第180回国会 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第21号(平成24年6月25日(木曜日)) 抜粋 案件:
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)
子ども・子育て支援法案(内閣提出第七五号)
総合こども園法案(内閣提出第七六号)
子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七七号)
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第七二号)
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)
社会保障制度改革推進法案(長妻昭君外五名提出、衆法第二四号) 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案(和田隆志君外五名提出、衆法第二五号)
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〔前略〕
○中野委員長 これにて高橋さんの質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
本日は、冒頭、通告外ですが、野田総理にお伺いいたします。 総理が、六月の八日の日に、大飯原発の再稼働を発表なさいました。それ以降、実は、総理官邸に毎週金曜日夜、国民の不安や怒りの声を集めたように、自然発生的だと思いますけれども、人がたくさん集まっておられます。六月二十二日には、その数が四万人を超えたのではないかというふうに言われております。
まず冒頭、総理には、国民に語ったと。しかし、国民の中には不安やあるいは怒りが渦巻いている、このことについてどうお思いでしょうか。
○野田内閣総理大臣 大飯原発三、四号機の再稼働についての基本的な考え方を六月八日にお話をさせていただきました。そして、先般、その方針の確定をしているところでございますけれども、毎週金曜日、官邸の周辺ではデモが行われて、シュプレヒコールもよく聞こえております。先週末もございました。私の地元の船橋でもそういう活動があるということは、よく承知をしております。
国民の皆様が、去年の原発事故を踏まえて、大変複雑な思いを持っていらっしゃることは、私も十分承知をしております。
○阿部委員 総理の対話が足りないということなんだと思います。
日曜日でしたか、NHKでも、双葉町の皆さん、この前もお伝えしましたが、埼玉の騎西高校、廃校の跡にいまだ身を寄せている方のお話がありました。中には、一年以上たって、恐らくアルコールに依存されているだろうと思われる男性の映像もありました。
総理は、簡単に、安心や安全について責任をとるとおっしゃいますが、とてもとり切れない。奪われたふるさと、仕事、人生、将来、何にも責任がとり切れていないということだと思います。そのことを総理は深く受けとめて、お地元の船橋でもあるんだそうですから、積極的に対話をされる。
足らざる部分は何なのか。私は、やはり住民の安全をどう守るかという視点が圧倒的に足りません、事故は起こらない、これだけやったから起こらないというのでは住民は納得できないということを申し上げました。
このことを再度総理に申し上げて、今週末には人が五万、六万になろうかと思います。誰が命令したわけでもなく、国民の中にある不安ですから、一国の総理として深く受けとめていただきたいと思います。
二点目でありますが、きょう皆さんの御審議を聞きながら、総理にこれだけは確認しておこうと思うことがございます。いわゆる三党合意であります。
総理は民主党の代表でもあられますので、この三党合意なるものは、社会保障国民会議に委ねるに先立って三党でお話をなさるということですが、もしも解散などあった場合に、当然、その後の民主党や自民党や公明党、おのおのの数も変わりましょう。そうした中で、一体この三党合意の有効期限というのはいつまででしょうか。選挙があったら、おのずと今までの構図とは違いますよね。
では、有効期限をお答えください。国民会議は一年かけて行われるものです。でも、三党は消えちゃうかもしれません。三党合意の有効期限はいつまでですか、お願いします。民主党の代表である総理に伺います。
○野田内閣総理大臣 三党が全部消えるということは私はないと思います。
したがって、三党合意は、解散の時期がいつかは別として、その合意に基づいて対応をするということが基本だと思っております。
○阿部委員 答えになっていません。解散まで有効でなくてはおかしいでしょう。その後、民意が、当然そこに新たなものも含まれるわけですから、いつまでも三党合意が亡霊のようにあってもらっては困ります。
