予算委員会公聴会 第1号(平成24年3月2日(金曜日)) 抜粋 案件:
平成二十四年度一般会計予算
平成二十四年度特別会計予算
平成二十四年度政府関係機関予算
議事録全文(衆議院のサイト)
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〔前略〕
○中井委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私の持ち時間は十分でございますので、よろしくお願いいたします。 少子高齢化、そして経済のグローバル化、さらにはいわゆる環境問題や災害問題も含めて、持続可能性が問われる時代であります。この時代をどう新しい目でつくり変えていくかということで、きょう、冒頭、仲川公述人にお伺いいたしますが、大変に若い三十代の市長として、また、大変しっかりもしておられる御意見を伺って、心強く思うものであります。
市長の所信表明を拝見する中で、特に子育てと教育と医療というところに重点を置かれていて、本当にこれからの世代にとって最も重要な部分と思いますが、中でも教育と言われる分野では、先ほどの三十人学級とともに、給食の問題をお取り上げいただきました。
今、世帯の貧困化に伴って、なかなか家庭できちんと三度の食事をとらない、あるいは生活の乱れでとれないお子さんもふえている中で、中学校の給食ということも大変大事な視点と思います。なぜここに着目されたのか。私は先ほどのような要因があると思いますが、市長はどうお考えでしょう。
○仲川公述人 中学校での給食の導入ということにつきましては、私が二年半前の選挙のマニフェストをつくる際に、現場で、子育てに携わっていらっしゃる保護者の方から強いお声をいただいたのがきっかけでございます。
今御指摘のように、食の乱れ、また食育という観点からも、やはり給食が非常に重要だということを感じております。奈良市内では、既に公立の小学校では給食は実施をしておりましたけれども、中学校ではこれまではお弁当ということでございました。確かに、保護者のつくってくださるお弁当を大切に味わう、そういう親子のきずなという意味でのお弁当の役割を一方で指摘はされておりますけれども、今は共働きが非常にふえているという状況もございますので、ここはやはり公教育の中でも給食をしっかりと充実していこうということで取り組みをさせていただいているところでございます。
○阿部委員 食は命のもとでありますし、また、地産のものを使われて経済の活性化にも役立つと思いますし、何よりも地域とのきずなということもできてまいりますでしょう。ぜひ先進的なお取り組みをよろしくお願い申し上げたいと思います。
引き続いて、湯元公述人にお伺いいたしますが、きょう、大変に詳細な分析をいただきまして、問題点がより明らかになったこと、まず感謝を申し上げたいと思います。
諸外国のデータ、特にスウェーデンのものなどもつけていただいておりますが、私が思いますに、今回の税と社会保障の一体改革と称されるものの中で、我が国の場合は、雇用対策というか雇用問題へのアプローチが極めて薄いように思います。職業訓練もそうですし、ドイツなどでは創業支援もございますし、若い世代にとっても、今若い世代の失業率が高い。日本はさほどでなくても、やはり非正規化が強いとなれば、次世代ということを考えた場合に、雇用問題へのアプローチが重要になってくると思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○湯元公述人 その御指摘は、私も全く同じでございます。本来、全世代対応型の社会保障システムを打ち出すのであれば、子育てのみならず、就業支援、雇用の部分についても含めて戦略的なものを考えていく必要があるんじゃないかなと思っております。
先ほどちょっとスウェーデンの事例を申し上げましたけれども、スウェーデンでは、いわゆる積極的労働市場政策にGDP比で一%の予算を投入しております。これは世界一でございます。それに対して、日本は、残念ながら、まだ〇・三%というところであります。
日本の企業の国際競争力の低下等が円高等の要因で生じているというような報道がなされますけれども、やはり人材の質が極めて重要で、まさに、日本企業がこれから世界のグローバル市場で利益を獲得し、その利益を日本に還元していくということが、日本経済の成長にとっても、あるいは社会保障制度を維持するためにも極めて重要な課題であります。
そのためには、グローバル人材というものを育成していかないといけませんし、あるいは、中国等々新興国との国際競争の中で衰退していく産業やそういうものを補助金などを出して生き残らせるということではなくて、むしろ、これから成長していくような未来産業を育てていくことを積極的に考えていかないといけない。
そのためには、人が旧来型の産業から新しい産業に移っていく。これは、最先端技術の産業のみならず、国内においては、医療、介護、保育、子育て、こういうところは、当然、財源を投入して充実させていかないといけない分野でありまして、ここをしっかりと雇用を生み出し産業化していくという視点も非常に大事で、スウェーデンは、そういった大きな視点の中で、雇用というものを非常に重視して対策をとっている。 我が国も、規模の面ではそう簡単にスウェーデンまではいけないと思いますけれども、充実させていく方向が非常に重要ではないかと思っております。
○阿部委員 次に、TPP問題でお尋ねいたします。
