予算委員会 第3号(平成23年2月1日(水曜日)) 抜粋 案件:
平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)
平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)
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〔前略〕
○中井委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私は、今回の予算が、冒頭、仙谷委員がお尋ねになったように、安心と安全の確保を主眼とするという観点から、果たして今我が国の国民の食の安全はどのような状態にあるのかということで、特にセシウム汚染との関連でお伺いをいたします。
一枚目のパネル、総理もごらんいただきたいと思いますが、これは実は、昨年の七月の八日に、稲わらのセシウム汚染、その汚染した稲わらを食べた牛が汚染牛として発覚して以来、今日まで判明した四千六百二十六頭、どの牛が食べたか、その全体が四千六百二十六頭なわけですが、トレーサビリティーといって、牛はみんなイヤリングをしていますから、これによって、どこで生まれ、どこに行き、どこで解体され、どこで消費されたかがわかるというはずになっておるのですが、半年以上を経た今日、一体どこでどうなって今はどうなのかということがわずか三五%しか解明されておらないというものを都道府県別にお示ししたものであります。
これは東京都以外の県を各県挙げてございますが、例えば宮城県では、この牛が汚染した稲わらを食べただろうと思われる二千百九頭のうち、実際に検査が済んだもの、フォローできたものは五百六十九頭で、割合にすると二七%くらいである、あとはどこでどうなったかわからない。以下同じでございます。全体を見れば、わずか三五%しか汚染牛の行方はわからないという状況です。
厚生労働省に伺います。なぜ、トレーサビリティー法がありながらこういう結末であるのか。
○小宮山国務大臣 昨年七月に、放射性セシウムに汚染された稲わらが供与された、また、その疑いがある牛の肉が流通したことが判明いたしまして、直ちに関係自治体を通じて、調査、検査、暫定規制値を超える牛肉の回収等の対応をとりました。
調査に際しましては、関係自治体で個体識別番号をもとに、屠畜場から販売先に至る牛肉の流通状況を調査し、卸売業者や販売業者等でも、個体識別番号に該当する牛肉があった場合は速やかに保健所へ通報していただくなど、自治体や事業者挙げて、できる限りの対応はとってきました。
ただ、トレーサビリティー法では、牛肉の流通先や消費状況というところを確認できるところまではいかないんです。その結果、対象となった十五道県四千六百二十六頭のうち、現在までに千六百三十二頭の肉が検査をされまして、そのうち百五頭の牛肉が暫定規制値を超過し、回収などの措置を講じましたが、調査の段階で既に消費されていた牛肉もあったことなどから、全ての牛肉を検査するには至っていません。
なお、この事案の判明時点で、汚染稲わらの使用は中止をされ、宮城県、福島県、岩手県、栃木県で生産される牛の肉については、原子力災害対策本部から出荷制限が指示をされました。その後、八月十九日以降、各県からの申請に基づいて、順次出荷の制限の一部が解除されまして、各県の安全管理体制のもとに、解除後に出荷された牛肉の安全性が確保されているということでございます。
それからまた、県の立入検査、四県ではこれをしておりまして、それが未実施の農家は全頭検査を実施しています。
そうしたことなどから、実態として、全頭検査が必要なところでは行われているというふうに承知をしています。
○阿部委員 今おっしゃったのは、トレーサビリティー法があっても追跡できなかった、逆に、出口のところで、肉になるところでなるべくやっているということですが、この全頭検査体制というのも、委員長の三重県などではやっておられる、あるいは東京都も充実しておられますが、これは非常に地域差があります。
もちろん、牛の肉、高級ですから、冷凍などせずその場で食べられたということもあるかもしれません。しかし、全体において、小宮山さんもおっしゃいましたが、わずか三五%しか判明していないということは、国民側にとっては大きな不安の材料であります。
私は、今の小宮山さんの御発言から、見直すべきものが何であるかというのが一切浮かんでこないので残念ですが、農水大臣に伺います。
私は、これは農水省の対応も間違っていたと思います。
実は、七月八日に判明いたしましてから、七月の二十六日の時点で、汚染が証明された牛を買い取りましょうという方針を、当初、農水省は出されました。
となると、例えば自分のところの牛が汚染されているかどうか、全部自己負担で、後で返ってくるかもしれませんが、自分の手間暇で、負担して、はかって証明してからしか、これは買い取りにはなりません。
