第180回国会 予算委員会 第27号(平成23年7月12日(木曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
予算の実施状況に関する件
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〔前略〕
○中井委員長 これにて斎藤君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
冒頭、私は、きょう何人かの委員が御質疑になりました、あす金曜日、また恐らくたくさんの、再稼働をめぐって不安を訴える国民の皆さんが官邸にお集まりになると思います。恐らく、一九六〇年の安保改定のときを上回る方が官邸に来られておると思います。
そこで、野田総理に御質問いたします。
先ほど来総理は国民との対話、非常に今私どもの国は、どう何を決めていくのかということで困難な、消費税にしろ、TPPにしろ、原発再稼働、そしてオスプレー問題もそうです、本当に国民が一緒に考え、一緒に選んでいかなきゃならない時代が来ていると思います。
そこで、今週末、先ほど来の、いろいろな十一カ所での討論会があるようですが、それに先んじて、今たくさんお集まりの、官邸前に来られている皆さんに、総理は、官邸の中で声を聞いているのではなくて、出てこられてお会いになったらいかがでしょう。お子さん連れのお母さんとか会社員の会社帰りの方とか、私は、総理が中からや上から見るとは違う方々がそこに来られていると思います。そして、国民的論議というものを総理御自身がこれからやっていこうと思われるのであれば、まず、あした出ていらして、お話しされたらいかがでしょう。御質問いたします。
○野田内閣総理大臣 原発に関連するテーマ、これは再稼働、あるいはこれからの中長期の計画なども含めまして、国民の皆様にさまざまな多様な声があるということは承知をしておりますし、私のところにもさまざまな形でさまざまな声が届いてきております。
官邸周辺に多くの方がデモに来ていらっしゃるということは、私もよく存じています。デモは確かにふえています。ただ、官邸周辺のデモというのは、このテーマ以外にもよくあるんですね。一つ一つ、デモの皆様に私が出ていってお会いするということは、今までも前例がないし、そういうやり方が望ましいのかどうかは、これは別だと私は思います。
○阿部委員 まず、総理はデモとおっしゃったけれども、全然デモじゃないんですね。普通総理がイメージするデモでもありません。本当に、ただ来られている。それは、総理が出てみないからわからないんですよ。そして、そうやって決めつければ決めつけるほど、総理と不安を抱えた国民の距離が開くんですね。その一方で国民的論議と言ったって、やはりしっくりこないんですよ。すとんと落ちないんですよ。
今総理が数々デモはあるからとおっしゃいましたけれども、こんなに多くの人がただ集まってくるというのはなかったことですよ。私は、それくらい不安が強いということと、やはりあの三月十一日の出来事というのは大きくこれからの進路を変える出来事だと思います。
総理、どうですか。デモではありません。乳母車のお母さんが来ているんです。お会いになりませんか。もう一度お願いします。
○野田内閣総理大臣 乳母車のお母さんであるとか、あるいはほかの関係でも官邸周辺にいろいろな方が来られることがありますけれども、官邸周辺のお集まりになった方に私が直接出向いていろいろお話をその都度するというやり方がいいかどうかは別だと私は思います。
国民の皆様が、去年の三月からちょうど一年四カ月たって、依然として複雑な感情を持っていらっしゃることは重く受けとめなければなりませんし、国論を二分しているテーマだと思います。多くの皆様が大変関心を持っていることは真摯に受けとめなければなりませんけれども、その声の聞き方、判断の仕方については、それはいろいろやり方があるんだろうと思います。
○阿部委員 総理がおっしゃったように複雑な感情だからこそ、私はお会いになったらどうですかと言ったんですね。本当に複雑なんだと思います、今国民が置かれた状況は。そして、そのことに対して表面的に論じたら絶対に禍根を残します。
私は、これ以上総理と問答いたしませんけれども、官邸からお仕事が終わって御自身の公邸にお帰りになる途中でもいいんです、お立ち寄りになれば。そんなに一々さあ会おうなんという構えをしなくても、本当にあの景色が何であるのか、一国を預かる総理にはぜひ肌で感じて見ていただきたい、そんな上から目線でおっしゃっているんじゃなくて。総理の素質、資質にかかわります。 次に、では、この週末に行われようとしているいわゆる討論。原発のシナリオ、二〇三〇年ゼロ、二〇三〇年一五%、同じく二〇三〇年二〇から二五%と提案されても、これは恐らく何を聞かれているのかよくわからないと思うんです。
そこで、総理にお尋ねしますが、私たち、原発ゼロの会というのをつくって、これは、国民の中で原発をゼロにしていきたいという願いを持つ人たちのために、この立法府にいる議員がどう応えるかというので、七つの党派の、超党派の議員の会であります。いつまでにゼロにするかはおのおの工程がありますけれども、とにかくゼロにしようという意思を持った議員が集まってまずやったことは、危険な原発を早く廃炉にしていくという作業です。