大体、私どもと御党とは、政権交代のときに、連立政権に向けた合意文書を取り交わしました。そして、その中で、お互いに違いがあって、私どもは離脱をいたしました。それは政権を担う責任であるからです。
政権の連立でもなく、パーシャル連合という、しかし、税は民主主義の根本ですから、そこで曖昧な三党合意というものを持ち出されて、それがいつ終わるのか。解散があったら終わるんですね。教えてください、もう一度。
○野田内閣総理大臣 私は、解散があったら変えるというものではないと思います。これは、社会保障、税、まさに国家百年の大計にかかわる問題で、選挙があっても政権交代があっても、それでも、国民のために、責任ある政党はしっかり合意をしていきましょうということが趣旨です。
そこに私は意義があると思っておりますので、解散があったら消えるのではなく、その政党間の信頼関係がある限り、その合意に基づいて国民のための議論をし、合意形成をするということが筋だと思います。
○阿部委員 それは、民意を酌んでいないということなんですね。
御党が第一党であるかどうかもわからないし、御党は御党のマニフェストで戦われるわけですよ。それを国民が選ぶわけです。当然変わってまいります。そうでなければ主権在民ではなくなります。あるいは租税法定主義でもなくなります。議院内閣制でもなくなります。
今の総理の御答弁では、主権在民、国民が選ぶ、選挙ってなんだというところが全くないじゃないですか。だから、マニフェストが変わろうと、全く変わっていないというような言辞で、心は同じだということで曖昧化されるんです。そのことは、しかし、国民には不幸です。何を選んでいただくか、何をやりたいかということで選挙をなさるわけです。
もうこれ以上総理とやりとりしても同じお答えでしょう。有効期限、賞味期限は解散までです。それが主権在民です。
では、次の質問をお願いいたします。
一九九七年に消費税が導入されましてから、実は、残念なことに、一貫して税収は上がっておりません。国民からすれば、三から五%に引き上げた消費税、一九九七年であります、我が社民党の前身の社会党も関係しております。しかし、税収という目で見れば、全くふえなかったわけであります。
総理は、このときの教訓と、そして今、増税をなさろうとするとき、それが税収の増に結びつくということを何をもって担保、国民に説明なさるのか。この点についてお願いをいたします。
○安住国務大臣 阿部さん、少しちょっと事実と違うんじゃないでしょうか。
この折れ線グラフの一番上の一般会計税収をごらんになっていただくと、平成の十五、十六、十七、十八、十九と税収は上がっております。ずっと下がり続けているというのは明らかに違います。このときも五十兆円台を超えましたが、このときは既に、所得税の改正をしたり、三位一体で地方に税収をお渡ししても五十兆を超えていますから、もし平成の六、七年ころのアベレージで考えれば、はるかにその上を行くような税収でございました。
ですから、消費税を上げたからずっと税収が下がり続けているというのは、これは事実と違います。
○阿部委員 そういうこそくなことを言わないでください。
一九九七年、五十四兆、今安住さんが言った、小泉政権時代でしょう、地方に三兆くらい渡しました。そこがあるから一貫しての低下じゃないとおっしゃいますが、消費増税をしたときの税収を上回っていないということを問題視しているんです。皆さんは財政再建のためだと言うけれども、財政再建できないじゃないですか、こういう事態であれば。そのことが国民は不安なんです。
消費増税はもう結構です。さっきのような答えだと時間の無駄です。私は総理に伺っています。国民の不安に応える姿勢がなければ、へ理屈ばかり言っていても、本当は国民は消費税にゼロ回答じゃないんです。だけれども、本当にそれで税収は上がるだろうかということを懸念しています。
次の質問をお願いします。私は三十分しかありませんので、申しわけありません。
今度は総理にお願いいたします。
総理、この表は、実は国会移転のときに国土交通省がつくられたものを、私の方でお願いして、少し延長してもらいました。
上の赤線は首都圏への流入人口、昨年度で約六・三万人であります。多いときには毎年十五万人が流入されました。ここに二極のカーブを描いているんですが、この首都圏というのは、総理も住まわれる千葉、私の神奈川などで、今三千六百万人余りが住んでいます。菅総理が、もしあの格納容器が爆発したらその全部が被害を受けると思われたところの首都圏の人口であります。
一方、地方圏の人口は、ほぼ同じだけ減少をいたしております。すなわち、地方から都市への流入が、一旦は、一九九〇年代の前半くらいは、ブルーの線が上に行きましたから、地方に戻っていかれる方がふえた。しかし、その後の、リーマン・ショック問題もございますでしょう、もろもろの中で、山一証券の破綻の問題もありましょう、またまた首都圏に人口が流入しています。 そして、総理も千葉であるからおわかりだと思いますが、例えば千葉県でも、私の神奈川県でも、実は、医師の数、十万人当たりは、圧倒的に不足してまいりました。なぜなら、人口が流入する、そして高齢化のスピード以上にふえる数です。例えば、高齢化が二%ふえても、母集団が大きいですから、物すごい数の高齢者がそこに住まわれることになります。この間の審議では、一切、こうした人口動態、動き、どう移動されて、今どんな問題が社会にあるのかが指摘されておりません。せんだっても、横浜で六十代の御夫婦がお亡くなりになって発見をされました。
