、業務の遂行にたえないという理由で継続雇用が拒否されるような事案が想定されるかどうか、岡本提出者にお願いします。
〔委員長退席、長妻委員長代理着席〕
○岡本(充)委員 この修正案は、原案でもあります継続雇用制度が希望者全員を対象にするということがまず基本です。一方で、各企業において定められる就業規則の解雇、退職事由に該当する者については定年前であっても退職させることができることから、定年後も例外的に継続雇用しないことができると解される、こういう話であります。
今御指摘のように、では、今回修正案を出した、これをもって、例えば、内部告発者や少数組合の組合員などがそのことを理由として継続雇用を拒否されるのではないかという御懸念がおありのようですが、その御懸念は当たらないと思っています。
それは、現に、例えば内部告発者を解雇することは、そもそも公益通報者保護法第三条違反であり、違法であること、また、少数組合の組合員を解雇することも、労組法の七条など、判決もあるようですけれども、こういったものと照らし合わせても、これ自体が適法と解されないことから、あり得るものではない。
しかしながら、今御懸念のあるような、そもそも我々の考えの中でも、恣意的に誰かを排除する、こういうようなものを考えて今回の提案をしているわけではなくて、労使双方にわかりやすく示すということを考えているということです。
○阿部委員 この修正案は、原案でもあります継続雇用制度が希望者全員を対象にするということがまず基本です。一方で、各企業において定められる就業規則の解雇、退職事由に該当する者については定年前であっても退職させることができることから、定年後も例外的に継続雇用しないことができると解される、こういう話であります。
今御指摘のように、では、今回修正案を出した、これをもって、例えば、内部告発者や少数組合の組合員などがそのことを理由として継続雇用を拒否されるのではないかという御懸念がおありのようですが、その御懸念は当たらないと思っています。
それは、現に、例えば内部告発者を解雇することは、そもそも公益通報者保護法第三条違反であり、違法であること、また、少数組合の組合員を解雇することも、労組法の七条など、判決もあるようですけれども、こういったものと照らし合わせても、これ自体が適法と解されないことから、あり得るものではない。
しかしながら、今御懸念のあるような、そもそも我々の考えの中でも、恣意的に誰かを排除する、こういうようなものを考えて今回の提案をしているわけではなくて、労使双方にわかりやすく示すということを考えているということです。
○岡本(充)委員 今お話がありましたように、今回、労使協定により継続雇用制度の対象者を限定できる、いわゆる対象者基準が廃止をされるわけです。このことから、継続雇用制度は希望者全員を対象とすることが基本となる。その際、就業規則における解雇、退職事由に該当する者については継続雇用の対象外とすることがあり得るというふうなことを考えているものでありますして、いずれにしても、政府案に先立つ労政審の建議でも、労使協定による対象者基準は廃止することが適当であること、その際、就業規則における解雇事由または退職事由に該当する者について継続雇用の対象外とすることもできることが適当であること、また、対象者基準廃止後の継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取り扱いについて労使双方にわかりやすく示すことが適当であることとされています。
この修正案では、この労政審の建議を踏まえ、対象者基準廃止後の継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取り扱いについて労使双方にわかりやすく示すために、高齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の根拠を定めるということでありまして、この労政審の建議というのがまさにそのもととなっているというのが、まさに委員のお尋ねの歯どめだと思っています。
○阿部委員 もともと就業規則で書いてあるのですから、そのこと自身は、わざわざ今回のその「等」の条件にしなくてもいいことではないかと言っているんですね。
そして、まして、労使の間の今までのさまざまな取り決めを外してしまうわけですから、これはやはり弱い労働者側と使用者側の恣意性というものが拡大すると見るべきであります。その歯どめが、今のガイドラインの、今までの就業規則のことをそのまま持ってくるのでは歯どめにならないでしょう。就業規則は、だって、労使でお互いに決めているんですから。私は、この修正案の持つ最も問題はその点にあると思います。
続いて、背景について少し厚生労働大臣にお伺いいたしますが、もともと、今回、一体どのくらいの方が六十歳を過ぎて雇用の継続になるかということで、大臣のお手元に年齢別常用労働者数というのを、これは厚生労働省に昨夜いただきました。これを見ていると、当然ながら、平成十七年に比べて、特に三十一人以上の規模の企業を対象とした現在まででは、高齢者の比率はふえております。全体二千七百五十二万人のところ二百五十三万人と、一割あたりが、一割弱ですが、六十歳以上になっておられる。もともとこうやって高齢者の雇用の継続を図ってきたことの一つの成果なのですが、その一方で、実は、希望しながら雇用継続されず離職した方の割合は一・八%あって、七千六百人だということになっております。
