第180回国会 厚生労働委員会 第2号(平成24年3月7日(水曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
厚生労働関係の基本施策に関する件
議事録全文(衆議院のサイト)
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〔前略〕
○池田委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日は、大臣の所信への質疑でございますので、なるべく小宮山大臣にお願いをしたいと思います。
冒頭、通告をしておりません事案ですが、この間、民主党の政権、国民新党と連立の、皆さんで進めておられる政策運営の現状を見ると、非常に、消費増税がひとり歩きしていると言っては失礼な言い方かもしれませんが、本来は、税と社会保障の一体改革といったときも、社会保障がどのように充実するか、国民の多くがそこを望んでおり、恐らく政府としてはそのために消費税の引き上げもお願いしたいと思っていらっしゃるんだとは思いますが、一方の、社会保障の、国民から求めるいろいろな声と、現状で政権がメッセージされていることとの間の乖離がちょっと大きいんじゃないかなと思うんですね。
ちなみに、三月五日の毎日新聞の発表によりますと、社会保障に不安という方が九二%だと。いろいろなアンケート調査があって、不安ですか、どうですかと聞くと、そういうふうな方に答えやすいかもしれないけれども、それでもやはり著しい声だと思いますね。
私は、御一緒に政権交代をしたという立場ですから、今、民主党政権は正念場だと思っておりまして、私どもは離脱して自分たちの主張するところを主張しておりますが、民主党政権、民主党を中心とする現政権にあっては、この九割を超す方々が不安と感じておられる現状の根っこ、何が一体問題なんだろうということで、きょうは、小宮山大臣の忌憚ない御意見、あるいは、私はこうしたいんだけれどもなかなかなのよということでも、私は小宮山さんに期待しておりますので、その期待を込めてお伺いをいたします。
○小宮山国務大臣 私たちは社会保障と税の一体と言っているんですが、そこがなかなか御理解を、まあ、私どもの説明がちゃんとできていないということの反省も込めて申し上げますけれども、どうしても増税が先に出ているということの中で、先月から関係大臣が全国で対話集会を行っていまして、私も三カ所行きましたけれども、先週の岐阜で行った集会などは、一時間私がマイクを持って回って質疑をしても、まだあと一時間分ぐらいの方の手が挙がるぐらい、それだけいろいろ皆さんが疑問や御意見をお持ちで、もっともっと耳を傾けなければいけないと感じているのが今の私の率直な気持ちなんですね。
いろいろ思いを申し上げると長くなってしまいますけれども、今回は、とにかく二〇一五年までを見据えた改革をさせていただいているというのが一点。ですから、ずっと先々のことがまだないじゃないかとよく言われるんですけれども、これは、大震災からの復興ですとか、リーマン・ショックの後ですとか、欧州の債務危機とか、今そこにある状態の中で、もちろん経済成長も同時にさせていきたい、身を削ることも同時にやりたい、そこのところは超党派で御協力をいただきたいところなんですけれども、それをしながら、ともかく、これも第一歩として二〇一五年までのところを出させていただいている。
ただ、皆様に、社会保障がもっとよくなる、安心できるということがない中で負担が大きいと思われるのは、今までやはり次の世代へのツケ回しがずっと続いてきて、御説明するまでもなく、大きな借金が、孫ではなく、恐らくひ孫の代まで行ってしまっているところを、野田総理の強い決意もあって、とにかくここでストップをさせたい、そのことのために、今の制度を安定させて、借金を少しでも減らしていくために消費税の四%を使わせていただいているというところが、よくなる実感がないと言われている一番大きなもとだと思います。
