予算委員会 第22号(平成23年3月8日(木曜日)) 抜粋 案件:
公聴会開会承認要求に関する件
平成二十四年度一般会計予算
平成二十四年度特別会計予算
平成二十四年度政府関係機関予算
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〔前略〕
○中井委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
九分ですので、端的にお願いいたします。
復興交付金についてお伺いいたします。 地方自治体の使い勝手のいい、そして復興に資するための交付金として出されたこのスキームですが、実はいろいろな問題がございます。地方自治体側からも、宮城県の知事などにもいろいろお声が上がっているところでありますが、私がきょう取り上げたいのは、一体、この復興交付金においては原発による災害はきちんと対象に含まれるのか否かでございます。
お手元にございます資料を見ていただきますとわかりますように、例えば二本松市は、実は百億余りを申請いたしましたが、結果は三千万円で終わっております。例えば申請内容ですが、浪江町の皆さんが被災されて二本松市に住んでいる、そのための住宅をつくりたい、あるいは、外に出られない子供たちが屋内プールや体育館で遊びたい、そうした費用が一切ここには認められませんでした。
この傾向は、実は、浜通りという比較的津波のひどいところに比べて、中通り、福島も伊達も二本松も郡山もそうですが、申請すらできないところ、あるいは申請されても査定の厳しいところなど、一つの目立った傾向がございます。
平野復興担当大臣、明言していただきたいが、原発による被災、それは建物が破壊されただけではありません。避難された方、遊べない子供たちのための施策でもあるんだということをこの場で大臣が明言されないと、現場のやりとりが非常に混乱しております。いかがでしょう。
○平野(達)国務大臣 まず、復興交付金は、基本的に地震、津波の被災を受けた地域を想定してつくられているということであります。 津波等々では、例えば、海岸堤防が壊れる、下水道が壊れる、道路が壊れる、こういった公共施設の壊れた場合には災害復旧事業という制度がございます。ところが、町並みが全部流されてしまったとき家を移転するという場合には、もとにあったところにつくるということではありませんから、ここには災害復旧事業というのは適用できません。災害復旧事業が適用できませんから、さまざまな事業を集合してやるというのが復興交付金事業です。
先ほどの二本松市は、建物は壊れておりません。建物が壊れておらなくて、プールがある程度放射能で汚染されているから新しいプールをつくっていただきたい、こういう申し出でした。これが妥当かどうかについては、今別途いろいろ検討しておりますけれども、少なくともこの復興交付金という制度で対応するというのは望ましくないというふうに私は思っています。
この旨については二本松市にはそのように伝えておりまして、では、どのように対処するか。これは多分、求償対象経費になってくると思いますから、別途いろいろな形で検討することが必要だと思います。
なお、そういった施設がどうかということも含めて、今検討中だということでございます。
○阿部委員 そういう形でやるから、三重苦に苦しむ福島が最もこの交付金が使えなくなるわけですよ。総理、果たしてそれでいいわけですか。建物が激しく壊れなくても、降った放射能によって町は壊れているんですよ。見た目に壊れていない分だけ、心も、そして将来も壊れているんですよ。
この復興交付金が今、平野さんがおっしゃったようでは、QアンドAの中には原発災害にも使えますと書いてあるんですよ。それから、最終的にはこれを決めるのは総理なんですね。この復興交付金のいろいろなスキームの中で、内閣総理大臣は、必要性、効率性、事業実施の確実性及び進捗状況を勘案するものとするとして、あなたの責任なんですね。
私は、今の平野さんの答弁は到底納得できない。福島県の人にそれを言ってごらんなさい。そんなことで、本当に厳しいですよ、皆さん。でも、一番おくれているじゃないですか、何につけ。総理、これで本当にいいんですか。考え直してください。いかがですか。もう私は時間がないので、総理にお願いします。
○野田内閣総理大臣 ちょっと私、通告がなかったんですが、今のやりとりを聞きながら、平野大臣がもっとちゃんと説明できる部分があると思いますので、担当大臣によくお聞きいただきたいというふうに思います。
○阿部委員 それが総理の冷たさなんですよ。国民があなたに求めるものは、この災害から本当に手を差し伸べて、戻りたいというだけなんですよ。そういう政権では到底国民の支持はないものと思いますから、よくよく考え直して、今の平野さんの答弁とQアンドAと突き合わせて、そして被災地の声を聞いて、やっていただきたい。
二問目、細野大臣に伺います。
瓦れき処理の問題で、皆さんお取り上げでありますが、確かに、被災地を助けたいという思いは他の都道府県にもあります。でも、そこに暮らす住民の不安があります。何をなさねばならないか。二つあると思います。
大臣は、既に環境基本法と循環基本法の改正を厳命されております。しかし、それに付随する大気汚染防止法、土壌汚染防止法あるいは水質汚濁防止法など、付随する体系、すなわち、燃やせばガスが出る、排水が出る、河川も既に汚染されておる、こういう中で暮らす国民にとって、大臣がきちんとそういう関連する法も放射能というものを含んで改正していくという明確な意思をここでお出しにならないと、いや、燃やしたって低いんです、何だって大丈夫ですと言うだけでは処理は進みません。いかがでしょう。
○細野国務大臣 環境省が、原子力に関する、さらには放射性物質の問題に対してもしっかり向き合っていく必要があるというふうに考えております。そうした考え方に基づいて、環境基本法さらには循環基本法については改正の法案を既に閣議決定させていただいております。
その上で、そのほか個別法も十数本、確かに環境省が抱えておる、これに放射性物質が除かれているという問題がございます。これも改正に向けて準備を進めたいと思ってはおります。