私は、これらの七千六百人の男女の内訳、あるいはそもそもの常用労働者数の高齢者の、あるいはもともとの労働者の男女の内訳をきちんと出すべきではないかと。全く統計上にないという厚生労働省側の御答弁でありました。
例えば就業率を見ても男女差は明らかでありまして、六十歳から六十四歳は、男性では七〇・六%、女性では四四・二%。そして、いろいろな集計で聞きますと、実は、女性も男性もなべて、六十五まで、あるいは七十歳まで、今日は働きたいというような希望が多い中であります。
なぜここで男女の別をきちんと集計されないのか。一九八六年の男女雇用均等法に始まって、女性も当たり前に働き、暮らし、希望すればそれが継続する、もう本当にそれは基本理念であります。
今回のこの法の改正を機に、必ず男女別をとっていただきたい。それは、雇用継続された者、継続されなかった者おのおのですが、いかがでしょう、大臣。
○小宮山国務大臣 私も、委員がおっしゃる趣旨はそのとおりだというふうに思います。
現状では、事業主の負担も考慮して、男女別に把握は行っていないということで、今御紹介いただいた六十―六十四歳の男女別の就業率なども、これは総務省の労働力調査によって把握をしているというものなんですね。
この改正法案が成立いたしましたら、高年齢者の雇用状況の報告の見直しを行う際に、やはり御指摘の点も私も入れるべきだと思っておりますので、労働政策審議会で公労使の御意見をいただいて、必要性の有無も含めとありますけれども、有無を含めじゃなくて、要るに決まっていますので、それはとれる方向でしていきたいというふうに思います。
○阿部委員 特に、これからの高齢社会は女性の方が長寿であります。そして、その長い老後の生活保障のスタートというか、非常に重要な地点がこの雇用の継続にかかっておりますので、ぜひそういう観点でやっていただきたいと思います。
そして、もう一つ大きな問題がございます。実は、これは主には男性にかかわることですが、九八年から我が国の自殺者は三万人を超えております。男女ともに増加しておりますが、お手元の資料を見ていただきますと、このうち最も増加が著しく、また高どまりをいたしておりますのが、これは男性のグラフでありますが、五十五歳から六十四歳の男性の自殺数でございます。一九九七年、これは消費増税の年ですが、以降、自殺者は三万人を下らなくなったが、その中で特筆すべきは、三十代の後半、三十五歳から四十四の自殺者がじりじり上がってきている、そして、先ほどの五十五から六十四が高どまりしているということであります。
内閣府で自殺のいろいろな対策は打っておられますけれども、私が最も懸念しますのは、この年代にちょうど雇用の継続問題が大きくのしかかっている、背景になっているということであると思います。
次の資料を見ていただきますと、ここには年齢別、原因・動機別自殺者数というのが挙がっております。資料の中ほどに、五十から五十九、六十から六十九というこまがありまして、ここで最も多いものは健康問題になっておりますが、引き続いて、当然ながら、経済・生活問題というものが自殺の原因の二大要因になっております。
私は、このことと雇用の継続問題、どういう影響なり影なりを落としているのか、もちろん、集計すると無業者の自殺が一番多く出るんですけれども、日本が本当にこれから少子高齢社会に向かっていく中で、健全に、健康を保ちながら、そして働き続けられるということは社会の安定に不可欠であると思いますので、労働という軸と、そしてこういう高い自殺率という実態をあわせて、何らかの調査、あるいは問題意識を上らせて、これから御検討いただきたいが、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 これも委員御指摘のとおりだというふうに思います。
自殺、特に、お示しいただいた高年齢の方の自殺というと、これはやはり仕事とか今後の生活との関連があるかと思いますし、働き盛りのところの部分については、私も、過労死、過労自殺などについてずっと取材もしてまいりましたけれども、そういうような働き方と非常にかかわるところがあるという意識は持っております。
このことも、御指摘いただいているように、内閣府で主にやっているんですけれども、ここはやはりもっと厚労省もかかわった形でいろいろ調査とか検討をすべきだということは、私もそれはおっしゃるとおりだと思いますので、そういう方向がどのようにできるか検討させていただきたいと思います。
○阿部委員 我が国が自殺大国と言われて、実は、あれほど熾烈、苛烈な競争があるアメリカの二倍であります。その要因を一つ一つ丹念に分析し、取り除いていくこと、ある意味で、それしか私はこの今のありようを変える道はないと思います。今の大臣の御答弁も前向きで、ありがとうございます。
