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あべともこニュースNo.660「「有事」を招かない対話と外交を!そして予算を。」2023,1,1発行

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2023/01/04   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース

【2023新春キューバコンサートのお誘い】

来る来月、1月21日「2023新春キューバコンサート」を開催いたします。
キューバの世界的ギタリスト、アレキサンダー・ラボルテさんをお招きして、ぜひ皆様と新年のお祝いをしたいと思います。
日時;2023年1月21日(土)14:00〜16:00(13時半開場)
場所;藤沢市労働会館Fプレイス
参加費(チケット代)
大人…3000円
高校生…2000円
中学生以下…無料
たくさんの皆様のご参加をお待ちしております!
・お問合せ等はこちらへ
阿部知子藤沢事務所;0466-52-2680
2022/12/25   abetomokojp
タグ:地元での活動/イベント

あべともこニュースNo.659「立憲主義を蔑ろにする政府はいらない」2022,12,22発行

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2022/12/22   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース

あべともこニュースNo.658「拙速な議論の前に、現前の暮らし・平和を守れ!」

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2022/12/08   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース

「家事使用人」が労働基準法の適用外であることに関する質問主意書&答弁書

家庭に雇われて家事を担ういわゆる家政婦さんは「家事使用人」と呼ばれ、労働基準法が適用されません。寝たきりの高齢者のいる家に一週間泊まり込んで家事と介護にあたった68歳の女性が仕事を終えた日に急死し、家族が労災を申請しましたが認められませんでした。国の処分取り消しを求めて起こした裁判も、今年9月に訴えが退けられました。厚生労働大臣は家事労働者の実態調査をすると言っていますが、法改正には慎重な姿勢です。「家事使用人」にも労基法を適用するよう法改正を求め、質問主意書を提出しました。

令和四年十一月二日提出

質問第二三号

「家事使用人」が労働基準法の適用外であることに関する質問主意書

提出者  阿部知子



 長時間の家事労働の末に亡くなった当時六十八歳の女性が過労死だと認められなかったのは不当だとして女性の夫が国の処分取り消しを求めた裁判で、東京地裁は二〇二二年九月二十九日、訴えを退ける判決を出した。判決によると、女性は二〇一五年に家政婦および訪問介護ヘルパーとして登録していた会社の斡旋を受け、寝たきりの高齢者がいる家庭に一週間泊まり込み、同居人の指示で介護と家事に従事した後、仕事を終えた日の夜に急死した。女性の夫は、妻がほとんど休みなく業務していたとして労災を申請したが認められず、二〇二〇年三月に国の処分取り消しを求めて提訴した。
 判決では、個人宅と直接契約を結んで家事業務を担う「家事使用人」は労働基準法第百十六条第二項の規定によって同法の適用から除外されるため、睡眠時間を除いた一日十九時間の業務時間のうち家事の時間は労働時間に算入せず、介護にあたった四時間半のみを労働時間と認定し、「過重業務していたとは認められない」とした。
 この判決を踏まえ、以下質問する。

一 加藤勝信厚生労働大臣は十月七日の記者会見で「個人の家庭の指揮命令の下で家事に従事している者は通常の労働関係と異なり、国家による監督・規制が不適当であるということで今の制度になっている。そうした考え方の経緯・実態も踏まえた検討が必要」だとして、労働基準法における家事使用人の除外規定の廃止に否定的な姿勢を示した。なぜ、個人の家庭の指揮命令の下で家事に従事している者は通常の労働関係と異なるのか。その根拠を示されたい。

 御指摘の「個人の家庭の指揮命令の下で家事に従事している者」については、その労働が、雇主の家庭内において、雇主の指揮命令の下で行われ、雇主及びその家族の私生活と密着している点で、指揮命令関係が家庭の外にある労働関係(以下「通常の労働関係」という。)とは異なるものと考えている。