私も、できることなら社会保障の充実のところにもっとたくさん使わせていただいて、やらなければいけないことはたくさんあると思うんですが、今回、一%の中で、今までの、高齢者三経費、高齢者の方が給付を受けて、現役世代はそちらの担い手になるだけというのを、現役世代にも実感していただけるという意味で、子供、子育てに力を入れ、また、まだまだそこがはっきり見えないという御指摘もいただいていますが、若者を中心とした非正規など、就労、皆さんが本当に働くことに参加する権利という形で、今回、その就労、働くことを社会保障の中に入れたというのも一つの私たちの試みというか意思でございますので、そうしたところを御理解いただいて、さらにそういう面が広げられるようにしていきたい、そのように考えているところです。
○阿部委員 消費増税というのは生活にもろにかぶってまいりますし、今のように経済雇用情勢がよくない中ですと、やはり、かなりの部分、無理が強いんだと正直言って思います。
そして、おっしゃったように、民主党政権では、子供の問題、高校生の無償化問題、あるいは若者の就労問題など、新たなものに光を当てたいと思っていらっしゃるのは理解するつもりですけれども、それがまだまだ、なかなか実感、実態としてない中で、はっきり言うと、もろに財政再建のための四%だという形になってしまいます。それは、景気の悪い現状ではいたし方ない部分もありますが。
そうであれば、逆に、先ほど来おっしゃるような景気や雇用の情勢の改善ということに、この景気の問題は単に一党だけでやるのではなくて、新たな産業の育成や働き方も含めて変えていくわけですが、特に、私は大臣に頑張っていただきたいのは、今、非常に非正規率が高いということもそうですし、若い人たちの働き方が、ある意味で時代が終身雇用から変わっていく中で、積極的な労働政策と呼ばれるような、トレーニングも含めて、あるいはいろいろなキャリアアップということも含めて、もう少し明確に打ち出していただくとともに、不安定雇用の問題を、絶対に、政府としては何としてでも対策していくんだという強い意思を示していただいて、高齢者中心であった、そして、それも必ずしもしっかりしていないというか豊かではないこれまでの福祉や医療の現状、そこもあるわけで、でも、そこに御理解いただきながら、何とか次世代に向けようという丁寧な努力をしていただきたい。
法案を先んじて出すことばかりが能ではないと、はっきり言って思います。それはかえってこの政権を危うくするし、私は野党ですからそれでも一向にいいんですけれども、今のこの日本の、この国の、本当に困難を抱えた、復興からの立ち直りというこの時期、そして、国際的にも金融不安のあるこの時期に、やはり政治がよりしっかりと国民に寄り添ったというメッセージを出していただきたいゆえの私の要望でありますから、冒頭、お伝え申し上げさせていただきます。
きょう予告してある質問の第一は、我が国は、第二次大戦において、広島、長崎で被爆、原爆投下を受け、そのことに伴う被曝医療というものをある意味で経験いたしました。これは戦火による、戦争によるものでありましたので、かなりアメリカ主導で、その後の情報収集も、あるいは時には治療と称するさまざまな取り組みも、アメリカとの協力関係や、あるいはアメリカがデータ集積をするということ抜きにはなかなかやってこられなかったわけですが、しかしながら、我が国も、厚生労働省を中心に、被爆者援護法や被爆者の医療ということを考えてこられたいわば実績と、また、足らざる部分もあったと思うんですね。
今回の福島第一原発事故は、実は、原爆と比べて、必ずしも同じような起こり方をしておりませんが、原爆二十個分、セシウムにして百六十八・五倍が三百キロ圏に広く広がったという、ある意味では原爆とは違う、さまざまな飛散や問題を持ったものでありました。
しかしながら、この間、小宮山さんの所信表明のその部分を拝見しても、今回の福島第一原発事故に伴って厚生労働省がおやりになりたいということは二つで、一つは食品の測定、いま一つは被曝労働者管理ということで、しかし、このことによる被災者、まだ病気が出ているか出ていないかは別ですけれども、被災された皆さんについての厚生労働省からのメッセージが極めて薄い。はっきり言って、ないと思います。
一点目は、被曝医療、特に、広島、長崎の問題をどのように総括されておるか。
そして、今般のこの福島原発事故。これは、様相は違っても、セシウムという放射性物質を広く受けねばならなかった。人口密集地に起きた。チェルノブイリとも違います。チェルノブイリの場合の方が荒野が多かった。我が国は、東京、神奈川、静岡まで、お茶の葉まで飛んでいっているわけです。このことについて、いかなる取り組みをお考えであるのか。
二点、お願いいたします。