総理たちは、安全なものから動かしていくという言い方、あるいは必要性を見て動かしていくという言い方ですが、やはり地震大国にあるこの五十基の原発プラス使用済み燃料棒が入っているプールは非常に危険が強いです。地震だけじゃなくて自然災害に対してもです。
そこで、私たちがまず、五十基、今残されたものを、直ちに廃炉にすべき二十四基と、それから、おのおの、地盤の状況とか炉の古さとかあるいは周辺の人口とかを分けて、二十六基は恐らく順次廃止していこうという考え方であります。
そこで、総理に伺いたいのは、例えば、二〇三〇年に原発の依存度一五%という数値をとるには、この中では浜岡原発などは稼働させていないとこの一五%になりません。すなわち、五十基を全部稼働させて、四十年廃炉と新しいのをつくらないというコースにのっとると、幾つも稼働させねばならないものが出てきます。浜岡もそうですし、柏崎刈羽もそうであります。東北で被災した女川や東通もそうであります。
私たちは、被災したものは廃炉する。浜岡は菅総理がとめた、英断だと思います。それは廃炉に持っていく、危険が高いから。でも、二〇三〇年一五%のときは、これらが動いていないとできません。そのことにお気づきでありましたでしょうか。総理、お願いします。
○野田内閣総理大臣 今回お示しをしました三つの選択肢のうち、今、阿部委員から御指摘は、一五シナリオの、二〇三〇年時点で一五%という原発比率のお話だと思いますけれども、これは、既存の原発に四十年運転制限制度を自然体で適用した場合の数字にほぼ相当するものであって、現在ある全ての原発が動いていることを前提とするものではございません。
そして、いずれのシナリオも、二〇三〇年のときのゼロも、一五も、二〇から二五もでありますけれども、これは個別の原発の稼働状況について特定の想定を置いているものではない、そういう前提に立っているということでございます。
○阿部委員 総理がそう説明を事務方から受けておられるんでしょうけれども、間違っています。四十年で廃炉していく、新規をつくらないという前提に立つと、この二〇三〇年時点で動かしている原発の中には、先ほど申しました中部の浜岡四号炉、五号炉、東京電力の柏崎刈羽の二、三、四、五、六、七、これは年限がそうなりますから、四十年炉ではないということですから。それで、東北の女川、東通などが動かないと一五%にならないんです。よく事務方と検討していただきたい。
危険なものを動かすということは、今の大飯の再稼働一つとっても、活断層の指摘とかあって、大変国民の不安が広がっている。やはりこの国にとって、私はそういうやり方は大きな傷を残すだけである。危険なものを廃炉していこうとドイツのような合意をまずとられること。これは国民が、エネルギー政策と原発もつくり続けてきました、でも地震の列島だった、あの震災、そして災害も経験したんです。まだ帰るに帰れない人もいる。今の総理の御理解は、残念ながら間違っています。私が申し上げた浜岡とかが動いていなければ、一五%にどう計算してもなりません。この次、また御質疑いたしますから。
では、どうぞ。
○野田内閣総理大臣 さっき、個別の原発をどうするかということは想定していないということを言いました。今、ちょっと大事な御指摘があったと思うんですけれども、今もそうです、これからもそうですけれども、危険なものを動かすということはあり得ません。それはあってはならないということです。安全性を、今は今の知見の中で最大限生かしながらチェックします。これから、明らかに危険だ、例えば活断層が走っているじゃないかと指摘されているものがありますよね、そういうものが明確なものを動かすということは基本的にはあり得ない、そこは御理解いただきたいと思います。
○阿部委員 だったら、何度も申しますが、二〇三〇年はどうひっくり返っても一五%になりません、浜岡をとめたら。浜岡を動かすんですか。総理、しっかりと点検していただきたい。
個別のものを云々していないと言うけれども、具体的、個別なんです。原発はそこにあって、何年たっていて、例えば地盤がどうか、人口がどうか、具体なんです。具体の見えない提案をしても国民は選べません。例えば、二〇三〇年一五%は浜岡が動いているんですよと言った途端、国民はその選択肢はとらなくなります。それほどに丁寧な選択肢の提示がないと、具体的でイメージできなければ国民だって選べないと私は思います。
大事な点です。もう今週末これで出されるというから、先ほど来、再生可能エネルギーの比率はどうか、あるいは工程、そのプロセスがどうなっているのかとか、たくさんいい指摘がありました。焦ることなく、総理もさっきそれを御理解されているんですから、国民に提示するデータです、しっかり検討していただきたいと思います。
引き続いて、消費税問題に行きます。
衆議院で消費税が可決された翌日の新聞には、こぞって、この増税が特に中間所得層に負担が重いのだという記事が幾つか、こぞってと言うほど出ました。
私は、その中で、ここに持ってまいりましたのは、第一生命研究所というところが総務省のやっております家計調査に基づいて、年収を二百五十万円以下、それから二百五十万から三百万、そして三百万から三百五十万と段階的にして、実績に消費増税のそれを掛けて、実際の家計の状況に消費増税を掛けて試算したものであります。