そして、そうしたバックグラウンドの中で私がとりたてて問題としたいのは、この「心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等」という一項が入ることのマイナスの影響であります。多くの健康の問題、心身両方あります。うつ病から自殺というコースもありますし。そうすると、体の問題も心の問題も抱えて、当然それが通常の労働の遂行にたえない場合はさっきの就業規則等々で解雇になることもあるわけですが、またさらに雇用継続のところもそうですよとわざわざ特記されるような修正案になっているのではないかと懸念します。
特に、大臣が七月二十七日の本委員会で菅原議員にお答えになった、六十五歳までの希望者全員の雇用を確保する必要があるということで、今回は継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止するなどの法案を提出している、ここは肝なんだと思うんです。
私の懸念は、にもかかわらず、こういう限定、そしてバックには高い自殺率がもう断トツなんですね。このこととあわせて、与える影響について懸念いたしますが、大臣はいかがお考えでしょう。
○小宮山国務大臣 労働政策審議会の建議では、継続雇用制度の対象者基準の廃止を適当とするということとともに、就業規則の解雇、退職事由に該当する人について継続雇用の対象外とすることもできる、継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取り扱いについて労使双方に示すことが適当であるという旨も示されています。
このたびの修正案は、労使双方にとって制度の円滑な運用に資する御提案だというふうに受けとめていますが、厚生労働省としては、この修正案どおりに改正法が成立いたしました場合には、建議の内容ですとか委員の御指摘も含めた国会での御議論も考慮しながら、なるべくその御懸念がないように指針をつくっていきたいというふうに考えています。
○阿部委員 私は、指針の作成はもちろん重要ですし、それが、さっきも申しました、労使の間で、まだ労側としてまとまって守られていたものも外れていきかねない中でのガイドラインですから、必要と思いますが、それと同時に、大きなバックグラウンド、まず社会的バックグラウンドにきちんと手をつけていただかないと、その中で本当に不測の事態が生じてくるであろうという懸念ですので、大臣にはしっかりとそこを取り組んでいただきたいと思います。
今、働き方ということが、さっき大臣もおっしゃいましたが、三十代の働き盛りでも、また、こういう長い寿命を得た私たちのその高齢期に向かう入り口でも問題になっている大変に厳しい社会があると思います。
そういう中で、最後の質問に行きますが、厚生労働省が、去る三月二十七日に、望ましい働き方ビジョンというものをおまとめになりました。きょう皆様のお手元にも示してございますが、このビジョンの中では、いわゆる有期労働などの、あるいは派遣などの、いろいろな非正規と呼ばれる働き方と、それから典型的な正社員というものの真ん中に、いわゆる多様な正社員、中二階のようなものを設けて、そこに、逆に非正規から中二階に上がって、やがてはジャンプアップして正社員になれる、その一助としたい、あるいは多様な働き方を、本当に多様な今の社会背景に基づいてつくっていきたいということであろうと思います。
しかし、これをちょっと見たときには、あれ、これは今のコース別人事管理制度、すなわち、総合職とか一般職とか準総合職とか中間職とか専門職とか現業職とか、今でももういろいろなコース別人事管理があるわけですね。これと一体何がどう違うのかをまずお尋ねいたします、このビジョンの言われるところは。
○小宮山国務大臣 いわゆる多様な正社員、これは期間の定めのない雇用契約で、職種とか勤務地とか労働時間などが限定的な正社員をいいます。
いわゆるコース別の雇用管理は、一般的には、労働者の職種、資格、雇用形態、就業形態などに基づいて複数のコースを設定して、コースごとに異なる配置、昇進、教育訓練などの雇用管理を行うシステムをいいます。
具体的には、総合職、一般職などのコースを設定して雇用管理を行うもののほか、業務内容ですとか専門性などによって複数のグループをつくって、グループごとに処遇面で異なった取り扱いをするものですとか、勤務地のみに着目をして、採用した事業場の周辺などに勤務地を限定した雇用管理を行うものも含まれていますので、コース別の管理と多様な正社員というのは、多様な正社員に込められた意味というのはかなり広い意味があるというふうに思っておりますので、ここは違うというふうに考えています。
〔長妻委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部委員 大臣も、よく考えると、でも実は何が違いだろうと思われると思うんですね。
例えば、総合職に比べての一般職のコース別管理の類型では、一般職は主に定型的業務に従事し、転居を伴う転勤がない。それから準総合職は、総合職に準ずる業務に従事し、一定地域エリアのみ転勤がある。もう既に今のコース別管理でも多様に細分化されて、おのおのコース別管理になっているわけです。
私が懸念いたしますのは、いわゆる多様な正社員というのが、B級社員、二級社員、一・五級のような扱いを受けかねない、そこについての歯どめ策がどうあるかなんです。