○藤田大臣政務官 阿部委員の方の今のお尋ねは、もう少し大きなことを多分お尋ねになっていらっしゃると思いますが、とりあえず、私の方から現状の御報告をさせていただきたいと思っております。
今回の原発事故で、住民の皆様は健康影響について大きな不安というものを抱かれているわけでございまして、被曝線量の評価であるとか、適切な健康管理ということが極めて重要だと認識をいたしております。
既に福島県では、全県民を対象とした県民健康管理調査というものが行われているわけでありまして、国としても、二次補正で七百八十二億円の基金を計上して支援をいたしているところでございます。
厚労省としても、調査の一つであります子供の甲状腺超音波検査を円滑に実施するための専門医の確保であるとか、相双地域の医療従事者確保のために厚生労働省相双地域等医療・福祉復興支援センターを設置して、積極的に技術的、人的支援を行っております。
まず、こうしたことをしっかりと進めて、県民の皆様の不安の解消というものに努めてまいりたい、このように考えています。
○阿部委員 現状のお取り組みについての報告を受けましたが、私の質問は、藤田政務官がおっしゃってくださったように、もう少し、我が国の被曝医療というか原爆投下後のいろいろな苦しむ皆さんへの取り組みについて、もちろん、やれたことと、また、だんだんわかってきたり、あるいは、これは坂口先生も在外被爆者の救援を頑張っていただきましたが、私がここでお尋ねしたいのは、小宮山大臣は一体どういうふうにこの間を、戦後のこの事態を受けとめておられるかということで、印象でも構いません、お願いします。
○小宮山国務大臣 被爆者の皆様については、これはもちろん国が責任を持って対応しなければいけないんですが、被爆者の認定基準をもっと被爆者の方に納得いくようにということも、私も野党の議員のときにいろいろやってきましたので、大臣になってからも多くの皆さんとお目にかかって、もうかなりお年を召している方が多いので、少しでも対応できないかということに、私なりにそこは力を尽くしているところです。
最初にお尋ねになった、私もそれで厚生労働大臣になりまして、健康のところは厚労省でしょうというふうに思っていました。やらなければという思いもあって、今、藤田政務官から御紹介いただいたような、厚労省としてできることはしています。
ただ、今までの被爆された方に対するものを、厚労省としてはそれに対応する人材も財源も実は持っていなくて、被爆者の手帳も文科省さんですし、いろいろな研究も文科省がやられていますし、そういうことと内閣府の方と、全体が縦割りというかばらばらになっているということが、今回、対応を、非常にスピードをおくらせているもとだと思っています。
今回、細野大臣のもとで統括をするというときにも、関係省庁の大臣が集まりまして、全体をどうするのかということを相当話をいたしました。その中で、医療の問題、今厚労省がやるべき問題につきましても、これはやはり環境省の方で、水俣のいろいろな知見とかもあるということも含めて、やると。そのことに対して、医系技官の派遣ですとかいろいろな形で、これはもう人材をふやさなければいけないので、官房長官も入ってもらって、そこは人材を、枠をふやすということも含めてやっていますので、積極的に厚労省だけで何かができるという状況ではないんですね。
ただ、可能な限りのことはやっていきたいと思っているのが正直なところでございます。
○阿部委員 私は二点あると思うんです。
一つは、最初、原爆の場合は直接被爆という、ピカドンと言われる、ぴかっと落ちた、そのことの被爆の後、いわゆる黒い雨が降って、これが放射性の物質を細かにして散らして、それが今でいうところの内部被曝と同じ問題を含んでいるわけです。
厚生労働省では、たくさんの患者さんたちが集団訴訟を起こされて、最初は、その症状は被爆によるものとは認定できないとおっしゃっていたけれども、積極的な認定に変えて、例えば肝機能障害とか甲状腺機能低下とか、あるいは、二〇一一年のたしか九月だったと思います、大動脈瘤の発生も恐らくそうした影響であろうというふうに認定してきた歴史があるわけです。
ここで学ばなければいけないのは、最初に、例えばこれこれこれのことが起こりますとわかっていること以外のことでも、その影響が人体に出てくることがあるということであります。