二 労働省(当時)は一九八八年三月、「個人家庭における家事を事業として請け負う者に雇われて、その指揮命令の下に当該家事を行う者は家事使用人に該当しない」とする通達を出しており、家事代行サービス業者に雇用されて家庭に派遣されて家事労働に従事している場合は労働基準法が適用され、労働時間の上限規制や最低賃金の保障など、保護の対象となる。同じ家事労働に従事しているにもかかわらず、労働基準法が適用される人とされない人がいることになるが、その違いは何か。このことは憲法の定める「法の下の平等」に反するのではないかと思われる。見解を示されたい。

 御指摘の通達については、「個人家庭における家事を事業として請け負う者に雇われて、その指揮命令の下に当該家事を行う者」が、「個人家庭における家事を事業として請け負う者」の指揮命令の下で労働に従事している点で、通常の労働関係と異ならないことから、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十六条第二項の家事使用人に該当しないものとしたものである。
 これは、家事使用人については、通常の労働関係とは異なった特徴を有するものであり、国家による監督・規制が不適当である等の趣旨から、同項において、同法の適用除外とされていることを踏まえ、家事使用人に該当する者の範囲を明らかにしたものであり、「憲法の定める「法の下の平等」に反するのではないか」との御指摘は当たらないと考えている。


三 一九九三年に労働大臣(当時)の諮問機関「労働基準法研究会」が、企業に雇用される労働者が家庭で就労する場合は労働基準法の適用があることを引き合いに出し、労働基準法の適用除外とする特別の理由が乏しくなってきたとして、家事使用人の労働基準法適用除外の規定を廃止するよう提言した。その後、どのような検討がなされたのか。

 労働基準法第百十六条第二項の規定による家事使用人に係る同法の適用除外については、平成五年五月に労働基準法研究会労働契約等法制部会において「労働基準法研究会報告「今後の労働契約等法制のあり方について」」が取りまとめられた後、中央労働基準審議会就業規則等部会においても同報告を踏まえた議論が行われたが、結論には至っていない。


四 加藤厚生労働大臣は十月十四日の記者会見で、家事使用人について実態調査を実施することを明らかにした。一部報道によると、調査は十月下旬から始めるとのことだが、既に調査は始まっているのか。いつごろをめどにまとめるのか。また、誰を対象に、どのような項目で、どのような手段を用いて調査を実施するのか。外部の調査機関の利用の有無も含め、具体的に答えられたい。

 家事使用人の労働実態を把握することについては、現在、調査の開始及び取りまとめの時期、対象者、項目、手段、手法等について検討中である。


五 高齢者や働く女性が増える中、家事代行サービスの需要は伸び、マッチングアプリなどによって個人や家庭が家事労働者と直接雇用契約を結ぶケースは増加すると考えられる。すべての家事労働者が法によって保護されない社会は時代遅れであると言わざるを得ない。報道によると、国は実態調査の結果を踏まえ、来年度にも労働基準法の改正を視野に検討を始めるとのことだが、労働基準法第百十六条第二項は一日も早く削除すべきである。見解を示されたい。

 二についてでお答えしたとおり、家事使用人については、通常の労働関係と異なった特徴を有するものであり、国家による監督・規制が不適当である等の趣旨から、労働基準法の適用除外とされているところ、同法第百十六条第二項の規定の在り方については、現在の家事使用人の労働実態を踏まえつつ、慎重な検討が必要であると考えている。


六 家事労働者の労働条件や労働環境に関しては世界的にも注視されており、二〇一一年六月に国際労働機関(ILO)総会で「家事労働者の適切な仕事に関する条約(家事労働者条約)」が採択された。しかし、それから十年以上たった今も、国はこの条約を批准していない。野村総合研究所が二〇一八年三月にまとめた「家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究」によれば、家事支援サービス業の市場規模は二〇二五年には二千億円程度から最大八千億円程度にまで拡大する可能性があると推計している。国家戦略特区の家事支援外国人受入事業に限って二〇一七年から受け入れている海外からの家事支援人材は今後も増えると予想される。このような状況において、条約を批准していないのは先進国として恥ずべきことである。一日も早く批准すべきと考えるが、見解を示されたい。