ただ、現段階には除染の特措法があって、そこで放射性物質の取り扱いについて書かれておりまして、個別法を改正するとなると、自治体のさまざまなこれからの対応についても準備をする必要がありますので、その特措法の見直しとあわせてやってまいりたいというふうに考えております。
○阿部委員 それじゃ遅いというのが私の指摘で、だって、よそに持ち出そうとしているんですから、特措法が福島の八千ベクレル以上のものを主なる対象としているということで、関連する法律を待たずに改正すべきだという私の指摘であります。
ここをちゃんとやらないと、幾ら持ち出すの何のといったって、住民が安心しないんですよ。政治はまず安心をメッセージすることです。
最後に枝野大臣に伺いますが、きのうの質疑で、最後、私とのやりとりが中途になりました。
再稼働問題で、実は二次ストレステストをやらないでいくわけです。隣接する炉の問題は、二次ストレステスト、あるいはそれ以上のものがあるということがこの間、指摘されております。
では、福島事故の何に学んだんですか。大飯原発だって、きのうも言いました、三百メートルの中に四つも並んでいるじゃないですか。隣接事故が起きたらどう防災するんですか。そのことを明確にしないで再稼働なんかできないじゃないですか。いかがですか。
○枝野国務大臣 ストレステストの一次評価においても、大飯原発のように複数の号機を持っている発電所の場合には、今回の教訓に学びまして、全ての号機が同時に同程度の被災をする、その場合を前提に評価しているところでございます。
ちなみに、一次評価によって、原発、今回の福島と同様な地震や津波があった場合でも過酷事故に至らないという安全性をしっかりと確認する、それが再稼働の前提条件であるというふうに考えております。
一方、二次評価は、これまでの安全神話が、いろいろな意味で安全を確認すればこれで大丈夫だということの上で安全神話に乗っかっていたという教訓を踏まえて、安全が確認をされた原子炉であっても、どこに弱点があるのかということをしっかりと見きわめて、その弱点をしっかりと補っていく、さらに強化をしていくという観点から行うものでありまして、全く別次元のものでございます。
○阿部委員 残念ながら、枝野さんのおっしゃったような一次評価、ストレステストはなっておりません。これはまた引き続いてやらせていただきます。
終わります。
――――――――――――― 中略 ―――――――――――――
○中井委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、二〇一二年度政府予算三案並びに自民党及び共産党、みんなの党提出の撤回のうえ再編成を求める動議にいずれも反対する立場から討論を行います。
大震災後初めての本格予算編成となった二〇一二年度政府予算案は、震災と原発事故からの復旧復興、脱原発社会への転換、デフレからの脱却、格差是正や社会保障を含めた社会のあり方が問われたにもかかわらず、日本再生を目指すとした野田総理が不退転の決意で臨むとしたのは消費増税と秘密裏のTPP推進だけでした。そこには、日本社会が直面する危機にしなやかに対応できる社会をどうつくるのか、あるいは日本を愛し、アジアとの共生をどう求めるのかというメッセージが伝わってまいりません。リスクを放置したままで過去最大規模の予算をつくっても、ざるのように抜けてしまい、日本再生は到底果たせるものではありません。
以下、反対の理由を申し述べます。
第一に、格差是正効果を生み、消費需要増にも寄与している子ども手当の変質、高校無償化や戸別所得補償の見直しなど、民主党が政権交代で約束したマニフェストからかけ離れている点です。
第二に、年金交付国債という奇策を用い、年金財源を人質にして消費税引き上げに道筋をつけるものとなっている点です。
第三に、八ツ場ダムの本体建設再開を初め、大都市圏環状道路、首都圏空港の強化、仕分けされたスーパー堤防の復活など、人からコンクリートへと逆転したかのように、総合的かつ緻密な検討を欠いた大型公共事業の再開ラッシュとなっている点です。
第四に、東日本大震災により損壊した原子力関係の広報施設の修繕を初め、被災地域広報施設復旧対策事業交付金など、原子力関係予算の大胆な見直しにはほど遠く、一方で再生可能エネルギー促進予算は甚だ不十分で、脱原発社会を志向するものにはなっていない点です。
第五に、防衛関係費が、防衛力の構造改革を行い動的防衛力の構築を目指すものとなり、復興関係を含めれば実質増へ転じている点です。 第六に、辺野古関係予算が二十二億円増となるなど、いまだに辺野古移設に固執している点です。
第七に、貧困対策や格差是正策、福祉関係予算、雇用対策、中小企業支援策、住宅対策について、規模、内容ともに不十分である点です。 第八に、官民連携による海外プロジェクトの推進、農林漁業の競争力強化等、財界の求める新成長戦略に応えるものでしかなく、持続可能性を見据えた経済再生策となっていない点です。 二〇一二年度予算三案にはそのほかにも多くの問題点が含まれており、賛同することはできません。
間もなくあの三・一一から一年を迎えようとしていますが、東日本大震災復興交付金は、当初のふれ込みとは異なり、極めて使い勝手が悪く、自治体側からの不満の声が聞こえているばかりか、自治体向けの復興交付金申請のQアンドAには書き込みながら、手のひらを返したように原発災害には適用されないと復興大臣みずからが公言するなど、福島切り捨てにつながりかねない高圧的姿勢が明らかになりました。
そもそも、復興関係予算の多くがハード分野に傾斜し、被災者や避難者の生活や雇用に着目した支援措置が少ないという問題もあります。
大震災からの復興と原発事故収束を第一に、まさに福島の復興なくして日本の再生なしと言ったはずの総理の所信を裏切ることなく、TPPや消費税に脇目を振るのではなく、政府を挙げて復興と日本再生に邁進することを求め、私の反対討論を終わります。
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