まず、仲川公述人にお願いいたしますが、この間、政府が進めますTPPについては、市長会や町村長会等々からも、十分な情報が伝わっておらないというお声が上がっていると思います。
市長は、若くもあり、これからの時代を生きるという意味で、国際化ということはもう前提と思いますが、そういう中で、自治体として、今、国がどういう情報を出すべきとお考えであるかをお願いしたい。
それから、村岡公述人には、先ほどお話を伺っておりますと、日本の国内産業が、少子化、人口減によって、ある意味では余り大きな市場がないやの御発言でありましたが、逆にエネルギー産業部分では、国内外を問わず新たな分野となってまいると思います。そうした部分のいろいろ市場拡大あるいはイノベーションなどについてのお考え、特にスマートグリッドなどの送電網の問題もありますし、ここについての御意見があれば、お願いいたします。
○仲川公述人 御指摘のように、TPPに関しましては、政府から出される情報も省庁間でいろいろと差があるということは実感をいたしております。
私どもの地元の議会でもTPP問題は質問でもよく出てくる問題でございますし、農業を含めさまざまな産業構造、これからどのように成長させていくのかということでは、地方自治体としても非常に関心を持っているテーマでございます。
そういう意味では、国に対して求める情報提供といいますのは、偏った物の見方ではなくて、さまざまな観点でしっかりと検証して、まずい情報もあわせて出していただくということだと思います。そういった部分をうやむやにしてしまうと正しい判断を間違ってしまうということになりますので、このあたりは、やはり厳しい目でチェックをして、正しい情報をいただきたいというふうに考えてございます。
○村岡公述人 GDPが国内で縮小しているということに関してはいろいろな要因がございます。人口減少によるもの、あるいはもう一つは、円高によりまして日本の国際競争力が落ちてきている。ドルベースでのGDPは伸びているかもわからないけれども、やはり日本の国内の中では円ベースでのGDPが大事で、それが落ちてきている。事実、かつて日本が強かったDRAMであり、液晶パネルであり、DVDレコーダー、こういったものがどんどん韓国勢に取ってかわられているというのが現実であります。
今、阿部先生がおっしゃられましたように、では、日本は、今後、日本の中では市場が小さいから、どこへ伸びていくか。海外へ伸びていかざるを得ないわけで、そういった場合に、コモディティーの商品では、競争力は事実上ございません。
したがいまして、今おっしゃられましたように、どれか一つということはないわけですけれども、エネルギーであり、環境であり、医療であり、あるいは、今クール・ジャパンというふうに言っておりますけれども、観光であるとかソフト、文化、こういったものはまだ日本が強い。しかも、これから新興国が伸びていく中で、そういったところの社会インフラがまだまだ十分でないために、社会インフラは命にかかわるところですから、日本がやはりそこの技術力を生かしてどんどんここを拡大していく、これはチャンスがあると思います。
ただ、これをやるためには立地競争力を高めていかないと、いずれまた、韓国であり、中国に取ってかわられるおそれがございますので、今ここでやることが喫緊の課題だというふうに認識をしてございます。
○阿部委員 再生可能エネルギー分野は待ったなしでございますので、ぜひよろしくお取り組みいただきたいと思います。
終わります。
――――――――――――― 中略 ―――――――――――――
○中井委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
いただきましたお時間は十分ですので、よろしくお願いします。
まず冒頭、三木公述人にお伺いいたします。
かつて社民党が与党におります当時、税調では大変いろいろ教えていただきまして、ありがとうございます。きょうは三点伺いたいと思います。
公述人は冒頭、所得税や法人税の応能化の強化が本来であるが、すなわち、所得税もフラットになりましたし、法人税も四分の一くらいしかお払いでないということですから、そういうことの強化が本来であるが、一国応能化は不可能なので、グローバル経済になったので、このたびは消費税という方向で上げることもやぶさかではないやの御発言でありました。
私は、先ほど菊池公述人もおっしゃっていただきましたが、今の我が国の税収構造で消費税を上げますと、消費税は安住大臣いわく三七%、私が試算すると四〇%近く、いかに何でもこの税収構造というのは世界に類がなくなってしまって、非常にある意味で偏りがあって、経済にとっても社会にとってもよくないのではないかと思います。
一点目、この点についてお願いします。
○三木公述人 御質問ありがとうございます。なかなか小室公述人の魅力に勝てないものですので悩んでおりましたが、ありがとうございます。
今の御質問でいきますと、確かによくわかるのでありますが、現実に、我が国の歳出は百兆円で税収が四十兆という状況であります。これを長い形で続けていくわけにはいかないことも明らかなのですね。
そういう状況の中で、所得税や法人税の再構成も目指さなければいけないことは明らかであります。ただ、今のこの事態の中で大幅な税収増を図るときに何が使えるかといいますと、法人税は先ほど言ったような状況ですし、所得税をもうこれほど痩せ細っている場合に急に戻すのは難しい。そうであれば、まずは消費税のところできちんと財政を立て直す方向性をつくって、それから社会の全体の税構造をきちんと国民の合意のもとで立て直していく必要がある、そういう意味でございます。
