2019/11/01

原発マネー還流問題解明に「原発ゼロの会」で着手

 阿部知子が事務局長を務める超党派議員連盟「原発ゼロの会」は、関西電力の原発マネー還流事件の根っこにある問題解明に着手しました。

 この問題は、福井県高浜町の元助役の税務調査をきっかけに、2017年までの7年で3億2千万円の金品が、関電の八木誠会長や岩根茂樹社長らに還流していたことが判明したにもかかわらず、「問題ない」として1年にわたり隠蔽されていた複雑な問題です。

 経産省は自らの調査権限を発揮せず、問題を起こした関西電力が任命する委員を「第三者委員会」と称して、その結果を待つとしています。

電源開発促進税は開始から12兆円

 そこで、「原発ゼロの会」は、電気料金から徴収される「電源開発促進税」と、必要経費を電気料金に盛り込むことができる「総括原価方式」の全容解明に取り組んでいます。

 「電源開発促進税」の推移は各社内訳を含めて全容を明らかにできました(下グラフ)。1974年の創設から電気料金から12.3兆円が徴収されていることが分かりました。

電源開発促進税の推移.jpg

 その使途解明は困難を極め、経産省と双方向でやり取りしながら、約1カ月をかけて、ようやく2017年度決算分について明らかにさせることができました。①電源開発促進税の使途の流れ(最終).pdf をダウンロードしてください。

「総括原価」の解明はこれから

 さらに解明が難しいのは、電力会社が必要経費を電気料金に盛り込むことができる「総括原価方式」による電力料金の決定の仕組みです。元助役が関電役員に渡した原発マネーは、果たして関電発注の事業費に含まれ、「総括原価」に盛り込まれていたのかどうか。

 10月31日には「原発マネー還流の根を断ち切れるか?―電促税と総括原価方式の課題」と題して古賀茂明・元内閣審議官・経産官僚 フォーラム4代表や金子勝・立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授氏を招き、「国会エネルギー調査会(準備会)」で討議を行いました。そこで得た助言をもとに、今後も解明作業は続きます。

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■国会エネルギー調査会(準備会)第82回(10月31日(木))

 「原発マネー還流の根を断ち切れるか?―電促税と総括原価方式の課題―」

  動画 配布資料(こちらからスクロールダウンを)