私も、総理と同じように、社会保障改革は急務であると思います、こういう図を見れば見るほど。しかし、今回、税率のアップだけで、そして、その中身については国民会議に委ねられると言いますが、もともとの視点がなければ、単に、江戸時代が終わって、明治が三千三百万、そこから一億三千万、また減るぞという、あの図だけでは現状を把握しておりません。
総理は、こうした実態に、今回の改革は何が役立っているとお思いでしょうか。
○野田内閣総理大臣 あの大きな人口動態に基づいた、今回は、そういう一つの改革であるということは、これは間違いございません。人口動態の大きな変革に備えて、社会保障を持続可能なものとするためという位置づけだと思います。 その上で、細かな、都市圏とか地方圏の議論というのは確かになかったのかもしれません。御案内のとおりというか、この資料のとおりの傾向だというふうに思いますけれども、基本的には、でも、今まで地方圏が減り続けてきたということだと思います。 むしろ、その中で、社会保障を手厚くする分野、安定化させる分野において、こうした地方に対して、ちゃんと居住できる環境をつくっていくという意味の貢献もあるのではないかと思いますので、その辺の地方と都市の分析はしっかりしなければいけないだろうというふうに思います。
○阿部委員 まさに、しっかりしていただきたいです。今回の東日本大震災でも、東北地方は人口が減り続けて高齢化もしている。でも、高齢化だけについて言えば、数の問題は首都圏の方がうんと深刻であります。そこにあまねく医療や介護をどうつくり出していくか、そういうメッセージがあれば、国民も消費税問題はもっと前向きに考えられると思います。
そして、今我が国がやらねばならないことは、三・一一を受けて、もう一度人口が地方でもおのおの成り立っていくモデルをつくることであります。集中した人口がもう一度、四十七都道府県、美しい日本です、その絵姿をどう提案していくかにあると思います。
次のこのパネルは、今総理もおっしゃいました、どんどんどんどん各地方の人口は減る、人口だけじゃなくて、県民所得が減っております。県民所得とは、個人の所得だけじゃなくて、法人の事業のそのアウトプット、なし遂げたものも含めてあるわけですが、ここでも、見ていただけばわかるように、赤い線が二〇〇九年、青いぴょこぴょこっと飛び上がったのが一九九六年、すなわち、全ての県で県民所得は減っている。
そして、その減り方も、平均が、一九九六年であれば、東京は別にして、ほかの愛知、神奈川、大阪、滋賀などは三百五十万円台よりは上であった。今や、二〇〇九年、東京はまた別として、東京も減っておりますが、この上位五県も二百九十万円台。五十万円から六十万円、アウトプット、やっている経済活動の総量が減っているということであります。
しかし、これをもって、じゃ、すぐ成長戦略で、それが引っ張っていけばみんな元気になれるか、トリクルダウンなのかということが今問われていると思います。
次のスライドをお願いします。
これは、実は、今回沖縄を抜いて最下位の県民所得ということになった高知県であります。県民所得にいたしまして二百二万円ということであります。私もせんだって高知に行ってまいりました。どうすれば、この高知県の皆さんが今一生懸命やろうとしていることに国が応援できるのか。
ここで、上と下におのおの、高知は、例えば農業、漁業、林業までも含めて、それらは県外に移出する部分が黒であります。一方、県外から購入しなければならないものの一番に石炭、石油製品などが来ます。ガソリン、A重油もそうであります。石炭、石油に依存した経済構造をとっているわけです。これを変えていけるような改革が、実は、最も県民所得が低下してしまった高知県がもう一度逆転していけるチャンスなんだと思います。
総理はこうした図はごらんになったことがないかもしれません。これはNHKで年頭にやっておりました。私は非常に示唆的だと思い、本当に地域が活性化されるには、こうした分析をされて、県にとって一番マイナス要因になっているところをどうサポートしていくのかという目で経済やこれからを考えるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○野田内閣総理大臣 大変興味深い資料だというふうに思いました。