この初動のおくれ。実は、全頭買い取りになさったのは八月五日であります。約一週間あります。その間にも消費されておりますでしょう。
ここから学ぶべき教訓は、検査の手間暇を相手にかけて、そして問題があったら持ってきなさいといっても、その手間暇あるいは態勢、機械の整備などを考えれば、迅速に可能性のあるものを全量買い取るという姿勢を農水省が示さない限り、どこに行ったかわからない、埋もれてしまうということだと思いますが、いかがですか。
○鹿野国務大臣 事実関係だけ、まず申させていただきます。
この暫定規制値超過の原因究明というようなことにおきましては、いわゆる暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたということを受けまして、まず、飼養管理状況がどうであるかというようなことを調査するということに入りました。そして、汚染稲わらが給与されたおそれのある牛の情報を食肉流通団体に提供してまいりまして、流通しているところの肉の回収をする、そういう措置を講ずることをやりました。そして、今先生から御指摘のとおりに、七月二十六日からは、何とか汚染稲わら給与牛肉の実質買い入れ事業を実施することによって消費者の信頼を回復するというような措置を講じたところでございます。
そして、本事業を開始するまでの間も、農林水産省は、厚生労働省と連携をとりながら、いわゆる対象牛肉の追跡なり回収、あるいは汚染稲わらの流通状況の調査に当たってきたというところでございます。
○阿部委員 農水大臣の御答弁も、やはり結果を見て言っていただきたいんですね。私は、迅速に最初から、高いか低いか、相手がはかってから買い取るという手法をとらないで、もう農水省はこの可能性があるものは買い取りますよとおっしゃっていただいたら違ったであろうと。どんどん追えなくなるんです。
同じ問題が、今、米でも起きております。次のパネルをお願いいたします。
米は宝です。日本の主食であります。その米に起こったことに対しても、余りにも、私は、食の安全行政は危機感が足りないと思います。
まず、三月十二日に一号炉が水素爆発して、次々と、三号炉、二号炉、四号炉と爆発していって、その飛び散ったセシウムは広く三百キロ圏に及ぶ、このことはもう今既に判明しておるわけですが、それを踏まえて、農水省にあっては、土壌の五千ベクレル以上のところは作付制限をするけれども、それ以下は恐らく一割しか吸い上げないからいいでしょうという、まずそういう基準をつくりました。
お百姓さんたちは、一生懸命に自分の土地をはかって、大丈夫だろうと、つくりました。ところが、九月の二十三日に、二本松市で、そうやってつくった結果なんだけれども、土地も三千ベクレルだったんだけれども、予備調査で既に五百ベクレルを超す米が出てしまったということであります。
このときに、では、予備調査を細かくしたりいろいろしたりして、サンプルをふやしてやりましょうとやって、また福島県は懸命にやって、知事はみずから安全宣言を出されたのが十月十二日です。これで福島の米は大丈夫だと思われたと思います。
だけれども、以下、パネルで見ていただきますように、福島市、伊達市、福島市、二本松市、伊達市、伊達市、伊達市、何と今二十九町村から何らかの形で出てしまっています。
はいつくばるように水田で一生懸命米をつくり、いい米を食べさせてあげたいとつくってこられた農家の思いを思えば、言うとおりやってきて、決められたとおりやってきて何でこうなるんだと、怒りと失望があると思います。
私は、まず冒頭、農水大臣に、今検査中と伺います約三万六千個、もう少し現実少ない農家数を、田んぼを調べておられるということでありますが、その間にも時間が過ぎ、彼らの生活は不安におびえています。まず、国として謝罪をしていただきたい。
なぜならば、国の基準どおり従って、一生懸命やったことの結果をまともに受けているのは農家の皆さんであります。これは、農水行政をつかさどる者の農民の皆さんへの基本姿勢です。それがなければ、私たちは、お米をつくっていただいてありがとうという国民の思いでこれからも米づくり農家を支えていかねば、今のTPP暴風には勝てません。人が人に感謝して、恵みに感謝して、いただくのが米であります。
一点、謝罪と、そして先ほどの牛肉の教訓、小出しにして、相手がはかるのを待って、高いものを買い取りましょう、今度、四月から百ベクレル以上は国が買い取られるそうですが、そうではなくて、まず、この二十九市町村の、そこの汚染が指摘されたところの米は国が買い上げて、国の責任で検査をなさって、売れるものは売れる、流通に出してはいけないものは出さないという挙証責任の転換を行っていただきたい。 そうでない限り、農家はいつまでも自分たちが証明しなきゃいけない。JAもそうです。今、県がはかるそうですが、私は本末転倒だと思います。県も農民も、実は責任はありません。