 国際労働機関(以下「ILO」という。)において採択されたILO第百八十九号条約については、国内法制等との整合性について検討すべき点があることから、その批准については、慎重な検討が必要であると考えている。

 

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2022/11/29   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース

あべともこニュースNo.657「すべての人が救われる政策の実現を」2022年11月23日発行

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2022/11/22   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース

【12/10,10時〜】中村哲さん追悼記念映画上映会、開催のお知らせ

【中村哲さん追悼記念映画上映会を開催します!】

12月10日(土)10時から、寒川町民センターにて「中村哲さん追悼記念映画上映会」を開催いたします。ぜひ多くの皆様にご参加をいただけますと幸いです。

参加ご希望・お問い合わせ等は、阿部知子事務所(0466-52-2680)までお願いいたします。

詳細はこちら

 

〜中村哲さんに想う〜(開催案内チラシより抜粋)

 中村哲さんがアフガニスタンのジエララバードで銃弾に倒れてからもう三年が経とうとしています。彼の不在は多くの人に惜しまれ、大切なものを失った思いは国境を超えて共有されているはずです。
 彼の死と入れ替わるように、世界はコロナ禍に襲われ、今もそれは続いていますが、「アフガニスタンの干ばつに目もくれず、ネオンの元で暮らすあなた方の生活の結果ですよ」と中村さんからは言われそうな気がしました。中村さんはいつも虚飾を嫌い、面の言葉よりも一つの実際の行動だとその態度で示していました。
 2001年10月、世界中がアフガニスタン報復に向かい、日本もまた洋上から米軍の軍事行動を支えるために自衛隊を派遣すると言い出しました。以前から彼のアフガニスタンでの活動を知っていた私は、国会で本当のアフガニスタンのことを話してほしいと懇願しました。言葉ばかりが虚しく行き交う政治の場を嫌う彼でしたが、何とかひき受けてくれた事は、日本と日本人が平和の意味を考える大きなきっかけになったと思います。その後の中村さんはペシャワール会の活動として、何度も日本の各地に呼ばれ、心ある方々が彼の話を聞きたいと集まりました。
 亡くなられた今、中村さんの軌跡は中村さんご自身の著作を始め、日本電波ニュースの二十年来の現地取材によって私たちに伝えられています。誰もが引き込まれるあの真剣な眼差しや、はにかむような笑顔にはもう映像の中でしか出会うことができませんが、この映画を通じて、人のために働き暮らすことこそ平和、という中村さんの思いを皆さんと共有できればと思います。
                                       阿部 知子
2022/11/15   abetomokojp
タグ:地元での活動/イベント

あべともこニュースNo.656「いのちと人権を守る政策の実現を」

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2022/11/15   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース

産科医療補償制度における補償対象外となった脳性麻痺児の救済に関する質問主意書&答弁書

 2009年にスタートした産科医療補償制度は、一定の条件で脳性麻痺を発症した子どもに対して療養費が支払われる仕組みですが、これまでの審査基準には医学的合理性がないとされ、本年1月から新たな要件で審査されることとなりました。しかし、この制度によって救われる子どもがいる一方で、去年までに生まれた約500人の子どもが旧基準によって補償対象外となっています。これらの子どもたちに対して何らかの救済を求め、質問主意書を提出しました。

 

令和四年十月十九日提出
質問第二〇号

産科医療補償制度における補償対象外となった脳性麻痺児の救済に関する質問主意書

提出者  阿部知子

 


 産科医療補償制度は安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、二〇〇九年一月に創設され、日本医療機能評価機構(以下「機構」)に運営組織が置かれ、制度が始まった。
 大きな柱は(1)重度の脳性麻痺で生まれた児に対し、過失の有無にかかわらず三千万円の補償をする、(2)脳性麻痺の原因分析を行い、報告書を提供する、(3)情報分析に基づく再発防止の提言等により産科医療の質の向上を目指す、とされている。
 以降、補償実績と検証が蓄積される中、順次見直しの必要性が生じ、二〇一五年と二〇二二年に改定が行われている。特に二〇二二年改定(以下「二二年改定」)に当たっては、二〇一八年七月二十五日に産科医療補償制度運営委員会委員長より厚生労働省医政局長に対し、「補償対象基準の見直しに関する要望書」(以下「要望書」)が提出された。
 これらを踏まえ、以下質問する。