これは、皆さんの想定では、非正規から一回ここにちょっと上がって、そこから正社員に上がりましょう、あるいはコース別管理のような、どこかに類似がありますよということですが、逆に、上から下に、そして、例えばいろいろな条件が、フルに働けないから多様な正社員の方になりましょう、それから、下からは、正規になるにはなかなかだから、ここで働きましょうと、あんこの中ばかりが膨らんでくるような形になって、結局、労働全体で見ると、労働条件の向上に結びつかない懸念があります。
もちろん、自分が望んで多様な働き方が実現されるのはいいことなんです。だけれども、この前の有期から無期への転換を見ておりましても、労働条件がよくなっていく見通しがなかなか見えない。ここに何かそれを加味しないと、多様と言われながら、さっきの中二階、B級グルメになってしまいかねないと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 委員がおっしゃることも理解ができる部分ももちろんございますので、私どもとしては、正社員になるためのステップとしてこれをつくったつもりなんですが、それがそういう御懸念が生じないように、何とかいい形で処遇の改善につなげている企業はどういうものなのかということを把握して、こういうやり方がありますよという事例を示すとか、そういうようなこともしていきたいと思いますし、いわゆるステップアップしていくためには、私の問題意識としては、先ほどもお話をしていたとおり、まずステップアップしていくだけの能力をどうやってつけていくかということが、特に非正規の人たちの能力開発、職業訓練をどうするかというのは、これまでなかなかしっかりとした方針が、私から見ると、つくり上げられてこなかったという思いがありますので、今度、非正規の職業訓練、スキルアップをどうするかということを集中的に検討する会をつくりたい。
これは私から指示をいたしまして、今そういうこともしていますので、本来は中身を詰めてからこういうビジョンが出てくればいいんですけれども、ちょっと逆にはなってしまいましたが、何とかいわゆる多様な正社員がステップアップしていく形できちんと位置づけられますように、そうした中身のこともあわせて取り組んでいきたいと考えています。
○阿部委員 今の大臣の御答弁のように、大切なのはキャリアアップ、スキルアップのためのさまざまな機会を得ることだと思いますね。一番、非正規の皆さんはそれが到達しがたいし、また、ずっとこれまでの、いわゆる雇用の継続が当たり前であった時代には、会社の中でおのずとそういうことができた時代がありましたが、今は、それこそキャリアの転換もいろいろな職場の転換もあるわけで、そういう中で、実は、雇用政策としてのいろいろな訓練機会の拡大にもっともっと力が注がれるべきである。
私は、正直言って、そういう観点から見ると、今度の社会保障と税の一体改革は、その部分の、雇用対策というか雇用政策の部分が非常に薄いと思います。もっとそこにお金をつぎ込み、もうそれは、我が国がこれから国際社会に生きていくときの人材の育成のあり方にもかかわります。
ちょうど、この高齢者の雇用の問題が若年雇用を阻害するのではないかというようなお話がありました。これは、思い起こすと、女性の雇用は男性の雇用を阻害すると言われた時代もありましたが、これらは実はトレードオフではなくて、おのおのがキャリアアップしたり、あるいは協力し合ってやっていくということが望ましい社会であります。
今、参議院で社会保障と税の一体改革、論議されていると思いますが、公共事業の方は出てきても、なかなか公共職業訓練の充実とか、そちらが論議に上りません。最も大事な若者の就労も、実にそこが肝であります。今、若者は、ピーターパンのようになってしまっていて、なかなかおのれの適職を見つけられない、自分でどのように自己形成していっていいかわからないという部分ですので、大臣には重ねてこの点をお願い申し上げます。
そして、最後の質問になりますが、せんだっての審議の中で、有期雇用から無期の転換というところでも、この多様な働き方、西村副大臣がお答えになりましたが、しかし、あの有期から無期への転換においては、やはり、無期になったとしても正社員ではない、賃金格差もあるという実態が続くのだと思います。
最後に、西村副大臣に、予告外のことで恐縮ですが、この部分を、ここにたまり込んで、いつまでも正規社員が遠くなる、どんどんどんどん遠くなる、もっと頑張れもっと頑張れ、そうじゃなきゃ正社員に行かないよというような形にならないために、副大臣として何をお考えか、最後に伺います。
○西村副大臣 御質問いただきました。ありがとうございます。
おっしゃるとおり、もっと頑張ればということが余り過重になると、これはまた働く人たちへの圧迫ということにもなりかねませんので、そこはよく注意をしていかなければいけないと思います。
ただ、無期転換いたしますと、その後は、使側との交渉力が強化されるということが予想されますし、また、普通に、順当に、無期化することによるスキルアップということも図られていくのではないかと思いますので、そういった促しを引き続き厚生労働省としてとっていきたいというふうに思います。
○阿部委員 一言申し添えますが、私は医療現場で、准看と正看という、同じ業務をやりながら身分の格差のある実態を見てきました。本当にそういう格差は問題が大きいと思います。