○阿部委員 それにいたしましても、いかにしてもデフレでありまして、今もし消費税を上げたとしても、与える影響の方が大きいのではないかと私は考えるんですね。
そして、税収構造の縮みは、せんだって私が問題にしましたように、実はさまざまな保険料の方を上げておりまして、結局、社会保障の持続可能性のためには保険料が重くなってきているという現実があります。
これに対して、恐らく政権交代の当初は、例えば環境税なども税目に挙がっており、それが重過ぎる社会保険料負担の軽減に役立てられるのではないかという考え方もあったと思うのです。しかし、環境関係の税制の方は、多少は手がついたかに思いますけれども、そちらはやらないまま消費税の方になだれ込んでいるとあえて強い言葉を使いますが、この環境税などを社会保険料負担にかえていく。ドイツでもやったことですが、これについて、御意見いかがでしょうか。
○三木公述人 環境税の問題については、その全体の構成のあり方も含めて、見直すべきことは当然だと思います。これを特定のものに充てる、目的税化することは、長い目で見るといろいろ硬直化しますから不適合だというのは、皆さん御存じのとおりだと思っています。
今出ました環境税については、今見直しもしているところですね。そして、そのときに一つ問題なのは、あわせて、環境税の中に原発の問題も含めた上で、環境税制の再構成をする必要があるだろうと思っています。
今の御質問との関係でいいますと、いずれにしても、社会保障と結びつけることをどう思うかという点、これについては、政策税制と収入税制は相対的に別の問題だろうというふうには思っています。
○阿部委員 確かに、使用済み燃料棒等にも課税して、それをまた財源でふやしていくということもあろうかと思います。とにかく、今の私たちの時代は、エネルギー問題も食料問題も少子化問題も、いずれも大きなドラスチックな変化の時代ですので、やはり消費税だけに着目しない、トータルの賢い選択があってしかるべきだと思います。
そして、消費税に着目するとしても、方向性は地方分権に向けるべきで、今回残念であるのは、かつて、自社さ政権時代は、消費税のうち、五%の一%をもともとの地方財源に置きました。しかし、今度の政権にあっては、消費税一〇%くらいまではそれをやらずして、その次のステップでとおっしゃいますが、既に現在に未来への萌芽がなければ、分権は進まないと思います。この点はいかがでしょうか。
○三木公述人 御指摘はよくわかります。そして、今の提案の中で、地方税との関係でいいますと、消費税について、地方の持ち分を配慮するのは当然だと思っています。先ほど申しましたように、消費税収を上げていきますと、それにあわせて間接諸税の整理をしなければいけないはずであります。そのときには、今、地方税として取っている部分の整理も必要になってくるわけです。そのときに、当然、地方の取り分というのをその中で再構成していくことになるんだ、私はそういうふうに理解しておりました。
○阿部委員 菊池公述人にお伺いいたします。
オバマ大統領時代に、約七十兆、二年間の財政出動。私も、老朽化したインフラ整備、今日本の国土は災害に弱くなっていますから、重要な方向だと思います。賛意を表します。
あわせて、公述人もお取り上げでありますが、今、エネルギー改革、再生可能エネルギーということで、私は都度問題にいたしますが、この分野は、新たな投資の機運がやはり今ここにあると思います。そうした分野への投資も含めて、一応、公述人は書いておられますが、なお御意見を伺います。
○菊池公述人 阿部先生がおっしゃられたとおりで、やはり一種の中長期的な観点に立って、強靱な国家をつくる、再構築していくということを一つのベースにすべきだろうと思いますね、考え方として。そうして、民間だけではできない、それから、デフレだからさらにできない、そういうことに対して、政府がきちっとしたイニシアチブをとってプロジェクトを立ち上げる。そして同時に、民間もそこに引っ張り出していくということだと思います。
ですから、エネルギーなんかというのはまさにそうなんですよ。原発に頼らないだけじゃなくて、石油もそうなんですね。石油でも、もうこれは石油マーケットだけで振り回されているんですから。もっとそういうことを考えて、本当に、自然エネルギーとかエネルギーの多様性、そういうものをもっともっと真剣に考える。
それから、まさに、さっきも出ましたように、生活に密着した投資が必要です。これは、例えば待機児童の育児の問題とか、そういうものなんかは非常に需要が高いと思います。そういった面をきちっと対応して、民間も協力させていくことが必要だと考えております。
○阿部委員 時間の関係で浦野参考人には伺えませんでしたが、きょうのお話は大変にためになって、特に、租税法律主義と、税制全体がもともと日本国憲法のもとで福祉というものに向かっているんだというお話は、肝に銘じたいと思います。
あと、いろいろな意味で他を圧倒していた小室公述人には、頑張って、かわいい坊やのお写真までありましたので、もうそれだけで、十分とは言いませんが、本当にいいプレゼンをしていただきまして、ありがとうございます。
終わらせていただきます。
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