もちろん、国だって、東電が起こした事故だと言ってしまえばそれだけですが、国には第一に、この国の農政を守る、農民を守る、消費者を守るという観点が私は根本だと思いますから、謝罪と買い取りについて農水大臣のお考えを伺います。
○鹿野国務大臣 非常に重要な御指摘をいただきました。
農林水産省が設計いたしました当初の調査が終了した後に、いわゆる暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたということに対しましては、これは先生から御指摘のとおりに、真摯に受けとめていかなきゃならない、このように思っておるところでございます。
そういう中で、なぜこのような状況になったかということをまずしっかりと調査をしなきゃならない、このようなことから、福島県と連携をとりまして、いわゆる原因の究明というふうなものについても中間報告を公表させていただいたところでございます。
そして、間もなく、福島県としても調査の実態が公表されるというふうなことも聞いておるところでございますので、それを受けて、さらにその後の原因究明というものを一体的な取り組みの中でやり、来年度の作付等々に対して、このようなことがないように今後しっかりと取り組んでいかなきゃならない、このことだけは申させていただきたいと思います。
○阿部委員 原因究明も大事ですし、再発防止ももちろん、今農水大臣がおっしゃったように、大事です。でも、私がお願いしているのは、目の前の農家の皆さんにどんな支援の手、救済の手が差し伸べられるかです。米は、もう私より鹿野大臣が御承知のように、米農家にとって一年に一回の大事な現金収入のその大半のものであります。
福島県、これは米どころでありました。そして、そのセシウムが低いことがわかるまで、あるいは原因がわかるまで、あるいは風評被害で売れない分は後ほど補填しましょうじゃだめなんですね。
大事なのは、国が前面に出ることなんです。それによって初めて、来年も頑張れると思えるんですね。そこが政治の温かさだし、私は、今、きょうも聞いていて思いました。非常に民主党の皆さんは言葉は巧みだけれども、心の部分で伝わるものがなければ、国民は消費増税もしかりです、この農水の行政もしかりです。
せんだって、福島の二本松の三保市長も、農水大臣のところに来られて陳情をなさったと思います。誇りをかけて米をつくってきた、どうしてその米がセシウムに汚染されていないことを自分たちが証明しなきゃ売れないんだと。これを私は挙証責任の転換と申しています。
牛でもそうでした。先ほど言ったように、あるレベル以上のものを買い取るというのでは後手になるんです。
農水大臣、もう一回お考えいただきたいです。いかがでしょう。
○鹿野国務大臣 検査、調査体制というものが、私どもとしてはこれで十分だと思っておったのがそうでなかったということは、これは反省に立って、この原因究明というものに福島県と連携をして取り組ませていただき、そして、作付を来年度どうするかということにつきましては、当然、今おっしゃられた農業者の方々、そして各地域によっても考え方がいろいろございます、そういう実態というものを踏まえて、県と連携をとりながら今後早急に決めてまいりたい、こういう考え方でございます。
○阿部委員 もう最後、もう一度申します。
昨年十一月から全部を買い上げてくださいという声は、地域の声であります。よく聞いていただきたい。鹿野大臣ならわかるはずと思います。 そして、国による検査体制の不備というものを次に問題にさせていただきたいと思います。
これは今、私は牛肉と米などのお話をいたしましたが、実は、これから問題になってくるのは魚であります。日本は海洋国で、米が主食で、多くの海産物を食します。その海に、実は放射能は、陸に二割、海に八割広がってしまいました。
これは、ある民間のグリーンピースというところが、さまざまな魚を九月から十一月にかけて測定したものであります。例えば、マダラが四十七・三ベクレル。不検出のものもあります。全部がそうじゃありません。ブリも、不検出のものもあるけれども、六十ベクレル。と申しますと、これは、今後、例えば子供の基準が四十とか設定されましたときは、当然、食すことのできないものである。
今の日本の検査体制では、はかっている自治体、あるいは大手のスーパーははかれても、はかる資本力のないところ、人手のないところ、体制の整わないところははかれない。結局、消費者の不安で、生産者も、あるいは流通業者も、小売店も潰れてしまいかねない。
私は、TPPに反対する理由もそうですが、大手のというか大きな資本力のひとり勝ちじゃなくて、この国は、野田総理が言うように、分厚い中間層、みんなで支える、消費は一番その原点であります。
今、農水省と厚生労働省、食の安全において両省は、逆に言うと、各省間の縦割りで、本当に必要な測定体制というものを自治体任せにしていると思います。このことは、私は、きょうお二方おられますが、どちらとも決めかねるので、きょう私がお伝えしたこと、では、短くお願いします。