今お進めの政策がその二の舞になるのではないかと懸念しておりますことを申し添えて、終わらせていただきます。
○池田委員長 以上で原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○池田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。宮本岳志君。
○宮本委員 ただいま議題となりました高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案及び民主、自民、公明三党提出の修正案に対し、日本共産党を代表し、反対の立場から討論します。
法案は、少子高齢化が急速に進展する中で、高年齢者の就労促進と、公的年金の支給開始年齢の段階的引き上げに伴って生じる可能性がある無年金、無収入という事態を回避することがその趣旨とされています。
法第九条に定められた高年齢者雇用確保措置のうち、継続雇用制度は、労使協定によって定められた基準によって継続雇用制度の対象を限定できるものとなっていました。質疑の中で大臣も認めたように、この基準が使用者の恣意的な選別基準として運用され、高年齢者の雇用機会が奪われてきた現実があります。この仕組みを廃止し、文字どおり希望者全員が定年後も再雇用されるようになることは、我が党も要求し続けてきた内容です。
一方、年金支給が始まって以降、六十五歳までの期間について、従来どおりの選別基準が十二年間にもわたって適用できる経過措置は、希望者全員が再雇用され、定年後の就業機会を確保するという法の目的をゆがめるものとなり、なくすべきです。
また、継続雇用される企業の範囲を従来の子会社レベルからグループ会社へと拡大するとしていますが、そもそも現行法は、継続雇用後の賃金や雇用形態を初めとする労働条件に関する規定がなく、これまでも再雇用先での雇用形態が有期や派遣に変えられ、賃金を初めとする労働条件が現役時代と比較し極端に引き下げられたり、労働条件が希望に合わないと拒否すると、その後一切再雇用先をあっせんしないなどの実態がありました。今回の措置で、こうした事案が一層拡大する懸念は拭えません。
三党提出の修正案は、今回の法改正で廃止する継続雇用制度の対象を限定できる仕組みにかわる新たな基準を法律で定め、選別できる仕組みを復活させることにほかなりません。
これまでの選別基準が曲がりなりにも労使協定で定められてきたことに比べ、修正案は基準を国が法律で定めるというものであり、その法的効果は労使協定によるものとは全く性質が異なります。選別基準の廃止に抵抗し、再雇用の機会に解雇が安易にできるようにしたいという財界の意を酌んだ修正であり、断じて認められません。
以上、政府提出法案及び三党提出の修正案に反対の討論といたします。
○池田委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の原案に賛成、民主、自民、公明三党提出の修正案に反対の立場から討論をいたします。
超少子高齢化社会の到来と労働力人口減少時代に突入した今日、高年齢者の労働力率を上げることは焦眉の課題となっています。加えて、厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げが開始されることもあり、六十歳定年後に希望する人全員の雇用を確保する必要が強く望まれていました。
現行制度では、労使協定による基準制度を設ければ、定年後に継続雇用を望む人に対しても継続雇用を拒否することが可能となっていました。こうしたことから、政府は、この基準制度を廃止し、希望者全員の雇用を確保する方向を明確化した改正案を提出しました。同法案は、多くの労働者、とりわけ中小企業で働く高年齢者の支持を受けたと思います。
ところが、三党修正、高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針を追加するという案は、この指針をとってみても、修正案に記されているように、「心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等」の雇用継続を使用者が拒否できるというものです。拡大解釈の可能性を否定できず、現場に混乱を与えかねない内容となっています。
しかも、厚労省の指針をもとに、あとは使用者の判断で雇用継続するかどうかを決めることになり、これでは現行の労使協定が前提となった基準制度以下と言わざるを得ません。
雇用を安定化させることは日本再生の最大の柱です。政府案は少なくとも理念と方向性において前向きなものでした。それをわざわざ逆方向に向ける三党修正案は、どう考えても納得できません。三党修正案に反対、そして、原案に賛成いたします。
雇用の劣化が指摘されています。誰でもが希望を持って働けるようにするために、もっともっと国会は真剣に考えねばならないことを最後に指摘して、私の討論といたします。
――――――――――――― 中略 ―――――――――――――
○長妻委員長代理 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
