予算委員会 第23号(平成23年3月30日(金曜日)) 抜粋

案件:

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十四年度一般会計予算

 平成二十四年度特別会計予算

 平成二十四年度政府関係機関予算

議事録全文(衆議院のサイト)
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〔前略〕

中井委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。
 次に、阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。
 けさの消費税の増税法案の閣議決定、並びに、本日こういう形で暫定予算を組まねばならなかった事態は、ひとえに民主党の政権運営の優先順位のあり方が問題なのだと思います。
 三月十一日、我が国が経験した地震、津波、そして原子力発電所の事故を通じて、私どもの国は、最も大事な命ということを守りながら、おのおの災害に強く、そして地方が豊かで、さらに真に美しい日本というものを求めて新たなスタートを切るべきであります。その場合にまずなさねばならないことは、地方分権の大きな柱にもなります再生可能エネルギーのもっと大胆な普及や、あるいは働き方、この間格差を深めております雇用の問題にまず手をつけることだと思います。そうしたことの見通しがないままに消費増税のみが先行すれば、我が国は逆に地方が疲弊し、また格差が拡大していくと思います。
 以下、順次質問をいたします。
 私は、現在最も懸念の点、原子力発電所の事故、並びに、それがあったにもかかわらず再稼働を急ぐ政府の姿勢について本日はただしていきたいと思います。
 お手元の一枚目の表でございますが、これは、原子力発電所において、特にこの間、二号炉におきまして、予定された水位、三メートルほど格納容器の中にあり、そこに溶融した使用済み燃料が落ちていると言われていたものが、わずか六十センチしかなく、また、水をかけ続け、冷やして、その水を循環させて、これを周辺に漏らさないようにやっているはずのところが、ここの赤のマークのように、これまで、去年の暮れから今まで四回にわたり漏れが生じているという事態であります。
 細野大臣に伺いますが、私が昨年来、何度もこの原子力発電所の事故、十二月十六日に収束発言したのはやはり国民の実感とも世界の感覚とも違うのではないかと指摘してまいりました。今回のこの漏えい発生というところ、三月二十六日の四角を見ていただきますとわかりますが、ここでは八十リットル余りが漏えいをして海に出ております。また、十二月の四日の漏えいでは約百五十リットル余り、これも海に出ております。細野さんはあのときも、海にも漏らしていないし、事故が起きても対処できる体制なんだとおっしゃいましたが、今海に漏れ出ているものの中にはストロンチウムが入っております。今の工程では除去できないからであります。
 こうした事態をどうごらんになるのか、果たしてこれで収束と言えるんだろうかということをお願いします。

細野国務大臣 今回、水漏れによりまして海まで到達をしてしまいましたことについては、これはもう本当に申しわけなく思っているところでございます。
 収束との関係でございますけれども、私ども、この事故の最も深刻な影響といたしまして、周辺住民の皆さんに避難をしていただいた、このことだというふうに思っておりまして、その意味において、万一不測の事態が発生をした場合においても、敷地境界における被曝線量が十分に低い状態を維持できるとの評価をしておりまして、これをもって冷温停止状態、そしてサイトの中の事故そのものは収束したというふうに判断をしたところでございます。
 ただ、今回のような小規模なトラブルというのがまだ十分に克服をすることができておりませんので、三月二十八日に原子力安全・保安院から東京電力に対して、仮設の設備を恒久的な設備に更新をしていくなどすることによって、全体としての信頼性の向上に係る計画を策定するように指示を行いました。
 また、それにあわせて、同じ日に政府と東京電力の中長期対策会議の運営会議が開かれておりましたので、私、直接参りまして、その中で、速やかに中長期のロードマップを改訂して、的確に進捗管理を行うことができるような体制をつくるように指示をしたところでございます。
 最後に、確かにセシウムは取り除けておったんですが、ほかの核種で取り除けていないところがございますので、多核種除去設備、これをできるだけ早期に設置すべく、今やらせているところでございます。

阿部委員 私が言いたいのは、事故が起きてからそのことに対応しないで、予測して対応しなきゃいけないというのが今回の三・一一から学んだことなんですね。でも、こうやって聞く都度、漏らしていません、海にも大丈夫ですと言って、次に聞けば、やはり漏れていました、これから対応しますと。こういうことが続けば、国民は不安に思うし、不審に思うんですね。
 枝野経産大臣に伺います。
 現段階で、こうした不安を国民に与えながら、大飯の原発、三、四号機の再稼働を、枝野さんは安全性にのっとって政治責任で進めるとおっしゃいました。枝野さんの考える安全性というのは何でしょうか。短くお願いします。

枝野国務大臣 現在、政府で決めているストレステストのプロセス、昨年の七月に決めました折には、福島のような予想を超える地震や津波があった場合でも、福島のようないわゆる炉心溶融のような深刻な状況に陥らないということ、これは技術的、専門的に御確認をいただく必要がある。その上で、原発を稼働させることについて、地元の皆さんを初めとする国民の皆さんの一定の理解が得られているかどうかは政治的に判断させていただく、こういうことでございます。

阿部委員 国民には安全性の中身が全く伝わらないんですね。
 班目委員長に伺います。
 三月二十三日の会見で、今、枝野さんがおっしゃったこの間の御答弁で、今まで一次評価というものを大飯の原発でやってきました。炉の安定性とか、そうしたことを含めてですね。でも、班目委員長は言っていますよね。今まで一次評価というものを原子力安全・保安院でやられたと思いますけれども、それでは世界的に納得を得られるものではないでしょうと。
 何を言っているかというと、事故が起きた後の、起きないことの想定じゃなくて、起きたと想定して、そのことの対処がどうあるかが十分でないと、これは世界的な評価にたえられないという意味だと思います。
 班目委員長は、七月六日、保安院に対して、世で言う安全性の担保のために、炉のものと、それから事故が起きたときの対応も含めての安全性評価を要請されていると思いますが、現段階でそれはなされているんでしょうか。御意見を伺います。

班目参考人 御質問の、昨年の七月六日付の原子力安全委員会の方から経済産業大臣宛てに発出した総合的安全評価というものは、これは一次評価と二次評価と分けて行いますという計画が保安院の方から出されて、その計画自体は了承してございます。ただ、やはり原子力安全委員会の要望に応えるためには、一次評価だけでなく、二次評価までぜひ実施していただきたいというふうに考えているところでございます。

阿部委員 最後に、野田総理に伺います。
 総理が国民の生命に責任を持つわけです。今、福島では、まだ自分のふるさとにも帰れない、東電も賠償もしていない、そして原子力の炉も不安定である、配管も漏れる。こうした事態の中で、果たして総理は政治責任で、今、班目さんもおっしゃったような、安全性について二次評価もすべきだという、これは御助言であります、決めるのは総理です。そういう段階で、果たして本当に国民の生命と安全に責任が持てる判断ができるんでしょうか、お伺いいたします。総理に、最後です、お願いします。

野田内閣総理大臣 当然のことながら、しっかりと安全性をチェックしていくということが基本中の基本でございまして、安易に再稼働を私どもは行け行けで考えているわけではございません。あくまで安全性チェックです。
 いずれにしても、最後の判断は、最終的には政治的には私の責任だと思います。

阿部委員 その安全性の担保が、今、班目さんがおっしゃったように、不十分というかできていないんです。ここをしっかり受けとめて、国民に応えるようお願いいたします。
 終わらせていただきます。


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