○小宮山国務大臣 これまでも、自治体が厚労省が決めました基準に従って検査をしていることを、国の試験場なども使ってしっかりとそこのところは支援をし、また、簡易測定機器の導入を促進したりして支援をしてまいりました。
今度四月から、おっしゃるように、これまでの安全の基準に安心も加えたいということで、五分の一の、年間一ミリシーベルトにいたします。そのためにはかなり精度の高い器材でやらないといけませんので、ゲルマニウム半導体検出器の導入の費用の一部を助成したり、あるいは検疫所また国立試験研究機関での検査の実施、このために必要な予算を二十四年度の予算の中に入れました。
それからまた、放射性物質検査のためのガイドライン、また簡易測定機器の導入のための技術的な支援についても見直しをしています。
ここは農水省、消費者庁とも連携をして、きちんとそれをはかって、安心できるようにしていきたいと思います。
○阿部委員 今回組まれました四次補正、あるいは三次補正においても、まだまだ現実には足りておりません、金額もそういう機器も。 小宮山大臣は厚労大臣ですから、私は、特に保育園のことを申し上げたいです。
小さな子供を預かっております。保育園は空間線量の測定もおくれました。食品においても、学校給食が先んじています。きょうも厚労省に伺いましたが、ほとんど実態を把握しておられません。子供たちを守ろうという強い意思がなければ、起きたことについては、親御さんの抱える不安も含めて、守っていけません。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後になりますが、文部科学省にお伺いいたします。
実は、今、私がるる申し上げたような食品の汚染については、一九六三年から、日常食、日ごろ食べる食事を、陰膳方式といって、一食一人分余分につくって、それを集めて、どのくらいのセシウムやストロンチウムが含まれていたかを二〇〇八年までずっと計測しておりました。きっかけは、原水爆実験であります。第五福竜丸やムルロア環礁での被曝の問題がきっかけになり、我が国の文科省は、約十三項目、経年的に測定をしておりました。二〇〇八年にやめてしまいました。
そして今回、食品汚染が心配されるので、京都大学と朝日新聞がはかられたのが端の方の赤い点であります。福島では一日平均四ベクレル、もう少し幅があります。福島以外の地域では〇・三五。では、この値は、一九六三年からの経年と比べると、那辺に、どこに位置するかというと、盛んに核実験がなされていたころと同じ、グラフにすると左端と同じ値であります。
本来、文科省は、今この時点で、二〇〇八年にやめた検査を再開すべきです。今度、四月から厚労省が部分的にははかられます。この文科省の検査は全国やっておられます。私は、これが基準値とか安全値とか言わないで、きちんとデータの経緯と推移を見ていくこと、自治体間の違いを見ていくこと、後からそれが何であったかがわかります。今の基準値は我慢量と言われています、どのくらい我慢できると。でも、安全性や健康への問題は誰もまだ検証されておりません。
文部科学大臣、ぜひ再開していただきたい。いかがでしょうか。
○平野(博)国務大臣 お答えをいたします。 阿部先生はよくお調べになっておられますので、ダブるところは大変申しわけなく思います。
先ほど、文部科学省として、特に核実験の大気汚染におけるそういうデータ調査を実は一九五七年からやっておりました。加えて、その一環として、一九六三年から食についての部分を始めてきたところであります。二〇〇八年まで先生がおっしゃるとおりやってまいりましたけれども、時間の経過とともに、測定の結果の数値が非常に検出限界未満まで下がってきた、こういうことで二〇〇八年度をもって中止をした、こういうのが経過でございます。
しかし一方、福島の原発事故に関しては、食の安全、安心から、まさに食品のモニタリングは非常に重要である。先ほど小宮山大臣の方からもお述べになりましたが、厚生労働省においては、日常的には放射性物質の調査をやっている。
ただし、今先生御指摘の、全国にくまなく綿密にやれているかどうかということについては今後の課題としてございますけれども、文部科学省としては、特に子供の命を守る、こういう視点で、特に学校給食についてはダブルチェックをかけられるように今努めておるところでございますし、特に福島県におきましては、県内の各学校、給食センターにおきましては、しっかりとチェックをする仕組みをつくってまいりたい、かように思っています。
加えて、先生、先ほど言われましたが、検出器の精度が、やはり非破壊でスピードを持った検出器の開発が望まれる、このことについても文科省としても考えなきゃならない、かように思っております。
以上です。
○阿部委員 済みません、一言だけ。
同じ検査を、継続性が大事だから、再開していただきたいと思います。
終わります。
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