一 制度の見直しの主体について
 二〇一五年改定(以下「一五年改定」)に先立ち、二〇一四年一月二十日に開催された第七十三回社会保障審議会医療保険部会において、「日本医療機能評価機構ではなく、所管部門である医政局、厚生労働省に検討のワーキングチームをつくるべき」という旨の提案がなされ、「今後は国の検討組織で議論をする」旨、取りまとめられた経緯がある。そのため機構の要望書は「国において本制度の見直しに関する検討を早急に行うことを強く要望する」と結んでいる。
 1 この要望書に対して厚生労働省はどのように対応したのか。厚生労働省における検討の経緯を示されたい。

一の1について

 御指摘の「要望書」を踏まえ、厚生労働省においては、令和二年二月に「産科医療補償制度の見直しに関する検討について」(令和二年二月四日付け厚生労働省医政局総務課医療安全推進室及び保険局保険課事務連絡)を発出し、産科医療補償制度の運営組織である公益財団法人日本医療機能評価機構(以下「機構」という。)の理事長に対して、同制度の実績について検証を行うとともに、同制度の見直しに関する検討を進めることを依頼し、当該検討の結果を踏まえて、社会保障審議会医療保険部会において審議を行い、「二二年改定」を行ったところである。

 2 二二年改定に当たっても、厚生労働省は省内に会議体を設置せず、機構の中に有識者や医療関係団体、保険者等の関係者による検討会を設置させ、前回と同じく社会保障審議会医療保険部会に検討結果を報告させたのみであり、何ら主体的な議論を行っていない。これは社会保障審議会医療保険部会の議論を無視したばかりか、所管省庁としての責務を果たしていないのではないか。政府の見解を示されたい。
 3 産科医療補償制度は単に産科医不足の解消や訴訟回避だけが目的ではない。産科医療の質の向上はもちろん、周産期医療の体制整備、不幸にして障害を負った児の療育の在り方をも視野に入れ、安心して妊娠・出産できる環境づくりに寄与するものであると理解している。直接の所管部署は医政局のはずであるが、制度の見直しに当たって、局長あてに要望書が出されているにもかかわらず、何ら主体的関与を行っていないのはなぜか。

一の2及び3について

 産科医療補償制度の見直しに当たっては、同制度が、公正中立な運営を行う観点から、機構において医療関係団体、患者団体、保険者等の関係者の意見を踏まえて制度の検討を行い、学識経験者や医療保険者等による審議を経て定められた補償対象基準や掛金を踏まえて保険契約を締結して実施されていることに鑑み、機構において関係者の意見を踏まえて制度の見直しに関する検討を進め、厚生労働省において、当該検討の結果を踏まえた対応を行うこととしたものであるため、「所管省庁としての責務を果たしていない」及び「何ら主体的関与を行っていない」との御指摘は当たらない。