今、福島県にある種丸投げと言っては失礼ですが、投げている健康調査のあり方の中で、実は、日弁連の皆さんやあるいは福島大学のいろいろ教職にある皆さんから意見表明とか要望書というものが上がっていて、そこには、これは福島県を批判している意味ではないのですけれども、現状進んでいるものが、例えば甲状腺の検査あるいは白血球の検査、既にわかったものを追跡していくということで、その他は、先ほどちょっと有識者会議のお話が官僚の皆さんから出ましたが、それは健康に害のない値なんだよという、いわゆる健康に害がないということがとても安易に使われていて、きちんとした、患者さんたちの不安に沿った健康フォロー体制がないということが逆に不信を抱かせていると思います。
もちろん、チェルノブイリの経験で甲状腺のことがわかった。でも、これとて最初からわかっていたんじゃないんですね。五年たち十年たち出てきて、最初は否定していたものを後で追認していくとなりました。
私は、この事態は、広島、長崎に次ぐ新たな形の、様相を変えた、経験したことのない、我が国にとっての広範な線量被曝、低線量であるか少し高いかは別でありますが。そういたしますと、やはり国としてきちんとデータ集積をしていく、フォローアップをしていく、そして後々の世に、世界に知見を届ける役割が国にはあると思うんです。
小宮山大臣は、日弁連からの意見書は目を通されたことがあるでしょうか。一言お願いします。
○小宮山国務大臣 全部熟読はしておりませんが、目は通させていただきました。
それで、今委員がおっしゃったことはそのとおりだと私も思います。これは日本で初めてというより世界で初めてのことですので、しっかりフォローをして、世界に向けてしっかりフォローの結果を示していくということは大変重要なことだというふうに私も思っています。
○阿部委員 正直申しまして、今のままだと立法根拠もございませんし、県民のフォローということ、あるいは県だけじゃなくて、県を越えた、先ほどホットスポットとか言われる、これは被曝といってもさっきの原爆の場合とは違いますが、しかし、あるレベル以上の線量にさらされた状態の追跡というのはなかなかまとまってできていかないと思います。今、議員立法でそうした立法化をなさろうということを公明党の加藤修一先生を中心になさってくださっているというお話は聞いておりますので、ぜひ国として、そして体系立って取り組むんだという方向にお願いをしたいと思います。
引き続いて、ぜひ小宮山さんにお願いの件があります。
実は、今取り上げました福島の問題でも、この間、復興特措法などで、警戒区域と計画的避難区域に御住所のあった方は、他の地域に移られて例えば公営住宅の入居などができる。これは恐らく被災者援護法のスキームだと思いますけれども、そういうものができておると思うのですが、実は、福島にお住まいで最も不安の強いのは子供や妊婦さんであると思うんですね。
妊婦さんの場合は、例えば労働安全衛生管理上も、腹部のところにフィルムバッジなり放射線の被曝線量計を置いて、年間で二ミリのところで妊娠中は管理ということですね。あと、労働安全衛生上も、年間五ミリの被曝が予想されるところはフィルムバッジをつけて作業するわけです。
そうすると、現状、今福島でお暮らしの皆さんで、計画的避難区域やあるいは警戒区域以外でもそうした線量下にある方というのは多いわけです。その方たちがもしも例えば福島県外でしばらく線量が下がるまでの間生活したいと望まれても、今公営住宅等々に入るそうした方策というものがないように思います。もしかして藤田さんが御答弁くださるのか、違いますかしら。では、お願いいたします。
○小宮山国務大臣 今おっしゃったのは、被災者援護法ではなくて災害救助法で今対応させていただいているんですね。ですから、そのスキームだとなかなか難しいということかと思うんですが、医師でもある阿部委員からのそういう御指摘は重く受けとめたいと思いますので、どのようなことが考えられるか検討させていただきたいと思います。
○阿部委員 特に、せめて除染までの間でも、二重住所ではありませんが、本当はこっちにあるんだけれども、その間、お子さんも小さいし、例えば公営住宅に入れる、県営住宅でも雇用促進住宅でもいいんです、移って入れるということが、逆に私は福島で、そこが安全になれば、もしかしてその後帰るということにも結びつく。
もちろん選択ですから、選択は個々の御家庭にあると思いますけれども、ただ、そういう方策がなくて二重生活の負担が強いということを、ぜひ何らかのお考えをいただきたいと思います。前向きな御答弁、ありがとうございます。