そこで、この関連で申し上げますと、再生可能エネルギーについて、七月の一日からいよいよ固定価格買い取り制度がスタートすることになりますけれども、これを受けまして、市場では現在さまざまな事業化プランが検討されておりますが、再生可能エネルギーの導入拡大が大いに進むものと期待をしています。
その関連でこの高知の件も考えることができるのではないかなと。例えば、太陽光の設置工事といった市場はもとより、山間部における未利用の森林資源、水利資源の活用などを通じて、高知県を初め、地域の特性があると思いますけれども、地域経済の再生や雇用の拡大に、この再生可能エネルギーの導入という視点のもとで連動させていくということが大事なのではないかなということを、この資料を拝見して思った次第でございます。
○阿部委員 ぜひそうしていただきたいです。
総理もおわかりのように、日本は本当に美しい国であります。水豊か、森もあります。海にも囲まれている。我が国ほど自然エネルギーの資源に恵まれた国はございません。しかし、この十年、否、二十年だと思います、失われた二十年で、そうした産業に本当に基軸を移してこなかった政策上の誤りも私はあったと思います。
まず、消費増税より前に、地方が本当に元気になれているという感覚を持っていただくこと、これが逆に、急がば回れの最も近道なんだと私は思います。枠だけ決めて、これだけ増税しますよと言う前に、そうしたメッセージを総理はぜひお出しになるべきで、実は、緑の分権改革というのを総務省がモデルでやっておりますが、額も極めて少ない。本当にモデルであります。そこが持続的に、ファンド、お金が流れて、産業として自立していけるだけの力強さを持つように、政府としてはきっちりと見ていくべきだと私は思います。総理もおわかりだと思うので、よろしくお願いしたいと思います。
さて、引き続いてですが、ここにお示ししたのは三十代の皆さんの所得の問題であります。収入と書いてございますから、所得、いろいろな税を引かれた後ではなくて、もろ収入でありますが、この図は極めて特徴的なものだと思います。一九九七年にあった赤い線の方のピークの山が、私の方からいうと大きく左に、金額が下がる方向にずれています。
普通、所得の低下とは、全体がずずずずっとおりてしまうようなものが多い中で、我が国の就業構造の中での給与の分析をいたしますと、三十代では明らかにピークがずれる、中堅層が収入が少なくなるという構図をとっております。実は、このことがもたらす結果というのは極めて深刻であります。
総理はお気づきでしょうか。我が国が、一九九七年、消費増税以降、下がったものは所得であり、ふえたものは、残念ながら自殺者の数であります。三万人を超える自殺者がずっと続いている中で、三十代の自殺が二つの山を持ってどんどんふえてきています。一つは九七年のとき、もう一つは二〇〇三年ごろであります。四千数百人の三十代の中堅の働き盛りの方がみずから命を縮めていかれます。
そのことと、この所得のカーブが極めて特徴的に下がっていること、プラス、もう一つ、この年代は子育て世代であります。総理が最も期待する、中堅、分厚い中間層の最もあんこの部分であります。
この年代の所得がかくも減り続けていること、このことがこの国の将来を極めて閉ざしていると私は思いますが、総理の御認識を伺います。
○野田内閣総理大臣 私が分厚い中間層の厚みを増すということを一つの理念として常に訴えてきているということは、日本にとっての活力、底力は、やはり中間層の厚みがあったこと、残念ながら、その中間層の重心が低い方に今シフトしてきている、そして、残念ながら、こぼれた人がまた立ち上がっていけないという状況、これを憂慮しての発言でございますが、その中核をなすのが、ここの図表でも書いていただいている、特に三十代、働き盛りの、子育てをする世代だと思います。
この表のとおり、残念ながら、この十年間で、中間層のまさに中核をなす世代においても、その所得は残念ながらずれてきている、低目の方に重心が移っているということは、大変残念なことだというふうに思います。
○阿部委員 私が冒頭申し上げた、税収が減り続けることと、しかし、それを本当に税収の上がる構造にするためには、きちんと所得がこうした働く盛りに保障されること、それは将来の子育ての保障でもあること、ここを間違わないでいただきたいんです。目先の財政再建ということで今回の消費増税が先走ることがあれば、私は実は子育て世代にもマイナスになると思います。
小宮山大臣に伺いますが、先ほど来、保育や子育てについて、四千億は量について、三千億は質について、計七千億手を打つんだと。公明党の皆さんはプラス三千億で一兆にと。どちらも私はいいと思うんですけれども、この四千億、三千億、あるいは計で七千億は、消費税が八%になったときから始まるのですか。それとも、またさらに上がって、一〇%のときにその財源手当てはなされるんですか。
○小宮山国務大臣 それは、先ほど公明党からおっしゃいましたけれども、全体として一兆超えというのは政府として出しているもので、今回、三党でそこをしっかり確保と言っていただいたことは、大変心強いと思っています。