大臣初め皆様、長時間、本日はお疲れさまです。私の質問で最後ですので、よろしくお願いいたします。
私は、きょう、臓器移植を取り上げさせていただきます。
せんだって、二〇一二年六月十四日のことでありますが、富山大学の附属病院で六歳未満の男の子に初めて脳死判定が行われて、翌日十五日の日に心臓、肝臓、腎臓、角膜等が摘出され、移植をされました。報道では、一方で、命のリレー、レシピエントとその家族の感謝というようなことが伝えられましたが、臓器移植というのは常に明暗ございまして、生きる側の命とそこで終わっていく側の命という問題がございます。
私は、特にこの小児の脳死の事例について、果たしてこの男の子が十分な治療を得るための環境というのが我が国に整備されていたかどうかということでお尋ねをしたいと思います。
この富山大学病院では、いわゆるPICU、子供のためのICUはありません、もともと、富山県のどこかの病院で、この子は事故で心肺停止になり、富山県の大学附属病院に運ばれてきて、六月七日の日に主治医から脳の回復の可能性がないというふうに伝えられました。お母さん方、家族にとって、この回復の可能性がないという言葉ほど絶望的な言葉はないわけでありまして、この言葉を受けて、御家族は、では移植できないかなとお考えになったんだと思うのですが、実は、この坊やが脳死と臨床的に判断されたのは六月十日のことであります。通常であれば、六月の七日から、もう回復の可能性がないと言われて、臨床的脳死判断までの間が一番緊張の、そして家族にもきつい数日であります。
そういうことが本当にベストに治療されたということをやはり社会も御家族も確信していただくためのPICUの整備だと思うのですが、この数たるや、そもそも我が国は先進国の中で一から四歳児の死亡率が高く、この一因としてPICUの整備不良ということが言われている中ですが、残念ながら、全国で、いわゆる救命救急センターに併設されるものが現在二十五床、それから、小児専門病院に併設されるものが百七十床というふうになっていて、全国でわずか百九十五ということになっております。
通常、これは欧州などに比べますと、子供の数などに合わせて言えば七百床が必要だと算定される、学会での研究班の報告であります。現状で三割にも満たない。四年前に比べても微増ではありますが、果たして、一旦救急的な事故があった場合に、本当に受け入れが十分であろうかということが問題になります。
特にこのPICUの整備状況について大臣にお伺いしたいですが、あわせてもう一つ、この集計のとり方が平成二十年度から変わっておりまして、PICUには二つの主な目的があります。術後の患者さんを、子供の手術の後をケアする方と救急搬送。この区分けがなされないまま集計が平成二十年以降は行われるようになりました。
私は、術後も大変だと思うけれども、本当のとっさの事故のときの、心底、急にいつでも受けてもらえるPICUというものが重要と思いますが、平成二十年以降の集計ではそれが見えなくなってきております。救命救急センターにある部分はいいのですけれども、小児病院などに併設部分ではそこがわからなくなってきている。
充実への取り組みと、これらを明確に、特に救命救急対応の充実も含めてお願いしたいが、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 小児科医でもいらっしゃる委員御指摘のとおり、小児集中治療室、PICU、整備をしていくことは大変重要だと考えています。
今御紹介いただいたように、二十一施設に百七十床、そして救命救急センターの二十五床を加えると今百九十五床ということで、これが、平成二十年の三月末と比較して六施設十床増加していると言われていますが、それしか増加していないということかと私も思います。
PICUの整備については、省内の、重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会、ここでも整備のための支援が必要とされています。厚生労働省としては、平成二十二年度の予算から小児集中治療室施設整備事業を設けて財政支援を行っているところです。
統計のとり方が、なぜ平成二十年から術後と救急を分けなくなったのか、今ちょっと聞いていたんですけれども、私のところに上がってきていません。
これは、その経緯も含めて、やはり救急に対応するところ、私も必要だと思いますので、また、わかるように、どういうふうにしたらできるのか、そのことも含めて検討させていただきたいと思います。
○阿部委員 恐らく、救急対応のものも微増はしておるのだと思いますが、それらが確実に数値として上がってくることがやはり重要だと思います。整備をしてふやしていくということが重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。
あわせて、もう一点あります。
先回の臓器移植法改正以降、実は、それまでは御本人の意思というものにのっとって臓器移植は行われてきたわけですが、改正以降は御家族の同意という形になりました。