引き続いて、食の安全管理ということで申し上げさせていただきます。
厚生労働省としては、この所信表明の中にもございましたけれども、三次補正をもって食品中の放射性物質の調査をなさるということが既に言われておりまして、それも、乳児、一から六、七から十二、十三から十八、十九から六十、六十以上の六区分と妊婦に分けて行われるということで、体に取り込むいわゆる内部被曝のもとである食品についてのお取り組みは前向きにしていただきたいんですが、さて、この区域、どこの区域でやるのかというのが、今十都道府県になっているように伺っております。
これは実は、魚などにセシウムの濃度が高くなってまいりますと、魚はどこで水揚げされるかで、福島沖に停留するものでもありませんし、銚子の方でも高くなったり、あるいは川魚、あるいは底魚、ヒラメ、メバルなどは高くなる等々あって、むしろこれからの方が食の安全のために重要で、この十都道府県と言われておるものをもう少し拡大してきちんとフォローしていただくような方向はいかがであるか、御答弁をお願いします。
○小宮山国務大臣 今委員がおっしゃったとおり、今回調査を実施するのは十道府県なんですけれども、その中で、福島に限っては、中通り、浜通り、会津と三カ所に分けてというふうに思っています。
やり方としては、食品摂取量の調査ということで、実施の自治体十道県に対しまして、十四群に分けたいろいろな食品の食材を購入してそれぞれの群ごとに放射線量を測定するマーケットバスケット方式というものと、それから各地区で、今おっしゃったように年齢によって七区分に分けたものを、実際に毎日食べていらっしゃる食事のメニューに従って、そのレシピに従って収集をして測定を行う。何でこういう訳し方をしたのかわかりませんが、陰膳方式と言っていますけれども、その方法でやりたいと思っています。
これを二十四年度以降もずっと続けたいと思っているんですが、今おっしゃった魚というのは確かに広がりがございますので、今後これをどういうふうに、広げていく必要があるかどうかについても検討させていただきたいと思います。
○阿部委員 最近、川の汚染や湖の汚染やいろいろなことが明らかになってきております。どこでお子さんをお育てになっても安心できる、あるいは特に妊娠とかの問題もあることですので、ぜひもっと広げることを御検討よろしくお願いいたします。
それから、先ほどの藤田さんの御答弁には、ありがとうございます。実は、相双地区の医療機関のみならず、福島全体ですけれども、もともと医療過疎でありまして、今も、入ってくるお医者さんよりも出ていくお医者さんの方がまだ多いという現状があります。そして、そうした中で、例えばホール・ボディー・カウンター一つやるにも、まだ実は、実際、二百万人の県民と申しましても、やれている数、二百二万人のうちわずか一万五千四百八人という値で、一%以下であります。
これの原因は、実は、福島県立医大やあるいは千葉の放医研あるいは東海村まで行かなくちゃいけないということが大変で、この一万五千数人のうちの九千人近くは南相馬市立病院でホール・ボディー・カウンターをなさいました。その地域の基幹病院のエンパワーということを、これは県もなさいますけれども、ぜひ厚生労働省としてやっていただきたい、考えていただきたいと思います。
最後に、小宮山大臣に、一枚、きょう資料をお出ししました。これは雇用の非正規化というグラフでありますが、男性も女性も非正規化、どんどんどんどんウナギ登りでありまして、二〇〇〇年あたりからはついに、二〇〇二年でもよろしゅうございます、五〇%を超えている。非正規というのは、派遣のみならず、パートやさまざまな就労形態、あると思うのですけれども、これは実は、被災地の三陸地域においても、今特に女性が就労困難に陥っております。
厚労大臣として、全体を踏まえた上で、こういう女性たちの就労ということにどういうふうにもっとサポートしていくか、そしてあわせて、私ども、派遣法の改正、今回、反対しておりますけれども、これはやはり女性たちにとってなかなか、いろいろな意味で安定した働き方にならないということですので、引き続いて、どういう意思で臨まれるか、お願いいたします。
○小宮山国務大臣 女性のこういう働き方の問題は、私も前職のときからずっとやってまいりました問題なので、恐らく問題意識は共有をしているというふうに思います。