これは、今、既に量の拡大などはやってきていますので、どこから全体としてやるということではなく、八%、一〇%、全体としてその割合が四対三になるような形でやっていくということだと思います。
○阿部委員 実は、小宮山さんはもっと明確に答えていただきたいです。八%にするときからなんですよと。
そうであればまだしもです。私は、今回の増税、何もいいことはないけれども、もしかして、子育て世代に少しはほっとしていただけるのであれば、一九九〇年代の北欧の改革のほとんどは、子供たちの教育、それは、これからの世界で勝ち抜いていくためには、子供たちをしっかりと、教育においても、人格形成においても、育てていかねば国の未来がないと思ったからであります。
今回の消費増税の唯一の目玉が子供政策だというのであれば、それは既に八%に引き上げたときからなさると明言されなければ、こんなにありますよと言っておいて、実は何にもない、スカかという感じになるではありませんか。
私がこういうことを言うのは、一人親の母子家庭は大変困窮をきわめています。でも、実は、先ほどの真ん中のあんこ、二人親世帯のジニ係数も上がっているのです。二〇一一年十一月の調査です。ジニ係数が上がるとは、家計の可処分所得が減って困窮度が高まっていると。これが二人親世帯でも出ている傾向であります。可処分所得の減り方も著しいものがあります。
もう一度伺います。八%に増税するときですよね。どうでしょう、さっきのお金の支出です。
○小宮山国務大臣 今、量の拡充については、子ども・子育てビジョンで次第にやっています。それで、八%のときから、もちろん、今もやっているものをさらに加速して八%で可能な限りやる。
ただ、恐らく、職員の配置基準を上げるとか、質に関するものの方が、全部フルバージョンでできるのが一〇%のときということだと思っています。
○阿部委員 それでは、量だけ拡充して質が追いつかなければ、子供は手荷物のように預けられて、事故もふえてしまいます。私は、子供を育てるということは国の根幹だと思います。そのことがこの場で約束されないこの委員会は何なんだと心から怒りを持って思います。
先に量だけ拡大して質が後からついてくるということはないじゃないですか。いかに保育現場が低賃金か、そして、現実に子供たちの安全すら危うくなっているか。これは少子化担当大臣の小宮山さんの深い思いですから、私は、ぜひこれからというか、こんなものを決める前にやっていただきたいと思います。
最後、お願いいたします。
きょうは、複数税率並びにゼロ税率のお話をしたいと思います。
この間、公明党の皆さんも、複数税率ないしゼロ税率、ゼロはおっしゃっていないかな、このことを低所得者対策という言葉で挙げておられますが、私は、実はこれは税の哲学と言いかえた方がいいと思います。
上から絵の順番に、イギリスでは、子供用の衣類とか食品がゼロ税率であります。子供の衣類はしょっちゅう買いかえなきゃいけない。子育て世帯を支援しようというメッセージであります。
次の、フランスは、実はいろいろな複数税率を持っていますが、この理由は、フランスは、所得税より消費税の税収に占める比率が高いんです。これは前にも安住さんに言いましたが、我が国でもそうなりかねないんです。いいかどうかは別として、もし消費税をなさるのであれば、所得税が本来の所得再分配機能を失うということですから、税収が下がれば、何らかの消費税での対策が必要だということであります。
次いで、ドイツは、おかたい国でありますし、新聞、書籍など、活字というものについて軽減税率をとっています。
そして、カナダでありますが、皆さんが、ゼロ税率か軽減税率か、あるいは給付つき税額控除かというカナダは、両方やっておられます。アングロサクソンの、イギリスの系統をくむカナダでは、ゼロ税率、食料品などはそう置きました。プラス、年収にして五百万円くらいまでは、所得税の給付つき税額控除の中で消費税のこともあわせて返しているわけであります。
小手先じゃなくて、税には哲学があると思います。社会の考え方があると思います。何を守りたいかがあると思います。これらの複数税率は、決して低所得者配慮ではなくて、安住さんもおわかりのように、中間所得層も含めての対策なのであります。あるいは、社会がそれを安心して受け入れてくれるためのものであります。
利権が絡まってとか陳情合戦になると言いますが、だったら、それこそ、公平な有識者会議等々を置いて検討されたらいいと思います。いかがでしょう。
○中野委員長 時間が参っております。一言でお答えください。
○安住国務大臣 複数税率にもそうしたメリット、デメリットがございますので、十分そうしたものを勘案しながら、確かに課税の哲学が必要でございますので、そういう点も含めて考慮していきたいと思います。
○阿部委員 ありがとうございます。
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