もう一点、実は、現象的に変わった面がありまして、改正前は、主治医の側から治療の選択やあるいはドナーとなることを提示していた例は八十五例中五例で、わずか六%でしたが、改正後は、まだ十七例しかありませんが、十一例が主治医の側からドナーとなられることの選択肢を提示するということになりました。
法改正がなされましたので、医療現場もそのように対応していると思いますが、ここで厳密にしていただかねばならない点があると思います。特に、医師の側から臓器提供を申し出られる場合に、それは確実に臨床的脳死を条件として満たした後でなければ、先ほどの例は患者さん側から言い出したのですけれども、見ておりますと、これからは医師側からというのが多くなります。そうすると、この法案が最初にできた平成九年のときの附帯決議にも書かれておりますが、脳低体温療法を含めあらゆる医療を施した後に行われるものであって、さらに厳密に、臨床的脳死判定の後にそのオファーを、申し入れをすべしという、これは国会の総意の知恵でつくられたその後のガイドライン等々がございます。 この点も、周知徹底、再度していただきたいが、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 脳死下での臓器提供、これは十分な救命治療が行われた上で脳死判定が行われる、これはもう当然の前提だと思います。
今御指摘の臓器移植のガイドラインでは、脳死判定を行うまでの標準的な手順に関して、主治医などが脳死とされ得る状態と判断した場合には、その後、臓器提供の機会があることを告げることにしています。
医療現場では、十分な救命治療を行ったにもかかわらず、病状の回復が厳しい場合、家族の求めなどに応じて、病状説明の一環として、主治医が臓器提供の可能性に言及することがありまして、こうしたことはガイドラインの趣旨に必ずしも反しないと考えていますが、とにかく救命治療、これが十分に行われることが重要ですので、脳死下での臓器提供事例に係る検証会議で検証することも含めて、また、おっしゃったように、ガイドラインの徹底ということはしっかりとやっていきたいというふうに思います。
○藤田大臣政務官 私が指摘したかったのは、この一例目となった事案でも、自殺は除外できない、自死は、それだけの情報が集められていなかったんじゃないかということであります。
だって、大津の事案だって、警察も実は情報を得ていたけれども、そこにアクションしていないということがあるわけです。本当に隠れてしまっている子供たちの死だと思いますから、そういう視点を持つこと。虐待もそうです。虐待のあるかないかをきちんとチェックしようというのも、それは子供の人権の観点です。その子が自殺に追い込まれた結果の、そして親御さんも気づかない中での臓器提供ではなかったかということも、これは考え得る問題だと私は思うので、今の藤田政務官のお答えをさらに深化させていただきたい。誰が子供を守るかであります。
そして、引き続いて、きょう、朝日新聞の記事を、七月十四日、二枚目に載せてございますが、この間行われた提供百八十人の中で約一割が自殺というふうに、これは、臓器移植ネットワークに朝日新聞の記者がいろいろ、臓器移植ネットワークが出された資料に基づいて問い合わせた結果であります。
我が国の国民に伝えられるいろいろな情報の中に、私は何も自殺だけを取り上げて、それを事ほど大きく言えとは申しませんが、一体どんな背景でドナーとなられているかというふうな情報の提供の仕方というのが、やはりまだまだ充実していないと思います。アメリカのUNOSなどでは、救急搬送された理由、そして死亡原因を含めて発表がされております。
今後の発表のあり方ですけれども、工夫が必要であることは認めながら、よりよい情報が国民にも開示されていくことを私は工夫していただきたい。
あわせて、小宮山大臣にお願いがありますが、御自身が自殺をされて、それはさっき藤田政務官がおっしゃったように、家族に上げたいというので自殺なさっては困るので、それは家族への提供はできないことになっておりますが、例えば、死を選ばれた御本人の臓器の提供を、いろいろな関係が複雑に絡み合う御家族が提供の同意者になるということは、実はもう少し私は社会的に検討してみる必要がある。これは社会文化的かもしれません。人間の関係性の複雑さであります。
私は、願わくば、自殺された方からの臓器提供は、今の法律のように、家族同意になってしまった場合に、そこにいろいろな複雑な要因がありますから、もう少しこのあり方について検討していただけまいかと思いますが、大臣、いかがでしょう。
〔長妻委員長代理退席、委員長着席〕
○小宮山国務大臣 今委員がおっしゃったように、自殺された方の場合は、家族の関係も含めて、いろいろなことがあるだろうということは推察ができます。
現在の臓器移植法も、平成二十一年に議員の皆様方のさまざまな御議論の中から制度改正が行われましたので、今、厚生労働省としては、今のこの制度をしっかり運用するということがまず第一かと思っています。
自殺の場合の、ケースの発表の仕方については、どのような工夫があるかということは検討もしたいと思いますが、また、今委員御自身もおっしゃったように、これは国民の皆さんの議論、また国会での議論の中で、自殺についてどういうふうに扱うかということについても、厚労省ももちろん考えますけれども、議員の皆様にもまた御検討いただければというふうに思います。