二 補償対象外とされた児の救済について
 従来、二〇一五~二〇二一年生まれは、「在胎週数二十八~三十一週で生まれた児」または「三十二週以上生まれで且つ体重が千四百g未満の児」、二〇〇九~二〇一四年生まれは、「在胎週数二十八~三十二週で生まれた児」または「三十三週以上生まれで且つ体重が二千g未満の児」については、未熟児性脳性麻痺の可能性から、個別審査が行われ、分娩中に低酸素状態にあったことが確認できない場合は補償対象外とされたが、機構において、二〇〇九年から二〇一四年までに生まれた児の審査実績を分析したところ、個別審査で補償対象外が約五十%あり、また、個別審査で補償対象外とされた児の約九十九%で「分娩に関する事象」または「帝王切開」が認められ、医学的には「分娩に関連する脳性麻痺」と考えられる事案でありながら補償対象外となっていたことが報告された。
 これを受けた二二年改定により補償対象基準が見直され、同年一月以降に生まれた児より「在胎週数二十八週以上。低酸素状況を要件とした個別審査廃止」とされた経緯がある。(二〇二〇年十二月四日産科医療補償制度の見直しに関する報告書)
 1 第六十九回社会保険審議会医療保険部会(二〇一三年)に機構から提出された資料は、二〇〇九年当時から在胎週数二十八週以降の早産児における脳性麻痺の発生率が顕著に減少していることを示している。つまり当時から医療水準は十分高かったのであり、当時から脳性麻痺の原因は未熟性ではないという知見はあった。しかし、補償申請期限は満五歳の誕生日であるため、二〇〇九年生まれの児は二〇一五年まで補償対象者が確定しないことから一五年改定の際には、確定実績に基づく検証はできなかったのである。
  実績が十分積みあがった二二年改定において、個別審査の基準には医学的合理性がないとして上記の見直しが行われたが、制度開始から現在までに、新基準に照らして補償の対象となりうる対象者はどのくらいいるのか。政府の把握しているところを示されたい。

二の1について

 お尋ねの「制度開始から現在までに、新基準に照らして補償の対象となりうる対象者」の数については、政府として把握していない。

 2 これらの児は、当初の補償基準に「医学的合理性がない」として、厚生労働省がいわば瑕疵を認めた個別審査によって補償の対象外とされたのである。ならば何らかの救済措置を講じるべきではないか。例えば、個別審査された結果、補償対象外となった児に対して、再審査請求を可能とするような救済制度を設立し、二〇二二年出生児と同条件で再審査すべきと考えるがどうか。

二の2について

 健康保険法施行令(大正十五年勅令第二百四十三号)第三十六条第一号に定める厚生労働省令で定める基準については、機構が設置する産科医療補償制度運営委員会及び産科医療補償制度の見直しに関する検討会において、その時点の医学的知見や医療水準を踏まえ、学識経験者や医療保険者等による検討が行われ、当該検討の結果を踏まえて社会保障審議会医療保険部会における審議を経て定められているところであり、その時点における適切な基準を設定していると考えている。
 その上で、産科医療補償制度は、機構と保険会社が保険契約を締結し、医療保険者が実質的に掛金を全て負担する形で実施されており、お尋ねの「救済措置」については、学識経験者や医療保険者等による審議を経て定められた補償対象基準や掛金を踏まえて締結された保険契約に定められていないため、現状においては困難であると考えている。



 3 二〇二二年五月三十日、参議院予算委員会において、岸田総理は自見はな子議員に対する答弁で、「医療保険者が実質的に掛金を全て負担するこの民間の保険制度において保険契約を事後に遡及することの是非については、運営組織と医療保険者との協議によって定められる」と述べているが、分娩の当事者である母親も本来受け取るべき出産一時金から保険料を拠出している仕組みであり、ステークホルダーである。運営組織と医療保険者だけでなく、医療関係団体、患者団体等との会議体を作り、厚生労働省医政局が主導して救済の在り方を議論すべきと考えるがどうか。

二の3について

 産科医療補償制度については、機構と保険会社が保険契約を締結し、医療保険者が実質的に掛金を全て負担する形で実施されており、その保険契約の内容については、学識経験者や医療保険者等による審議を経て定められた補償対象基準等を踏まえ、機構と保険会社において定められるべきものであると考えている。また、御指摘の「医療関係団体、患者団体等」については、機構における産科医療補償制度運営委員会等に参画しているものと承知しており、「分娩の当事者である母親」に対しては、同制度の仕組みやこれまでの見直しの内容等について機構から丁寧に説明することが重要であると考えている。

 4 二〇〇九~二〇二一年生まれの児で、個別審査で対象外とされた児たちは、原因分析すら対象外とされ、いまだに脳性麻痺の発症原因はわからないままである。しかし、低酸素状況以外の原因による分娩事故であった可能性が否定できない以上、改めて原因分析を行うべきであると考えるがどうか。