それから、被災地では、特にやはり女性、それから高齢者、障害をお持ちの方が非常に仕事につきにくいという実態も、私も現地でも伺っていますので、今回、「日本はひとつ」しごとプロジェクトのフェーズ3、本格的な復興へ向けてという中で、県に基金は積むんですけれども、市町村が使い勝手よく、NPOやあるいは企業の方と連携をしてできるような、女性、高齢者、障害者のモデル事業というのもやっております。
ただ、そのことが必要な方に届いていないということなので、どうやって情報をお届けして、少しでも女性の皆さんの就労に結びつけるか、これはいろいろな意味で、これは女性にとどまりませんが、ハローワークでマンツーマンでやっているんですけれども、そうしたこともやっていきたい。
それから一般的には、やはり五三%の女性が非正規でございますので、今回、先ほどから足りないと言われております社会保障の改革の中でも、短時間労働者への社会保険の適用拡大とか幾つかの策を、全て一歩からで申しわけないんですが、一つ前進をさせたいと思っていますので、御理解いただければと思います。
○阿部委員 働き方の改革ということが私は第一であると思います。
終わらせていただきます。
――――――――――――― 中略 ―――――――――――――
○池田委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案の原案に賛成、修正案に反対の立場から討論をいたします。
昨年秋の臨時国会の会期末に、民主、自民、公明の三党によって修正案が突然提出され、わずか三時間半という審議で採決されました。修正案の決議は継続できないため、本日再議決を行うとのことですが、それならば、当然、きちんとした審議時間を確保すべきであり、審議もせずにいきなり議決というのは、議会制民主主義を無視した暴挙と言わざるを得ません。
ヨーロッパ債務危機などによる世界的な景気の減速、急激な円高など、現下の雇用情勢は極めて厳しいものがあります。非正規雇用は増加の一途をたどり、とりわけ女性の非正規化は五〇%を超えて高どまりをしております。加えて、東日本大震災と福島第一原発事故で、被災地は、農業、水産業など主力の産業が打撃を受け、いまだ再建されていません。ここでも女性の就労状況は極めて深刻です。経済、産業の再建とともに、安定した雇用の確保が今ほど問われているときはないと思います。
こうしたときに、政府原案から登録型派遣の原則禁止、製造業務派遣の原則禁止を外す修正案は、そうでなくても社会保険もなく雇用も不安定な非正規労働者が増加しているという現状を、さらに悪化させる以外の何物でもありません。
三年前、製造業などで働く大量の派遣労働者が雇いどめに遭い、同時に住居も失うという深刻な問題が起きました。こうしたことを二度と起こさせないために、政権交代後、派遣労働者保護の立場から、派遣事業に対する規制強化とともに登録型派遣の原則禁止、製造業務派遣の原則禁止を明記した政府案が作成され、国会に提出されたのです。
政府案にはなお不十分な点がありましたが、それでも、働く労働者を初め多くの国民に支持されたのは、野方図に拡大する雇用の劣化を食いとめ、人間らしい働き方を実現することができるという期待からでした。
しかし、今回の三党による修正案は、登録型派遣と製造業務派遣の原則禁止の削除にとどまらず、日雇い派遣の原則禁止を一部の例外を除き原則容認、みなし雇用制度の法施行を三年後に先送りするなど、政府案を骨抜きにする内容であり、全く容認できません。
復興が進む中で求職者は増加していますが、わずかながら出てきている求人の大半は非正規雇用で、正社員でも低賃金というのが実態です。こうした中で、再び製造業派遣の求人が増加しています。急激に進む円高や被災地での雇用再開が背景と言われています。しかし、何かがあれば真っ先に解雇されるのが、派遣労働者であり非正規雇用です。労働者派遣法の改正を行い、雇用の安定と生活の保障に全力を尽くすべきときと考えます。
キーワードは、働き方を変えることです。東日本大震災の復興と日本社会再生に向けた歩みの中にこのキーワードを埋め込むことは、我々の責務と考えます。このことを最後に申し述べ、私の反対討論といたします。
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