○阿部委員 私は少なくとも有識者会議のようなことを設けていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、臍帯血の移植について伺います。
元厚生労働大臣、長妻さんのときに、私的臍帯血バンクというのが問題になりました。
臍帯血、赤ちゃんのへその緒をバンクに置いておく、それも私的、民間バンクなのですが、この民間バンクのつくばブレーンズというのが二〇〇九年九月に経営破綻いたしました。
臍帯血はいろいろな利用法がありますが、それが同時に、民間に預けて、自分の将来のために、自分というか子供の将来のためにということで行われていることでありましたが、この民間のつくばブレーンズが破綻して、千五百人余りの臍帯血が宙に浮くという事案が生じました。この事案を受けて、長妻元厚生労働大臣が、厚生労働省に調査をしなさいというふうに、その私的バンクはどんなものなのか、どんな業務をしているのか、全国に幾つあるのかということを指示されましたが、実は、私が質問主意書で何回か厚労省とやりとりし、今回に至るも、そういうものが四つ会社があって、しかし、その業務内容はわからないという答弁書しか返ってまいりません。
しかし、小宮山大臣に伺いますが、日本造血細胞移植学会というところが、会長名で既に、皆様のお手元の資料の三枚目につけましたけれども、平成十四年に、厚生労働省に、こういう私的バンクのあり方について、やはりいろいろと問題があるから、実態並びに基準等を設けてほしいという要請をお出しになったのと同時に、厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会においても、安全性について公的バンクと同等の基準に従うことが必要であるとの合意を得たので、今後、引き続き実態把握を行うとともに、安全対策について精査することが必要であるという指摘を受けておられます。
私が言いたいのは、長妻大臣が指示しても実態も把握は進んでいない、審議会で言われても厚生労働省としてお取り組みではない。これはやはり、これから議員立法でこの公的バンクの方の充実を図ろうとするさなかにあって、公的を幾ら取り締まっても、民間バンクの方が筒抜けで、いろいろな望ましからぬことが横行すれば、この臍帯血を本当に有効に利用していくということにも陰りを見せると思います。
改めて、小宮山大臣として、今、現状、我が国にどのくらいの私的バンクがあって、どんな業務の内容をしているのか、これを調査していただきたいし、私は、そのための方法はいろいろあると思いますが、とにかく、長妻元大臣が厚労省に言われたこと、そのことをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 私的臍帯血バンクとして把握できたのは四件ということは私も聞いています。そのうちの一つが破産をしたつくばブレーンズということで、今現在は三つということですね。
採取とか保管目的は、公的バンクは血液疾患治療、私的バンクは再生医療という傾向が強いということも私の手元には調査の結果として来ております。今おっしゃいましたように、この臍帯血のプライベートバンク、これがどんどんふえているということではなくて、現存しているのは三つだというふうに把握をしております。
その公的臍帯血バンクの基準などのあり方については、今委員もおっしゃったように、超党派の議員立法で今おつくりになる方向かと思っていますので、そういう基準のあり方を検討した上で、それに準じてまたプライベートバンクへの対応を検討する、そのときにまた調査もするということも考えているところです。
○阿部委員 そのやり方では、さっき申しましたように、片っ方を規制強化する、しかし、そのざるから抜けたところに広範な、それも再生医療に使われているといいながら実態はわからないわけです。大臣、官僚から聞かれて、再生医療に使われていると聞いていると言うけれども、何をしていると思われますか。ほとんど誰もわからないのですよ。
そして、ちなみに欧米ではこういう公的、私的という差はないんです。それからもっと言えば、これから再生医療の中で臍帯血はとても重要な役割を担うわけです。
あわせて、もう一つ最後にお願いしたいですが、お手元に資料の四があります。今、世界では、遺体から組織、皮膚や骨がとられて、これが闇ルートで流れていくということ、簡単に言うと、これが横行しておりまして、アメリカの国際調査報道ジャーナリスト連合というところが問題視をいたしたものであります。
私たちの肉体から出てくる臓器や組織、へその緒も含めて、これは非常に社会的な問題を惹起する。だって、骨の取引というのも、考えてみてもおぞましいと思います。しかし、私的な臍帯血バンクをそのままに、今のままに、公的な方だけ法制化すれば必ず同じことが起きます。
大臣は、まず議員立法でできてからとおっしゃいましたが、そうではないとする私の指摘を受けとめていただきまして、もう時間の関係がございますので、これで終わらせていただきますが、問題はそこにとどまらないと認識していただきたいと思います。 終わります。
第180回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る