簡単に言うと、この結果は、年収にして二百五十万から三百万のところが大変に負担が強くなるという図であります。金額にして申しませば、この二百五十万から三百万のところは約十万円、正確には九万八千円であります。二百五十万円以下は七万六千円。消費実態に合わせて、消費税が上がったときの負担を示したものであります。
総理にお伺いいたしますが、総理のおっしゃる分厚い中間層とは、一体、このグラフでいうと、どこからどこくらいが総理の頭の中では中間層であり、分厚いのでありましょうか。総理の感覚を、申しわけないが伺います。
○安住国務大臣 まず、消費税の特性からいえば、それは確かに、広く薄く国民に御負担を願うと私も再三述べてきましたけれども、水平的な税でございますから、そういう意味では先生の御指摘はそうかもしれません。この試算は民間のものでございまして、政府のものではございません。それで、だからこそ今、三党で、逆進性対策はしっかりやっていきましょうということがまず一点。
それから、もう一つは、先生、少し視点を変えてみますと、大変申しわけありませんが、我が国における国民負担率というものにもう一回着眼をしてもらわないと……(阿部委員「違う答弁じゃないですか。委員長、仕切ってください。私は、分厚いとは何かと聞いているんです」と呼ぶ)
○中井委員長 答弁中ですから。
○安住国務大臣 国民負担率は、我が国はやはり低いんです。ですから、その分、サービスをすれば、どうしたって孫子に借金をしてしまうという構図を変えないといけないということです。(阿部委員「ちょっと待ってください。こんなことで、おかしいですよ。聞いていないことですよ。質問時間に食い込みますから、やめてください」と呼ぶ)
それから、分厚い中間層のことでございますけれども……(阿部委員「おかしいですよ、委員長」と呼ぶ)
○中井委員長 どこがおかしいですか。おかしくありません。はい、やってください。(阿部委員「おかしいですよ。分厚いとは何かと聞いているのに、答えがないじゃないですか」と呼ぶ)
○ いや、ですから、私は今から政府としてお答えします。
分厚い中間層については、金額の多寡によって一律に定義できるものではないということは、私は申し上げておきます。
そういうことからいうと、先生、額で幅を持って考えるということではなくて、私どもとしては、それぞれ、所得の低い方をある程度やはり特定させていただいて、それに対してきちっとした給付をしたいと思っております。
○阿部委員 私の問題意識は全然違うんですね。低所得者対策で聞いているんじゃないんです。この増税は中間層に重い。そして、この二百五十万円から三百万は、実は二百五十万円以下は相対的貧困と区分けされるんです。これ以降は、恐らく野田総理の頭の中でも中間層でしょう。でも、何の配慮もありません。そのことを何度も聞いています。
これは、今回初めて明らかにされた、いわゆる公的年金の加入者の年収の、収入の分布であります。御承知のように、公的年金、国民年金は、五四%の方が年収で百万円以下であります。この方たちが保険料も負担し、国民年金もお払いになる。社会保険自身がその収入の著しい低下によって危うくなっているということだと思います。
厚生年金の方のピーク値は二百五十万から三百五十万円。これは加入者ですよ、受給者じゃなくて。これとて多くはありません。そこに、例えば国民年金で二百五十万あるいは三百万くらいの世帯の方は、国民健康保険にしたら五十万円、年間お払いになります。保険料がもたないと私は繰り返し指摘しました。
そして、子供たちをお持ちになればなるほど国保の保険料が上がることくらいは、せめて対策してくれと言いました。これを、本当は小宮山さんにお答えいただきたいですけれども、時間の関係で、恐縮ですが短くお願いいたします。具体的に何を進められたでしょう。
○小宮山国務大臣 それは、御指摘の一号の被保険者は、委員も御承知のように、やはり非正規の低所得の方ですとか無収入の方が入っているからこういう形になります。
それに対する対応としては、低所得の方には保険料の免除をしていますのでその周知を図るとか、あるいは低所得の非正規の方には今回厚生年金の適用を拡大するとか、また、新しい年金制度で民主党が提起をしているのは、所得に応じて払える所得比例年金、これは三党合意の中で議論することになりますが、そういうような対応をさせていただいています。
○阿部委員 なぜ質問に答えていただけないんですか。子供さんが多いほど保険料が多くなることにどう対処していますかという答え、どれでもないじゃないですか。不誠実ですよ、小宮山大臣。私は、きのう投げたんです、これは。もう三回目なんです。結構です、最後の一問がありますから。
そんな、おっしゃりたいことと私の聞いていること、違うじゃないですか。子供の数が多かったら、国保では本当に医療保険すら払えないんですよ。だから、今、国保世帯で、ゼロから十八歳のお子さんで無保険になった方が五万人以上、六万人もいるんですよ。確かに短期保険証は出たけれども、家計を考えれば深刻です。
次、最後です。
今、よく生活保護が問題になりますが、実は、二百万人近い生活保護の方のうち、二十七万人が十八歳未満です。深刻な事態で、これへの支援を、もう時間がございませんので、ぜひ考えていただきたい。二十七万人の子が生活保護の中で育つ国になっているということであります。
終わらせていただきます。
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