二の4について

 産科医療補償制度は、分娩に係る医療事故により脳性麻痺となった児及びその家族の経済的負担を速やかに補償するとともに事故原因の分析を行い、将来の同種事故の防止に資する情報を提供すること等により、紛争の防止・早期解決及び産科医療の質の向上を図ることを目的としており、その時点の医学的知見や医療水準を踏まえ、その時点における適切な基準に照らして、分娩に係る医療事故と認められるものに起因する一定の障害等の状態となった出生者等に対して、補償を行っているところであり、御指摘の「二○○九~二○二一年生まれの児で、個別審査で対象外とされた児たち」は、分娩に係る医療事故による脳性麻痺と認められないことから補償の対象外となった者であることから、改めて同制度において原因分析を行うことは考えていない。

 5 二二年改定に向けた制度の見直しの過程において、本制度の剰余金の使途を検討するに当たって、これを将来の掛金に充てるという方針以外に、剰余金を用いて過去に個別審査で補償対象外とされた児に対して何らかの経済的援助を新たに行うことの要否に関して審議ないしは意見交換が行われたか否かを明らかにされたい。行われたのであれば、その具体的内容(審議の時期、会合名、発言者、発言内容等)を明らかにされたい。

二の5について

 お尋ねの「剰余金を用いて過去に個別審査で補償対象外とされた児に対して何らかの経済的援助を新たに行うことの要否」について、社会保障審議会医療保険部会において審議及び意見交換は行っておらず、機構においても審議及び意見交換は行われていないと承知している。

三 分娩事故の実態について
 1 制度開始時から現在までに原因分析報告書の送付件数は何件か。またそのうち訴訟提起件数、訴外の賠償交渉は何件あったか。さらに医療側の過失が認められた場合は医師賠償責任保険等に求償する仕組みであるが、制度開始から現在まで、当該件数は何件あったのか。政府の把握しているところを示されたい。

三の1について

 お尋ねの「原因分析報告書の送付件数」については、機構において令和元年八月七日に開催された第四十一回産科医療補償制度運営委員会及び令和四年七月六日に開催された第四十七回産科医療補償制度運営委員会の資料によれば、制度開始から令和三年度末までの間における原因分析報告書の送付件数は三千百八十七件である。また、令和四年一月十九日に開催された第四十六回産科医療補償制度運営委員会の資料によれば、制度開始から令和三年十一月末までの間における原因分析報告書の送付件数のうち「訴訟提起件数」は二十五件、「訴外の賠償交渉」の件数は三十三件であり、「医師賠償責任保険等に求償」した件数については、政府として把握していない。

 2 二〇一三年五月、原因分析委員会における調査の結果、脳性麻痺を発症した百八十八件の事案のうち陣痛促進剤を使用したケース五十六件の七十七%に当たる四十三件で、日本産婦人科学会が設けた使用基準を逸脱していたことが判明している。このことは厳格に使用基準を守ることで防止できる重度の脳性麻痺がまだあることを示している。
  産科医療補償制度は医療における無過失補償制度のさきがけであり、産科以外にも制度の拡大を目指すのであれば、医療者と患者の信頼関係を損ねかねない事案は厳正に対処すべきである。厚生労働省はこれらの事案にどのように対応したのか。

三の2について

 御指摘の「原因分析委員会における調査」において判明した事案への対応については、機構の産科医療補償制度再発防止委員会が平成二十五年五月に作成した「第三回産科医療補償制度再発防止に関する報告書」において、子宮収縮薬の使用に当たっては、「インフォームドコンセントを得た上で、用法・用量を守り適正に使用する」こと等が重要であるとされており、厚生労働省においては、同報告書について、都道府県等に対し、医療機関等への周知を依頼している。

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2022/11/14   abetomokojp
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あべともこニュースNo.655「コロナ感染症を支える安心できる医療体制の確立を」

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2022/11/07   abetomokojp
タグ:国会より/ニュース
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